フジッコ(2908)企業分析レポート
株価: 1,598円(2025-10-31終値基準)/時価総額: 約480億円
– 企業情報
– 概要と事業内容
– 昆布・煮豆・惣菜・ヨーグルト・デザートなどの加工食品を製造販売。菌管理技術を活かした「カスピ海ヨーグルト」も主力。
– 年末の「おせち」需要の比重が大きい季節性を持つ。
– 売上構成(2025.3期通期、製品分類の構成比)
– 惣菜製品 33%、昆布製品 28%、豆製品 18%、ヨーグルト製品 12%、デザート製品 5%、その他 4%
– 業界のポジションと市場シェア
– ポジション
– 煮豆で首位。昆布、惣菜、ヨーグルトを含め「和」を軸としたカテゴリで高い認知とブランド力。
– 競争優位性
– 長年の原料調達・加工ノウハウ、菌管理・発酵技術(カスピ海ヨーグルト)、年末おせちの販路と実行力。
– 課題
– 原材料・エネルギー・物流コスト上昇、国内少子高齢化による市場伸び悩み、NBとPBの価格競争、年末商戦への売上偏重。
– 経営戦略と重点分野(中計2025–2027の要旨)
– コア事業強化:昆布・豆・惣菜・ヨーグルトのブランド磨き込み、商品改廃と開発の効率化、価格改定の浸透。
– 収益構造改革:販促投下のタイミング最適化、調達・生産性改善、物流・管理の一体化(2025/10/1 フジッコNEWデリカ吸収合併)。
– ポートフォリオ最適化:関係会社の譲渡(フーズパレット連結除外)など選択と集中。
– 海外展開:タイFB Food Service(FBF)の株式取得(FFA社経由で連結子会社化方針)によりアジア基盤を構築。
– サステナビリティ・健康志向:豆・発酵・海藻の機能性訴求と原料の安定調達。
– 事業モデルの持続可能性
– 収益源は日配・常温双方に分散し、通年需要と季節需要(おせち)を併せ持つ多柱モデル。
– 物価高下でも「健康・簡便・中価格帯」の需要は底堅い一方、コスト上昇と価格転嫁のタイムラグが利益率を圧迫しやすい。
– 自己資本比率が高水準(86%台)で財務耐久力がある。
– 技術革新と主力製品
– 技術・独自性:菌管理・発酵(カスピ海ヨーグルト)、昆布・豆の加工技術、日配品の鮮度・品質管理。
– 主力製品と動向(2026年3月期上期)
– 昆布:塩こんぶ大容量が好調、カップ佃煮は新商品で回復基調
– ヨーグルト:主力が堅調(発売20周年施策)
– 惣菜:包装惣菜は一部好調、日配惣菜は関係会社売却の影響で減
– デザート:価格改定後の物量確保が遅れ苦戦
– 株価の評価(バリュエーション)
– 指標比較(提供データ)
– PER(予想):33.7倍(業界平均 19.5倍)
– PBR(実績):0.66倍(業界平均 1.3倍)
– BPS:2,429.82円 → PBRディスカウント水準
– 予想EPS:47.42円 → EPS利回り約2.97%
– EV/S:約0.63倍(時価総額約480億円、現金約120億円、負債軽微、売上約567億円想定)
– コメント
– PERは業界平均を上回る一方、PBRは大幅に下回る。低ROE(実績1.38%、LTM1.94%)と高自己資本がPBR低位の背景。利益水準の回復度合いがPERの見え方に影響。
– テクニカル分析
– トレンド位置
– 年初来レンジ:1,480〜1,701円の中程。50日線1,636円・200日線1,619円を下回り、短期はやや弱含み。
– 直近の推移(10日)
– 1,630円前後から1,598円へ小幅下落、出来高は短期平均(10日)> 中期平均(3か月)でやや増加。
– 信用需給
– 信用倍率0.78倍(売り長)。短期の需給は中立〜やや上値抑制要因。
– 財務諸表分析
– 成長
– 売上高:2022/3 550億円 → 2023/3 539億円 → 2024/3 557億円 → LTM 約571億円。3年CAGR約+1%、LTM YoYも小幅増。
– 2026/3期上期は売上高2,774億円(前年同期比-1.1%)と微減。
– 収益性
– 粗利率:約28.9%(LTM)。営業利益率:約1.9%、純利益率:約2.3%(LTMベース提供指標)。
– 2026/3期上期 営業利益は+96%と改善(販管費・販促タイミング見直し)。
– 2022/3期の営業利益率約5.7%からの低下が続いたが、足元は回復基調。
– 効率性・資本性
– ROE(実績):1.38%/ROE(LTM):1.94%、ROA(LTM):1.08%。
– 自己資本比率:86.4%(上期末86.6%)。流動比率:3.88倍。現金同等物:約120億円。ネット有利子負債は実質無借金水準。
– キャッシュフロー(2026/3期上期)
– 営業CF+113億円、投資CF▲118億円(主に設備投資)、財務CF+34億円(期中の長期借入実行後、期末残高は残存せず)。現金残高は微増。
– 株主還元と配当方針
– 配当
– 年間予想配当:46円(中間23円・期末23円)/予想利回り約2.88%。
– 予想配当性向:約98%(予想EPS47.42円基準)。利益連動色が強く、利益水準の動向が配当原資の鍵。
– 自社株
– 自己株式比率:約5%。短信で新規の自社株買い記載はなし。
- 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス
- 52週騰落率:-7.36%(S&P500 +19.74%)。国内食品株の中でも冴えない推移。
- 投資家属性
- インサイダー保有比率:約30%、機関投資家:約21%。安定株主構成が多く、浮動株はやや限定的。
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近時の着目点
- 上期での利益改善、構造改革(合併・譲渡)、海外展開(FBF)などニュースフローは堅実。デザートなど一部カテゴリの回復遅れが短期の重し。
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総評
- 売上は緩やかな増加基調だが、利益率は原材料・物流コスト高の影響で低位が続く中、2026/3期上期は販促・費用コントロールで大きく改善。中計に沿った事業再編と海外展開で収益基盤の底上げを図っている。
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財務体質はきわめて健全。PBRは割安圏ながら、PERは業界平均を上回っており、低ROEが評価ディスカウントの一因。今後は、価格政策の定着、生産性向上、おせち季節性の平準化、海外の立ち上がりが収益性改善の鍵。
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企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- LTM売上YoYは小幅増、3年CAGR約+1%。直近四半期売上は微減で総合B。
- 収益性:C
- 営業利益率約2%、EBITDA率約8%。業界感応度を踏まえても平均を下回る水準。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率86%、流動比率3.9倍、実質無借金・潤沢な現金。
- 株価バリュエーション:B
- PERは業界平均超、PBRは平均大幅下、EV/Sは低位。指標混在のため総合中立。
出所:ご提供データ(決算短信、株価・指標、財務数値等)に基づく整理。投資判断ではなく、客観的な企業分析の参考情報です。不明点があればお知らせください。
企業情報
| 銘柄コード | 2908 |
| 企業名 | フジッコ |
| URL | http://www.fujicco.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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