佐賀銀行(8395)企業分析レポート
株価:3,185円(2025-10-31)/時価総額:542.8億円/市場:東証プライム・福証
1. 企業情報
- 地域金融機関(佐賀地盤の地銀中位)。県内で圧倒的シェア(貸出金シェア4割超、預金シェア5割超)。福岡県にも積極出店し営業基盤を拡大。
- 主要業務
- 預金(普通67%、定期23%、当座7% など)
- 貸出(資産の約71%、うち中小企業向け69%、住宅・消費者向け24%)
- 有価証券運用(資産の約18%)
- リース、信用保証、各種相談・コンサル(事業承継、採用・販路開拓、カーボンニュートラル 等)
 
- デジタル/法人サービス:インターネットバンキング、Web請求書、クラウドファクタリング、キャッシュレス加盟店、為替IB、Web口振・振込、海外進出支援など。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:佐賀県内で預貸ともに圧倒的なドミナント。周辺の福岡市場での拡大により商圏を広げつつある。
- 競争優位
- 地域密着の取引基盤と高い預金シェアによる安定的な資金調達力
- 中小企業向け融資と各種支援サービス(事業承継・販路開拓・脱炭素対応等)による関係性の深さ
 
- 課題
- 福岡エリアでは大手地銀グループとの競争が激しく、預金金利の上昇(預金ベータ上昇)や手数料競争の圧力
- 金利・市場環境変動による有価証券ポートフォリオの評価・売却損益のブレ
 
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(短信・公開情報の要旨)
- 本業収益の強化:中小企業向け融資・法人ソリューション(事業承継、DX/脱炭素、海外展開)拡充
- 非金利収益の拡大:決済・キャッシュレス、投信・保険、為替、リース・保証などの手数料ビジネス
- 福岡での店舗・営業体制強化による商圏拡大
- 市場運用ポートフォリオの再構築(2026/3期1Qは前倒しの売却損等を計上)
- デジタルチャネル高度化(法人IB、Web口振・振込、自動化支援 等)
 
- 2026年3月期会社計画(連結)
- 経常収益 5,600億円(+1.3%)
- 経常利益 115億円(+4.5%)
- 親会社純利益 80億円(+6.7%)
- EPS 473.63円
 
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:預貸利鞘+手数料(非金利)+市場運用。県内ドミナントな預金基盤により調達は安定。一方、金利上昇局面では預金金利の上昇が先行すると利鞘が圧迫されうる。
- 変化適応力
- 1Qは預金利息が前年108→1,144(百万円)へ上昇し調達コストが増加。貸出金利息は増加し運用収益は底堅い。非金利収益や市場運用での分散が重要。
- NPL比率は2.04%(部分直接償却考慮1.86%)。与信費用管理が継続課題だが健全性は保たれている水準。
- 有価証券の再構築を進め、将来のボラティリティ抑制を狙う動き。
 
5. 技術革新と主力製品
- 技術/サービス動向:法人IB、Web請求書、クラウドファクタリング、キャッシュレス、為替IB、Web口座振替・振込などデジタル機能を拡充。地域企業の生産性向上・DX支援に連動したサービス群を展開。
- 収益牽引
- 主力は貸出金利息(1Q:貸出金利息6,458百万円)と役務取引収益(1Q:2,081百万円)
- リース・信用保証も連結で収益貢献
 
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:3,185円
- 予想EPS:473.63円 ⇒ 予想PER:約6.7倍(業界平均PER 10.7倍)
- 実績BPS:7,065.9円 ⇒ PBR:約0.45倍(業界平均PBR 0.40倍)
- 参考レンジ比較
- 業界平均PER(10.7倍)× 予想EPS(473.63円)⇒ 理論参考5,078円
- 業界平均PBR(0.40倍)× BPS(7,065.9円)⇒ 理論参考2,826円
 
- 含意
- 収益バリュー(PER)は業界平均を下回る水準、簿価バリュー(PBR)は概ね平均圏~やや上。ROE(実績6.29%)は地銀として中位水準。
 
7. テクニカル分析
- 52週レンジ:1,681~3,345円。現状は高値圏に近い水準(3,185円)。
- トレンド:50日線3,023円、200日線2,462円の上に位置し、中長期は上昇トレンド継続。直近は3,300円台で上値を試した後の押し戻し。
- 出来高:10日平均5.36万株、3カ月平均6.54万株。直近は平均並み。
- 信用動向:信用買残81.3万株・倍率46.74倍と買い残偏重。短期的な需給歪みやイベント時の振れに留意。
8. 財務諸表分析(連結)
- 売上・利益(百万円)
- 経常収益:2022/3 40,301 → 2023/3 42,006 → 2024/3 44,298 → 過去12か月 47,911(3年CAGR約+5.9%、直近YoY約+8.2%)
- 親会社純利益:2022/3 4,076 → 2023/3 5,491 → 2024/3 6,218 → 過去12か月 7,496(増益傾向)
 
- 収益性
- 予想EPS 473.63円、実績EPS(LTM)約444円
- ROE(実績)6.29%、ROA(LTM)0.19%、営業利益率(LTM目安)13.31%(銀行は他業種と指標の意味合いが異なる点に留意)
 
- 貸借対照・健全性(2025/6末)
- 総資産3,257,128百万円、貸出金2,263,745、預金2,873,125、有価証券558,306、現預金344,446
- 貸出/預金比率:約79%(流動性余力は良好)
- 不良債権比率:2.04%(参考:部分直接償却後1.86%)
- 自己資本比率(短信算定)3.6%(告示ベース・規制資本比率とは算定が異なるため単純比較に注意)
 
- キャッシュフロー:四半期CF計算書は未作成(短信注記)
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績(2025/3期):年間90円(中間40・期末50)
- 2026/3期配当予想
- 決算短信:年間90円(中間45・期末45)
- 市場データ(各種指標):年間100円
- 情報差異あり。会社公表(短信)では「90円据置」。いずれにせよ配当性向は20%前後(LTMベース約20.4%)。
 
- 自社株買い:自己株式0.27%(足元残高)。大規模な自己株買いの記載は確認情報なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日:3,345円接近後に利益確定の押し。終値は50日線上で推移しつつ、上値の重さと押し目買いが交錯。
- 外部要因
- 金利動向(貸出金利上昇と預金金利上昇のバランス)
- 有価証券ポートフォリオ再構築の進捗と評価損益
- 与信費用の変動、地域経済・中小企業の業況
 
- 予定イベント
- 次回決算発表(会社計画は現状据置の方針)
- 権利落ち(次回想定:2026/3/30)
 
11. 総評
- 県内ドミナントな預金・貸出シェアを基盤に、福岡市場での拡販や法人向けデジタル・コンサル機能の拡充で、本業・非金利の両面から収益機会を広げている。
- 2026/3期1Qは、預金金利の上昇や有価証券の再構築コストが利益を一時的に圧迫。一方で貸出金利息は増加し、運用収益の下支えは確認できる。
- バリュエーションはPERで業界平均を下回る一方、PBRは概ね平均圏。ROEは地銀として中位。今後は与信費用と市場運用のボラティリティ管理、非金利収益の積み上げが安定成長のカギ。
- 自己資本比率は短信算定であり、規制上の自己資本比率とは異なる点に留意。
(注)本資料は記載データに基づく客観的整理であり、投資助言を目的としません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY約+8%、3年CAGR約+5.9%、純利益も増益傾向。
 
- 収益性:B
- 根拠:ROE実績6.29%は地銀として中位。営業利益率は参考値として2桁だが、銀行の特性上単純比較は不可。
 
- 財務健全性:B
- 根拠:L/D約79%、NPL比率約2%台。自己資本比率(短信算定)3.6%は告示ベースと異なり評価保留、総合的に中立評価。
 
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:予想PER6.7倍は業界平均10.7倍を下回る。PBR0.45倍は平均0.40倍近辺で中立~やや上。
 
主要数値(抜粋)
- 予想EPS:473.63円/実績BPS:7,065.9円
- 予想PER:約6.7倍/PBR:約0.45倍
- 予想配当:会社短信90円(市場データ100円)、配当利回り目安:約2.8~3.1%
- ROE:6.29%/ROA:0.19%
- NPL比率:2.04%(参考:1.86%)
- 50日線:3,023円/200日線:2,462円/52週高安:3,345円・1,681円
必要に応じて、与信費用の詳細、有価証券のデュレーション・含み損益、セグメント別収益内訳の推移なども深掘り可能です。
企業情報
| 銘柄コード | 8395 | 
| 企業名 | 佐賀銀行 | 
| URL | http://www.sagabank.co.jp/ | 
| 市場区分 | プライム市場 | 
| 業種 | 銀行 – 銀行業 | 
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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