以下は株式会社ブイキューブ(証券コード:3681)の企業分析レポートです。

1. 企業情報

株式会社ブイキューブは、ネット会議システムなどのビジュアルコミュニケーションサービスを企業顧客向けに提供しています。主な事業内容は、Zoomのリセールや自社開発のV-CUBEシリーズ(Web会議、Webセミナー)など企業向けコミュニケーションDX支援を行う「エンタープライズDX」、Webセミナー・イベント配信サービスを提供する「イベントDX」、そして防音個室ブース「テレキューブ」の提供・運用支援を行う「サードプレイスDX」の3つのセグメントに分かれています。遠隔医療やネットでのセミナー開催支援、防音ブースの提供などを通して、多様な働く環境やコミュニケーションニーズに対応しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

ブイキューブは、Web会議システム、オンラインイベントプラットフォーム、および防音型個室ブースといった複数の市場領域でソリューションを提供しています。具体的な市場シェアを示すデータは提供されていませんが、コロナ禍におけるオンライン化の加速により、これらの市場は需要が拡大しました。競争環境としては、Web会議システムでは国内外の競合が多く、オンラインイベントや防音ブース市場でも競争が存在すると考えられます。Zoomのリセールを行う一方で、自社製品やサービス(V-CUBEシリーズ、テレキューブ、EventInなど)も展開しており、多様な顧客ニーズに対応できる点が強みと考えられます。一部事業では、主要顧客の案件減少や公共向け需要の一巡といった課題が見られます。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣が掲げるビジョンや具体的な中期経営計画に関する詳細な記述は、提供データからは明確ではありません。しかし、直近の決算短信からは、子会社であるTEN Holdings, Inc.のNASDAQ上場に伴う追加の資金調達、同社株式の一部売却、および連結除外を通じて、財務体質の改善を図る方針が示されています。これは現時点での重要な経営戦略の一つと見られます。各事業セグメントにおいては、エンタープライズDXではAgoraやZoomの販売、イベントDXではWebセミナー・イベント配信サービス、サードプレイスDXではテレキューブの提供と販売モデルの多様化に注力しています。

4. 事業モデルの持続可能性

ブイキューブの事業モデルは、クラウドベースのサービス提供が多く、サブスクリプション型による安定収益の確保を目指していると考えられます。コロナ禍においてはリモートワークの普及などで、Web会議やオンラインイベント、防音ブースといったサービスへの需要が高まりました。しかし、直近のイベントDX事業における主要顧客の案件減少や、サードプレイスDX事業における公共空間向け需要の一巡など、市場ニーズの変化への適応が課題となっています。今後は、既存事業の収益性改善と、新たな市場ニーズへの対応が事業モデルの持続可能性を高める上で重要となります。遠隔集中治療やスマートグラスの活用といった新分野への取り組みも行われています。

5. 技術革新と主力製品

ブイキューブは、V-CUBE MeetingやV-CUBE Seminarといった自社開発のWeb会議・セミナーシステム、防音型個室ブースのテレキューブを主力製品としています。これらの主力製品の提供に加え、ZoomやQUMU、Agoraといった他社製品・技術のリセールや提供も行い、顧客に多様なソリューションを提供しています。特にAgoraのSDK提供は、アプリケーションやウェブサイトへのビデオ通話・ライブ配信機能実装を可能にするものであり、技術活用と他社連携によって事業領域を広げている姿勢が見られます。遠隔医療分野での活用や、Realwearの防爆スマートグラス提供など、特定用途向けの技術ソリューションにも注力しています。

6. 株価の評価

現在の株価は138.0円です。
* PER(会社予想): 35.75倍
* PBR(実績): 6.12倍
* EPS(会社予想): 3.86円
* BPS(実績): 22.56円

業界平均と比較すると、業界平均PERが23.2倍、業界平均PBRが2.3倍であるため、現在の株価はPER、PBRともに業界平均を上回る水準にあります。ただし、直近12ヶ月間のEPSはマイナスとなっており、会社予想のEPS3.86円は将来の利益改善を見込んだものと考えられます。企業利益が損失段階にある中で、これらの指標だけで割安・割高を判断することは難しい場合があります。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価は145円から138円へと推移しており、短期的に下降傾向にあります。現在の株価138円は、年初来高値254円(52週高値271円)と比較して低い水準であり、年初来安値133円(52週安値133円)に近い位置にあります。また、50日移動平均線153.64円、200日移動平均線172.30円をいずれも下回って推移しており、テクニカル的には安値圏にあると判断できます。

8. 財務諸表分析

  • 売上: 直近12カ月の売上高は98.6億円ですが、直近四半期の売上高成長率(前年比)は-8.70%、2025年中間期の売上高は前年同期比△10.8%と減少傾向にあります。
  • 利益: 直近12カ月の利益は、営業利益率-3.97%、最終利益は18.4億円の損失(Net Income Avi to Common)となっています。2025年中間期も営業損失816百万円、経常損失988百万円を計上しており、親会社株主に帰属する中間純損失は634百万円に拡大しています。これは、主に子会社TEN Holdings, Inc.のNASDAQ上場に伴う株式報酬費用522百万円など、一時的な費用計上が影響しています。
  • キャッシュフロー: 直近12カ月の営業キャッシュフローは-817百万円、フリーキャッシュフローも-991.12百万円とマイナスです。2025年中間期の営業活動によるキャッシュフローも△1,009百万円と前年同期のプラスからマイナスに転じています。ただし、非支配株主からの払込みなどによる財務活動によるキャッシュフローは+1,098百万円となっており、資金調達は実施されています。
  • その他指標:
    • ROE(実績): 単体で-243.83%、直近12カ月で-152.91%と、大きなマイナスとなっています。
    • ROA(実績): 直近12カ月で-6.86%とマイナスです。
    • 自己資本比率(実績): 単体で1.3%、2025年中間期末で5.3%と非常に低い水準です。2024年12月末時点では△1.3%で債務超過でしたが、中間期で回復が見られました。
    • 流動比率(直近四半期): 0.68と1.0を下回っており、短期の支払い能力に懸念があります。
    • D/Eレシオ(直近四半期): 576.88%と非常に高く、有利子負債への依存度が高い状況です。
  • 傾向: 売上は減少傾向にあり、利益は一時的な要因も加わって損失が拡大しています。営業キャッシュフローもマイナスであり、財務健全性にも課題が見られます。特に自己資本比率の低さ、流動比率の低さ、高いD/Eレシオから財務面での脆弱性が示唆されます。継続企業の前提に関する重要事象も記載されていますが、金融機関からの支援同意やTEN HoldingsのIPOで当面の資金繰りに問題はないと判断されています。

9. 株主還元と配当方針

ブイキューブの配当利回り(会社予想)は0.00%であり、1株配当(会社予想)も0.00円です。現在のところ、配当は行われていません。自社株買いなどの具体的な株主還元策に関する情報は提供されていません。現在の厳しい財務状況を考慮すると、当面の間は配当などの株主還元を抑え、事業への投資や財務体質の改善が優先される方針であると推測されます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価は直近10日間で下落傾向にあり、年初来安値圏で推移しています。50日移動平均線および200日移動平均線を下回っていることから、株価のモメンタムは下降トレンドにあると考えられます。平均出来高(10日)は188.31k株と、3ヶ月平均出来高309.38k株と比較して減少傾向にあり、投資家の関心は低下している可能性があります。信用買残が1,007,300株と多い一方で、信用売残は0株であり、需給面では買い残が積み上がっている状況は株価の上値を重くする要因となる可能性があります。株価への影響を与える主な要因としては、今後の業績回復の兆し、子会社TEN HoldingsのNASDAQ上場による財務体質改善の進捗、および市場全体の動向が挙げられます。

11. 総評

株式会社ブイキューブは、Web会議、オンラインイベント、防音ブースなど、ビジュアルコミュニケーションとDX支援の領域で多様なサービスを提供しています。しかし、直近の業績は売上減少と大幅な利益損失を計上しており、子会社NASDAQ上場に伴う一時的な費用がその一因となっています。財務面では、低い自己資本比率、流動比率、高い有利子負債比率といった課題が見られ、財務健全性には懸念があります。株価は年初来安値圏で推移し、下降モメンタムにあると判断されます。今後の注目点は、子会社TEN HoldingsのNASDAQ上場による資金調達を含めた財務体質改善策の実行とその効果、および本業における収益性回復の具体的な進捗、新たな市場ニーズへの適応能力となります。

12. 企業スコア

  • 成長性:D
    • LTM売上成長率(YoY)-8.70%、2025年中間期売上高も前年同期比10.8%減となっており、売上が減少傾向にあるため。
  • 収益性:D
    • Profit Margin -18.66%、Operating Margin -3.97%、直近12ヶ月の純利益は大幅な損失。ROE、ROAも大幅マイナスであり、収益性は低いと判断されるため。
  • 財務健全性:D
    • 自己資本比率5.3%(中間期末)と低水準、流動比率0.68と1.0を下回る、Total Debt/Equityは576.88%と非常に高い。継続企業の前提に関する重要事象も存在することから、財務健全性に大きな課題があるため。
  • 株価バリュエーション:C
    • PER(予想)35.75倍、PBR(実績)6.12倍は、業界平均PER 23.2倍、PBR 2.3倍と比較して割高な水準です。将来の利益改善見込みのEPSに基づくPERですが、現在の財務状況や損失を考慮すると安価とは言えないため。

企業情報

銘柄コード 3681
企業名 ブイキューブ
URL http://jp.vcube.com/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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