1. 企業情報

株式会社システムインテグレータは、1995年に設立された独立系ソフトウェア開発企業です。主に法人向けにパッケージソフトウェアの企画・開発・販売・保守、およびクラウドサービスの提供を行っています。事業の柱は、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」シリーズや、Web-ERP「GRANDIT」を中心としたERP(基幹業務システム)の開発・導入・保守サービスです。近年では、AI(人工知能)関連ソリューションの提供にも注力しています。従業員数は296名、平均年齢35.7歳、平均年収6,560千円で、さいたま市に本社を構えています。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は独立系のソフトウェア開発企業として、特定のハードウェアベンダーやグループに属さない柔軟な形で事業を展開しています。主要事業であるERPおよびDB開発支援ツールの分野では、企業のDX推進や業務自動化、製造業のデジタル化ニーズを背景に堅調な需要を取り込んでいます。特に、Web-ERP「GRANDIT」に加え、「SAP Cloud ERP」や「mcframe」といった複数ソリューションを組み合わせた提案により、顧客の多様なニーズに対応できる競争優位性を構築しています。中間期決算ではERP事業が全体の売上高の約84.0%を占め、増収増益の牽引役となっています。AI事業は現在立ち上げ投資期であり、市場での具体的なポジションはこれから確立する段階です。

3. 経営戦略と重点分野

同社は2026年2月期からの2年間を「進化と挑戦のフェーズ」と位置づけ、既存事業の基盤強化とAIによる新価値創造を経営ビジョンとして掲げています。具体的な施策としては以下の点を重点分野としています。
* 事業ポートフォリオの拡充: 株式会社システム開発研究所の完全子会社化や株式会社BizSaaSの設立など、M&Aや新会社設立を通じて事業領域を拡大しています。
* AI事業の立ち上げ: 既存の画像認識から生成AI、AIエージェント、検図AI「KENZ」へとリソースをシフトし、新たな収益源としての育成を目指しています。
* ERP/開発ツールの深化: Object Browser事業ではクラウド移行やマルチDB対応を進め、ERP事業では複数の基幹業務システムを組み合わせた提案力を強化しています。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進ニーズに強く関連しており、基幹業務システムや開発支援ツールの安定的な提供と保守サポートが収益の柱です。ERP事業は企業のデジタル化投資が続く中で堅調な需要が見込まれ、既存顧客へのアップセルやクロスセルも期待できます。Object Browser事業におけるMRR(月間経常収益)の増加は、持続的な収益モデルへの転換を示唆しています。AI事業は現時点では先行投資段階ですが、中長期的な成長ドライバーとして期待されており、関連技術の進化と市場ニーズへの適合が持続可能性のカギとなります。高い自己資本比率や潤沢な現金預金は、事業投資や市場変化への対応力を高める要因となります。

5. 技術革新と主力製品

同社はソフトウェア開発における技術力を軸に、多様な製品・サービスを展開しています。
* Object Browser事業:
* 主力製品はデータベース開発支援ツール「SI Object Browser」シリーズ、「SI Object Browser ER(データモデリングツール)」、「SI Object Browser Designer(AI設計ドキュメント作成ツール)」です。
* プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」は月額課金型(MRR)ビジネスとして成長しています。
* MySQL対応などの開発投資を進め、マルチDB環境への対応力を強化しています。
* ERP事業:
* 自社製Web-ERP「GRANDIT」を中核に、「SAP Cloud ERP」や「mcframe」といった国内外の主要ERPシステムを組み合わせたソリューションを提供しています。
* AI事業:
* 「AISIA(デザイン認識ソリューション)」などの画像認識から、生成AI、AIエージェント、検図AI「KENZ」など、最先端のAI技術を活用したソリューション開発に進出しています。現在は立ち上げ投資段階です。
* その他: オンラインプログラミングスキル評価クラウド「TOPSIC」、ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」(持分会社へ移管後に譲渡)などを手掛けています。

6. 株価の評価

現在の株価は488.0円です。
* PER(会社予想): 20.89倍。業界平均PER17.6倍と比較すると、やや高めの水準にあります。
* PBR(実績): 1.27倍。業界平均PBR1.6倍と比較すると、割安な水準にあります。
* EPS(会社予想): 23.36円
* BPS(実績): 385.15円

これらの指標に基づくと、PERでは業界平均より高い評価を受けている一方、PBRでは業界平均を下回っています。

7. テクニカル分析

現在の株価488.0円は、年初来安値293円と比較すると高い水準にあり、年初来高値542円に迫る価格帯で推移しています。直近10日間の株価は一時540円まで上昇した後、488円まで調整しています。50日移動平均線(456.34円)および200日移動平均線(395.32円)を現在の株価が上回っていることから、中長期的な上昇トレンドが継続していると見られます。ただし、直近は高値圏からやや調整する動きも見られます。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:
    • 2022年2月期: 4,817百万円
    • 2023年2月期: 4,486百万円
    • 2024年2月期: 4,835百万円
    • 2025年2月期 (過去12ヶ月): 4,768百万円
    • 2026年2月期中間期 (2025年3月~8月): 2,725百万円(前年中間比 +22.3%)
    • 2026年2月期通期予想: 5,500百万円。過去最高売上高を更新する見込みであり、直近の中間期も大きく増収を達成しています。
  • 利益:
    • 営業利益は2022年2月期の587百万円をピークに減少傾向にありましたが、2026年2月期中間期では255百万円(前年中間比 +219.3%)と大幅に改善しています。
    • 中間期の営業利益率は9.4%です。
    • 親会社株主に帰属する中間純利益は206百万円(同 +175.6%)と大幅な増益を達成しました。2024年2月期には非経常的な大きな利益(Total Unusual Items 954百万円)の計上があり、一時的に純利益が膨らんだ年もありましたが、これを考慮した経常的な利益も改善傾向にあります。
  • キャッシュフロー:
    • 営業活動によるキャッシュフローは、2026年2月期中間期で+621百万円と大きくプラスに転換し、税金等調整前中間純利益の増加、契約負債の増加、売掛金の減少などが寄与しました。
    • 投資活動によるキャッシュフローは△306百万円となり、子会社株式の取得(株式会社システム開発研究所)や無形固定資産の取得等に資金が投じられています。
    • 財務活動によるキャッシュフローは△109百万円となり、主に配当金の支払いに充てられています。
    • 現金及び現金同等物は潤沢であり、財務基盤の安定性を示しています。
  • 収益性指標:
    • ROE(実績): 14.18% と良好な水準です。
    • Operating Margin(過去12ヶ月): 10.92%
  • 財務健全性指標:
    • 自己資本比率(実績): 82.5%(直近中間期は76.0%)と非常に高く、財務は極めて健全です。
    • 流動比率(直近四半期): 3.74(374%)と、短期的な支払い能力も十分です。
    • Total Debt/Equity(直近四半期): 0.33%と、負債が極めて少ない状態です。

9. 株主還元と配当方針

同社の配当利回り(会社予想)は1.84%です。1株当たり配当金(会社予想)は9.00円(期末配当のみ)です。会社予想EPS23.36円に対する配当性向は約38.5%と推測されます。2025年2月期には普通配当に加え記念配当や特別配当も実施しており、株主還元への意識は存在します。2026年2月期に関しては特別配当の予定は発表されていません。自社株買いについては、過去に自己株式取得があり、現在も一定の自己株式を保有していますが、直近で新たな自社株買いの発表は見られません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

過去52週の株価変化率は+56.55%と、S&P 500の+20.77%を大きく上回るパフォーマンスを見せており、強い上昇モメンタムがあります。直近10日間の平均出来高は62.39千株と3ヶ月平均(36.72千株)を上回っており、投資家の関心が高まっている可能性が示唆されます。
信用取引においては、信用買残が直近で大幅に増加しており(+134,800株)、信用倍率も23.68倍と高水準です。これは株価上昇への期待を示す一方で、将来的な手仕舞い売りによる短期的な株価下落圧力となる可能性もあります。
株価への影響を与える主な要因は、ERP事業の好調な業績、AI事業の進捗状況と将来的な収益化、新規子会社や新設会社の事業貢献度、そして市場全体のソフトウェア投資動向などと考えられます。

11. 総評

株式会社システムインテグレータは、独立系のソフトウェア開発企業として、主力であるERP事業を柱に安定した事業基盤を築いています。DX推進需要の追い風を受け、ERP事業は好調に推移しており、会社全体の業績を牽引しています。AI事業は先行投資段階にありますが、中長期的な成長の可能性を秘めています。財務体質は自己資本比率82.5%と極めて健全であり、潤沢なキャッシュフローも確保されています。株価は中長期的な上昇モメンタムが継続しているものの、高値圏にあり、信用買残の増加には注意が必要です。

12. 企業スコア

  • 成長性: A
    • 2026年2月期通期売上高は過去最高を更新する予想であり、直近中間期も前年同期比で22.3%の増収を達成しています。特に主力ERP事業の成長が顕著です。
  • 収益性: A
    • 中間期の営業利益率は9.4%に改善しており、ROEも14.18%と良好な水準です。粗利率も業界平均と同等以上を維持しています。一時的な損益を除いた経常的な利益も改善傾向にあります。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率82.5%(中間期76.0%)、流動比率374%、D/Eレシオ0.33%といずれも極めて優良な水準であり、財務体質は非常に強固です。
  • 株価バリュエーション: B
    • PER(予想20.89倍)は業界平均(17.6倍)に対しやや割高感があるものの、PBR(実績1.27倍)は業界平均(1.6倍)を下回っており、両指標を総合すると中立的な評価となります。

企業情報

銘柄コード 3826
企業名 システムインテグレータ
URL http://www.sint.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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By ジニー

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