山梨中央銀行(8360)企業分析レポート
株価: 3,285円(2025-10-31終値)
市場区分: 東証プライム/銀行業
時価総額: 1,076.9億円
1. 企業情報
- 概要
- 山梨県内唯一の地方銀行。県内の融資シェアは約5割と高い地位を持ち、東京西部にも営業展開。
- 預金・貸出の伝統的銀行業に加え、投資信託や保険・クレジットカード・リース・与信保証・証券投資・為替・コンサルティング等を提供。
- 静岡銀行、八十二銀行と包括的な業務提携。2025年より「やまなし地域デザイン株式会社」を新規連結(地域創生領域)。
- 資金・資産構成(2025.3)
- 資金: 普通預金67%、定期26%、当座3%
- 資産: 貸出金61%、有価証券25%、現預金12%
- 融資内訳: 中小企業向け60%、住宅・消費者向け19%
2. 業界のポジションと市場シェア
- 山梨県での圧倒的プレゼンス(融資シェア約5割)を基盤に、観光・製造・医療福祉等の地場産業に深く浸透。
- 東京西部の企業・個人取引の開拓を進め、地理的集中リスクの緩和に取り組む。
- 競争優位性
- 地域での顧客接点と情報力、提携行(静岡・八十二)との協働によるソリューション提供力。
- 課題
- 金利上昇局面での預金調達コスト上昇(預金ベータ)管理。
- 証券ポートフォリオの金利感応度・評価変動、人口減少による貸出需要の構造的鈍化への対応。
3. 経営戦略と重点分野
- 短期(当期方針)
- 会社計画は2025/5/13公表予想を継続。2026年3月期 通期EPS予想274.73円、経常利益12,400百万円。
- 第1四半期の経常利益進捗は通期見通しに対し約38%(計画線上)。
- 中期の重点テーマ(開示・動向からの要旨)
- 地域密着×ソリューション強化(中小企業の事業承継、設備投資・脱炭素、観光・インバウンド対応)。
- リテール資産形成支援(投信・保険・相続関連)、住宅ローンとともに手数料収益の拡大。
- 金利正常化局面におけるNIM改善とALM高度化(預貸金ミックス・期間ミスマッチ管理)。
- 連携・外部協業(静岡銀・八十二銀等)と「やまなし地域デザイン」による地域創生投資。
- デジタルチャネルの利便性向上と店舗・人員の最適化(効率性向上)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源は利息収益(貸出金)+有価証券運用+役務手数料の三本柱。金利上昇は貸出利回り改善に追い風だが、預金金利上昇や調達コスト増が相殺要因。
- 市場ニーズ
- 中小企業の事業承継・設備投資、個人の資産形成・相続コンサル需要は継続。東京西部開拓により需要の裾野拡大。
- 適応力
- 地域密着と提携ネットワークにより、与信・コンサルの複合提案が可能。金利・市場変動や信用コスト上振れへの耐性は、ALM運営と資本バッファでの対応が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 主力:中小企業向け融資(構成比約60%)、住宅ローン等の個人向け、投信・保険やクレジット等の手数料商品。
- 技術・運営面の動向
- インターネット支店やキャッシュレス関連の取扱い拡充、データ活用による営業効率化など、地銀としての標準的なデジタル対応を進展。
- 特色
- 地域創生子会社の設立を通じ、金融以外のソリューション(まちづくり等)との連携を模索。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価3,285円、会社予想EPS 274.69円、実績BPS 7,258.59円
- PER(予想)= 3,285 / 274.69 ≈ 11.95倍(会社提示11.96倍と一致)
- PBR(実績)= 3,285 / 7,258.59 ≈ 0.45倍
- 配当利回り(予想)= 110円 / 3,285円 ≈ 3.35%
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER 10.7倍、PBR 0.4倍 ⇒ 同社は小幅プレミアム水準。
- 参考
- トレーリング配当性向:約30%(76円/TTM EPS 251円)、フォワード配当性向目安:約40%(110円/EPS予想 274.7円)。
7. テクニカル分析
- 52週高値 3,335円/52週安値 1,537円。現状は高値から約1.5%下の水準で高値圏。
- 移動平均
- 50日線 3,158円、200日線 2,531円。株価は両線を上回り、上昇トレンド維持。
- 需給・信用
- 信用買残 36.7万株、売残 1.3万株、信用倍率 28.25倍と買いに偏重。短期的には巻き戻しリスク要因となり得る。
- 短期の価格帯
- レジスタンス:年初来高値 3,335円付近
- サポート:50日線近辺(3,150円前後)
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結・百万円)
- 経常収益(売上相当):2022/3 43,561 → 2023/3 56,681 → 2024/3 53,374 → 過去12か月 54,711
- YoY(LTM vs 2024/3):+2.5%
- 3年CAGR(2022→LTM):約+7.8%
- 親会社株主純利益:4,241 → 5,061 → 5,658 → 7,669 と増益基調
- 収益性
- ROE 3.57%(LTM)、ROA 0.17%(LTM)。地銀平均と比べ高いとは言い難い水準。
- 第1四半期(2025/4-6):経常利益 4,723(前年同期比 +18.3%)、四半期純利益 3,201(+4.0%)。
- 通期経常利益計画に対する進捗 ≈ 38%。
- バランスシート・資本
- 総資産 4兆7,770億円、自己資本 2,221億円、自己資本比率(簿価ベース)4.6%。
- 自己資本比率(国内基準・規制):連結 10.36%(前期末比 +0.15pt)。適正レンジを維持。
- 現預金 7,714億円、有価証券 1兆1,225億円、貸出金 2兆7,794億円。預金 3兆7,272億円。
- コスト・与信
- 預金利息など資金調達費用の増加と、債券の償還損等が費用押し上げ要因(短信記載)。
- 貸倒引当金 △95億円規模。与信コストの動向は注視ポイント。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期 実績:年76円(中間32・期末44)
- 2026年3月期 会社予想:年110円(中間55・期末55)、予想利回り約3.35%
- トレーリング配当性向 約30%、フォワード目安 約40%
- 自己株式・買戻し
- 自己株式保有 218.45万株(期末、発行済に対し約6.7%相当)。主要株主欄の自己株口(4.8%)との比較から、買戻し・取得の継続が示唆される(時点差あり)。
- 株主構成
- 機関投資家保有約30%、役職員持株会・地元関係先の安定株主が一定比率。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率 +99.9% とセクターのリレーティングを反映。200日線乖離も大きく中長期モメンタムは強い。
- 背景要因(一般論・同社短信の文脈)
- 日銀の金融正常化観測による利鞘改善期待、TSEの資本効率改善要請、地銀の株主還元強化。
- 地域経済は観光堅調も、物価高で個人消費は力強さを欠くなど混在。市場・金利変動、信用コストは株価変動要因。
11. 総評
- 地域トップシェアと提携によるソリューション力を持ち、貸出・手数料の両輪で収益拡大。売上は3年CAGR約+7.8%、純利益も増勢で、成長トレンドは確認できる。
- 収益性指標(ROE・ROA)は地銀として中庸〜やや控えめ。金利・市場環境の追い風を、預金コストやALMでどこまで純増益に転化できるかが焦点。
- 規制自己資本は10%台を維持し健全性は妥当。PBR0.45倍と低PBRだが、セクター平均に対しPER・PBRとも小幅プレミアム。
- 株価は高値圏でモメンタム強い一方、信用買い偏重や52週高近辺での値動きには短期的な振れに留意が必要。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- LTM売上YoY +2.5%、3年CAGR 約+7.8%、純利益も増益傾向。
- 収益性:C
- ROE 3.6%、ROA 0.17%と業界で高い水準とは言い難い。営業利益率等は参考値。
- 財務健全性:B
- 規制自己資本比率(連結)10.36%で安定。簿価自己資本比率は4.6%(銀行特性を勘案)。
- 株価バリュエーション:C
- PER 11.95倍・PBR 0.45倍は業界平均(PER 10.7倍、PBR 0.4倍)に対し小幅プレミアム。
参考データ(抜粋)
- EPS(予想):274.69円/BPS(実績):7,258.59円
- ROE(実績):3.57%/自己資本比率(簿価):4.6%/規制自己資本比率:10.36%
- 50日移動平均:3,158円/200日移動平均:2,531円
- 信用倍率:28.25倍(買い残 36.7万株、売り残 1.3万株)
- 配当:2026/3期予想 年110円(利回り約3.35%)、権利落ち予定日 2026/3/30
企業情報
| 銘柄コード | 8360 |
| 企業名 | 山梨中央銀行 |
| URL | http://www.yamanashibank.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 銀行 – 銀行業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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