東京製綱(5981)企業分析レポート
株価: 1,456円(時価総額: 約236.9億円)
市場区分: 東証プライム/金属製品(33業種)・建設・資材(17業種)
決算期: 3月/直近四半期: 2025年6月期1Q
1. 企業情報
- 概要
- 1887年創業のワイヤロープ国内最大手。クレーン・エレベーター・林業・水産・索道向けのワイヤロープ、送配電・通信向けの亜鉛めっき線・より線、タイヤ補強用スチールコード、炭素繊維複合ケーブル(CFCC)などを国内外で製造販売。
- 橋梁・構造ケーブル、落石防護網などの道路安全施設、遮音壁等の環境保全製品、産業機械、金属繊維も展開。
- 主要セグメント(売上構成の目安:2026年3月期1Q)
- 鋼索鋼線関連(約49%):主力・高採算
- スチールコード関連(約7.7%):タイヤ向け中心
- 開発製品関連(約24.8%):防災・橋梁・CFCC等
- 産業機械関連(約6.4%)
- エネルギー不動産関連(約11.8%)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内ワイヤロープの最大手。橋梁・鉱山・クレーン用途などで歴史と実績があり、技術・品質・安全の面で高い参入障壁がある分野に強み。
- 競争優位性
- 長年の適用実績・設計力・品質管理に基づく信頼性。
- CFCCに代表される軽量・耐食の新素材展開。
- 課題
- スチールコード分野は海外メーカーの参入で数量・価格面の競争が強まる傾向(1Qは営業赤字)。
- 防災・インフラ分野は公共発注時期の影響を受けやすい(発注の遅れ等)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(短信等からの要旨)
- 価格改定の定着と操業コスト低減で収益性の底上げ。
- 需要分野の拡大(橋梁・海外防災・CFCC等)と高付加価値比率の向上。
- 重点施策(中計に相当する取り組みの方向性)
- CFCC・橋梁ケーブルなど複合材料・インフラ向けの伸長。
- スチールコード事業の収益改善(製品ミックス最適化、コスト抑制)。
- 国内防災の発注時期平準化に向けた案件開拓、海外案件の獲得。
- 価格改定と原材料動向の適切な転嫁、サプライチェーン効率化。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源
- 主力の鋼索鋼線が利益を牽引。インフラ・防災・橋梁関連は中長期の需要基盤がある一方、案件の期ズレが利益変動要因。
- スチールコードは景気・自動車生産・海外競争の影響を受けやすい。
- 適応力
- 価格改定・コスト低減の進展が確認され、CFCC等の新素材で構造的な付加価値向上を狙う構図。
- ただし、運転資本負担(流動比率1.14倍)や受注期ズレ、原材料・為替の影響には留意が必要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- CFCC(炭素繊維複合ケーブル):軽量・高耐食で橋梁・インフラ向けに展開。金属ケーブルの課題(重量・腐食)を補完。
- ワイヤロープ設計・施工・検査の一体対応力。
- 収益牽引
- 1Q実績では鋼索鋼線が営業利益の大半を創出(営業利益率約9.8%)。開発製品は増収・損益均衡付近、スチールコードは赤字。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現株価1,456円ベース)
- 予想EPS: 205.23円 → 予想PER: 約7.09倍
- 実績BPS: 2,322.15円 → PBR: 約0.63倍
- 予想配当: 65円 → 予想配当利回り: 約4.46%(配当性向 約31%)
- EV/EBITDA(概算): EV ≒ 236.9 + 243 – 59.4 = 約420億円、EBITDA ≒ 60.8億円 → 約6.9倍
- EV/売上(概算): 約0.67倍
- 相対評価
- 業界平均: PER 17.5倍、PBR 0.7倍
- 同社はPER・PBRとも業界平均を下回る水準。
7. テクニカル分析
- 位置取り
- 50日移動平均: 約1,473円、200日移動平均: 約1,324円。
- 現在値は50日線をやや下回り、200日線は上回る水準。52週高値1,550円に対して約6%下。
- 直近の値動き
- 10日間は1,435〜1,502円レンジでの推移。直近はやや軟化。
- 信用倍率9.75倍(買い残15.4万株、売り残1.58万株)と、信用買い優勢。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益の推移(連結、百万円)
- 売上高: 67,135(2023/3)→ 64,231(2024/3)→ 62,867(LTM)
- 営業利益: 3,306 → 3,901 → 3,585
- 当期純利益: 3,783 → 2,040 → 3,247
- EBITDA: 5,932 → 4,998 → 6,081
- 収益性(LTM概算)
- 粗利率: 約22.0%
- 営業利益率: 約5.2〜5.7%
- 当期純利益率: 約5.2%
- 1Q(2025/4-6)では売上-3.3% YoYだが、価格改定・コスト低減で営業増益。
- 効率・資本
- ROE(実績): 9.11%、ROA(LTM): 2.69%
- 自己資本比率: 42.0%
- D/E(総負債/資本): 約1.40倍、Debt/Equity(簿価): 67.1%
- 流動比率: 1.14倍
- コメント
- 近年の売上は横ばい〜微減だが、利益水準はコスト対策で持ち直し。スチールコードの損益と案件時期が変動要因。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2026年3月期会社予想: 年間65円(中間25円、期末40円)
- 予想配当性向: 約31%
- 過去5年平均利回り: 約4.02%
- 自社株買い
- 足元で公表された自社株買いの開示は確認できず(自己株保有は約3.4%)。
- 基本姿勢
- 安定配当を志向する水準感(短信記載ベースの配当予想に変更なし)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率: 約+30%。
- 直近は50日線近辺でのもみ合い。出来高は3カ月平均約4.1万株、10日平均約3.9万株で概ね並水準。
- 投資家関心
- 大株主: 日本製鉄(約19.9%)ほか。インサイダー保有比率約33%、機関投資家保有約8.7%。
- フリーフロートが限定されやすい構成で、流動性は需給の影響を受けやすい。
11. 総評
- 主力の鋼索鋼線が安定収益源で、価格改定・コスト低減が進展。CFCC・橋梁・海外防災など高付加価値分野の伸長が中期の柱。
- スチールコードは競争環境が厳しく、損益改善が課題。防災・インフラは発注時期の影響を受けやすい。
- 財務は自己資本比率42%と一定の健全性。流動比率1.14倍や有利子負債水準はモニター対象。
- バリュエーションはPER・PBRとも業界平均を下回る水準。配当利回りは会社予想で約4.5%。
(注)本資料は情報提供を目的としたもので、投資勧誘・助言を行うものではありません。業績・株価には原材料・為替・需要変動・受注時期等の影響があり、実績は予想と異なる可能性があります。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: C
- 根拠: LTM売上高は前年・3年CAGRとも微減(YoY約-2.1%、3年CAGR約-0.5%)。
- 収益性: B
- 根拠: 粗利率約22%、営業利益率約5%台。業界平均情報が限定的なため中立評価。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率42%と一定水準。D/E約67%、流動比率1.14倍だが総合的に良好寄り。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: PER約7.1倍、PBR約0.63倍と業界平均(PER17.5倍、PBR0.7倍)を下回る水準。EV/EBITDA約6.9倍。
参考データ・イベント
– 2026年3月期1Q決算(提出日: 2025/8/12)
– 今後の主な予定
– 決算発表予定(次回目安):2025年8月6日〜8月12日(済)
– 権利落ち予定日:2026年3月30日(予定)
– ティッカー・基本指標(要点)
– ROE: 9.11%、自己資本比率: 42.0%、予想配当利回り: 約4.46%、Beta: 0.91、信用倍率: 9.75倍
必要に応じて、最新の決算説明資料・有価証券報告書・適時開示で追加確認してください。
企業情報
| 銘柄コード | 5981 |
| 企業名 | 東京製綱 |
| URL | http://www.tokyorope.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。