出光興産(5019)企業分析レポート

本レポートは提供データに基づく客観的な情報整理です。投資判断を目的とした助言ではありません。

1. 企業情報

  • 概要:石油精製・販売(燃料油)を中核に、基礎化学品、高機能材、電力・再エネ、資源(原油・ガス・石炭・地熱)を展開。1911年創業。2019年に昭和シェルと経営統合。
  • 事業内容と地域:
    • 燃料油(主力):石油製品の製造・販売、SS運営。SAF(持続可能な航空燃料)、合成燃料、バイオ混合燃料、カーボンオフセット燃料なども取り扱い。
    • 基礎化学品:オレフィン・アロマ(エチレン、プロピレン、パラキシレン等)。
    • 高機能材:潤滑油、先端材料・機能化学品、電子材料、アスファルト、アグリ(農薬・飼料)。
    • 電力・再エネ:火力・太陽光・風力発電、電力販売、太陽電池。
    • 資源:原油・天然ガス・石炭の権益、地熱発電等。
  • 収益構成(連結、目安):燃料油84%、基礎化学品6%、高機能材5%、電力・再エネ1%、資源3%、その他0%。海外売上比率29%(2025.3)。
  • 規模:従業員13,814人、平均年齢42.0歳、平均年収993万円。所在地:東京都千代田区。代表取締役社長:酒井則明。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内石油元売り2位。昭和シェル統合によりSSネットワーク・調達/物流のスケールを確保。
  • 競争優位と課題:
    • 優位:原油〜精製〜販売の垂直統合、石化・潤滑油など非燃料領域の厚み、資源権益や再エネ・地熱の多角化。
    • 課題:原油/製品市況の変動、在庫評価・販売価格タイムラグの影響、化学品マージンの市況依存(中国増設の影響等)、エネルギー転換(需要構造変化)への対応。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方向性(データから読み取れる重点領域):
    • エネルギー安定供給とトランジションの両立:SAF、合成燃料、バイオ混合など低・脱炭素燃料の取り扱い拡大。
    • 事業ポートフォリオのバランス化:潤滑油・電子材料等の高機能材、電力・再エネ、地熱などの比重拡大。
    • 資源上流の権益活用とコスト競争力の維持。
  • 直近の運営示唆:
    • Q1(2026/3期)で燃料油・基礎化学品が在庫評価/タイムラグ・市況悪化で損失、高機能材・資源が黒字で補完。
    • 通期見通し(売上7.9兆円、EPS 40.83円など)据え置き。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:国内燃料油の薄利多売+市況/在庫影響の大きい精製マージンに依存。一方、潤滑油・先端材料など高付加価値製品や電力・再エネで分散。
  • レジリエンス:
    • プラス要因:高機能材の安定性、資源権益の価格感応度、再エネ・地熱等の拡大余地。
    • リスク:原油・化学市況の変動、在庫評価損益、需要構造の変化(電動化・省エネ)による需要軟化。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・製品動向:
    • 低・脱炭素燃料(SAF、合成燃料、バイオ混合、カーボンオフセット燃料)の取り扱い。
    • 高機能材:潤滑油(タイムラグ効果で収益寄与)、電子材料、機能化学品、道路舗装材(アスファルト/機能舗装)。
    • アグリ:農薬・機能性飼料。
  • 収益牽引:直近は高機能材と資源が黒字でセグメント全体を下支え(2026/3期1Q)。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価1082円、時価総額約1.394兆円、BPS 1,370.5円、EPS(会社予想)40.83円。
  • 指標と比較:
    • PER(予想):26.5倍(=1082/40.83)。業界平均8.0倍に比べ高水準。
    • PBR(実績):0.79倍(=1082/1370.5)。業界平均0.9倍を下回る水準。
    • EV/S:概算 約0.27~0.28倍(EV≈時価総額1.394兆+有利子負債1.22兆-現金0.126兆=約2.49兆円、売上約8.8~9.2兆円)。
  • 含意:利益指標(PER)は相対的に高く、簿価(PBR)は相対的に低い水準。収益ボラティリティ(在庫評価・市況)の影響を織り込む可能性。

7. テクニカル分析

  • トレンド位置:終値1082円は50日線1016.9円、200日線970.2円を上回る。
  • 52週レンジ:799.1~1190.5円の中で上方域(約72%レンジ上側)。年初来高値1190円に約9%届かず。
  • 出来高:本日258.9万株は3カ月平均374万株を下回り、10日平均275万株に近い。
  • 信用動向:信用倍率3.89倍。信用買残・売残ともに前週比減(解消進行)。

8. 財務諸表分析(連結)

  • 売上・利益推移(年度、単位:百万円)
    • 2022/3:売上 6,686,761、営業益 434,453、純益 279,498
    • 2023/3:売上 9,456,281、営業益 282,442、純益 253,646
    • 2024/3:売上 8,719,201、営業益 346,317、純益 228,518
    • 2025/3(LTM相当):売上 9,190,225、営業益 162,186、純益 104,055
  • 収益性(2025/3ベース)
    • 粗利率 7.5%(=689,412/9,190,225)
    • 営業利益率 1.8%(=162,186/9,190,225)
    • 純利益率 1.1%(=104,055/9,190,225)
    • EBITDAマージン 約3.0%(=280,166/9,190,225)
    • 傾向:22→25年度で粗利・営業・純利とも縮小傾向。2026/3期1Qは営業損失率約-1.14%(在庫評価やタイムラグ影響)。
  • 効率・資本
    • ROE(実績):5.91%(提供値)。一方、直近12カ月ベースの別データでは0.67%と低水準(期間・算定基準の違いに留意)。
    • ROA(12カ月):0.25%(提供値)。
  • 財務安全性
    • 自己資本比率:36.0%(期末)。2026/3期1Q時点で38.3%に改善。
    • 総有利子負債:約1.22兆円、D/E(提供値)71.7%、流動比率1.28倍。
  • キャッシュフロー:四半期CF未開示。減価償却費年額約1,050億円規模。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:年間36円(会社予想・実績ともに36円)。配当利回り約3.33%(=36/1082)。
  • 配当性向:
    • 会社予想EPS(40.83円)基準の単純計算:約88%。
    • 直近12カ月EPS(77.83円)基準(提供値)では約46%(提供「Payout Ratio 46.25%」)。
  • 自社株:自己株式比率9.6%。2025/4/30に自己株約6.93億株を消却(資本効率意識の示唆)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:短中期とも移動平均線上方で推移。52週変化率+2.39%。
  • 投資家属性:インサイダー保有34.4%、機関保有28.5%、フロート約9.0億株。大株主にアラムコ系(8.51%)・財団(7.51%)。
  • イベント:
    • 2025/11/11 決算発表予定
    • 2026/3/30 権利落ち予定

11. 総評

  • 事業面:国内2位の精製・販売基盤に、潤滑油・電子材料等の高機能材、資源、再エネを組み合わせたポートフォリオ。Q1は在庫評価や市況要因で燃料油・基礎化学が赤字、高機能材・資源が補完。
  • 財務面:2025/3期は売上伸長も利益率が大きく低下。自己資本比率は30%後半、流動性・レバレッジは標準的水準。
  • バリュエーション:PERは業界平均比で高め、PBRは低め。市況連動・在庫影響により利益変動が大きい点が指標に表出。
  • テクニカル:株価は中長期移動平均上で上方レンジに位置。信用残は縮小傾向。

12. 企業スコア

  • 成長性:A
    • 根拠:売上はLTMで前年から増加(約+5%)、22→25年度CAGRも2桁台。
  • 収益性:B
    • 根拠:粗利率・営業利益率は低水準で変動大。直近四半期は営業赤字も、通期では黒字維持。業界平均データ不足のため中立寄り評価。
  • 財務健全性:B
    • 根拠:自己資本比率36%(1Qで38.3%へ改善)、流動比率1.28倍、D/E約72%と中庸。
  • 株価バリュエーション:C
    • 根拠:PER(予想)26.5倍は業界平均8.0倍を上回る。一方PBR0.79倍は平均0.9倍を下回るが、総合では割高寄りの評価。

補足:本分析は提供数値に基づく計算・整理です。数値は会計基準・期間差(通期/四半期/直近12カ月)により乖離する場合があります。


企業情報

銘柄コード 5019
企業名 出光興産
URL http://www.idemitsu.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 エネルギー資源 – 石油・石炭製品

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By シャーロット

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。