武蔵精密工業(7220)企業分析レポート
株価:3,490円(2025/10/31終値)
市場区分:東証プライム/輸送用機器(自動車部品)
時価総額:約2,289億円
1. 企業情報
- 概要:差動機構(ディファレンシャル)、プラネタリ減速機、カムシャフト、変速機用ギア等のパワートレイン部品を主力とする自動車・二輪部品メーカー。主要顧客はホンダ系(売上構成で約5割)。グローバルに生産・販売(海外売上比率89%)。
- 主な事業
- パワートレイン:ディファレンシャルASSY/ギア、プラネタリASSY、カムシャフトなど
- リンケージ・サスペンション:サスアームASSY、ボールジョイントなど
- 二輪:DCT、トランスミッションASSY、スクーター減速ギア、カムシャフト類
- 新規:Energy Solution(ハイブリッド・スーパーキャパシタ=HSC等)、e‑Mobility
 
- 組織・体制:CxO+地域CEO体制へ移行し意思決定の迅速化を図る(2026年3月期1Q資料より)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:ホンダ向けのドライブトレイン部品に強み。自動車・二輪のグローバル顧客基盤と海外生産体制を持つ。
- 競争優位性
- 長年の量産品質とコスト競争力(差動・ギアなどのコア製品)
- 二輪でのアジア・南米展開
- BEV/HEV向け受注の拡大(主力コア製品の電動化対応)
 
- 課題
- 顧客集中(ホンダ向け比率が高い)
- BEV比率上昇に伴うパワートレイン構成変化(ギア点数や付加価値の変化)
- 原材料・為替・関税など外部変動コストの影響
 
(注)市場シェアの定量データは開示情報からは不明。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略の方向性
- コア事業の収益性維持・最適化(生産拠点の最適配置、コスト管理)
- 電動化・新規事業の育成(Energy Solution、e‑Mobility)
 
- 重点施策(2026年3月期1Q資料)
- Energy Solution:HSCの増産体制構築(AIデータセンター等の需要領域にも展開)
- e‑Mobility:二輪EV普及支援(ケニアに続きエチオピアでプロジェクト採択)
- ガバナンス:CxO+地域CEO体制で意思決定迅速化
 
- 通期計画(会社予想、据え置き)
- 売上高330,000百万円、営業利益21,000百万円、純利益11,000百万円、EPS167.91円
 
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:自動車・二輪向けパワートレイン部品の量産供給が基盤。為替・原材料・需要の影響を受けやすい一方、長期取引関係と多地域生産で分散。
- 適応力
- 電動化対応:BEV/HEV向けの差動・減速機受注が堅調との記載
- 事業多角化:HSCなどエネルギーソリューションで自動車サイクル以外の需要(データセンター、電力用途)を取り込み
- 地域分散:米州・アジア・欧州・中国のバランス(1Qはアジア・米州が利益貢献)
 
5. 技術革新と主力製品
- 主力:差動ASSY/ギア、プラネタリ減速機、カムシャフト、二輪向けトランスミッション/減速ギア等
- 技術開発
- HSC(ハイブリッド・スーパーキャパシタ):高頻度充放電・出力応答に強みがあり、AIデータセンター電源安定化など新用途に展開
- e‑Mobility:二輪EVの普及支援と関連コンポーネントの最適化
 
- 収益牽引領域:短期的にはコアのパワートレイン部品、先行投資は新規事業に集中
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:3,490円
- 予想PER:20.79倍(業界平均PER:13.3倍)
- 実績PBR:2.03倍(業界平均PBR:0.8倍)
- 参考指標
- トレーリングEPS:約118.8円 → トレーリングPER:約29.4倍
- 予想EPS:167.89円 → フォワードPER:約20.8倍(会社予想ベース)
- BPS:1,722.44円 → PBR:約2.03倍
- EV/S(概算):EV ≒ 時価総額2,288.8億+純有利子負債約633億=約2,922億円、売上高約3,472億円 → 約0.86倍
- P/S(時価総額/売上高):約0.66倍
 
- 機械的な比較例(参考)
- 業界平均PER(13.3倍)× 予想EPS(167.89円)= 約2,235円
- 業界平均PBR(0.8倍)× BPS(1,722円)= 約1,378円
 
(注)上記は単純比較であり、成長期待・事業ポートフォリオ差・資本効率の違いは反映しない数値比較。
7. テクニカル分析
- 52週レンジ:1,793円~4,355円(現状はレンジ上半分、約66%位置)
- 移動平均:50日線3,384円、200日線2,971円 → いずれも上回る
- モメンタム(直近10日):終値3150→3490と上昇基調、出来高は直近増加(日次62万株、3カ月平均60万株)
- 年初来高値4,110円に対し約−15%水準、短期は戻り基調
8. 財務諸表分析
- 収益(百万円)
- 売上高:347,196(LTM)/ 349,917(2024)/ 301,500(2023)/ 241,896(2022)
- 営業利益:19,721(LTM)/ 18,374(2024)/ 7,678(2023)/ 8,413(2022)
- 当期純利益:7,782(LTM)/ 7,921(2024)/ 2,436(2023)/ 5,429(2022)
 
- 収益性
- 粗利率:約15.2%(52,660/347,196)
- 営業利益率:約5.7%(19,721/347,196)
- EBITDAマージン:約10.6%(36,632/347,196)
- 純利益率:約2.2%(7,782/347,196)
 
- 成長
- LTM売上成長率:−0.8%(347,196 vs 349,917)
- 3年CAGR(2022→LTM):約+12.7%
- 直近期(1Q):売上−6.6% YoY、EPS −43.3% YoY(先行投資や為替・金利費用影響)
 
- 効率・資本
- ROE:6.75%(実績)
- ROA:約4.05%(LTM参考指標)
- 自己資本比率:40.2%(2025/3末)、1Q時点39.3%
- 流動比率:約1.49倍
- D/E(有利子負債/自己資本):約0.83(Debt/Equity 82.9%)
 
- 財務費用:営業外の金利負担は拡大傾向(LTMの純金利費用−18億円規模)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間50円(予想、利回り約1.43〜1.52%)
- 配当性向:42.1%(目安としては安定的)
- 自己株式:0.05%(自己株買いの規模は限定的)
- 5年平均配当利回り:1.89%(現状は平均を下回る水準)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率:+72.7%(セクター内でも注目度は高め)
- 信用動向:信用倍率5.62倍、信用買残は前週比減少(短期の手仕舞い・回転の動き)
- 株主構成:インサイダー34.5%、機関47.0%、フロート約4,074万株(浮動株はやや限定的)
- 近いイベント:2025/11/10 決算発表予定(短期の材料視されやすい)
11. 総評
- 事業面:コアの差動・ギアで安定基盤を維持しつつ、HSC等のEnergy Solutionで非自動車領域の拡張を進める構図。二輪分野やHEV向けが支え。
- 業績:中期では増収・増益トレンドを取り戻しつつある一方、直近四半期は売上・純利益が前年割れ。金利費用や先行投資が利益を圧迫。
- 財務:自己資本比率40%前後、流動性1.5倍と健全圏。負債活用は進むが管理可能な水準。
- バリュエーション:PER・PBRとも業界平均を上回るレンジ。成長投資や事業ポートフォリオの変化(HSC等)への期待が織り込まれている可能性。
- テクニカル:中期上昇トレンドを維持、短期は戻り基調。イベント前後の変動に留意。
(本レポートは情報提供目的であり、投資助言を行うものではありません。)
12. 企業スコア(S〜D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上は微減(−0.8%)だが、3年CAGRは約+12.7%と伸長。
 
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率約5.7%、粗利率約15%台。業界平均に大きく劣後する水準ではない一方、トップ層ほどではない。
 
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率40%前後、流動比率約1.5倍、D/E約0.83と良好。
 
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:予想PER20.8倍、PBR2.03倍と業界平均(PER13.3倍、PBR0.8倍)を上回る水準。EV/Sは約0.86倍(比較データは不明)。
 
【参考データ(要点)】
– LTM:売上3,471.96億円、営業利益197.21億円、純利益77.82億円、EPS約118.8円、EBITDA約366.32億円
– 配当:年間50円(予想)、配当性向約42%
– 移動平均:50日線3,384円、200日線2,971円
– 重要日程:2025/11/10(決算)、2026/3/30(配当権利落ち予定日)
企業情報
| 銘柄コード | 7220 | 
| 企業名 | 武蔵精密工業 | 
| URL | http://www.musashi.co.jp/ | 
| 市場区分 | プライム市場 | 
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 | 
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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