西日本フィナンシャルホールディングス(7189)企業分析レポート

株価(本日終値): 2,637円
時価総額: 3,860億円
市場区分: 東証プライム(銀行業)

1. 企業情報

  • 概要: 西日本フィナンシャルホールディングス(以下、西日本FH)は、西日本シティ銀行・長崎銀行を中心に、信用保証、カード、証券、情報システム、データ分析、人材サービス等を傘下に持つ地域金融グループ。九州リース(リース関連)もグループに含む。福岡県を基盤に、九州全域(宮崎・大分含む)へ展開。海外は中国、香港、シンガポールにも拠点。
  • 顧客セグメント: 中小企業・法人・個人。事業承継、スタートアップ支援、事業再生、LBO/MLBO、船舶・航空機・不動産ファイナンス等のソリューションを提供。個人向けには住宅/消費者ローン、NISA・投信の積立提案、相続・遺言信託等。
  • デジタル: Nishi-Nippon City Bank App(口座開設、カードローン/投信、スマホATM、外貨預金等)、NCB Business Station(法人向けの金融・非金融取引プラットフォーム)、キャッシュレス決済など。
  • バランスシート構成(参考・2025/3時点の構成比)
    • 資金調達: 普通預金69%、定期預金21%、当座4%、他6%
    • 資産運用: 貸出金73%、有価証券13%、現・預け金12%、他2%
    • 融資先: 中小企業等向け70%、住宅・消費者向け34%

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 福岡・九州エリアの有力地銀グループの一角。地域でのプレゼンスは高く、法人・個人双方で顧客基盤が厚い。
  • 競合: 福岡フィナンシャルグループ、九州フィナンシャルグループ、メガバンク各行など。
  • 競争優位性
    • 地域密着の顧客ネットワークとソリューション提供力(事業承継、M&A/LEBO、資産運用支援など)
    • 非金利(役務)ビジネスの多角化(信用保証、カード、情報システム、人材支援等)
    • デジタルチャネルの整備による営業効率化
  • 課題
    • 金利正常化に伴う資金調達コスト上昇で預貸金利鞘の拡大が限定的
    • 証券運用の評価変動リスク、信用コストの変動
    • 地域の人口動態・競争環境(メガ/ネット金融との競合)

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方向性(開示ベース)
    • 地域企業の成長支援(スタートアップ、事業承継・再生、成長産業支援)
    • 個人の長期資産形成支援(NISA拡大を背景に投信・保険等のコンサル強化)
    • 非金融領域(人材紹介・派遣、研修/リスキリング等)の拡充による収益多角化
    • デジタル・チャネル高度化と業務効率の改善
    • リスク管理の強化(信用/金利/市場)
  • 2026年3月期計画(会社計画の維持を明示)
    • 連結経常利益: 550億円
    • 親会社株主に帰属する当期純利益: 370億円
    • 1株当たり当期純利益(EPS): 265.64円
  • 1Q実績の含意
    • 資金運用収益は増加した一方、預金利息等の資金調達費用増で費用が上昇
    • 役務収益(非金利)と「その他」セグメントの利益寄与が継続

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 預貸金利ザヤ+有価証券運用の金利関連収益に、信用保証・カード・証券・情報サービス等の非金利収益を組み合わせた分散型モデル。
  • 適応力
    • 金利環境の変化: 総資金利鞘0.42%(前年同期比+0.02pt)。預金コスト上昇で純利ザヤの拡大は緩やか。
    • 非金利収益: 1Q「その他」セグメント利益が84億円と大きく、金利サイクル依存を一部緩和。
    • 信用コスト/NPL: 1Q信用コスト約13億円、問題債権比率1.53%(連結)と管理は概ね安定的に推移。
  • 留意点: 有価証券評価の変動、信用環境悪化、規制変更は収益・資本に影響し得る。

5. 技術革新と主力製品

  • デジタル/チャネル: スマホアプリ(口座開設~投信・外貨・カードローン、スマホATM)、NCB Business Station(法人の金融/非金融取引)、キャッシュレス決済。
  • 主力収益源: 貸出金利息(1Q: 2,778億円相当の利息収入内数)、証券利息配当(802億円相当)、役務取引等収益(887億円相当)。非金利では信用保証・カード・証券仲介、情報システムが寄与。
  • 独自性: 銀行業に加え、HR支援や情報サービスなど非金融領域を内包する総合支援モデル。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現在株価: 2,637円
  • EPS(会社予想): 265.64円 → 予想PER 9.93倍(業界平均PER 10.7倍)
  • BPS(実績): 4,035.69円 → PBR 0.65倍(業界平均PBR 0.4倍)
  • 配当: 年間予想90円 → 予想配当利回り約3.41%、配当性向約33.9%
  • 観点
    • 予想PERは業界平均をやや下回る一方、PBRは平均を上回る水準。
    • 収益・資本効率(ROE 5.2〜5.5%)や地域地銀のレンジを踏まえると、指標は総じて業界内で中位レンジに位置。

7. テクニカル分析

  • トレンド: 50日移動平均2,469円、200日移動平均2,193円。現値は両移動平均を上回る上昇トレンド。
  • 位置: 52週高値2,678円に接近(約1.5%下)。高値圏での推移。
  • モメンタム/需給: 直近10日平均出来高約44.6万株、当日出来高46.3万株とやや増加。信用倍率51.12倍と買い長で、短期の値動きは需給の影響を受けやすい局面。

8. 財務諸表分析

  • 業績推移(連結)
    • 経常収益: 1,257億円(2022)→ 1,358億円(2023)→ 1,462億円(2024)→ 1,535億円(2025)と増加傾向(3年CAGR約6〜7%)。
    • 税引前利益: 371億円(2022)→ 341億円(2023)→ 349億円(2024)→ 450億円(2025 LTM)
    • 親会社株主帰属純利益: 242億円(2022)→ 261億円(2023)→ 236億円(2024)→ 310億円(2025 LTM)
  • 収益性
    • 営業マージン(LTM): 28.7%(業種特性上の表示、参考値)
    • 純利益率(LTM): 17.9%
    • ROA(LTM): 0.22%、ROE(実績): 5.52%(LTM 5.18%)
  • バランスシート/資本
    • 総資産: 約13.6兆円(2025/6末)
    • 自己資本(会計上): 約5,725億円、会計ベース自己資本比率4.1%(注: 銀行の規制資本比率とは算定が異なる)
    • 規制上の連結自己資本比率(国内基準・速報参照値): 約12%台(注記に基づく)
  • 金利・信用
    • 総資金利鞘: 0.42%(前年同期比+0.02pt)
    • 信用コスト(1Q累計): 約13億円、金融再生法開示債権比率: 1.53%
  • キャッシュフロー: 四半期CFは未作成(注記)。預貸・有価証券等の運用/調達で資金は機動的に運用。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績/予定: 2025年3月期 75円 → 2026年3月期予想 90円(中間45円・期末45円)
  • 予想配当利回り: 約3.41%(本日時点株価)
  • 配当性向: 約33.9%(会社予想EPS基準)
  • 自己株式保有: 約4.8%(自己株口・信託口含む)。自己株式の取得方針は本データでは不明。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落: +54.45%
  • ボラティリティ: 5年ベータ0.11(市場連動性は相対的に低位)
  • 出来高: 3カ月平均34.4万株に対し、直近は40〜90万株台の日もあり、関心は相対的に継続。
  • 信用動向: 信用買残123.7万株(前週比▲8.1万株)、信用倍率51.12倍。売残2.4万株と小さい。
  • 今後のイベント: 決算発表予定 2025/11/10、権利落ち予定 2026/3/30。

11. 総評

  • 収益: 金利正常化局面で資金運用収益は増加する一方、預金利息上昇で費用も増加。1Qは経常・純利益とも前年同期比で減少だが、通期計画は据え置き。
  • 事業ポートフォリオ: 銀行業に加え、信用保証・カード・情報システム・HR等の非金利分野が利益に寄与し、収益源の分散が進展。
  • 財務・資本: ROEは5%台、規制資本は12%台(速報参照値)。信用コストと不良債権は概ね低位で安定。
  • バリュエーション/テクニカル: 予想PERは業界平均やや下、PBRは平均上。株価は52週高値圏で推移し、移動平均線上方でモメンタムは良好。信用需給は買い長で短期の値動きには留意。
  • 外部環境: 金利動向(貸出利回り/資金調達コスト)、証券市況、地域経済動向(九州の投資・観光等)、信用環境が主要ドライバー。

本レポートは公開データに基づく事実整理であり、投資助言を目的とするものではありません。不明項目は記載を控えています。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性: A

理由: 経常収益は過去数年で増加(2022→2025でCAGR約6〜7%)。直近1Qは減益だが、年次ベースでは増収基調。
– 収益性: B

理由: ROE5%台、総資金利鞘0.42%と業界レンジ内。非金利収益の寄与はプラス。
– 財務健全性: B

理由: 会計ベース自己資本比率は銀行特性上低く見えるが、規制資本比率は12%台(速報参照値)。信用コスト・NPLも安定。
– 株価バリュエーション: B

理由: 予想PERは業界平均をやや下回る一方、PBRは平均上。総合的に中立的な水準。
データ出所: 企業開示(決算短信/説明資料)、提供指標(株価・財務・株主・信用)、市場平均(業界平均PER/PBR)。数値は百万円/億円換算等を含み、端数差が生じる場合があります。


企業情報

銘柄コード 7189
企業名 西日本フィナンシャルホールディングス
URL http://www.nnfh.co.jp
市場区分 プライム市場
業種 銀行 – 銀行業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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