以下は、サイボウズ(4776)に関する企業分析レポートです。
1. 企業情報
サイボウズは1997年に設立されたグループウェアのソフトウェア開発・販売・運用を手掛ける企業です。特に企業の部門向けに特化しており、クラウド型のサービスや小規模組織向けのソリューションに強みを持っています。業務効率化を支援するクラウドサービスにおいて国内で高い市場シェアを有し、プログラミング知識なしで業務アプリを開発できる「kintone(キントーン)」が主力製品です。
2. 業界のポジションと市場シェア
サイボウズは国内のグループウェア市場において、特にクラウドサービスと中小企業向けセグメントで高い競争力を持っています。主力製品である「kintone」はノーコード開発という特徴を持ち、顧客が自社の業務に合わせてカスタマイズできる柔軟性を提供しており、これが競争優位性となっています。クラウドサービスの契約社数68,000社、契約ユーザーライセンス数350万人という実績は、国内における同社の確固たる地位を示しています。
3. 経営戦略と重点分野
サイボウズは2028年12月期に連結売上高509億円を目標としています。この目標達成に向け、主力であるクラウドサービスの契約社数・ユーザー数の増加を引き続き事業拡大の柱としています。また、将来の成長を見据え、グローバル市場への展開や新たな領域での研究開発投資を継続的に行い、製品・サービスの強化を図っています。人件費や広告宣伝費、研究開発費への積極的な投資がその具体策として挙げられます。
4. 事業モデルの持続可能性
サイボウズの収益は、クラウドサービスを主軸とした月額・年額課金モデルが中心であり、これは安定的な収益基盤を形成しています。ノーコード開発プラットフォームである「kintone」は、顧客が自社の事業や市場の変化に応じて業務システムを迅速に構築・変更できるため、変化の速い市場ニーズへの適応力が高いと言えます。また、多様なグループウェア製品を提供することで、幅広い顧客層の獲得と継続的な関係構築に繋がっています。
5. 技術革新と主力製品
サイボウズの主力製品には、ノーコード開発が強みの「kintone」、中堅・大規模組織向けの「Garoon」、チームでのメール管理を効率化する「Mailwise」、中小企業向けチームワーク強化ソリューションの「サイボウズ Office」などがあります。特に「kintone」はプログラミングの専門知識がなくても業務アプリを作成できる点が評価されており、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進のニーズに応える製品として、継続的な収益貢献が期待されています。
6. 株価の評価
現在の株価3,005.0円に対し、会社予想EPSは135.87円、実績BPSは309.18円です。
* PER(会社予想)は22.12倍となっており、会社予想EPSに基づく適正株価は約3,005円です。現在の株価はこの予想PERにほぼ一致しています。
* PBR(実績)は9.72倍となっており、実績BPSに基づく適正株価は約3,005円です。現在の株価はこの実績PBRにほぼ一致しています。
業界平均PERが23.2倍であることと比較すると、サイボウズのPERはやや割安水準にあります。一方で、業界平均PBRが2.3倍であることに対し、サイボ0ズのPBRは9.72倍と高水準です。これは、同社の高い収益性(ROE実績31.07%)が評価されている可能性があります。
7. テクニカル分析
現在の株価3,005.0円は、年初来高値4,160円や52週高値4,160.00円と比較して下回る水準にあります。一方で、年初来安値2,253円や52週安値1,994.00円からは上昇した水準です。
50日移動平均線3,476.40円、200日移動平均線3,245.21円をいずれも下回っており、短期的・中期的には下降トレンドにあると見られます。直近10日間の株価も3,175円から3,005円へと下落傾向を示しており、移動平均線との乖離も考慮すると、現在の株価は短期的には安値圏に近い水準と言えるでしょう。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間で継続的に成長しており、2021年の18,489百万円からLTM(直近12ヶ月)の33,487百万円まで堅調に拡大しています。特に直近四半期の売上高成長率(前年比)は27.30%と高い伸びを示しています。
- 利益: 営業利益は2022年に一時的に落ち込みましたが、2023年以降急速に改善し、LTMでは7,812百万円と大きく増加しています。純利益も同様に回復し、LTMでは5,332百万円を計上しました。直近四半期の純利益成長率(前年比)は148.90%と非常に高い伸びです。
- 収益性: 粗利率は過去12ヶ月で約90.28%、営業利益率は同27.89%と非常に高い水準を維持しています。ROE(過去12ヶ月)は39.71%、ROA(過去12ヶ月)も21.14%と、資本効率性も極めて優れています。
- 財務健全性: 自己資本比率は55.2%(中間期で56.3%)と高く、流動比率も1.31(中間期で130.7%)と、短期的な支払い能力に問題はありません。有利子負債は極めて少なく、Total Debt/Equity比率は0.27%と、財務基盤は非常に健全です。
- キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュフローは過去12ヶ月で8,660百万円と潤沢であり、投資活動も継続的に行われています。
9. 株主還元と配当方針
会社予想配当利回りは1.33%、1株配当は40.00円です。配当性向は26.20%と、利益の範囲内で無理のない水準であり、持続的な配当が期待されます。2024年通期実績の1株配当30.00円から2025年通期予想の40.00円への増配傾向が見られます。また、自己株式を保有しており、自社株買いによる株主還元も実施していると見られます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下降傾向にあり、50日および200日移動平均線を下回っています。これは短期的なモメンタムの弱さを示唆しています。信用買残が信用売残を大きく上回っており(信用倍率21.16倍)、需給面で上値が重くなる可能性があります。今後の株価は、クラウドサービスの契約者数・ユーザー数の継続的な増加、人件費や研究開発費、広告宣伝費といった先行投資の業績への影響、為替変動リスクなどが要因となると考えられます。
11. 総評
サイボウズは、国内クラウドグループウェア市場において強力なポジションを確立しており、特にノーコード開発の「kintone」を主力とする高成長企業です。近年は売上高、営業利益ともに高い成長率を維持しており、収益性および財務健全性も極めて良好です。株価は直近で調整局面を迎えており、テクニカルには弱さが確認されますが、PERは業界平均と比較して割安水準にあります。堅実な配当政策も継続しており、事業モデルの持続可能性も高いと評価できます。中長期的な成長戦略としてグローバル展開や研究開発投資も継続しており、今後の事業拡大が期待されます。
12. 企業スコア
- 成長性: S
- LTM売上成長率(YoY)12.83%、直近四半期売上成長率(前年比)27.30%、過去3年間CAGR約17.06%と、非常に高い成長を継続しています。
- 収益性: S
- 粗利率90.28%、営業利益率27.89%、ROE39.71%(過去12ヶ月)、ROA21.14%(過去12ヶ月)と、いずれの指標も非常に高い水準にあります。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率55.2%、流動比率1.31、Total Debt/Equity比率0.27%と、極めて健全な財務状況です。
- 株価バリュエーション: B
- PER(会社予想)22.12倍は業界平均23.2倍と比較してやや割安ですが、PBR(実績)9.72倍は業界平均2.3倍と比較してかなり割高です。高い成長性と収益性を考慮すると説明可能ですが、絶対値としての割高感を踏まえ中立と評価します。
企業情報
| 銘柄コード | 4776 |
| 企業名 | サイボウズ |
| URL | http://cybozu.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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