カメイ(8037)企業分析レポート
株価:2,918円(2025-10-31終値)/市場:東証プライム/時価総額:約962.7億円
1. 企業情報
- 概要と特徴
- 東北地方を地盤とする総合商社。主力のエネルギー(石油・LPガス・SS運営)に加え、自動車(国産・輸入車販売、リース・レンタカー)、海外・貿易、建設関連、食料、ペット、ファーマシー(調剤薬局)等に多角化。
- 国内外でLED・省エネ機器、太陽光・蓄電池などエネルギー管理製品、産業資材・機械、ICT・OA機器、保険、消防設備まで幅広く展開。
- 直営・運営網(合計・目安):ガソリンスタンド269、油槽所34、ガスターミナル15、オートガススタンド2、調剤薬局111、食品流通センター2、スーパー1。
- 歴史:1903年創業、1985年にカメイ株式会社へ商号変更。本社は仙台市。
- 連結事業構成(2026年3月期計画ベースの構成比・営業利益率カッコ内は参考、%):エネルギー49(2)、食料6(0)、建設関連8(3)、自動車関連13(6)、海外・貿易16(6)、ペット2(1)、ファーマシー等5(4)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 東北最大級の石油・LPガス卸で地域密着の強固な販売網を保有。SS運営・車検等のサービスに加え、法人向けエネルギー供給・産業資材供給で基盤が厚い。
- 直近では北米の潤滑油物流・関連子会社の取り込みで海外事業のウエイトを拡大。
- 競争優位と課題
- 優位性:地域密着の顧客基盤、総合力(ワンストップ提案)、M&Aを通じた事業ポートフォリオ拡張、堅実な財務。
- 課題:国内石油需要の構造的減少、人件費・物流費の上昇、為替・原油価格変動リスク、ファーマシーの採算是正、海外子会社の統合・管理負荷。
(注)正確な市場シェアは非開示。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針
- 人的資本経営の推進、M&Aによる領域拡大、グループ総合力の発揮、脱炭素対応の強化。
- 重点施策(直近の実行例)
- エネルギー:次世代燃料(サステオ等)やカーボンオフセットLPガスの提案強化、エネルギー管理商材の拡販。
- 海外・貿易:北米子会社の再編統合(潤滑油物流など)によりスケール拡大。
- 自動車:国産車販売の回復・レンタカーの伸長を取り込み、収益ドライバー化。
- 収益構造:販管費抑制と原価管理を徹底、採算が弱い領域(例:ファーマシー)のてこ入れ。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 低マージンだが安定的なエネルギー卸・SS運営を土台に、自動車・海外・建設関連など複数の稼ぐ柱で分散。EBITDAは安定推移(LTM約312.9億円)。
- 変化対応力
- 国内燃料需要減少に対して、脱炭素商材・分散電源、保守・サービス、海外展開で補完。人員コスト上昇等には効率化・統合で対応。
- リスク
- 原油・為替のボラティリティ、規制・地政学要因、M&A後のPMI(統合作業)失敗リスク、労働需給逼迫(薬局など)。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・商材動向
- 省エネ・再エネ(太陽光、蓄電池、LED)、エネルギー管理ソリューション、次世代燃料(サステオ等)、カーボンオフセットLPガスなど環境対応商材を拡大。
- 収益牽引
- セグメント利益寄与(2026/3期1Q):自動車(約32%)、海外・貿易(約28%)、エネルギー(約21%)。自動車・海外が増益ドライバー。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現状指標
- PER(予想):8.12倍(業界平均12.1倍比で低位)
- PBR(実績):0.57倍(業界平均1.0倍比で低位)
- 配当利回り(予想):3.43%(年間100円、配当性向約22%)
- BPS:5,164.08円(PBR約0.57倍)
- EV/EBITDA:約2.35倍(EV=約734.9億円≒時価総額962.7−現金629.7+有利子負債401.9、EBITDA LTM312.9億円)
- EV/Sales:約0.13倍(売上LTM約5,757.9億円)
- 補足
- 低PBR・低PER・低EVマルチプルは、低マージンかつ資本集約度や在庫・運転資本の大きさを反映。ROE(実績6.9〜7.3%)と配当の持続性、事業ポートフォリオ高度化の進捗が評価修正の鍵。
7. テクニカル分析
- トレンド概況
- 株価:2,918円
- 50日移動平均:2,904.9円(ほぼ同水準〜やや上回る)
- 200日移動平均:2,346.2円(大幅に上回る=中長期は上昇トレンド)
- 年初来高値:3,080円(10/27)、安値:1,600円
- 位置づけ
- 現在値は52週高値の約95%水準で高値圏に近い一方、直近は3,080円から反落して25日〜50日線付近でのもみ合い。
- 需給
- 信用買残10.5万株、信用倍率6.98倍(買い優勢)。自己株式7.25%、インサイダー保有約40%でフリーフロートは大きくないため、イベント時のボラティリティに留意。
8. 財務諸表分析
- 損益(連結、LTMベース)
- 売上高:5,757.9億円(前年比微増、1Qは+8.4%)
- 粗利:930.4億円(粗利率約16.2%)
- 営業利益:159.1億円(営業利益率約2.8%)
- 当期純利益:106.9億円(純利率約1.9%)
- EBITDA:312.9億円(EBITDAマージン約5.4%)
- 成長トレンド(年度)
- 売上:483,4(2022)→552,2(2023)→573,5(2024)→575,8(2025LTM)と増加傾向、3年CAGR約+6%。
- 営業利益:126.5→156.2→156.7→159.1(横ばい〜微増)。
- 純利益:85.1→85.6→101.1→106.9(増加)。
- 安定性・効率
- 自己資本比率:49.3%(期末)→51.3%(2025/6末)
- 流動比率:160%(2025/6末)
- 有利子負債/自己資本:24%(2025/6末)
- ROE:6.9%(実績)、ROA:3.3%(LTM)
- 営業利益率は低位だが、在庫・運転資本の管理とセグメント分散で安定性を確保。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期:年間73円
- 2026年3月期予想:年間100円(中間50、期末50)
- 予想配当性向:約22%(会社予想EPS359.48円ベース)
- 5年平均利回り:2.86%(現状はこれを上回る水準)
- 自社株
- 自己株式:2,392,451株(発行済の約7.25%)を保有。足元で新規の自己株買いプログラムの明示は資料上なし(特別配当もなし)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近10日:10/27に年初来高値更新後、3,080→2,905〜2,933円へ押し、10/31は2,918円。上昇一服の調整局面。
- 52週騰落:+47.5%とアウトパフォーム。出来高は3か月平均約4.1万株。
- 関心・要因
- 増益基調(1Q:売上+8.4%、営業益+23.3%)と海外・自動車の好調、脱炭素商材拡販がポジティブ要因。
- 原油・為替の変動、薬局の採算、人件費上昇、イベント(決算)時のフリーフロートの小ささによる価格変動がリスク要因。
11. 総評
- エネルギー卸を基盤に多角的な収益源(自動車・海外・建設関連等)を持つ地域密着型商社。国内燃料需要の減少という構造課題に対し、脱炭素関連・サービス化・海外展開で対応を進める。
- 収益性は低位ながら安定(営業利益率約2.8%)。財務体質は健全(自己資本比率51%、D/E約24%、流動比率160%)。
- バリュエーションは業界平均比で割安な指標(PER・PBR)。配当は利回り3.4%・性向22%で持続性が意識される水準。
- 短期は高値圏からの調整局面。中期はセグメント分散と海外・自動車の伸長、脱炭素商材の拡大が収益の底上げ要因。原油・為替、人件費、M&A統合進捗は注視ポイント。
(注)本資料は公開データに基づく一般的な企業分析であり、投資助言ではありません。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上は微増だが、1Qは+8.4%増収、3年CAGR約+6%。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率約2.8%、EBITDAマージン約5.4%、ROE約6.9%(業界特性を踏まえ中立評価)。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率51.3%、流動比率160%、D/E約24%。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER8.1倍(業界平均12.1倍比で低位)、PBR0.57倍(平均1.0倍比で低位)、EV/EBITDA約2.35倍。
参考データ(抜粋)
– 2026/3期1Q(累計):売上高1,411億円(+8.4%)、営業利益40億円(+23.3%)、純利益29億円(+31.3%)
– 通期会社予想(2026/3):売上5,863億円、営業利益157億円、純利益110億円、EPS359.48円、年間配当100円
– 株主構成:インサイダー保有39.7%、自己株7.25%、機関投資家16.3%(フロート約1,807万株)
企業情報
| 銘柄コード | 8037 |
| 企業名 | カメイ |
| URL | http://www.kamei.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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