以下は、artience(証券コード: 4634)の企業分析レポートです。記載内容は公開データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。
– 企業情報
– 概要・事業内容
– 印刷インキの国内最大手(凸版印刷系)。旧・東洋インキSCホールディングスが2024年1月にartienceへ改称。
– 主力は色材・機能材(顔料、色材分散、CF用ペースト、OCFレジスト、CNT分散体 等)、ポリマー・塗加工(粘・接着剤、機能性フィルム、導電接着シート、缶用塗料 等)、パッケージ(グラビア/フレキソインキ、製版ソリューション)、印刷・情報(オフセット/UVインキ、印刷資材、スクリーンインキ 等)。
– 顧客市場:エレクトロニクス、パッケージ、オプトエレクトロニクス、医療・ヘルスケア、モビリティ、建材・住空間、エネルギー、印刷。
– 事業構成(売上構成比):色材・機能材 24%、ポリマー・塗加工 25%、パッケージ 26%、印刷・情報 24%、その他 1%。海外売上比率 55%(2024.12期)。
– 基本データ
– 市場区分:東証プライム/業種:化学(素材・化学)
– 本社:東京都中央区京橋2-2-1
– 従業員:7,890人、平均年齢 44.7歳、平均年収 785万円
– 業界のポジションと市場シェア
– ポジション
– 印刷インキで国内首位。グローバルにはDIC、サカタインクス等と競合。
– インキから派生する分散・樹脂・コーティング技術を核に、機能性材料(ディスプレイ材料、導電・接着、缶用塗料 等)へ裾野を拡大。
– 競争優位・課題
– 優位:長年の分散・樹脂設計・塗工プロセスの複合技術、幅広い顧客基盤、海外売上55%の地理分散。
– 課題:印刷需要の構造的縮小、EV電池関連の短期的需要鈍化、為替・原材料価格や地政学の影響。
– 経営戦略と重点分野
– ビジョン/方針(短信要旨)
– 「高収益既存事業群への変革」「戦略的重点事業群の創出」「経営基盤の変革」を継続。
– 重点領域・施策
– ポリマー・塗加工の拡大(導電性接着シート、粘着・接着、缶用塗料、機能性フィルム)。
– ディスプレイ・光半導体向け色材(CF/OCF、光半導体材料、インクジェット)と次世代製品開発。
– 車載向け材料(EV電池分散体等)の顧客開拓・製品高度化(需要鈍化局面での選別強化)。
– パッケージ用途の効率化・新拠点稼働(例:トルコ工場稼働と販路拡大)。
– ポートフォリオ転換と資本政策(自己株取得・消却を実行、2025/5/30に3,000千株消却)。
– 事業モデルの持続可能性
– 収益源は多様(インキ、色材、樹脂・塗工、パッケージ)。印刷の構造的縮小を、ポリマー・機能材など成長領域で補完。
– 海外比率55%で需要と為替の影響を受ける一方、地域分散による安定性もあり。
– EV・ディスプレイなど先端領域は市況変動が大きいが、同社の分散・樹脂/塗工コア技術は用途横断で転用可能。
– 技術革新と主力製品
– 技術の独自性
– 高度分散(CNT等)、色材設計、樹脂設計、機能性コーティングの統合力。量産プロセス(塗工・硬化)とセットの提案力。
– 収益牽引
– 導電性接着シート、缶用塗料、機能性フィルム、パッケージ用インキ等は堅調。
– ディスプレイ色材・光半導体材料は製品力がありつつ、用途別・地域別の需要差に左右。
– EV電池分散体は中長期テーマだが、直近は市場鈍化の影響を受けやすい。
– 株価の評価(バリュエーション指標の比較)
– 現在株価:3,145円
– 予想EPS:309.82円 → 予想PER:約10.15倍(業界平均PER 20.4倍比で低位)
– 実績BPS:5,096.21円 → PBR:約0.62倍(業界平均PBR 1.1倍比で低位)
– EV/売上(LTM):約0.52倍(EV ≒ 時価総額1,581億円+純有利子負債約226億円、売上3,475億円)
– EV/EBITDA(LTM):約5.7倍、EV/EBIT(LTM):約8.4倍
– 補足
– 配当利回り(会社予想):3.18%(1株配当 100円、予想配当性向 約32%〜35%レンジ)
– テクニカル分析
– 位置
– 50日線:3,152円、200日線:3,069円。現値は50日線近辺、200日線上。
– 年初来高値:3,405円(現値は約−7.6%)、年初来安値:2,502円(現値は約+25.7%)。
– モメンタム
– 直近10日:3,130〜3,270円のレンジで小動き、出来高は3カ月平均(約13.2万株)をやや下回る日が多い。
– ベータ(5年):0.13と低ボラティリティ。
– 信用動向:信用倍率0.69倍(売り越し気味)、買残減少・売残増加。
– 財務諸表分析(単位:百万円、LTMは過去12か月)
– 売上・利益
– 売上高:2021 287,989 → 2022 315,927 → 2023 322,122 → 2024 351,064 → LTM 347,539。
– LTM売上成長率:対2024年 −1.0%程度。3年CAGR(2021→2024):約+6.8%。
– 2024期 営業利益 20,415、LTM 19,239。営業利益率:2024 5.8%、LTM 5.5%。
– 粗利率:2024 21.3%、LTM 21.0%(2022の17.2%から改善)。
– 純利益:2024 18,540、LTM 14,658(半導体/EV/為替の影響等で減少)。
– 効率・収益性
– LTM ROE 5.47%、ROA 2.58%。2024 ROE 7.3%。
– 金利負担:LTM利息費用 2,175、EBIT 21,445 → インタレストカバレッジ約10倍。
– キャッシュフロー
– 営業CF(LTM)21,460、フリーCF(LTM)9,930。利益水準対比でのキャッシュ創出は安定。
– 財政状態
– 自己資本比率 55.4%、流動比率 1.86倍、D/E(総有利子負債/自己資本)約28%。
– 現金 5,062億円、総有利子負債 7,319億円(いずれも直近四半期、単位は百万円換算)。
– 株主還元と配当方針
– 配当
– 会社予想:年間100円(中間50円・期末50円)、予想利回り 約3.18%、予想配当性向 約32%〜35%。
– 5年平均利回り:3.94%(参考データ)。
– 自己株式
– 2025年上期に自己株取得、2025/5/30に自己株式3,000千株を消却。
– 大株主
– TOPPAN HD 20.77%、ほか信託銀行等。インサイダー保有約31%、機関保有約22%。
- 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:−12.52%(参考指数比で劣後)。
- 出来高:直近は3カ月平均をやや下回る水準。信用は売り超過で短期的な上値抑制要因になりやすい一方、需給の偏りが修正される局面では逆に変動要因となり得る。
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予定イベント
- 決算発表(予定):2025年11月14日
- 権利落ち(予定):2025年12月29日
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総評(要点整理)
- 収益構造は印刷インキ依存から、ポリマー・機能材へ分散が進展。粗利率は過去数年で改善。
- 2025年上期はEV・ディスプレイの需要鈍化や為替影響で減益。通期予想も下方修正済み。
- 財務は自己資本比率55%超、D/E約28%、営業CF黒字と安定。
- バリュエーションはPER・PBRとも業界平均比で低位、EV/EBITDAも中庸〜低位水準。
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テクニカルは50日線近辺での持ち合い圏。低ベータでディフェンシブ性がうかがえる一方、短期需給は売り超過。
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企業スコア(S/A/B/C/D、欠損はB、一過性損益は除外)
- 成長性:B
- 理由:LTM売上YoYは微減(約−1%)。一方、3年CAGRは約+6.8%と中期では伸長。
- 収益性:B
- 理由:LTM営業利益率約5.5%、EBITDAマージン約9.8%。化学業界の中位水準と評価。
- 財務健全性:A
- 理由:自己資本比率55.4%、流動比率1.86倍、D/E約28%と健全。
- 株価バリュエーション:A
- 理由:PER約10倍・PBR約0.62倍、EV/EBITDA約5.7倍と業界平均比で低位。
参考データ(主な数値)
– 株価:3,145円、時価総額:1,581億円、発行済株式数:約5,028.7万株
– 予想EPS:309.82円、実績BPS:5,096.21円
– LTM:売上3,475億円、営業益192億円、純利益147億円、営業CF214億円、現金506億円、総有利子負債732億円
注記
– 本レポートは公開情報の要約であり、投資判断は各自でご確認ください。
– 数値は百万円単位等で丸めを含みます。最新の開示資料での確認を推奨します。
企業情報
| 銘柄コード | 4634 |
| 企業名 | artience |
| URL | https://www.artiencegroup.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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