テルモ(4543)企業分析レポート
株価:2,491.5円(直近終値)/時価総額:3.69兆円/市場:東証プライム(精密機器)
– 企業情報
– 概要:医療機器大手。心臓・血管(カテーテル、ステント、IVUS、人工心肺など)、メディカルケアソリューションズ(シリンジ、輸液・ポンプ、院内モニタ、製薬向けプレフィルドシリンジ等のCDMO/パッケージ)、血液・細胞テクノロジー(血液バッグ、成分採血、自動血液処理、病原体不活化、細胞処理)を三本柱に世界展開。
– 収益構成(連結・事業比率/セグ利益率の目安):心臓血管60%(営業利益率25%前後)、メディカルケアソリューションズ20%(同11%前後)、血液・細胞テクノロジー19%(同13%前後)。海外売上比率79%。
– 強み:インターベンショナル(TIS)や人工心肺・酸素化装置で高シェア領域を複数保有。使い捨て消耗品と装置の組み合わせによるストック性。
– 業界のポジションと市場シェア
– 位置付け:日系メドテックの中核銘柄。カテーテル/ガイドワイヤ、ラジアルアクセス、人工心肺、神経血管(コイル等)、血液・成分採血機器などで世界的な存在感。
– 競争優位:品質・信頼性、臨床サポート体制、豊富な消耗品ラインアップ、グローバル販売網。装置×消耗品による継続収益モデル。
– 課題:為替・規制(欧州MDR等)対応コスト、米国関税政策の不確実性、一部製薬向け受託(CDMO/パッケージ)のプロジェクト中止リスク、価格競争。
– 経営戦略と重点分野
– ビジョン:グローバル医療需要拡大を背景に、重点製品の拡販、新製品投入、原価改善・販管費効率化で持続成長を志向。
– 2026年3月期(会社計画):売上1兆500億円(+1.3%)、調整後営業利益2,140億円(+5.2%)、営業利益1,940億円(+23.0%)、EPS 96.95円。為替前提:USD/JPY=140、EUR/JPY=160。
– 重点領域(第1四半期短信要旨):心臓血管でインターベンショナル成長継続、血液・細胞は北米の血漿関連好調。ホスピタルケアは一部事業終了影響で減収も効率化を推進。
– 事業モデルの持続可能性
– 収益モデル:装置の設置拡大と消耗品(カテーテル、回路、バッグ等)の継続使用による安定収益。医療需要の人口動態的な追い風。
– 適応力:幅広い地域・製品ポートフォリオで分散。規制・為替の影響はあるが、原価改善や製品ミックスで吸収を図る方針。
– 技術革新と主力製品
– 技術動向:低侵襲治療向けのデバイス(ガイドワイヤ、バルーン、ステント、IVUS)、脳動脈瘤治療用コイル/デバイス、人工心肺・酸素化装置、血液・細胞処理システム等で継続開発。
– 収益牽引:心臓血管(インターベンショナルシステムズ)、血漿関連(北米)などが増益に寄与。製薬向けプレフィルド/デバイス提供も中長期の柱。
– 株価の評価(バリュエーション)
– PER(予想):25.7倍(業界平均21.1倍比でプレミアム)
– PBR(実績):2.68倍(業界平均1.8倍比でプレミアム)
– EV/Sales(概算):約3.56倍(EV≒3.69兆円、売上1.04兆円)
– EPS/BPS対比:EPS(予想)96.95円、BPS 928.21円。配当30円で予想配当性向約33%。
– コメント:成長性・収益性の安定を背景に相対的プレミアム水準。
– テクニカル分析
– 52週レンジ:2,352〜3,182円。現値は高値比約-22%で「安値圏寄り」。
– 移動平均:50日線2,553円、200日線2,668円に対し、現値2,491.5円は両線を下回る。中期は下押し基調。
– 直近ボラティリティ:Beta(5年)0.38と低位。出来高は10日平均346万株(3カ月平均411万株)で平準化。
– 財務諸表分析(IFRS・連結)
– 成長:
– 売上:7033億円(2022)→8,202億円(2023)→9,219億円(2024)→1兆361億円(LTM)。3年CAGR約+13.8%、LTM対前年+12%台。
– 収益性(LTM):
– 粗利率:約54.1%(5607億/1兆0361億)
– 営業利益率:約15.2%(報告ベース)/第1四半期実績は約21.5%(調整後は約22.7%)
– EBITDAマージン:約23.8%
– 純利益率:約11.3%
– ROE:8.68%、ROA:6.62%
– キャッシュフロー(LTM):
– 営業CF:2,077億円(売上比約20%)
– レバードFCF:1,209億円(売上比約11.7%)
– 安全性:
– 自己資本比率:74.8%(6/30時点:76.1%)
– 流動比率:2.64倍
– D/E:15.3%(実質ネットキャッシュ近傍)
– 備考:利益・CFともに安定拡大傾向。Q1は増益で通期進捗は売上24.8%、調整後営業利益27.6%相当。
– 株主還元と配当方針
– 配当:前期年間26円→今期予想30円(利回り約1.20%)。予想配当性向約33%。
– 自己株式:発行株の約0.38%保有(直近時点)。新たな自己株買いの公表は—(不明)。
– 5年平均利回り:0.84%(安定配当に近い水準)。
- 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:直近10日で戻り鈍化、50・200日線下。年初来は安値圏寄り。
- 信用需給:信用買残50.5万株(前週比▲13.9万)、信用倍率2.78倍とロング優位だが買い残は減少。
- 投資家構成:機関投資家保有約60%と安定的。Beta低位でディフェンシブ性。
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近々のイベント:11/12/2025 決算発表(コンセンサスとの差異が短期株価要因)、3/30/2026 権利落ち予定日。
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総評
- 成長性:3年CAGR約+14%、LTMも+12%台と堅調。Q1の増益基調も確認。
- 収益性:粗利率5割超、EBITDAマージン2割超。報告ベース営業利益率は15%前後だが、Q1および調整後では2割超に改善。
- 財務健全性:自己資本比率75%前後、実質ネットキャッシュ、流動性も厚い。
- バリュエーション:PER/PBRともに業界平均比でプレミアム。ディフェンシブ性とグローバル多角化を市場が織り込む形。
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テクニカル:52週ゾーンでは安値圏寄り、移動平均線下で中期トレンドは慎重。業績イベントが短期の変動要因。
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企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+12%台、3年CAGR約+14%。Q1も増益。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約54%、EBITDA約24%、Q1/調整後営業利益率≒22%と良好(報告ベースLTMは約15%)。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約75%、流動比率2.6倍、低D/E、ネットキャッシュ近傍。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER25.7倍(業界平均21.1倍超)、PBR2.68倍(同1.8倍超)、EV/S約3.6倍。
参考指標(抜粋)
– EPS(予想)96.95円/BPS 928.21円/ROE 8.68%
– OCF 2,077億円/レバードFCF 1,209億円(FCF利回り概算約3.3%)
– 50日線 2,553円/200日線 2,668円/52週高安 3,182円/2,352円
注記
– 本レポートは提供データに基づく事実整理であり、投資助言ではありません。
– 不明な事項や未開示項目は—としており、将来予想には不確実性があります。必要に応じて追加データで再評価してください。
企業情報
| 銘柄コード | 4543 |
| 企業名 | テルモ |
| URL | http://www.terumo.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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