サイボウズ(4776)企業分析レポート
注記:本資料は提供データに基づく企業分析であり、投資助言を行いません。数値は特記なき限り連結・百万円換算です。不明な項目は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 事業内容
- グループウェアおよび業務効率化クラウドの企画・開発・販売・運用(単一セグメント)。
- 主力製品
- kintone:ノーコードの業務アプリ構築プラットフォーム(データ・タスク・コミュニケーションを一元化)。
- Garoon:中堅〜大企業向けグループウェア(権限管理・承認フローなど大規模運用に対応)。
- Mailwise:チームメール共有・対応履歴管理。
- サイボウズ Office:中小企業向けグループウェア。
- 特徴:クラウド主体・サブスクリプション型収益、国内での認知度・導入社数が高い。契約社数約6.8万社、ユーザー約350万人(会社開示)。
- 基本情報
- 設立:1997年、所在地:東京都中央区、代表者:青野慶久
- 従業員:1,321人、平均年齢:35.8歳、平均年収:687万円
- 上場市場:東証プライム、業種:情報・通信業
2. 業界のポジションと市場シェア
- 位置づけ
- 国内クラウド型グループウェア/ノーコード開発領域で高い存在感。中小〜中堅企業向けで強み。
- kintoneを中心とするアプリ作成・業務改善のノーコード市場で優位な顧客基盤(契約社数・ユーザー規模)。
- 競争優位性
- 高い粗利率(LTM約90%)と安定的なサブスクリプション収益。
- ノーコードの使い勝手、パートナー・コミュニティの広がり。
- 国産製品としてのサポート力・ローカライズ。
- 課題
- Microsoft、Google、Salesforce 等の大型プラットフォームとの競争激化。
- 広告宣伝費・人件費の先行投資負担、為替影響(開示で為替差損に言及)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針
- クラウド主力で契約社数・ユーザー拡大、研究開発・広告投資を継続。
- 中期目標:2028年12月期 連結売上高509億円を目標(会社開示)。
- 2025年の重点(決算短信より)
- 広告宣伝・人材投資の継続(人件費、広告費の増加)。
- 研究開発の強化(新規領域含む)。
- 海外・新領域の布石(開示範囲内での示唆)。
- 資本政策
- 自己株式保有比率が高い(自己株口 12.34%)。配当は成長投資と両立の範囲で実施。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- サブスクリプション中心で継続課金・高粗利。クロスセル(kintone×他製品)余地。
- 適応力
- 業務デジタル化・ノーコード需要の構造的追い風。
- 大手プラットフォームとの共存・連携が鍵。価格競争・機能競争への継続対応が必要。
- キャッシュ創出
- 営業CF LTM 86.6億円、FCF 59.5億円と安定。先行投資を内製資金で賄える余地。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- ノーコード・ローコード基盤(kintone)とガバナンス対応(Garoon)。
- API/拡張、テンプレート、パートナーエコシステム活用。
- 収益牽引
- クラウド売上が主力(中間期クラウド売上+30.8%)。kintoneの契約拡大が成長ドライバー。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 足元株価:3,005円、時価総額:約1,585億円
- 会社予想EPS:135.87円 → 予想PER:約22.1倍(業界平均PER 23.2倍 ≒ 同水準〜やや低め)
- 実績BPS:309.18円 → PBR:約9.72倍(業界平均PBR 2.3倍を大きく上回る)
- EV/Sales(概算):EV ≒ 1,585−72+4=1,514億円、売上LTM 334.9億円 → EV/S ≒ 4.5倍
- 参考
- 予想配当利回り:1.33%、Payout Ratio:約26%
- 実績EPS LTM 114.56円 → 実績PER ≒ 26.2倍
- コメント
- PERは業界平均並み、PBRは高水準。高ROE・高成長期待を織り込む形。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 現在値 3,005円は、50日移動平均 3,476円、200日移動平均 3,245円を下回る(短中期は下方トレンド)。
- 位置
- 年初来高値 4,160円、安値 2,253円。現状はレンジ下中段寄り。
- 直近の値動き
- 直近10日で戻り売り優位から下落基調。出来高は平均並み〜やや減速。
- ボラティリティ・需給
- 信用倍率 21.16倍、買残増加・売残減少。個人主体の短期需給の影響を受けやすい構図。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上推移:2021 184.9 → 2022 220.7 → 2023 254.3 → 2024 296.8 → LTM 334.9(億円)
- 3年CAGR(2021→2024):約+17%/年、LTM対前年比(24年比):約+12.9%
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約90.3%(30.24/33.49)
- 営業利益:78.1億円、営業利益率:約23.3%
- EBITDA:103.1億円、EBITDAマージン:約30.8%
- 純利益:53.3億円、純利益率:約15.9%
- ROE:実績31.1%、LTM参考39.7%、ROA:21.1%
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:86.6億円、投資CF:▲、フリーCF:59.5億円(プラス維持)
- 財政状態
- 自己資本比率:55.2%(中間期 56.3%)
- 流動比率:約131%
- 有利子負債極小(D/E 0.27%)
- 費用構造
- 広告宣伝費・人件費の増加を伴う成長投資下でも、営業利益率は中間期で28.8%まで改善。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年予想:40円(利回り約1.33%)、中間配当0円・期末一括。
- 2024年実績:30円、5年平均利回り約0.74%。
- 予想配当性向:約26%(成長投資と両立の水準)。
- 自社株
- 自己株式比率 12.34%(保有)。新規の自己株買い施策は開示ベースでは不明。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 50日・200日線を下回り、短期は下押し圧力が優勢。
- 投資家関心
- 信用買残の増加・高い信用倍率から、個人投資家の関心が高い局面。
- Beta(5年):0.44(市場全体に対する連動性は相対的に低め)。
- インサイダー保有45.9%、フロート2,128万株と流通株は相対的に限定的。
11. 総評
- サマリー
- ノーコード型プラットフォーム(kintone)を核に高い粗利率と強固な顧客基盤を有し、売上はCAGR約17%で成長。LTMベースでも増収・増益、営業・フリーCFともに潤沢で、財務健全性も良好。
- 一方、競合の大型プラットフォームとの機能・価格競争、為替・人件費・広告費などの投資負担は継続的な管理ポイント。
- バリュエーションはPERで業界平均並み、PBRは高水準。高ROE・高成長期待を織り込む構造。テクニカル面では移動平均割れで短期は調整基調。
- イベント
- 2025年8月の決算発表予定、2025年12月29日が配当落ち予定日。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上成長率約+12.9%、3年CAGR約+17%。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約90%、営業利益率20%台、EBITDAマージン30%前後、ROE高水準。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率55%超、流動比率約131%、D/E極小、CF創出力安定。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PERは業界平均並みだが、PBRは業界平均を大きく上回る。EV/Sは約4.5倍。
データ出典と計算メモ
– 会社予想EPS 135.87円、予想PER=株価3,005円÷EPS=約22.1倍。
– PBR=株価3,005円÷BPS309.18円=約9.72倍(開示一致)。
– EV(概算)=時価総額1,585億−現金72億+有利子負債0.4億≒1,514億円、EV/S=約4.5倍。
– 売上CAGR(2021→2024)=(296.8/184.9)^(1/3)−1≒約+17%。
企業情報
| 銘柄コード | 4776 |
| 企業名 | サイボウズ |
| URL | http://cybozu.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。