デンヨー(6517)企業分析レポート
株価:2,873円(2025-10-31終値)
市場:東証プライム
時価総額:628億円
予想PER:11.5倍/PBR:0.77倍/予想配当利回り:2.78%
– 企業情報
– 概要:可搬形エンジン発電機・溶接機で国内トップクラス。超低騒音型や三相・単相など用途別に幅広いラインアップを展開。米国・アジアにも生産拠点を持ち、建設・レンタル市場と災害時の非常用電源需要を取り込む。
– 事業構成(売上構成・連結):発電機83%、溶接機7%、コンプレッサ1%、その他9%。海外売上比率40%(2025.3)。
– 特徴:震災を契機に非常用電源の用途が拡大。製造・販売に加え、サービス、リース・レンタルも手掛け、アフターマーケットを内包。
– 業界のポジションと市場シェア
– ポジション:国内の可搬型発電機・溶接機でトップ。レンタル市場向けで強み。海外は米国・アジアに展開。
– 競合例:北越工業(AIRMAN)、YAMABIKO(新ダイワ)、Honda/Yamaha(小型分野)、米Generac(非常用電源)等。
– 競争優位性:静音・耐久・排ガス規制対応(米EPA/EU Stage V相当機種)など製品信頼性、レンタル向け仕様・保守のノウハウ、広域サービス網。
– 課題:米レンタル市場の在庫調整・景気循環の影響、為替・原材料コスト、欧州需要の弱さ。
– 経営戦略と重点分野
– ビジョン/方針:「Denyo2026」中計を推進。需要地生産とコスト最適化、製品競争力の強化、アフターマーケット拡充を継続。
– 重点施策(短信・開示より把握できる範囲)
– 国内:非常用・社会インフラ・再開発関連の需要取り込み、レンタル向け機種の磨き込み。
– 海外:米国レンタル市場の在庫調整後の回復取り込み、アジアの国別需要に応じた供給最適化。
– 生産体制:子会社工場新設に伴う減価償却増(足元の利益圧迫要因)と将来の供給力・効率化の両立。
– 商品:超低騒音・省燃費・規制対応機の展開、サービス・保守と組合せた付加価値提供。
– 事業モデルの持続可能性
– 収益源:製品販売(発電機が中核)+部品・保守サービス+レンタル。レンタル・保守は景気循環耐性の補完に寄与。
– 需要ドライバー:建設・インフラ投資、災害・BCP需要、規制対応更新需要。構造的ニーズは底堅い一方、レンタル市場の在庫循環で短期変動。
– 適応力:グローバル生産・在庫の最適化、規制対応技術、アフターサービスで需要変動に対応可能。
– 技術革新と主力製品
– 技術開発:超低騒音、耐環境性、排ガス規制適合(米EPA/EU Stage V相当)、遠隔監視等の装備拡充。
– 主力:可搬型エンジン発電機(売上の約8割超)。溶接機、コンプレッサは補完。非常用・レンタル向け特殊仕様品が収益を牽引。
– 株価の評価(バリュエーション)
– 予想EPS:249.29円 → 予想PER:約11.5倍(業界平均PER 24.2倍比で低位)。
– 実績BPS:3,727.37円 → PBR:0.77倍(業界平均PBR 1.6倍比で低位)。
– EV/Sales(概算):EV ≈ 時価総額628億 − ネットキャッシュ約211億(現金254.5億−有利子負債43.5億)= 約417億。LTM売上約707億 → EV/S ≈ 0.59倍。
– 参考の相対評価(単純比較・目安)
– 業界平均PER適用価格:249.29×24.2 ≈ 6,035円
– 業界平均PBR適用価格:3,727×1.6 ≈ 5,963円
上記は相対指標の単純当てはめで、成長性・収益性や循環要因の差を考慮していない参考値。
– テクニカル分析
– トレンド位置:終値2,873円は50日線2,920円をやや下回り、200日線2,722円を上回る。中期上昇基調の中で短期反落局面。
– 価格帯:年初来高値3,160円(−9%)、安値1,931円(+49%)。
– 直近10日:3,115円→2,873円へ短期調整。出来高は直近日で増加気味。
– 信用需給:信用倍率0.70倍(売り残>買い残)。短期は上値が重くなりやすい一方、材料次第で巻き戻しの可能性も。
– 財務諸表分析
– 売上・利益(百万円)
– 売上高:55,168(2022)→64,311(2023)→73,140(2024)→70,753(LTM)
– 営業利益:3,654→4,874→7,089→7,394
– 親会社純利益:2,753→3,633→5,095→5,647
– 収益性
– 粗利率:約25.1%(17,790/70,753)
– 営業利益率:約10.5%(7,394/70,753)
– 純利益率:約8.0%(5,647/70,753)
– ROE(実績):7.52%、ROA(LTM):3.94%
– 足元(2026年3月期1Q):営業利益率4.35%と短期的に低下(米国在庫調整・減価償却増の影響)。
– 成長性
– 3年CAGR(売上):約+8.6%(2022→LTM)。
– 直近YoY:LTMは2024期比で約▲3%。
– 安全性
– 自己資本比率:75.0%(1Q末75.9%)
– 流動比率:約396%(1Q)
– D/E(有利子負債/自己資本):約5.5%(1Q)
– ネットキャッシュ:約204〜211億円規模(期末差あり)。財務余力は厚い。
– 株主還元と配当方針
– 配当:前期実績75円、今期会社予想80円(増配見込み)。予想配当性向:約27%。
– 配当利回り:2.78%(5年平均2.60%を上回る水準)。
– 自社株:自己株式保有7.1%。過去の取得実績を示唆。今後の柔軟な還元余地(財務余力)を有する。
- 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:50日線割れの短期調整。200日線上で中期は底堅い。β0.29と市場連動性は低い。
- 関心材料:米レンタル市場の在庫調整の行方、為替(円安は外需追い風)、国内インフラ・災害関連需要、増配方針の継続性。アクティビスト系大株主の存在もガバナンス面の注目材料。
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予定イベント:次回決算・業績見通し更新、配当関連(権利落ち2026/3/30)。
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総評
- 中長期の事業基盤は、国内外の建設・非常用需要とアフターサービスで安定性を備える一方、短期的には米国レンタル市場の在庫調整と欧州需要減速で利益率が一時的に圧迫。
- 財務体質は極めて健全で、ネットキャッシュ・高自己資本比率により景気循環や投資継続に耐性。
- バリュエーションはPER・PBRとも業界平均比で低位。成長鈍化や循環要因を織り込んだ水準との見方も可能。業績モメンタムの反転(米国在庫調整の一巡)が評価見直しのカギ。
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配当は増配見込みで還元姿勢は安定。財務余力から総還元の柔軟性も示唆される。
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企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 理由:3年CAGRは+8.6%と良好だが、LTM売上は前年から減少(▲3%程度)。総合して中立。
- 収益性:B
- 理由:LTMで営業利益率約10%と良好だが、足元1Qは4%台に低下。平準化すると業界平均級と評価。
- 財務健全性:S
- 理由:自己資本比率75%前後、流動比率約4倍、D/E約5%のネットキャッシュ体質。
- 株価バリュエーション:A
- 理由:予想PER11.5倍、PBR0.77倍、EV/S約0.6倍と業界平均比で割安水準。
注意事項:本資料は公開データに基づく企業分析であり、投資勧誘・助言を目的としたものではありません。数値は概算を含み、最新開示の確認を推奨します。
企業情報
| 銘柄コード | 6517 |
| 企業名 | デンヨー |
| URL | http://www.denyo.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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