GSIクレオス(8101)企業分析レポート
株価:2,312円(時価総額:約292億円)/市場:東証プライム(卸売業)/配当利回り(会社予想):4.33%
本資料は公開データに基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。数値は四捨五入のため合計と一致しない場合があります。
1. 企業情報
- 概要:繊維・工業製品を軸とする専門商社。インナー用機能糸・生地、アパレル向け生地などの繊維事業に加え、化学品(塗料原料、機能性樹脂、フィルム)、半導体関連(ウェハ等)、機械装置(複合材関連)、ホビー(Mr.HOBBY)や化粧品原料など、製品ラインは多岐にわたる。カーボンナノチューブ(CNT)やコーティング装置などナノテク系の技術商材に強み。
- 事業構成(目安):繊維関連約79%、工業製品関連約21%(カッコ内は営業利益率の目安:繊維約1%、工業製品約6%)。海外売上比率:約70%(25/3期、26/3期1Qは約64%)。
- 主なブランド・商材:Mr.HOBBY(模型塗料・ツール)、Classy’n Dressy(クラフト)、LaLa Glange(インナー)、化粧品原料、半導体ウェハ、複合材関連装置、CNT など。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:総合商社ではなく、素材起点の専門商社。繊維・高機能素材の川中〜川下での企画・開発・販売に強みを持つミッドサイズプレイヤー。
- 競争優位性:
- 差別化素材(機能糸・生地、CNT 等)とブランド(Mr.HOBBY)を併せ持つポートフォリオの多様性。
- 海外案件比率が高く、グローバルな調達・販売ネットワーク。
- 課題:
- 収益の柱が繊維に寄り、業界構造上マージンが薄い(営業利益率1~2%台)。
- 半導体関連は地政学・通商政策の影響を受けやすい。与信管理も含めた商流リスク(26/3期1Qの貸倒引当計上など)。
※公表された明確な市場シェア数値は無し。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期方針:「GSI CONNECT Phase2(2025–2027)」始動。
- 方向性(公開情報の要旨):ポートフォリオの質的転換(高付加価値・高マージン領域の拡大)、グローバル展開の深化、リスク・与信管理強化、資本効率の向上。
- 重点分野(実績・開示から読み取れる領域):機能性繊維・アパレルの収益改善(価格改定・事業再編)、ケミカル・マシナリー等の非繊維比率引上げ、ホビー・化粧品原料のブランド/商材強化、CNT・複合材関連などの技術系商材の拡販。
- 26/3期1Q所感:売上+16.2%、純利益+35.2%と好調な滑り出し。ファイバーは貸倒引当で利益圧迫も、アウター・マシナリーが牽引。通期計画は据え置き。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:商社モデル(調達・開発・販売・在庫/為替管理)に加え、差別化素材や装置・ブランド商材を組み合わせるハイブリッド。繊維はボリューム、非繊維はマージンを担う構図。
- 適応力:
- 原材料/為替変動に対しては価格改定や調達の分散で対応。
- 通商政策・地政学リスクは商流の見直しで適応(半導体関連での商流変更等)。
- 与信管理の強化が課題(1Qでの貸倒引当計上を踏まえた改善が焦点)。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:CNT関連、粒子コーティング装置、薄膜形成用蒸着機、複合材関連装置など、素材/装置の技術系商材に特色。これらは単価・利益率の面で寄与余地。
- 収益ドライバー:
- 繊維(インナー用機能糸・生地、アパレル向け生地):売上の基盤。
- 非繊維(ケミカル、マシナリー&イクイップメント、ホビー&ライフ):利益率の底上げ要因。26/3期1Qはマシナリーが大型案件で伸長、アウターも収益性改善。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- EPS(会社予想):195.55円、BPS(実績):2,399.34円
- PER(予想):11.82倍(業界平均 12.1倍比で小幅ディスカウント)
- PBR(実績):0.96倍(業界平均 1.0倍比で同水準~やや低め)
- EV/Sales(概算):EV ≒ 292億 + 117億 − 69億 = 約339億円、売上(LTM)約1,708億円 → 約0.20倍
- EV/EBITDA(概算):339億 / 33.5億 ≒ 約10.1倍
- 配当利回り(予想):100円 / 2,312円 ≒ 4.33%、配当性向:約50%
評価所感:業界平均比でPER・PBRともに概ね横並び〜やや割安水準。ROE(実績8.2~9.0%)とPBR約1倍は整合的。
7. テクニカル分析(短期)
- 現在値:2,312円
- 50日移動平均:2,353.66円(現値は下回り、やや弱含み)
- 200日移動平均:2,130.25円(現値は上回り、中期トレンドは上向き維持)
- 52週高値/安値:2,445円 / 1,631円(レンジ上方約84%位置、直近高値まで約+5.8%)
- 直近10日:戻り売り優勢でジリ安(高値切下げ・陽線伸び鈍い)。出来高は3カ月平均(約5.45万株)を下回る日が多く、モメンタムは中立〜弱め。
- 信用動向:信用買残 41,200株(前週比 −5,500)、信用倍率 14.21倍。買い長の一方、残は減少傾向。
総合印象:200日線上の中期上昇基調を維持しつつ、短期は50日線下で調整局面。
8. 財務諸表分析
- 売上高(百万円):2022/3 111,829 → 2023/3 131,054 → 2024/3 146,194 → 2025/3 165,541(3年CAGR ≒ 約14%)
- 利益(百万円):営業 2,014 → 1,834 → 2,886 → 2,956、純利 1,638 → 1,769 → 2,019 → 2,358
- マージン(2025/3):粗利率 10.2%、営業利益率 1.8%、純利益率 1.4%
- ROE/ROA:ROE 実績 8.2%(LTM 9.0%目安)、ROA LTM 2.54%
- キャッシュ・財政:
- 自己資本比率:37.6%(26/3期1Q 38.4%に改善)
- 流動比率:1.48倍(健全域)
- 総有利子負債:116.8億円、現金等:69.5億円 → ネット有利子負債:約47億円
- 26/3期1Q(前年同期比):売上+16.2%、営業+1.4%、経常+14.2%、純利+35.2%。営業段階は貸倒引当やセグメントミックスで伸び鈍化も、下段で改善。
傾向:売上は堅調に拡大。収益率は商社/繊維構造を反映し小幅。非繊維の伸長と与信管理の徹底が今後の利益率改善の鍵。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:前期実績 97円、今期予想 100円(配当性向 約50%)
- 5年平均利回り:約3.98%(現状はこれを上回る水準)
- 自己株式:発行済の約2.82%を保有(直近の新規買付方針は記載無し)
安定配当を基本に、業績連動度合いを適切に織り込む方針とみられる(会社開示ベース)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週パフォーマンス:+14.6%(β 0.10で低ボラティリティ)
- 出来高:直近10日平均 約3.69万株(流動性はほどほど)
- 投資家構成:機関投資家保有比率 約24%(自己株含む大株主に金融機関・素材メーカー等)
モメンタムは直近やや鈍化も、中期では上昇トレンドを維持。
11. 総評
- 収益基盤:売上の拡大が続き、海外比率も高い。一方で繊維中心ゆえ営業利益率は低位。非繊維(ケミカル、マシナリー、ホビー等)の拡大と案件ミックス改善が利益率向上の主因。
- 26/3期1Q:売上は好調、営業段階は一過性の貸倒引当で伸び限定的。マシナリーの大型案件やアウターの収益性改善がポジティブ。
- 財務・資本政策:自己資本比率は約38%、流動比率1.48倍、D/Eは約0.40倍でバランス良好。配当は利回り4%台・性向50%程度で安定感。
- バリュエーション:PER・PBRは業界平均並み〜やや割安。PBR約1倍、ROE 8~9%は整合的。EV/S約0.2倍は商社モデルらしい低倍率。
- リスク:通商政策(対中規制)、為替・原材料、与信管理、アパレル需給。これらに対する商流・価格・与信の三位一体の管理が重要。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:売上高 3年CAGR ≈ 14%、26/3期1Q売上+16.2%。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約10%、営業利益率1.8~2.4%(業態並み)。非繊維伸長が改善余地。
- 財務健全性:B
- 根拠:自己資本比率37.6%(40%未満で中立)、流動比率1.48倍、D/E約0.40倍。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER 11.8倍(業界12.1倍比やや低位)、PBR 0.96倍、EV/S約0.2倍。
【補足データ(要点)】
– 2025/3期(連結):売上 165,541百万円、営業利益 2,956百万円、純利益 2,358百万円、EPS 192.2円、BPS 2,399.34円、ROE 8.20%、自己資本比率 37.6%。
– 2026/3期会社計画:売上 166,000百万円、営業利益 3,200百万円、純利益 2,400百万円、EPS 195.58円、配当 100円。
– 26/3期1Q:売上 37,801百万円、営業利益 898百万円、純利益 877百万円、海外売上比率 64.2%。
本レポートは公開情報に基づく定量・定性分析の整理です。最新の開示・注意事項は会社IRをご確認ください。
企業情報
| 銘柄コード | 8101 |
| 企業名 | GSIクレオス |
| URL | http://www.gsi.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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