3681 ブイキューブ 分析レポート(個人投資家向け)
注:本資料は公開情報の整理・評価であり、投資助言ではありません。数値は原則連結ベース、単位は円建てです。基準日の違いにより一部指標に差異があり得ます。
1. 企業情報
- 概要:企業・官公庁向けにビジュアルコミュニケーション(Web会議・動画配信・オンラインイベント)と、防音型個室ブース「テレキューブ」等を提供。
- 主なサービス・製品
- ソフトウェア/SaaS:V-CUBE Meeting/Seminar/Learning、Zoom(リセール)、QUMU(企業向け動画配信管理)、EventIn(オンラインイベント)、Agora(映像通話SDK)、ELMO(コラボ会議)、Realwear(スマートグラス)
- ハード/スペース:テレキューブ(防音個室ブース、設置・運用支援)
- 注力用途:遠隔集中治療(Tele-ICU)や製薬・教育分野など規制業種や大規模配信
- セグメント(報告区分)
- エンタープライズDX
- イベントDX
- サードプレイスDX(テレキューブ等)
- 参考構成比(会社開示の表現に基づく概況):エンタープライズDX約39%、イベントDX約36%、サードプレイスDX約25%(カッコ内は収益性の目安と読み取れるが、厳密定義は未記載)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内でオンライン会議・配信と現地会場運営を組み合わせた「ハイブリッド」対応に強み。Zoomリセールや自社V-CUBE群の組み合わせでエンタープライズ領域をカバー。
- サードプレイス(テレキューブ)は駅・オフィス等への設置が進み認知度が高い。
- 競争環境
- 会議・コラボは外資大手(Zoom、Microsoft Teams、Cisco等)との機能・価格競争が激しい。配信・イベントでは専門ベンダーや内製化も進展。
- ハード(ブース)は初期投資・設置コスト、更新・保守で資本効率が問われる。
- 課題
- リセール中心領域のマージン圧力、イベント需要の変動、公共向けテレキューブ需要の一巡感、為替・金利・借入依存度の高さ。
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性(決算短信・説明資料の記載より)
- エンタープライズDX:Zoom/Agora等の拡販、動画配信基盤(QUMU)で大企業・規制業種のニーズを獲得。
- イベントDX:ハイブリッド型案件の品質・運用力で差別化。主要顧客の需要変動を踏まえ案件ポートフォリオを再構築。
- サードプレイスDX:企業向けの底堅い需要に注力し、販売・運用モデルの多様化で収益性最適化。
- 財務戦略:連結子会社TEN Holdings, Inc.のNASDAQ上場を契機に、追加資金調達・一部売却・連結除外を検討し財務体質の改善を図る。金融機関とは財務制限条項の権利不行使で合意済み。
- 2025年通期計画(変更なし)
- 売上高:100億円、調整後EBITDA:10.5億円、営業損失:▲7億円、最終利益:+1億円(EPS 3.93円想定)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- サブスク(会議・配信SaaS、リセール)+プロジェクト収益(イベント運用)+ハード・設置/運用(テレキューブ)のミックス。
- 持続性評価の観点
- サブスク比率の積み上げは安定要因。一方、イベントは景気や顧客業種に左右されやすく、ハードは投下資本と償却負担が重い。
- 仕入先(Zoom等)条件変更や価格競争がマージンに影響しうる。
- 医療・公共など専門領域の実績は参入障壁になり得るが、案件獲得・運用体制の維持が前提。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・製品面
- QUMUによる企業内動画配信の統制・セキュリティ、Agora SDKによるアプリ組込型のリアルタイム通信など、開発者向け・大企業向け要件に対応。
- テレキューブは設置・運用ノウハウや管理システムを含むエコシステムが差別化要素。
- 収益牽引
- エンタープライズDX(Zoom/Agora/配信基盤)とサードプレイスDX(テレキューブ)が黒字化寄与。イベントDXは当期、株式報酬費用計上の影響で赤字拡大。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提(株価 138円、時価総額 36.35億円)
- 会社予想EPS:3.86円 → 予想PER 約35.8倍(業界平均PER 23.2倍より高い水準)
- BPS:
- 直近四半期BPS:42.86円 → PBR 約3.2倍
- 市場データBPS(実績):22.56円 → PBR 約6.1倍
- 基準日の違いによりPBRは概ね3.2〜6.1倍レンジ。直近短信で純資産が回復しており、最新BPSでのPBRは低下傾向。
- EV/S(LTM):EV ≒ 36.35億 +(有利子負債72.1億 − 現金10.7億)≒ 97.8億、売上(LTM)98.6億 → EV/S ≒ 1.0倍
- P/S(LTM):約0.37倍
- 参考
- LTMは赤字のため、PERは通期黒字化前提への感応度が高い点に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド指標
- 50日移動平均:153.64円、200日移動平均:172.30円、現値は両線を下回る。
- 52週レンジ:133〜271円、現値はレンジ下限付近。
- 需給・足元
- 直近10日、150円台での戻りが重く、138円まで反落。出来高は一時増から低下基調(3カ月平均約31万株、直近出来高9.3万株)。
- 信用残:買い残約100.7万株、売り残0株(倍率算出不能)。買い残は前週比で小幅減。
8. 財務諸表分析(連結)
- 成長性
- 売上(LTM):98.6億円、四半期YoY:▲8.7%、2025年上期売上:50.1億円(前年同期比▲10.8%)
- 収益性
- 粗利:35.2億円(粗利率約35.7%)
- 営業利益率(LTM):▲3.97%、最終損益(LTM):▲18.4億円(純利益率▲18.7%)
- 2025年上期は、イベントDXで株式報酬費用(約5.22億円)計上等により赤字拡大。
- 効率性
- ROA(LTM):▲6.86%、ROE(LTM):▲152.9%(自己資本の小ささが影響)
- 財務安全性
- 現金同等物:10.7億円、有利子負債:72.1億円 → ネット有利子負債:約61.4億円
- 流動比率:0.68、自己資本比率:5.3%(2025/6末、短信ベース)
- D/E:約576.9%(高水準)
- 金融機関と財務制限条項の権利不行使で合意。TEN Holdings関連の追加施策(資金調達・売却・連結除外)で改善を図る方針。
- キャッシュフロー(2025年上期・累計)
- 営業CF:▲10.10億円、投資CF:▲0.12億円、財務CF:+10.99億円 → 現金残高10.7億円
- セグメント(2025年上期)
- エンタープライズDX:売上17.9億、セグ利益+3.04億
- イベントDX:売上19.4億、セグ損失▲9.83億(株式報酬費用の一時負担を含む)
- サードプレイスDX:売上12.9億、セグ利益+3.45億
9. 株主還元と配当方針
- 配当:会社予想 0円(配当利回り 0%)、配当性向 0%
- 自社株:自己株式 約46.6万株(発行株式の約1.77%)
- 現状は財務体質の改善を優先。自社株買い等の新たな施策は未確認。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週変化率:▲42.7%、β(5年):0.71。中長期は弱含み、短期も戻り売りが意識される局面。
- 投資家構成・関心
- インサイダー保有:約21.2%、機関保有:約10.0%、フロート:約2,049万株。
- 信用買い残はフロート比で約5%程度。イベント(決算、TEN Holdingsの資本政策進捗等)が関心材料。
11. 総評
- 事業面:サブスク×イベント×ブースの複合モデル。エンタープライズとサードプレイスが収益源、イベントは一時費用の影響大。ハイブリッドイベントと規制業種向けが成長ドライバー。
- 財務面:自己資本比率5%台、流動比率1倍未満、有利子負債多め。短期資金繰りは金融機関の支援と資本取引で補完だが、追加施策の実行が前提。
- 株価面:業界平均と比べたPER・PBRは高めの水準(予想ベース)。LTM赤字からの黒字転換達成度が評価の鍵。価格は52週下限圏、モメンタムは弱め。
- 注目点:TEN Holdingsの連結範囲見直し・資金調達の進捗、イベント需要の回復度、テレキューブの収益性維持、為替・金利動向。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上成長率▲8.7%、上期売上▲10.8%。
- 収益性:C
- 根拠:粗利率約36%、営業利益率(LTM)マイナス。業界平均(ソフトウェア)は一般に高粗利だが、ハード混在で低め。
- 財務健全性:D
- 根拠:自己資本比率5.3%、流動比率0.68、D/E高水準。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:予想PER約35.8倍(業界平均23.2倍より高い)、PBR約3.2〜6.1倍(平均2.3倍より高い)。EV/S約1.0倍は低位だが業界平均データ不明のため総合は中位寄りの評価。
参考データ抜粋
– 株価レンジ:年初来高値254円/安値133円
– 出来高(3カ月平均):約30.9万株
– 次回イベント:2025年11月14日(予定)決算発表
– 会社予想(2025年通期):売上100億円、最終利益1億円、配当0円
不明点や追加の深掘り(セグメント別KPI、詳細CF表など)が必要な場合はご指示ください。
企業情報
| 銘柄コード | 3681 |
| 企業名 | ブイキューブ |
| URL | http://jp.vcube.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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