8362 福井銀行 分析レポート(プライム・銀行業)
注記
– 本資料は公開情報とご提供データに基づく客観的な企業分析であり、投資助言を行うものではありません。
– 一部指標は銀行特有の会計・表示(経常収益、短信方式の自己資本比率等)であり、一般事業会社の指標とは解釈が異なります。
– 不明な項目は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要と事業内容
- 福井県を地盤とする地域銀行。石川・富山にも展開。1899年創業。
- 預金・貸出・国内外為替・有価証券運用・リース等の総合金融サービスを提供。
- 2024年10月に福邦銀行を完全子会社化、2026年5月に合併予定(経営統合関連費用を先行計上)。
- バランス構成(2025.3、連結)
- 資金サイド:定期27%、普通59%、当座8%、他6%
- 資産サイド:現・預け金22%、有価証券24%、貸出金52%、他2%
- 融資構成:中小企業向け67%、住宅・消費者向け29%
- ガバナンス
- 代表執行役頭取:長谷川 英一(2026年3月期1Q短信記載)
- 規模感
- 総資産:4兆3,159億円、純資産:1,427億円(2025/6末、短信)
- 時価総額:約515億円、発行株式数:2,414万株
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 北陸エリアの中位地銀。福邦銀行との統合により福井県内でのプレゼンス強化、石川・富山での営業基盤拡大が見込まれる。
- 競争優位性と課題
- 優位性:地域密着の貸出・預かり基盤、住宅・中小企業融資に強み。低β(0.23)で株価ボラティリティが低い点はディフェンシブ性の一端。
- 課題:金利上昇局面で預金コストも上昇しやすく、NIM拡大には限界。統合に伴うシステム・人員の重複コスト吸収が短期的な収益圧迫要因。有価証券運用の市場変動リスク。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(短信要旨)
- 2026年5月の合併を見据え、システム共通化・営業体制統合・口座移管等を進める。統合関連投資を先行計上しつつ、中長期のスケールメリット確保を目指す。
- 重点分野
- 収益面:貸出金利回りの改善、役務取引収益(手数料)の積み上げ、有価証券ポートフォリオの見直し。
- コスト面:統合によるシステム・バックオフィス効率化。
- リスク面:金利・市場リスク管理の強化、与信管理(金融再生法開示債権 比率1.59%、2025/6末)。
- 業績予想の考え方
- 1Qは中間予想を上回る一部項目があるが、統合関連費用の計上を見込んで通期予想は据え置き。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:預金を原資とした貸出利鞘+役務収益+有価証券運用益。地域密着のSME・住宅分野に厚み。
- 変化適応力:金利上昇下で貸出利回り改善を図る一方、預金金利上昇で調達コストも増。統合でのスケールメリット・デジタル活用により、手数料・非金利収益の拡大が鍵。
- リスク耐性:有価証券評価や売買損益の変動、与信コスト、統合費用の一時増を受け止められる収益基盤の強化が中期課題。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・投資動向
- 合併に向けた基幹系システム投資・共通化が進行中。統合効果による運営効率の改善が見込まれる。
- 主力領域
- 融資:中小企業向けが約7割、住宅ローン等が約3割。
- 役務・その他:振込・決済、投信・保険販売等の手数料収益。有価証券運用(国債・株式等)の見直しを継続。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 足元の指標(株価 2,142円)
- PER(会社予想EPS 190.05円):約11.3倍(業界平均10.7倍に近接)
- PER(LTM EPS 309.06円):約6.9倍(過去実績ベースでは低位)
- PBR(BPS 6,016.7円):約0.36倍(業界平均0.4倍を下回る水準)
- 配当利回り(予想):約2.72%(5年平均3.10%に比べ低め、株価上昇の影響)
- 参考比較(単純比較、仮定)
- 業界平均PBR 0.4を適用した株価想定:≈2,407円(=0.4×BPS)
- 業界平均PER 10.7×会社予想EPS:≈2,038円
- 注:将来業績・資本政策・金利環境等で乖離し得るため、目安値に過ぎません。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 直近終値:2,142円。50日線2,044円、200日線1,858円の双方を上回る上昇トレンド。
- 52週高値2,175円(10/27)に接近(約1.5%下)。年初来安値1,371円。
- 需給・モメンタム
- 信用買残21.98万株、信用倍率8.97倍(買い越し拡大)。短期的な価格変動要因となり得る。
- 出来高は3カ月平均(約3.8万株)並み〜やや上回る推移。直近10日で高値圏のもみ合い。
8. 財務諸表分析
-
増収・増益傾向(LTMベース)
- 経常収益:56,122百万円(FY2024 50,936 → LTM +約10%)
3年で約42,649 → 56,122(CAGR約+9〜10%)
– 税引前利益:8,813百万円(FY2024 5,480)
– 親会社株主純利益:7,166百万円(FY2024 3,717 → LTMで大きく改善)
– 1株利益(EPS):309.15円(FY2024 160.96円)
– 収益性
– ROE:実績5.27%(短信ベース1Q年換算では約2%と季節性あり)、ROA:0.14%(LTM)
– 経常利益率(1Q):約23.5%(経常利益/経常収益)
– 財政状態・流動性(銀行勘定)
– 自己資本比率(短信方式):3.1〜3.3%(BIS規制比率とは異なる尺度)
– 現・預け金:8.9兆円、貸出金:23.7兆円、有価証券:9.6兆円(いずれも2025/6末、百万円換算)
– 金融再生法開示債権:総与信比1.59%(2025/6末、改善傾向)
– キャッシュフロー
– 1QのCF計算書は作成なし(短信注記)。減価償却費は年換算で約16〜17億円規模。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期:年58円(中間25・期末33)実績
- 2026年3月期:年58円(中間29・期末29)予想(据え置き)
- 配当性向
- 実績ベース:約18.8%(58円/ LTM EPS 309円)
- 予想ベース:約30%(58円/ 予想EPS 190円)
- 自己株式
- 期末自己株式数:445,306株(2026年3月期1Q)。新規の自己株買いプログラムに関する明記はデータ内に無し。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率+18.5%、株価は移動平均線上で推移し年初来高値圏。短期はレンジ上限(2,150〜2,175円)での攻防。
- 投資家関心
- 信用買い残の増加(前週比+1.32万株)や信用倍率の高まりは個人中心の関心を示唆。イベントとして決算・統合進捗が注目材料。
- 影響要因
- 金利動向(NIMと預金ベータ)、統合コストとシナジーの顕在化、有価証券評価差の変動、与信費用の動き。
11. 総評
- 成長面では、貸出利回り改善や手数料収益、運用見直し効果で増収基調。LTMでは利益水準も回復。
- 一方で、2026年5月の合併に向けた統合関連費用を織り込む通期予想(EPS 190円)となっており、短期的な減益見通し。
- バリュエーションはPBR0.35倍と帳簿価値対比で同業平均(0.4倍)をやや下回る水準。PERは予想ベースで業界平均近辺、実績ベースでは低位。
- テクニカルは上昇トレンドかつ高値圏での推移。信用買い越しはモメンタムの裏付けである一方、短期の値動きには留意が必要。
- 中期的には、統合によるスケールメリット、コスト効率化、非金利収益の強化が鍵。市場金利や有価証券評価、与信、統合コストの管理が重要な変数。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上(経常収益)+約10% YoY、3年CAGR約+9〜10%。
- 収益性:B
- ROE 4〜5%台、1Q経常利益率約23%と改善も、地銀平均並水準と評価。
- 財務健全性:B(中立)
- 銀行特有の低自己資本比率(短信方式3%台)。BIS規制比率データが不明のため中立評価。
- 株価バリュエーション:B
- PBRは業界平均(0.4倍)を下回る一方、PER(予想)は業界平均近辺。総合して中立。
参考データ(主な数値)
– 株価:2,142円、時価総額:約515億円
– 予想EPS:190.05円、実績BPS:6,016.7円
– 予想PER:約11.23倍、PBR:約0.35倍
– 予想配当:年58円(利回り約2.72%)、実績配当性向約18.8%(予想ベース約30%)
– 52週高値:2,175円、安値:1,371円、β:0.23
– 主要イベント:決算(2025/8上旬予定)、権利落ち予定日(2026/3/30)
必要に応じて、統合シナジーの数量効果、NIM・与信費用の推移、有価証券ポートフォリオ(デュレーション・含み損益)など、追加の深掘りも対応可能です。
企業情報
| 銘柄コード | 8362 |
| 企業名 | 福井銀行 |
| URL | http://www.fukuibank.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 銀行 – 銀行業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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