ユニ・チャーム(8113)企業分析レポート
株価(終値):953.5円(2025-10-31)
時価総額:1.78兆円/配当利回り(会社予想):1.89%/PER(会社予想):19.65倍/PBR:2.19倍
1. 企業情報
- 概要:パーソナルケア(ベビー・フェミニン・大人用排泄ケア等)とペットケアが主力の衛生用品大手。アジアを中心にグローバル展開。紙おむつ・生理用品で国内トップ、ペットケアでも上位。
- 主なブランド
- ウェルネスケア:Lifely、Charm Nap、Wave ほか
- フェミニンケア:Sofy、Silcot
- ベビーケア:Moony、MamyPoko Pants、Trepanman、Oyasuminman
- ペットケア:Grand Deli、Best Balance、Aiken Genki、AllWell など
- サーキュラー(再資源化):RefF(紙おむつリサイクル)
- セグメント構成(売上構成の目安)
- パーソナルケア:約84%(中間期売上高 381,679、前年比▲6.9%)
- ペットケア:約15%(同 75,578、+6.3%)
- その他:約1%
- 海外売上比率:約66%(2024期)
- 従業員:16,464人/平均年齢:40.9歳
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:日本で紙おむつ・生理用品のトップブランドの一角。アジア新興国でも強いブランド力と現地生産体制を構築。ペットケアは国内外で上位。
- 競争優位
- 吸収体・不織布など基盤技術と製造ノウハウ
- 広い価格帯・用途に応える多層ブランドポートフォリオ
- 現地適合開発(国・地域ごとの商品最適化)とサプライチェーン
- 課題
- アジア(特に中国)での需要鈍化・ダウントレード、ECでの価格競争激化
- ベビー分野は少子化の構造的逆風、一方で大人用・ペットは追い風
- 原材料・物流コスト、為替、規制・風評リスク
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性:グローバル成長(アジア新興国の深耕、北米・中東の拡大)、日本・北米の収益性維持、ペットケアの高付加価値化、DX・EC強化、サーキュラーエコノミー対応。
- 中期的な重点施策(短信・IR要旨)
- 地域別最適化:現地ニーズ適合商品、価格・チャネル戦略の磨き込み
- ペットケアの拡大:新製品投入、北米/中国(合弁)/ASEANで成長投資
- 収益性の堅持:コア営業利益重視、コスト最適化
- サステナビリティ:紙おむつリサイクル(RefF)など循環型モデルの推進
- デジタル/チャネル:EC・D2C、店頭でのデジタル活用(例:AIチャットボット支援)
- 2025年通期予想(修正後)
- 売上 9,740億円、コア営業利益 1,200億円、親会社帰属純利益 851億円、EPS 48.63円
- 修正理由:アジアの回復遅延、競争激化、先行投資増
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:使い捨て衛生用品×消耗サイクルによる継続収益、ブランド力による価格帯コントロール、ペット・大人用の市場拡張。
- 構造面の強み:高齢化・ペット市場拡大は中長期で追い風。多地域・多ブランド分散でリスク吸収力。
- 適応力:地域別カスタマイズ、マルチチャネル(オフライン/EC)、原価・価格政策の調整余地。
- リスク:少子化でベビーは逆風、アジアでの価格競争、風評・規制、為替/原材料。循環型対応のコスト/制度化動向。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:吸収体・不織布・通気性・フィット設計などの材料/加工技術、衛生・快適性の改善。紙おむつの再資源化(RefF)を推進。
- 収益牽引
- パーソナルケア:大人用排泄ケア、フェミニン、ベビーの主力ブランド群
- ペットケア:フードとトイレタリーの新製品効果、北米ウェットフードが好調
- 今期の動向:アジア一部での回復遅れが課題も、日本・北米・中東は堅調。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 953.5円、EPS(会社予想)48.53円、BPS 436円
- 指標
- PER:19.65倍(業界平均 20.4倍)→ ややディスカウント
- PBR:2.19倍(業界平均 1.1倍)→ プレミアム
- EV/売上:約1.58倍(EV ≒ 1.53兆円、売上 0.965兆円)
- EV/EBITDA:約8.9倍(EBITDA 1,715億円ベース)
- 目安比較
- 業界平均PERを適用すると理論株価の目安 ≒ 48.53×20.4 ≈ 990円(現在比+約3〜4%)
- コメント:PERは平均並み〜やや割安、PBRはプレミアム。資本効率(ROE約11%)や安定性に対する評価がPBRに反映。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日線:980.17円、200日線:1,109.76円。現値は両移動平均線を下回る。
- 52週レンジ:938.5〜1,612円の下限近辺(安値圏寄り)。
- 直近10日:戻り売り優勢で高値切り下げ、終値は953.5円。
- 出来高:直近は3カ月平均(約649万株)並み〜やや低め(10日平均 約502万株)。
- 信用需給:信用買残 460.9万株、倍率 15.74倍。買い越し偏重で短期の需給はやや重い一方、買残は前週比で減少(▲56.6万株)。
- 総合所見:安値圏での揉み合い。移動平均下方でモメンタムは弱め。イベント接近(決算)で変動性に留意。
8. 財務諸表分析
- 収益性(LTM)
- 売上高:9,654億円、営業利益率:約13.8%、純利益率:約8.7%
- ROE:11.1%、ROA:6.5%
- 成長
- 売上推移:2021 7,827億 → 2024 9,889億(3年CAGR ≈+8%)。LTMは若干減速(前年比マイナス傾向、四半期売上成長率 YoY ▲5.9%)。
- 利益:営業利益は増加基調も、今期はアジアの回復遅延で一時的に伸び鈍化。
- キャッシュフロー/財務
- 営業CF:1,253億円、レバードFCF:1,723億円と堅調(投資CFの軽さも寄与)。
- 現金等:2,660億円、総有利子負債:166億円、D/E:約2%と極めて低水準。
- 自己資本比率:62〜65%、流動比率:約232%。財務耐性は高い。
- セグメント(2025年中間)
- パーソナルケア:売上▲6.9%、利益▲26.9%
- ペットケア:売上+6.3%、利益横ばい
- 地域差:日本・北米・中東は堅調、アジアの回復遅延が全体を押し下げ。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間予想18円(中間9円+期末9円)、予想配当性向 約34%。5年平均利回り(0.88%)を上回る水準。
- 自社株:自己株式 比率約6.05%(取得実績あり)。
- その他:2024/12/27に1→3の株式分割を実施。還元は配当・自己株取得の両面で実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週で約▲40%と調整が大きい一方、ベータ0.10と市場連動性は低い。
- イベント
- 決算発表予定:2025-11-07
- 権利落ち予定:2025-12-29
- 投資家属性:インサイダー保有約30.5%、機関保有約29.8%。主要株主にユニテック(24.96%)や自己株(6.05%)など。フロートは十分にあるが安定株主比率も高め。
- 需給:信用買いが厚め。イベント前後はボラティリティに注意。
11. 総評
- ビジネスの核は消耗型の衛生・ペット用品でディフェンシブ。日本・北米・中東は堅調で、ペットケアは成長ドライバー。
- 一方、アジア(特に中国)での回復遅延と価格競争が直近の業績とモメンタムを抑制。ベビーの構造的逆風は、大人用・ペットでの補完が鍵。
- 収益性・財務健全性は高水準。バリュエーションはPERで業界平均並み〜ややディスカウント、PBRはプレミアム。ROE/安定性評価と整合。
- 技術・ブランド・現地適合力に強み。循環型(RefF)など中長期テーマも保有。短期は需要動向と競争環境、コスト・為替、決算イベントに注目。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B(3年CAGR +8%と中期は成長、直近YoYは鈍化)
- 収益性:A(営業利益率約14%、EBITDAマージン約18%、業界比で良好)
- 財務健全性:S(自己資本比率62%超、D/E約2%、流動比率>200%)
- 株価バリュエーション:B(PERは業界平均近辺〜やや低い、PBRはプレミアム、EV/EBITDAは一桁台後半)
参考データ
– 年初来高値:1,364円/年初来安値:938円
– 50日移動平均:980.17円/200日移動平均:1,109.76円
– 今後のイベント:2025-11-07 決算、2025-12-29 権利落ち
(注)本レポートは提供データに基づく客観的な情報整理であり、投資助言を行うものではありません。数値はIFRSベース・会社予想・LTM等の混在に留意ください。
企業情報
| 銘柄コード | 8113 |
| 企業名 | ユニ・チャーム |
| URL | http://www.unicharm.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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