ダイキン工業(6367)企業分析レポート
注)本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資助言を行うものではありません。不明な項目は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要:空調・冷凍機で世界トップクラス、国内業務用は高シェア。フッ素化学事業も展開。グローバルで生産・販売・サービスを一体運営し、M&Aを活用してプレゼンスを拡大。
- 事業セグメント(連結・売上構成):空調・冷凍機 約92%、化学 約6%、その他 約2%(2025.3期)。海外比率は約83%。
- 主要製品・サービス:家庭用/業務用空調(分割/マルチ/VRV/ヒートポンプ等)、チラー、データセンター向けアプライド空調、空気清浄・換気、制御、空調フィルタ。化学はフッ素樹脂・フッ素ゴム、冷媒、半導体用薬品など。アフターサービス収益も保有。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:空調分野で世界トップ級。国内業務用で強固な地位。グローバルでは米Carrier、Trane、Johnson Controls、日系(パナソニック、三菱電機、富士通ゼネラル等)、中国勢(Midea、Gree、Haier等)と競合。
- 競争優位性:
- 製品フルライン(家庭用〜大型アプライド、データセンター対応まで)とインバータ/ヒートポンプ技術。
- 価格政策・高付加価値化(VRV、FIVE STAR ZEAS、うるさらXなど)とアフターサービス。
- グローバル生産最適化とM&Aの積極活用。
- 課題:
- 中国不動産市況や欧米の景気変動の影響。
- 環境規制(Fガス規制・PFAS論点等)への適時対応。
- 原材料・物流コスト、為替などの外部変動。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/中計:中期計画「FUSION25」を軸に、カーボンニュートラル、エネルギー・サービス・ソリューションを推進。
- 重点施策(決算短信要約)
- 販売価格政策と高付加価値商品の拡販(VRV7、FIVE STAR ZEAS、うるさらX等)。
- シェア向上、グローバル生産の最大活用、M&Aの成果創出。
- アプライド空調(データセンター等)やヒートポンプ需要の取り込み。
- 2026年3月期通期見通し(会社計画)
- 売上高 4,840,000百万円(前期比+1.8%)、営業利益 435,000(+8.3%)、純利益 272,000(+2.7%)、EPS予想 928.95円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:初期販売(空調・冷凍機、化学)+アフターサービス・保守。更新・置き換え需要、建築新設需要、データセンター投資が下支え。
- 構造的追い風:省エネ規制強化、電化・脱炭素、ヒートポンプ普及拡大、室内空気質(IAQ)への意識。
- 変化対応力:自社冷媒技術、低GWP対応、インバータ・制御、グローバル供給網、M&Aで補完。
- リスク:マクロ減速、為替、Fガス/化学物質規制強化、部材調達、地政学。化学セグメントは半導体関連需要の変動影響。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:ヒートポンプ高効率化、低GWP冷媒、インバータ制御、ビル/データセンター向け最適化制御、空気質改善、フィルタ/脱臭技術。
- 主力・収益牽引:
- 空調:VRV(マルチエアコン)、高効率業務用パッケージ、家庭用高付加価値機、チラー、データセンター冷却。
- 化学:フッ素樹脂・フッ素ゴム、冷媒、半導体向け薬品(短期的に需要調整の影響あり)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 17,975円、時価総額 約5.27兆円、LTM売上 4.75兆円、LTM EBITDA 約6,561億円、現金7,755億円、借入8,416億円。
- 指標
- PER(会社予想):19.35倍(業界平均 16.6倍)
- PBR(実績):1.87倍(業界平均 1.4倍)
- EV/S:約1.12倍(EV≒5.33兆円)
- EV/EBITDA:約8.1倍
- 配当利回り(予想):1.84%、配当性向:約31%
- 参考比較価格
- 業界平均PER適用:16.6 × 928.95 ≒ 15,400円前後
- 業界平均PBR適用:1.4 × BPS 9,618.46 ≒ 13,500円前後
- 上記はいずれも単純比較であり、成長性・収益性・資本効率・海外比率等の差異は織り込みません。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:株価 17,975円は50日移動平均(約18,095円)をやや下回り、200日移動平均(約17,360円)は上回る状態。
- 52週レンジ:14,935〜20,635円の中間帯(約53%レンジ位置)。年初来高値は20,210円。
- 直近10日:戻り高値が切り下がる局面(10/28以降は高値・終値ともに軟調)。出来高は3カ月平均並み。
- 信用動向:信用買残 768.8千株(前週比▲80千)、信用倍率 7.90倍、売残増(+18千)。短期需給はやや整理方向。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上高(百万円):3,109,106(2022)→ 3,981,578(2023)→ 4,395,317(2024)→ 4,752,335(LTM)
- 3年CAGR(22→LTM):約+15%前後、LTM YoY:約+8%
- 収益性(LTM計算値)
- 粗利率:約34.2%(1,626,688 / 4,752,335)
- 営業利益率:約8.5%(401,669 / 4,752,335)
- EBITDAマージン:約13.8%(655,491 / 4,752,335)
- 純利益率:約5.6%(264,757 / 4,752,335)
- 利息負担:EBIT 419,125、支払利息 43,030 → カバレッジ約9.7倍
- 効率・資本性
- ROE(実績):9.74%(LTM指標では10.26%)
- ROA(LTM):4.90%
- 自己資本比率:54.6%(LTM)、流動比率:1.86、有利子負債/自己資本:29.2%
- キャッシュフロー
- 営業CF(LTM):4,285.9億円。2026年3月期1Qは季節性等で+637億円(前年同期から減少)。
- セグメント動向(2026年3月期1Q)
- 空調・冷凍機:売上 1,132,679、利益 114,680。高付加価値と案件受注が寄与。
- 化学:売上 59,946、利益 6,525。半導体関連で需要調整、利益率は低下。
- その他:増収・黒字化。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間予想330円(中間165円・期末165円)、予想利回り約1.84%、配当性向約31%。5年平均利回り約1.07%。
- 自社株買い:直近期の公表ベースでは特段の大規模実施記載は確認できず(自己株比率 約0.1%)。
- 方針:安定配当を継続しつつ、成長投資とバランスを確保する姿勢。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週で▲2.31%(指標ベース)。足元は50日線を下回りつつも200日線上で推移。短期は軟調、長期は基調維持の局面。
- 需給・投資家層:機関投資家保有比率 約54%、ベータ0.67と市場感応度は低め。信用買残減少・売残増加で短期は中立〜やや慎重な需給。
- 影響要因:為替、データセンター投資や欧州ヒートポンプ需要、米中・欧州の景況、Fガス規制動向、原材料コスト、M&A進捗、四半期決算。
11. 総評
- 事業:空調での高い競争力と多層の需要(新設・更新・アプライド・サービス)が強み。化学は循環性が高く短期変動の影響を受けやすい。
- 成長・収益:3年CAGR約15%、LTMでも増収。粗利率は30%台半ば、営業利益率は8%台半ばで安定。ROEは一桁後半〜一割程度。
- 財務:自己資本比率50%超、D/E約0.29、流動比率1.86と健全。利息負担も十分にカバー。
- バリュエーション:PER/PBRとも業界平均に対してプレミアム。成長性・事業品質・海外比率等を反映した水準とみられる一方、短期モメンタムは中立〜やや弱め。
- リスク・注目点:為替、欧中の需要動向、環境規制対応、半導体サイクル、データセンター案件・ヒートポンプ普及の波及。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY約+8%、3年CAGR約+15%。中計下で案件・製品ミックスが寄与。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約34%、営業利益率約8.5%、EBITDAマージン約14%、ROE約10%。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率54.6%、流動比率1.86、D/E約0.29、利息カバレッジ約9.7倍。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER 19.35倍・PBR 1.87倍と業界平均(PER 16.6倍、PBR 1.4倍)に対してプレミアム。EV/EBITDA約8.1倍、EV/S約1.12倍。
参考データ(抜粋)
– 株価レンジ:年初来高値 20,210円/年初来安値 14,935円、52週高値 20,635円/52週安値 14,935円
– 出来高:10日平均 約99万株、3カ月平均 約106万株
– 今後の予定:2025/11/5 決算発表予定、2026/3/30 権利落ち予定(配当)
企業情報
| 銘柄コード | 6367 |
| 企業名 | ダイキン工業 |
| URL | http://www.daikin.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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