倉敷紡績(クラボウ、証券コード: 3106)企業分析レポート
株価: 7,020円(終値 2025-10-31)/時価総額: 約1,263億円
本資料は公開情報を整理したもので、投資助言を目的としません。不明点は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要
- 1888年創業の総合素材・装置メーカー。繊維、化成品、環境メカトロニクス、食品・サービス、不動産の複合事業体。
- 繊維は綿紡績に強み(デニム等厚地)。非繊維の拡大を継続。
- 主な事業と製品
- 化成品:高機能樹脂、機能フィルム、軟質ウレタン、不織布、硬質ウレタン、無機建材、半導体関連材料 等
- 環境メカトロニクス:検査・計測、FA、ウェハ洗浄、プラントエンジニアリング、バイオ関連
- 繊維:糸(高機能「NaTech」等)、ユニフォーム、カジュアル
- 食品・サービス:フリーズドライ食品(即席麺具材等)、ホテル、運転学校 等
- 不動産:不動産賃貸・管理
- 事業構成(売上構成比・カッコ内はセグメント利益率の目安)
- 繊維32%(約0%)、化成品44%(約8%)、環境メカトロニクス15%(約15%)、食品・サービス7%(約7%)、不動産2%(約54%)
- 海外売上比率:28%(2025年3月期)
- 従業員:3,881人、本社:大阪市中央区
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内の綿紡績の大手。繊維の成熟やボラティリティを補完すべく、化成品・エレクトロニクス・不動産等で事業ポートフォリオを多角化。
- 競争優位性
- 素材から装置・エンジニアリング、賃貸不動産までの収益源の分散。
- 環境メカトロニクス(FA・ウェハ洗浄等)の技術蓄積、化成品の用途拡張(太陽電池向け等)。
- 課題
- 半導体・自動車向け需要の循環影響、繊維(ユニフォーム・カジュアル)の需要減と工場再編費用。
- 原材料・為替の変動リスク、火災関連の訴訟継続。
- 市場シェア
- 定量的な国内外シェアは開示不足につき記載省略。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画「Accelerate ’27」(2025年4月開始)
- 高収益事業の成長加速:環境メカトロニクス、産業マテリアル(不織布・ウレタン等)、機能フィルム・高機能樹脂に注力。
- 経営資源の効率的活用:基盤事業の収益力向上、製造拠点の最適化(例:安城工場の閉鎖準備・異常操業費発生)。
- R&D強化:ライフサイエンス、エレクトロニクス、機能性素材の開発。
- 1Q(2026年3月期)進捗
- 環境メカトロニクスが好調(売上+25.9%、セグ利益+127.6%)。
- 化成品は市場ごとに強弱(半導体市況弱含み、太陽電池向け堅調、自動車向け北米弱い)。
- 特別利益(投資有価証券売却益 43.37億円)を計上(構造的収益ではない一時要因)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 景気敏感の繊維・化成品、景気連動性が相対的に低い不動産の組合せでボラティリティ緩和。
- 設備・エンジニアリングやアフターサービスを含むメカトロで継続収益を志向。
- 適応力
- 半導体・再エネ・FAなど成長領域へのシフトを継続。繊維は高付加価値(機能糸・ユニフォーム)に寄せつつ生産最適化。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 半導体関連の洗浄・計測技術、FA・検査装置、機能性樹脂・フィルム、機能糸(NaTech)、不織布・ウレタン加工。
- 収益牽引
- 1Qは環境メカトロニクスが利益成長を牽引。不動産は安定的に高利益率。化成品は太陽電池・産業マテリアルが堅調。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現株価7,020円)
- PER(会社予想):12.43倍(業界平均21.7倍比で低水準)
- PBR(実績):0.98倍(業界平均1.0倍と同程度)
- BPS:7,166円 → 株価は簿価近辺
- 配当利回り(会社予想):4.02%(5年平均3.32%を上回る水準)
- EV/EBITDA(概算):約7.8倍(EV約1,208億円=時価総額1,263−現金158+負債103[億円換算]、EBITDA約155.8億円)
- EV/Sales(概算):約0.80倍(売上約1,505億円)
- コメント
- 予想EPS 564.7円に対する水準は、同業平均比で相対的に低いバリュエーション。PBRは1倍前後で資産面とバランス。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均:7,215円、200日:6,736円。現値は50日線をわずかに下回り、200日線は上回る状態(中期は上昇基調維持、足元は調整)。
- 位置
- 年初来高値 8,770円、安値 4,840円。現値は高値から約20%下、安値からは約45%上の中位圏。
- 需給
- 直近出来高は3カ月平均並み。信用倍率1.56倍、信用買残は前週比で減少(やや整理進捗)。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連、単位:億円)
- 売上高:1,506(LTM、前年1,513)—横ばい
- 営業利益:103(LTM、2024/3期 92)—改善傾向
- 営業利益率:約6.8%(LTMベース、1Q単独は約6.0%)
- 当期純利益:90(LTMベース、2024/3期 67)/注:2025/4-6月期は有価証券売却益の一時要因を含みLTM利益率が高め(企業指標ベース利益率8.1%)。平常化すればやや低下余地。
- EBITDA:172(LTM表、別データでは156)—概ね10〜11%台のEBITDAマージン
- 効率性・資本性
- ROE:実績7.62%(LTMベースでは約10%とするデータもあり。一時利益影響に留意)
- ROA:3.38%
- 自己資本比率:63%(1Q末)
- 流動比率:約219%
- D/E:総負債/自己資本 約0.09(総負債1,027億円、現金1,584億円 → ネットキャッシュ)
- インタレストカバレッジ(概算):EBIT/支払利息 ≈ 38倍
- 推移
- 売上は2023/3期をピークに横ばい〜微減だが、粗利・営業利益は改善基調。繊維の苦戦を非繊維でカバー。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期:年間180円(中間60、期末120)
- 2026/3期(会社予想):年間282円(中間141、期末141)
- 予想配当性向:約35%
- 自社株買い
- 2024年11月決議に基づく取得で自己株式増加(1Q末 自己株1,273,677株)。資本効率の改善施策を実施。
- 権利落ち
- 次回想定の権利落ち日:2026-03-30(会社開示ベース)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日:7,450円近辺から下落後、7,000円前後での持ち合い。出来高は平常域。
- 52週変化率:+53.3%、ベータ:0.39(5年、低ボラティリティ)
- イベント
- 1Qで特別利益計上(投資有価証券売却益)。半導体・自動車・為替の外部環境が短期の株価要因。
- 株主構成に機関投資家比率が一定(約39%)。アクティビスト系ファンドの保有も確認され、資本政策への関心が継続。
11. 総評
- 非繊維(環境メカトロニクス、化成品、不動産)が利益を支え、繊維の変動を相殺。中計「Accelerate ’27」に沿った高収益領域の伸長が進展。
- 財務体質は堅健(高自己資本比率・ネットキャッシュ)。一方、半導体・自動車のサイクル、繊維の構造課題、火災関連訴訟などの不確実性に留意。
- バリュエーションはPERが同業平均比で低位、PBRは1倍前後。1Qの純利益は一時要因の寄与が大きく、通期は会社計画(売上減、営業減益見通し)を踏まえた評価が必要。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上YoY -0.4%と横ばい。3年CAGRは+約4〜5%だが直近は伸び悩み。
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率約6.8%、EBITDAマージン約10〜11%台。業界平均と同程度〜やや上。1Qの純利益率上振れは一時要因を除外して評価。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約63%、流動比率約219%、実質ネットキャッシュ、低D/E・高金利余力。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER 12.4倍(業界平均21.7倍比で低水準)、PBR約1.0倍、EV/S ≈ 0.8倍。収益見通し(営業減益予想)を織り込みつつも相対指標は抑制的。
参考データ
– 予想EPS(会社):564.72円、予想PER:12.43倍
– BPS(実績):7,166円、PBR:0.98倍
– 予想配当:282円、配当利回り:4.02%、配当性向:約35%
– 直近四半期(2025/4-6):売上3,574億円(-0.4%)、営業益216億円(+4.4%)、純利益518億円(特別利益含む)
– リスク要因(開示ベース):半導体・自動車の需要変動、原材料・為替、火災関連訴訟 など
企業情報
| 銘柄コード | 3106 |
| 企業名 | 倉敷紡績 |
| URL | http://www.kurabo.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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