松風(7979)企業分析レポート
注記:本資料は公開情報の整理であり、投資判断や助言を行うものではありません。不明点は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要:歯科材料・器具の大手メーカー。人工歯、研削材(研磨材)で国内高シェア。CAD/CAM対応のセラミックスやレジン、歯科用セメント、予防・矯正材料、歯科用セラミックス・間接用コンポジット、人工歯、補綴(クラウン・ブリッジ、デンチャー、インプラント修復)向け材料を展開。ネイル事業や工業用研磨材も保有。
- 事業構成(連結):デンタル関連94%(営業利益率 約15%)、ネイル関連6%(赤字)、その他0%(黒字小)。海外売上比率59%(2025/3期)。
- 上場区分:東証プライム(精密機器)
- 本社:京都市東山区
- 従業員:1,432人、平均年齢43.1歳、平均年収810万円
- 主要イベント:
- 決算発表予定:2025/7/31〜8/4
- 権利落ち日(予定):2026/3/30
- 2024/10/1に1:2の株式分割実施
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:歯科材料に特化した専業系メーカーで、人工歯・研削材で高い国内シェア。海外展開は欧米・中国・アジアに広がり、海外比率59%とグローバル化が進展。
- 競争優位性:
- 研削・研磨技術と歯科材料の材料技術(セラミックス、レジン)に強み
- CAD/CAM関連の製品ラインナップ(デジタル歯科対応)
- 高い自己資本比率と安定財務基盤
- 課題:
- ネイル事業のコモディティ化と価格競争
- 欧州・一部アジアでの需要軟化、為替変動の影響
- デジタル歯科の技術進化スピードへの継続対応
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(短信等より):
- 主力のデンタルでCAD/CAM関連を中心に製品強化
- 海外市場の開拓深化(中国堅調、欧州・アジアの回復を見据えた対応)
- 重点施策:
- デンタル:国内はCAD/CAM材料の伸長、海外は地域別需要差に対応し製品ポートフォリオ最適化
- ネイル:ブランド育成・製品入替で収益性改善を目指す
- 業績予想(2026/3期 会社計画):
- 売上高 408.8億円(前期比+5.6%)
- 営業利益 52.4億円(同-2.9%)
- 親会社純利益 47.0億円(同+8.9%)
- EPS 132.28円
- 中期計画の数値目標は短信に明記なし
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:修復材・補綴材など消耗・更新需要に支えられるストック性の高い収益基盤。CAD/CAMなどの新領域で単価・付加価値の上乗せ余地。
- 需要動向:高齢化や口腔ケア意識の向上、デジタル歯科の普及が中長期の追い風。一方で為替、地域景気、医療制度の影響には感応。
- 適応力:製品多角化と高い研究開発力、海外販売網で需要変動に対応。ネイル事業の再構築が課題。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:セラミックス・レジンの材料設計、研削・研磨技術、バイオアクティブ系コンポジットなど。CAD/CAM対応材料の拡充。
- 収益ドライバー:デンタル(とくにCAD/CAM関連、セラミックス・レジン、研削材)。ネイルは収益押し下げ要因。
6. 株価の評価(バリュエーション比較)
- 前提:株価1,871円、EPS(会社予想)132.24、BPS 1,195.87、業界平均PER 21.1、業界平均PBR 1.8
- 現状指標:
- PER=1,871÷132.24=約14.15倍(業界平均比:約-33%)
- PBR=1,871÷1,195.87=約1.56倍(業界平均比:約-13%)
- 配当利回り(予想)=2.83%、配当性向 約40%
- 参考計算(単純比較):
- 業界平均PER適用の参考株価=132.24×21.1=約2,790円
- 業界平均PBR適用の参考株価=1,195.87×1.8=約2,153円
- 補足:EV/EBITDAは純有利子負債情報不足のため省略
7. テクニカル分析
- 52週レンジ:1,790〜2,320円。現在値1,871円は安値圏に近く、高値から約-19%。
- 移動平均:
- 50日線:1,958.6円(現値との差:約-4.5%)
- 200日線:2,044.0円(現値との差:約-8.5%)
- 両移動平均を下回る位置でモメンタムは弱め。
- 直近10日:終値は1,960円台から1,860円台へ下落基調。10/30出来高は244.6千株と3カ月平均(約85.6千株)の約2.9倍で出来高増加。
- 信用需給:信用倍率5.78倍(買い残優位)。短期的な価格変動に影響しうる。
8. 財務諸表分析(過去推移とLTM)
- 売上高推移:281億円(2022/3)→317億円(2023/3)→351億円(2024/3)→387億円(LTM)
- 3年CAGR:約+11.2%
- 収益性(LTMベースの概算):
- 粗利率=22,991/38,698=約59.4%
- 営業利益率=5,392/38,698=約13.9%
- 当期純利益率=4,317/38,698=約11.2%
- EBITDAマージン=7,230/38,698=約18.7%
- 第1四半期営業利益率:約15.7%(短信)
- 効率・資本:
- ROE(実績):約10.27%(参考:過去12カ月 9.6%)
- ROA(過去12カ月):約6.62%
- 安全性:
- 自己資本比率:85.2%(2025/3末、6/30は84.8%)
- 流動比率:約5.0倍(6/30)
- 現金同等物:99.6億円(6/30)
- 有利子負債は小さく、利払い負担は限定的(利息費用1.7億円規模)
- トレンド:
- 粗利率は中期的に高水準で安定(約57〜60%)
- 営業・純利益率は段階的に改善傾向(2022→LTM)
9. 株主還元と配当方針
- 配当(会社予想):年間53円(利回り約2.83%)、配当性向約40%
- 5年平均利回り:1.85%(現状はそれを上回る水準)
- 自己株式:発行済の約0.68%保有(買戻し方針の明記はなし)
- 株式分割:2024/10/1に2分割
- 主要株主:三井化学が約20%(戦略持分)、機関投資家の保有も一定
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス:52週騰落は約-18.1%(市場平均比で劣後)
- ボラティリティ:5年β0.28(市場連動性は低位)
- 直近:出来高増加と価格下落が併存。決算・見通し、為替動向、欧州・アジア需要、ネイル事業の動向が株価感応要因。
11. 総評
- 事業面:デンタル材料の専業強みとCAD/CAM対応の拡充、海外売上比率の高さが特徴。ネイルの収益化が課題。
- 財務面:高い自己資本比率と厚い流動性で安全性は高い。利益率は中期的に改善傾向。
- バリュエーション:PER・PBRともに業界平均を下回る水準。配当性向は約40%で安定配当の余地。
- 株価・テクニカル:移動平均を下回り、安値圏に近い位置。短期モメンタムは弱い一方、出来高は増加。
- 注目ポイント:通期計画に対する進捗、欧州・アジアの需要回復、為替影響、ネイルのテコ入れ、CAD/CAMなど高付加価値製品の伸長度合い。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+約10% YoY、3年CAGR約+11%
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約59%・営業利益率約14%と良好(業界水準を上回るレンジと評価)
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約85%、流動比率約5.0倍、低D/E
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER・PBRとも業界平均を下回る水準(赤字でないためPER指標有効)
参考データ(抜粋)
– 株価関連:株価1,871円、時価総額669.6億円、発行済3,578.8万株、予想配当53円
– 指標:PER 14.15倍、PBR 1.56倍、ROE 10.27%、自己資本比率 85.2%
– 52週高安:2,320円 / 1,790円、50日線 1,958.6円、200日線 2,044.0円
– 業績(LTM):売上386.98億円、営業利益53.92億円、純利益43.17億円、EBITDA72.30億円
– セグメント(Q1):デンタル売上896.5億円(注:単位百万円=89.65億円)、同営業益15.35億円/ネイル売上5.18億円・営業損0.42億円
(注)数値は原則として提供データに基づき、四捨五入等により一部に差異が生じる場合があります。
企業情報
| 銘柄コード | 7979 |
| 企業名 | 松風 |
| URL | http://www.shofu.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。