リョービ(5851)企業分析レポート

株価:2,794円(時価総額 912億円)/市場:プライム/セクター:非鉄金属(ダイカスト)
※本資料は公開データに基づく企業分析であり、投資勧誘・推奨を目的としません。不明な項目は記載を省略しています。

1. 企業情報

  • 概要:独立系ダイカスト専業で国内首位級。日米中欧に生産・販売拠点を持ち、自動車向けアルミダイカスト部品(シリンダーブロック、トランスミッションケース、サブフレーム、EV向け部品など)を主力に、住建機器(ドアクローザー等のビルダー・ハードウェア)、印刷機器(オフセット印刷機、スマートアシストによる自動化ソリューション)も展開。
  • 事業構成(2024.12 連結):ダイカスト88%、住建機器4%、印刷機器8%、その他0%。海外売上比率57%。
  • 拠点:広島県府中市本社。従業員7,743人。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:独立系ダイカスト専業で国内首位クラス。主要顧客は日米欧の完成車メーカー。
  • 競争優位性:
    • グローバル供給網(日本・米国・中国等)と量産対応力
    • 大型・薄肉・高品質の高圧ダイカスト技術、EV向け筐体・構造部品への適用力
    • 自動化・品質管理(真空ダイカスト等)での歩留まり・コスト管理
  • 課題:
    • エンジン系部品の需要構造変化(xEV化)への組成転換
    • アルミ地金・エネルギー価格、為替の変動影響
    • 自動車生産の景気敏感性と顧客集中リスク

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン(推察):自動車産業の電動化・軽量化トレンドに合わせ、ダイカストの大型化・高機能化を軸に収益基盤を強化。非ダイカスト分野は収益補完。
  • 重点施策(最近の開示・実績に基づく要点)
    • ダイカスト:EV向け(インバータ/モーター筐体、e-アクスルハウジング、車体構造部材)へのシフト加速。大型マシン投資、生産性改善、グローバル最適生産。
    • 印刷機器:スマートアシスト等による自動化・省人化提案で採算改善を継続。
    • 住建機器:海外展開の強化と生産性向上。
    • 財務:自己資本比率50%台を維持しつつ、設備投資とキャッシュ創出のバランス管理。
  • 通期見通し(2025/12会社計画):売上高3,050億円、営業利益117億円、純利益90億円、EPS 278.05円(据え置き)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:量産ダイカストにおける固定費吸収・稼働率が利益ドライバー。印刷機器は製品・サービス一体の提案でマージン改善。
  • 変化適応力:
    • xEV化への製品シフトと大型ダイカスト対応により、エンジン系の減少を補完する戦略。
    • 地産地消体制で為替・物流のボラティリティを緩和。
    • 省エネ溶解炉、リサイクル地金活用などコスト・環境対応の両立に取り組む。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向:高圧ダイカストの大型化、真空ダイカスト、薄肉化・高気密、高精度加工一貫体制。EV部品・車体構造向けの大型射出対応が進展。
  • 収益牽引:
    • ダイカスト:自動車向けが主軸(2025年上期、売上構成比約88%、セグメントOPM約3.7%)。
    • 印刷機器:増収・採算改善(上期OPM約7%)。
    • 住建機器:微増収・黒字化維持。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 指標(現株価2,794円)
    • PER(会社予想):10.05倍(業界平均 80.4倍)
    • PBR(実績):0.56倍(業界平均 0.8倍)
    • EV/売上(LTM):約0.43倍(EV=時価総額912億+純有利子負債約395億)
    • EV/EBITDA(LTM):約4.0倍(EBITDA約327億円ベース)
  • BPS 5,012.57円に対するPBR 0.56倍。配当利回り(会社予想)3.58%、配当性向約45%。

7. テクニカル分析

  • トレンド:株価は50日線(2,717円)・200日線(2,315円)を上回る上昇基調。
  • 位置:年初来高値2,980円に対し現値は約6%下(高値圏寄り)。
  • 出来高・需給:直近10日平均出来高が3カ月平均を上回り売買活発化。信用倍率0.11倍、売残の増加(前週比+104万株)によりイベント時のボラティリティ拡大リスクに留意。
  • 参考イベント:決算発表(2025/11/6予定)、権利落ち(2025/12/29予定)。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益の推移(百万円)
    • 売上高:201/12 198,073 → 2022/12 249,521 → 2023/12 282,693 → 2024/12 293,314 → LTM 302,421
    • 営業利益:201/12 -1,524 → 2022/12 6,969 → 2023/12 12,214 → 2024/12 9,495 → LTM 10,279
  • 収益性
    • 粗利率:LTM 約12.0%(36,239/302,421)
    • 営業利益率:LTM 約3.4〜4.2%(資料間の定義差あり)
    • EBITDAマージン:LTM 約10.8%
    • ROE:実績4.35%、ROA:LTM 1.96%
  • キャッシュフロー
    • 営業CF:LTM 156億円
    • 設備投資の増加でLTMレバードFCFは▲29億円(投資先行局面)
    • 利払い前利益/金利(カバレッジ):EBIT約131億円/ネット利息約11億円 ≒ 約11倍
  • 財政状態
    • 自己資本比率:50.2%(直近期)
    • 流動比率:1.40倍
    • 総有利子負債:約664億円、現金約269億円(純有利子負債約395億円)、D/E約0.39
  • トレンド評価
    • 売上は3年で増加(概ね回復・拡大基調)。2024→LTMは緩やか増収。
    • 利益率は改善傾向だが、原燃料・為替・製品ミックスの影響で変動。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:通期予想100円(中間50円・期末50円)、利回り約3.58%、配当性向約45%。
  • 自社株買い:自己株口0.85%(現時点規模は限定的)。
  • 方針:安定配当を基本としつつ、収益・投資とのバランスを考慮(明示方針は開示資料参照)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:52週騰落+52.15%。移動平均線上方で堅調推移。
  • 関心度:直近の出来高増加、機関・信用動向(売残増)から短期の注目度上昇が示唆されるデータ。
  • 感応度の高い要因
    • 自動車生産動向(特に日米の減産/増産)
    • アルミ地金・エネルギー価格、為替(USD/JPY)
    • EV向け受注・大型ダイカスト設備稼働の進捗
    • 会社計画(営業利益117億円等)に対する達成度とガイダンス

11. 総評

  • 事業面:自動車向けダイカストが主力。EV化・軽量化トレンドに合致する投資・製品シフトを進めており、印刷機器の採算も改善。住建機器は堅調維持。
  • 財務面:自己資本比率50%台、D/E約0.39と健全性は良好。投資先行でフリーCFは一時的に弱含む局面。
  • 収益面:粗利率・営業利益率は業界特性上ミドルシングル水準。生産量・ミックス・為替の外部要因で変動。
  • バリュエーション:PER・PBRともに業界平均を下回る水準。EV/EBITDA約4倍台。
  • テクニカル:年初来高値圏に位置し、移動平均線上で推移。需給面(信用売残増)に起因する短期変動には留意。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:B
    • 根拠:LTM売上+3%程度の増収、3年CAGRは2桁台だが足元は緩やか。
  • 収益性:B
    • 根拠:粗利率約12%、営業利益率3〜4%、EBITDAマージン1割前後。業界特性を踏まえると中位。
  • 財務健全性:A
    • 根拠:自己資本比率50%超、流動比率1.4倍、D/E約0.39、利息負担余力も十分。
  • 株価バリュエーション:A
    • 根拠:PER/PBRが業界平均を下回り、EV/EBITDAも低位レンジ。

参考データ抜粋
– EPS(予想):278.05円、BPS:5,012.57円
– ROE(実績):4.35%、自己資本比率:50.2%
– 2025年上期(累計):売上1,537億円、営業利益60億円、親会社純利益44億円
– 配当(予想):100円、配当性向:約45%
– 主要イベント:決算 2025/11/6、権利落ち 2025/12/29

(出所:提供データ、決算短信要約等)


企業情報

銘柄コード 5851
企業名 リョービ
URL http://www.ryobi-group.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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