ユー・エス・エス(USS Co., Ltd.)[4732] 分析レポート
株価: 1,702円(2025-10-31終値基準)/市場: 東証プライム/業種: サービス業(Auto & Truck Dealerships)
1. 企業情報
- 概要: 中古車オークション運営の国内最大手。会場オークション、専用端末(USS JAPAN)・インターネットオークションを展開。中古車買取(「ラビット」)、事故現状車の売買、リサイクル(廃車解体・資源回収)、付帯サービス(オートローン、太陽光発電)も手掛ける。
- 事業構成(2025.3期 会社資料ベース):
- オートオークション(中核)
- 中古自動車等買取販売(ラビット等)
- リサイクル
- その他(ローン、太陽光等)
- 特徴: オートオークション会場運営でシェア4割超。高い収益性と好財務が特徴。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内中古車オークションで圧倒的首位(シェア40%超)。全国会場網・取扱台数の規模、端末ネットワーク(USS JAPAN)によるネットワーク効果が強み。
- 競争優位性:
- 供給・需要の厚み(「高く売れる会場」評価)に伴う流動性の高さ
- 料金(落札手数料)政策の裁量・改定実行力
- 高い営業利益率(LTMで約53%)と固定費吸収の効率性
- 課題:
- 市況に左右される出品台数・成約率(足元、成約率はやや低下傾向)
- リサイクル・買取販売の収益変動(相場・台当たり粗利に影響)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/重点:
- 中核のオートオークション事業での規模・収益性の最大化(会員・出品台数の拡大、手数料最適化)
- デジタル/端末サービス(USS JAPAN)の機能強化
- 付帯サービス(輸出支援、物流、金融)の付加価値拡大
- 収益性の低い周辺事業(買取販売、リサイクル)の収益改善
- 施策(2026年3月期1Q短信より)
- 出品・成約の増加、端末落札手数料の改定でオークション収益拡大
- 通期見通しを営業・経常・純利益で上方修正
- 資本政策:自己株式取得・消却の実行、配当予想引き上げ(年50.4円)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 出品・成約・落札等の手数料収入が中心のフィーベース。取扱台数に比例した収益で景気敏感性はある一方、固定費負担は相対的に軽く高利益率。
- 適応力:
- 新車回復→中古車放出・輸出需要の取り込みでボリュームを確保
- 端末/ネットオークションの深化で参加障壁を低減
- リスク: 出品減・成約率低下、輸出先規制や為替、金属相場(リサイクル)など外部要因への感応度。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/運営:
- 専用端末「USS JAPAN」およびインターネットオークション運営
- 料金テーブルの改定によるマネタイズ最適化
- 主力サービス:
- 会場・端末・ネットを統合した中古車オークション
- 付帯:輸出サポート、物流、オートローン等
- 収益牽引: オートオークション事業が圧倒的に利益貢献(2026年3月期1Qのセグメント利益の大半を占有)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価1,702円、予想EPS 82.53円、実績BPS 404.60円、時価総額約8,067億円
- 指標比較
- PER(予想): 20.6倍(業界平均 17.0倍より高位)
- PBR(実績): 4.21倍(業界平均 1.8倍より高位)
- EV/EBITDA(概算): 約11.8倍[EV≈7,175億円=時価総額8,067−純現金約892億円、EBITDA≈607億円]
- EV/Sales(概算): 約6.8倍(LTM売上約1,058億円)
- 配当利回り(会社予想): 2.96%(5年平均 2.89%近辺)
- コメント: 高ROE・高利益率を背景に、業界平均に対してプレミアムバリュエーション。
7. テクニカル分析
- トレンド位置: 株価1,702円は50日移動平均1,745円を下回り、200日移動平均1,559円を上回る中期上昇・短期もみ合いレンジ。
- 価格帯: 52週高値1,839円/安値1,280円のレンジで上限寄り(約92%水準)。
- モメンタム(直近10日): 1,720→1,702へやや軟化。出来高は3カ月平均(約130万株)を下回る日が多く、短期の勢いは中立~弱含み。
8. 財務諸表分析
- 成長(年度推移)
- 売上高: 814.8億円(2022)→ 887.8億(2023)→ 976.1億(2024)→ 1,040.2億(2025/LTM)
- 3年CAGR 約8〜9%
- 営業利益: 415.8億(2022)→ 437.8億(2023)→ 489.4億(2024)→ 542.1億(2025/LTM)
- 親会社純利益: 297.5億(2022)→ 300.1億(2023)→ 329.1億(2024)→ 376.4億(2025/LTM)
- 収益性(LTM)
- 粗利率 約62.3%(= 648.2/1,040.2)
- 営業利益率 約52.1%(= 542.1/1,040.2)
- 純利益率 約36.2%(= 376.4/1,040.2)
- ROE 18.85%(参考値:EPS/BPS ≒ 20.4%)、ROA 13.58%
- キャッシュフロー
- 営業CF 377.2億円(LTM)で利益水準に概ね整合。1Q投資CFは▲17.3億(主に設備・無形)、財務CFは自己株取得・配当で▲268.6億。
- 財務安全性
- 自己資本比率 76.2〜76.5%、流動比率 約2.7倍、有利子負債僅少(D/E約1.2%)、手元資金9,159億円(1Q末)
- セグメント(2026年3月期1Q)
- オートオークション: 売上2,231億円、営業利益1,461億円(いずれも百万円単位データ)
- 買取販売: 売上286億円、営業損失0.25億円
- リサイクル: 売上189億円、営業利益0.53億円
- その他: 売上32億円、営業利益0.31億円
- 備考: 出品台数+20.4%、成約台数+7.8%、成約率62.9%(前年70.3%)
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績/予想
- 2025年3月期: 年間43.40円
- 2026年3月期(会社予想): 年間50.40円(配当性向 55.3%想定)
- 自己株式
- 2025年6月に約160億円の自己株取得、同月4,000万株を消却
- 2024年3月に1:2の株式分割実施
- 総還元姿勢: 配当の増額と機動的な自己株取得・消却を実行。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週騰落率+31.7%。直近は50日線割れで短期軟化。
- 信用動向: 信用買残127千株(前週比▲1.01万)、信用倍率4.77倍。やや買い長だが積み上がりは鈍化。
- 株主構成: 機関投資家比率約53%、インサイダー約19%。需給の安定感が示唆。
- 出来高: 10日平均約92.6万株、3カ月平均約130万株。直近はやや閑散。
11. 総評
- 中核のオークション事業は「規模×ネットワーク効果×料金最適化」により高い収益性を維持。新車回復・輸出需要増を背景に、出品・成約が増加し、通期見通しも上方修正。
- 財務体質は自己資本比率75%超、純現金で極めて健全。利益—キャッシュの転換も良好。
- 一方、評価面ではPER・PBRとも業界平均を上回るプレミアム水準。短期テクニカルは50日線下でのもみ合い。周辺事業(買取販売・リサイクル)の改善進度や成約率動向、輸出先環境が足元の注目点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上YoY +6.8%、3年CAGR約8〜9%。
- 収益性: S
- 根拠: 粗利率約62%、営業利益率約53%、業界平均比で高水準。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率76%、流動比率約2.7倍、実質無借金に近い。
- 株価バリュエーション: C
- 根拠: PER 20.6倍・PBR 4.21倍は業界平均(17.0倍/1.8倍)を上回る。EV/EBITDA約11.8倍、EV/S約6.8倍。
参考データ(抜粋)
– ROE(実績)18.85%、ROA 13.58%、営業CF 377.2億円(LTM)
– 配当利回り(予想)2.96%、配当性向約55%
– ベータ(5年)0.39、年初来高値1,839円/安値1,282円
注記
– 本資料は提供データ(2025-11-03時点)に基づく客観的整理であり、投資勧誘・助言を目的としたものではありません。数値は百万円単位等の丸めを含みます。未開示・不明事項は評価を控えています。
企業情報
| 銘柄コード | 4732 |
| 企業名 | ユー・エス・エス |
| URL | http://www.ussnet.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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