1. 企業情報

いであ株式会社は、主に環境コンサルタント事業と建設コンサルタント事業を展開する企業です。官公庁を主要な顧客とし、社会インフラの整備や環境保全プロジェクトにおいて、調査、計画、設計、管理、評価、コンサルティングなどの総合的なサービスを提供しています。具体的には、水質・大気・土壌などの物理化学分析、環境調査・分析機器の製造販売・賃貸なども手掛けています。その他、情報システム、海外事業、不動産事業も展開しています。
2024年12月期の連結事業では、環境コンサルタントが売上の65%、建設コンサルタントが30%を占め、これらが収益の柱となっています。

2. 業界のポジションと市場シェア

いであは、建設環境調査コンサルタントの大手企業の一つです。売上の8割以上が国土交通省をはじめとする官公庁向けであり、公共事業に深く関わっています。この高い官公庁依存度は、安定した収益基盤に繋がる一方で、公共事業予算の動向に業績が左右される可能性も示唆します。
競争優位性としては、長年にわたる官公庁向けの実績とノウハウ、そして社会インフラと環境保全の両分野で幅広いサービスを提供できる総合力が挙げられます。国内市場においては、防災・減災、国土強靭化、脱炭素、循環経済といった政策的な需要が引き続き堅調であり、同社の得意とする分野での安定した需要が見込まれます。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、第6次中期経営計画(2025–2027年)において、「DX推進と共創による新たな価値創造に向けた変革への挑戦」をスローガンに掲げています。
主な経営戦略として、事業戦略、DX戦略、人事戦略、財務戦略、サステナビリティ戦略の5つを柱としています。具体的な施策としては、DX推進によるAI・データ活用を通じた生産性向上と新規事業創出、人材への投資、重点分野への経営資源集中が挙げられます。また、サステナビリティ(CO2削減等)やガバナンス・IR/SRの強化も図っています。
これらの投資は短期的に利益を圧迫する可能性がある旨が、中間決算短信で説明されています。

4. 事業モデルの持続可能性

いであの収益モデルは、主に官公庁向けのコンサルティングサービスであり、安定した公共需要に支えられています。国内では防災・減災、国土強靭化、脱炭素、循環経済など国の重要政策に関連する需要が堅調に推移しており、これに適応することで持続性を確保しています。
また、再生可能エネルギー関連の環境調査やAUV(自律型無人機)の設計・運用支援といった新たな分野への展開、さらにDX推進による業務効率化と新規事業創出に取り組むことで、市場ニーズの変化への適応力と事業モデルの進化を図っています。

5. 技術革新と主力製品

同社は中期経営計画でDX推進、AI・データ活用を重点戦略として掲げており、技術革新に積極的に取り組む姿勢が見られます。特に、中間決算短信ではAUV(自律型無人機)の設計・運用支援といった先端技術を活用した取り組みが言及されています。
主力製品というよりは、総合的なコンサルティングサービスや高度な調査・分析能力が収益を牽引しています。連結事業構成からも、環境コンサルタント事業と建設コンサルタント事業が売上の大半を占めており、これら分野における専門知識と技術力が同社の強みです。

6. 株価の評価

現在の株価は3,455.0円です。
会社予想EPS 336.18円に基づくと、PERは約10.27倍となります。また、実績BPS 4,129.21円に基づくと、PBRは約0.84倍となります。
業界平均PER 15.0倍、業界平均PBR 1.2倍と比較すると、いであのPER(10.29倍)およびPBR(0.84倍)はともに業界平均を下回っています。特にPBRが1倍を割れている点は、市場における資産価値評価が控えめである可能性を示唆しており、これらの指標からは、現在の株価は業界平均と比較して割安であると評価できます。

7. テクニカル分析

現在の株価は3,455.0円です。年初来高値は3,635円、年初来安値は2,221円であり、現在の株価は年初来高値に近い水準にあります。
直近の株価推移を見ると、10月20日の3,300円から10月28日には年初来高値となる3,635円を付けて上昇トレンドにありましたが、その後はやや調整し、直近3日間は下落傾向にあります。
しかし、50日移動平均線(3,302.00円)および200日移動平均線(2,930.76円)を大きく上回っており、中長期的な株価トレンドは上昇基調にあると考えられます。直近の調整は高値圏での短期的な利益確定売りによるものと見られます。

8. 財務諸表分析

売上高:
過去数年間で緩やかな増収傾向にあります。
– 2021年: 206億円
– 2022年: 230億円(前年比+11.7%)
– 2023年: 227億円(前年比-1.5%)
– 2024年(予想): 243億円(前年比+7.1%)
– 過去12ヶ月: 243億円

直近四半期の売上成長率は前年同期比-1.20%と微減となりましたが、通期予想では増収を見込んでいます。
利益:
利益も増益傾向にありましたが、2023年は減益、直近四半期では大幅な減益となっています。
– 2021年: 20.8億円
– 2022年: 21.5億円
– 2023年: 19.9億円
– 2024年(予想): 23.8億円
– 過去12ヶ月: 20.8億円

直近四半期の営業利益は、中間決算短信によるとDX推進や人的資本投資などの先行投資により前年同期比で13.5%減少し、純利益も17.0%減となりました。
キャッシュフロー:
過去12ヶ月の営業キャッシュフローは19.6億円のプラスで、安定的な現金を創出する能力があることを示しています。
収益性指標:
– ROE(実績): 8.60%(過去12ヶ月: 7.24%)
– ROA(過去12ヶ月): 5.09%

自己資本比率の高さも考慮すると、資本効率の改善は今後の課題の一つとなる可能性があります。
財務健全性:
– 自己資本比率(実績): 76.7%(中間末時点では80.3%)と極めて高く、財務基盤は非常に安定しています。
– 流動比率(直近四半期): 3.87倍(387%)と、短期的な支払い能力も極めて高い水準です。
– 総負債/自己資本比率(D/E): 1.36%と、負債が非常に少ないことが示されています。

これらの指標から、いであは極めて健全な財務状態にあると言えます。

9. 株主還元と配当方針

会社予想に基づく配当利回りは3.41%(1株配当118.00円)であり、比較的高い水準です。5年平均配当利回り2.68%と比較しても、現在の予想利回りはこれを上回っています。
配当性向は34.34%(過去12ヶ月のDiluted EPSに基づく計算では約40.5%)と、利益に対して無理のない範囲で安定的な配当を実施していると考えられます。
自社株買いに関する明確な直近の情報は提供されていません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価は中長期的に上昇モメンタムを維持していますが、直近では高値圏での調整局面が見られます。
投資家の関心は、今後の公共事業の動向に加えて、中期経営計画に掲げられたDX推進や新規事業創出の成果、そして先行投資が今後の業績にどのように寄与していくかに集まると考えられます。特に、再生可能エネルギー関連や最新技術を活用した事業展開の進捗は、新たな投資テーマとして注目される可能性があります。高い財務健全性は安定性として評価されますが、PBRが1倍を割れていることから、一層の資本効率改善や成長戦略の具体化が市場からの評価を高める上で重要となるでしょう。

11. 総評

いであは、官公庁向けの環境・建設コンサルタント事業を主軸とする、安定した収益基盤と極めて堅固な財務体質を持つ企業です。防災・減災、国土強靭化、脱炭素といった国内の政策需要を背景に、事業の持続性は高いと考えられます。
中期経営計画では、DX推進、AI・データ活用、人材投資を重点戦略に掲げ、将来の成長に向けた先行投資を進めています。短期的にはこれらの投資が利益に影響するものの、中長期的な成長に繋がる可能性があります。
株価は業界平均と比較して割安な水準にあり、PBRが1倍を割れている点は、市場が企業の持つ資産価値や将来性の一部を十分に評価しきれていない可能性を示唆します。配当利回りも安定しており、健全な財務基盤と合わせて、長期的な視点での投資妙味を探る余地があると考えられます。今後の注目点は、戦略的投資の成果がどのように業績に反映され、市場の評価が変化していくかにあります。

12. 企業スコア

  • 成長性: B
    • 年間の売上は微増傾向にあるものの、直近四半期の売上成長率は微減。中期経営計画での成長戦略への投資は評価されるが、利益面では短期的に投資先行の影響が見られるため、B評価とします。
  • 収益性: A
    • 過去12ヶ月の営業利益率は15.25%、粗利率は32.8%であり、中間決算短信の営業利益率は16.6%と、業種特性や業界全体の水準を考慮すると高い収益性を有しています。直近中間期は投資先行で利益率が減少傾向にありますが、依然として業界平均を上回る水準です。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率80.3%、流動比率387%、D/Eレシオ1.36%といった指標は全て極めて良好であり、財務健全性は非常に高いと評価できます。
  • 株価バリュエーション: S
    • PER(10.29倍)は業界平均PER(15.0倍)より低く、PBR(0.84倍)は業界平均PBR(1.2倍)を下回り、特に1倍以下であることから、市場からは割安に評価されていると判断できます。

企業情報

銘柄コード 9768
企業名 いであ
URL http://ideacon.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

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