証券コード: 160A
企業名: アズパートナーズ
1. 企業情報
株式会社アズパートナーズは、東京都に本社を置く「シニア事業」と「不動産事業」を主軸とする企業です。
「シニア事業」では、介護付き有料老人ホームの運営を中心に、デイサービスやショートステイといった介護サービスを提供しています。
「不動産事業」では、介護施設(老人ホーム)の開発を手掛けるほか、老朽化した不動産(マンションなど)の再生、賃貸マンションの運営なども行っています。特に、介護施設の開発・販売が売上に大きく寄与することがあります。
2025年3月期の業績予想に基づく事業構成比は、シニア事業が売上高の約77%、不動産事業が約23%を占めます。
2. 業界のポジションと市場シェア
アズパートナーズの主力であるシニア事業は、日本社会の高齢化進行に伴い、安定した需要拡大が見込まれる介護市場に属しています。特に介護付き有料老人ホームは、高齢者とその家族にとって需要の高いサービスです。
業界全体としては、競争が激しいものの、高齢化の進展は企業にとって成長機会となります。一方で、介護業界全体が抱える構造的な課題として、介護職員の人材確保と人件費の安定が挙げられます。労働力不足は、サービス提供体制の維持・拡大における主要な課題です。同社も決算短信にて人材確保をリスク要因として挙げています。
不動産事業は、シニア向け開発に強みを持つ点で niche な市場を形成していますが、不動産市況や金利動向といった外部環境の影響を受けやすい特性があります。
具体的な市場シェアに関するデータは開示されていませんが、高齢者向けサービスの需要拡大という社会トレンドは、同社の事業基盤にとって追い風となる要素です。
3. 経営戦略と重点分野
同社は「世代を超えた暮らし提案型企業」を企業使命として掲げています。これは、シニア事業と不動産事業を連携させ、多世代にわたる顧客のライフステージに合わせた生活支援や住環境の提供を目指すというビジョンを示唆しています。
中期経営計画の具体的な数値目標や施策に関する詳細な記載は、今回の情報には明確に示されていません。ただし、介護付きホームのリプレイスや新規開発、賃貸物件の取得・売却を通じて収益構造の安定化を図りながら、事業規模を拡大していく方針と推測されます。
4. 事業モデルの持続可能性
アズパートナーズの事業モデルは、高齢化社会という長期的な市場ニーズに対応するシニア事業を基盤とし、そこに不動産開発・再生を組み合わせることで収益の多様化を図っています。
シニア事業は、介護報酬改定や人件費変動などの影響を受けつつも、安定したサービス収入が期待できるストック型ビジネスの要素を含みます。稼働率の維持・向上、コスト管理が重要です。
不動産事業は、シニア向け施設開発・販売が主な収益源であり、物件の売却タイミングによって業績が大きく変動するフロー型ビジネスの側面を持ちます。これにより、四半期ごとの売上や利益が大きく変動する可能性があります。
高齢化の進展は今後も続き、介護サービスのニーズは高まる一方であるため、シニア事業の市場適応力は高いと言えます。不動産事業においては、市場の変動への迅速な適応と、安定的な開発案件の確保が持続可能性の鍵となります。
5. 技術革新と主力製品
同社の主要な収益源は、シニア事業における介護付き有料老人ホームの運営と、不動産事業におけるシニア向け開発案件(土地建物販売)です。
シニア事業: 介護付きホームは29事業所を展開し、既存事業所の稼働率は94.2%と高い水準を維持しています。安定的な顧客契約収益がこの事業の柱です。
不動産事業: シニア開発案件の土地建物販売が、特に直近の売上高を大きく牽引しています。2026年3月期第1四半期決算では、不動産販売が前年同期比で大幅に増加し、全体の売上高・利益を大きく押し上げました。
現時点での情報からは、同社における「技術革新」に関する具体的な取り組みや独自の技術開発については詳細な情報は見られません。
6. 株価の評価
現在の株価2,890.0円に基づき、以下の指標を評価します。
* PER(会社予想): 9.70倍
* PBR(実績): 2.08倍
* EPS(会社予想): 297.82円
* BPS(実績): 1,388.82円
株価をEPSで割ると 2,890円 ÷ 297.82円 ≒ 9.70倍となり、会社予想PERと整合します。
株価をBPSで割ると 2,890円 ÷ 1,388.82円 ≒ 2.08倍となり、実績PBRと整合します。
業界平均PER 15.0倍と比較すると、現在のPER 9.70倍は割安感がある水準です。
業界平均PBR 1.2倍と比較すると、現在のPBR 2.08倍は割高感がある水準です。
PERは業界平均より低い一方で、PBRは業界平均よりも高い状況です。高いROEの水準を考慮すると、PBRが高くなる傾向が見られることもあります。
7. テクニカル分析
現在の株価は2,890.0円です。
* 年初来高値:3,550円
* 年初来安値:1,550円
* 52週高値:3,550円
* 52週安値:1,550円
現在の株価は、年初来高値(52週高値)からは約18.6%低い水準にあります。
* 50日間移動平均線:3,189.00円
* 200日間移動平均線:2,427.18円
現在の株価は50日間移動平均線を下回っていますが、200日間移動平均線よりは高い位置にあります。直近10日間の株価推移を見ると、3,265円から2,890円へと下降傾向にあり、短期的には下落の勢いが見られます。
8. 財務諸表分析
売上高:
過去数年にわたり売上高は着実に増加しています。
– 2022年3月期: 11,518百万円
– 2023年3月期: 12,782百万円 (+11.0%)
– 2024年3月期: 17,150百万円 (+34.2%)
– 過去12か月: 17,917百万円 (+4.47% 対2024年3月期)
2026年3月期 第1四半期の売上高は8,991百万円と、前年同期比で+125.5%の大幅増収を達成しており、特に不動産事業の貢献が大きいです。
利益:
利益も改善傾向にあります。
– 過去12か月の営業利益: 1,305百万円、純利益: 956百万円。
– 2026年3月期 第1四半期の営業利益は1,413百万円、純利益は1,000百万円と、前年同期の赤字から黒字に転換し、通期の営業利益予想1,460百万円の大部分を第1四半期で達成している点が注目されます。これは不動産販売の計上タイミングに起因すると考えられます。
ROE・ROA:
– ROE(実績): 29.23% と非常に高い水準です。これは株主資本を効率的に活用して利益を生み出していることを示唆します。第1四半期ベースでも20.1%と高いです。
– ROA(過去12か月): 4.37% です。
キャッシュフロー:
– 営業キャッシュフロー(過去12か月): 775.63百万円とプラスを維持しています。
– Levered Free Cash Flow(過去12か月): -7.54B円と大きなマイナスであり、投資活動によるキャッシュアウトフローが大きい可能性があります。これは新規事業所の開発や不動産投資などに伴う支出が影響していると考えられます。
財務健全性:
– 自己資本比率(実績): 19.4%。2026年3月期 第1四半期末時点では25.8%に改善しましたが、一般的に財務の健全性を示す目安とされる40%と比べると低い水準にあります。
– 流動比率(直近四半期): 1.83倍 (183%)。第1四半期末時点では148.3%と、短期的な支払い能力は比較的良好です。
– 総負債/自己資本比率(D/E比率、直近四半期): 223.63% (約2.24倍)。第1四半期末時点での負債比率は287%と、負債が純資産に対して高水準であり、財務レバレッジが高い状態を示しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 2.25% (株価2,890円、1株配当65円で計算)
- 1株配当(会社予想): 65.00円
- 配当性向(会社予想): 20.63%
2026年3月期は、年間配当を65円と予想しており、2025年3月期の実績55円から増配の計画です。配当性向は20%台と、利益の一部を株主還元に充てる方針が見られますが、成長投資も重視していると考えられます。自社株買いに関する情報は開示されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価は過去52週間で+63.82%と、S&P500の騰落率を大きく上回るパフォーマンスを見せています。これは、投資家の関心が高いことを示唆します。
しかし、直近10日間の株価は3,265円から2,890円まで下落しており、短期的には下降モメンタムが見られます。本日の出来高は48,300株と、過去10日の中でも比較的多く、市場の取引が活発であったことを示します。
信用買残は121,100株に対して、信用売残は0株であり、信用倍率は0.00倍となっています。これは売り圧力が低い一方で、買方のポジションが多く決済売りが出た場合に株価に影響を与える可能性があります。
株価への影響要因としては、高齢化社会の進展によるシニア事業の成長期待、不動産販売のタイミングと市況、金利動向、介護報酬改定、そして人材確保の状況などが挙げられます。
11. 総評
アズパートナーズは、高齢化社会という明確な市場ニーズを捉え、安定的なシニア事業と成長牽引役となる不動産事業の二つの柱で事業を展開しています。過去数年の業績は、売上高・利益ともに着実に成長しており、特に2026年3月期第1四半期は不動産販売が大きく寄与し、大幅な増収増益を達成しました。
株価バリュエーションでは、PERが業界平均と比較して割安感がある一方で、PBRは割高感が見られますが、高いROEを維持している点は評価できます。財務健全性においては、自己資本比率が低く、負債比率が高い点が課題として挙げられますが、直近では自己資本比率の改善傾向が見られます。
直近の株価は短期的に下落傾向にありますが、52週スパンで見ると高いパフォーマンスを示しており、市場からの関心は依然として高いと考えられます。今後の株価は、不動産事業の売上計上タイミングや、シニア事業の成長性(特に稼働率や新規事業所展開)、そして財務体質の改善、人材確保の状況といった要因に影響される可能性があります。
12. 企業スコア
- 成長性: S
- LTM売上成長率が4.47%であり、2026年3月期予想売上高成長率が+33.2%、第1四半期の売上高は前年同期比+125.5%と非常に高水準の成長を示しています。特に不動産事業が牽引しており、今後もシニア市場の拡大が見込まれます。
- 収益性: A
- 過去12か月の営業利益率は7.28%、第1四半期は15.7%と良好な水準です。ROEは29.23%と非常に高く、効率的な資本活用ができていることを示しています。サービス業としては高い収益性を有しています。
- 財務健全性: C
- 自己資本比率が19.4%(実績)、第1四半期末で25.8%と、一般的な目安とされる40%には達しておらず、まだ低い水準です。総負債/自己資本比率も223.63%と、負債の割合が高い点が懸念材料です。流動比率は148.3%と悪くありません。
- 株価バリュエーション: A
- PER(会社予想)が9.70倍であり、業界平均PER15.0倍と比較すると割安感があります。PBR(実績)は2.08倍で業界平均PBR1.2倍よりは高いものの、高い成長性とROEを考慮すると、現在の水準は割安と判断できます。
企業情報
| 銘柄コード | 160A |
| 企業名 | アズパートナーズ |
| URL | https://www.as-partners.co.jp |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。