ピックルスホールディングス(2935)企業分析レポート
株価:1,100円(2025-10-30終値)
市場:東証プライム/食料品
時価総額:約141億円
1. 企業情報
- 概要:国内漬物最大手。主力は「ご飯がススム」キムチや浅漬、惣菜などのチルド食品。乳酸菌を活用した商品も展開。コンビニ・量販店向けが中心で、セブン&アイ向けが売上の約3割弱。2022年に持株会社体制へ移行。
- 事業内容(連結事業構成 2025.2):浅漬他製品 69%、漬物他商品 31%
- 補足機能:EC、外食・小売(OH!!!等)、農業、業務用・冷凍食品の開発販売
- 強み:全国の製造・販売ネットワーク、ブランド力(「ご飯がススム」)、大手CVSとの取引基盤
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:漬物カテゴリで国内首位。コンビニ向け比率が高く、チルド惣菜・キムチでのブランド浸透度が高い。
- 競争優位性
- 調達・製造・物流を含むスケールメリット
- CVS向け商品開発・供給体制(短サイクルの商品改廃対応)
- 乳酸発酵・衛生管理などのノウハウ
- 課題
- 需要側:米飯消費の長期減少、内食需要の伸び悩み
- コスト側:天候による野菜価格の変動、物流・人件費上昇
- 取引先依存:セブン&アイ向けの集中(約3割弱)のリスク
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性
- 収益性改善:価格改定・販促条件の適正化、原材料・物流・労務のコスト抑制
- チャネル拡大:CVS強化に加え、量販・業務用・EC・外食・小売の多角化
- 製品開発:季節商品、惣菜、冷凍業務用、乳酸菌を活用した機能訴求商品
- ブランド・コミュニティ:キャンペーン、直販コミュニティ(ピックルス食堂)で認知を強化
- 中期施策(短信より)
- 工場投資(茨城工場など)と稼働最適化
- 減価償却方法の定額法への変更(当中間期の営業利益等+1.01億円の一時的押し上げ効果)
- サステナビリティ・健康経営の推進(健康経営優良法人2025認定)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:NB(「ご飯がススム」等)とCVS/量販向けのPB・OEMを組合せ、回転率と製造効率で粗利確保を狙うモデル。
- 適応力
- 市場縮小に対し、惣菜・冷凍・業務用・外食小売へポートフォリオ拡張
- 価格改定・調達分散で原材料高に対応
- 主なリスク:天候・作柄に左右される原材料価格、特定大口先依存、労務・物流コスト上昇。新領域の収益化進捗。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:発酵・乳酸菌活用、チルド品質・衛生管理、全国供給を支えるコールドチェーン運用力。包装や製造の効率化投資。
- 主力製品・領域:ご飯がススム(キムチ)、浅漬、惣菜、業務用・冷凍商品、乳酸菌関連商品。プロモーションや季節商品の投入で棚を維持・拡大。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提データ
- 予想EPS:115.35円、予想PER:9.54倍
- 実績BPS:1,554.33円、PBR:0.71倍
- 会社予想(2026/2期):売上417億円、純利益14.4億円、予想EPS約115円
- 現金等:60.8億円/有利子負債:37.7億円 → ネットキャッシュ約23.1億円
- EV関連
- EV ≒ 時価総額141億 + 負債38億 − 現金61億 ≈ 118億円
- EV/S ≈ 0.28倍(売上417億円ベース)
- EV/EBITDA:4.0〜4.9倍(EBITDA 24〜30億円レンジのデータ差を考慮)
- 業界平均との比較(参考)
- 食品業界平均PER:約19.5倍、PBR:約1.3倍
- 同社はPER・PBRとも平均を下回る水準
※一時的な利益押し上げ要因(償却法変更 +1.01億円)には留意。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:終値1,100円は50日線1,091円付近、200日線996円の上。中期は上向き、直近は調整基調。
- 価格レンジ:52週高値1,206円(−約9%)、52週安値842円(+約31%)。
- 直近10日:1,197円から1,100円まで段階的に下落。出来高は直近やや膨らみ(10/30は59.4千株、3カ月平均37.9千株)。
- 需給:信用買残5.62万株・倍率562倍と買い残偏在(絶対水準は大きくないが、短期の値動きには影響しやすい可能性)。
8. 財務諸表分析
-
売上・利益(年次推移)
- 売上高:2023/2期 410億 → 2024/2期 430億 → 過去12カ月 415億(やや減速)
- 営業利益:15.4億 → 16.7億 → 12.8億(LTMでは低下)
ただし、2026/2期上期は増益(営業利益15.69億、利益率約7.0%)と改善傾向。
– 収益性(指標)
– 粗利率:LTM 約19.7%(8,193/41,518)
– 営業利益率:LTM 約3.1% → 上期実績 約7.0%(コスト抑制・価格適正化の効果)
– EBITDAマージン:LTM 約5.8%
– ROE(実績):5.27%、ROA:3.42%
– キャッシュフロー・投資
– 営業CF:+28億円(LTM)
– レバードFCF:−34.3億円(投資負担が大きい期間)
– 設備投資:新工場等の投資継続(減価償却法変更も適用)
– 安全性
– 自己資本比率:約61%
– 流動比率:約162%
– D/E(Debt/Equity):約19%(ネットキャッシュ体質)
– コメント:LTMでは収益率が低下しているが、直近期は価格改定・コスト管理で改善。投資負担からFCFは一時的にマイナスだが、財務余力は厚い。
9. 株主還元と配当方針
- 会社予想配当:年29円(中間15円・期末14円)/配当利回り約2.6%
- 予想配当性向:約30%(Payout Ratio 29.6%)
- 自己株式:期末自己株式は33.0万株(前期より減少)。直近期間に自己株買いの明記はなし(短信ベース)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期は陰線が続き調整、50日線近辺での攻防。中期は200日線上で推移。
- 関心度:ベータ0.54とディフェンシブ性。出来高は小型寄りで、浮動株比率が低め(インサイダー26.7%、機関21.7%)な点は価格弾力性に影響。
- 影響要因
- 原材料(野菜)価格・天候要因、物流・人件費
- 価格改定・販促の進捗、CVS向け販売動向
- 減価償却方法変更の一時効果、工場稼働の効率化
11. 総評
- 事業面:国内漬物トップとCVSチャネルに強み。市場の伸びは限定的だが、惣菜・冷凍・業務用など周辺領域での拡張により需要変化へ対応。
- 収益面:LTMでは利益率低下が見られる一方、2026/2期上期は価格・コストの適正化で改善。償却法変更による一時押し上げ(+1.01億円)を差し引いても回復基調。
- 財務面:自己資本比率61%、ネットキャッシュで耐性は高い。投資先行でFCFは一時的にマイナス。
- バリュエーション:PER・PBRとも業界平均を下回り、EV/S・EV/EBITDAも落ち着いた水準。短期的には需給(信用買い偏在)と決算トラック(コスト・販促進捗)が株価変動要因。
※本資料は公開データの整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。
12. 企業スコア
- 成長性:B
- 3年CAGRはほぼ横ばい(2023→LTM)。直近四半期は増収基調(YoY +3.7%)。
- 収益性:B
- LTMの営業利益率は約3%と物足りないが、上期は約7%まで改善。一過性要因を除いても回復傾向。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率約61%、D/E約19%、流動比率約162%、ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:A
- PER約9.5倍、PBR約0.71倍と業界平均(PER約19.5倍、PBR約1.3倍)を下回る水準。EV/S約0.28倍、EV/EBITDA 4.0〜4.9倍。
参考データ
– 株価・出来高:直近終値1,100円、出来高59,400株、年初来高値1,206円/安値842円
– 予想配当:29円、予想配当利回り約2.6%、権利落ち予定日:2026-02-26
– 発行済株式数:12,858,430株(自己株式33.0万株)
企業情報
| 銘柄コード | 2935 |
| 企業名 | ピックルスホールディングス |
| URL | https://www.pickles-hd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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