亀田製菓(2220)企業分析レポート

株価:3,840円(2025-10-31終値)/時価総額:857億円

1. 企業情報

  • 概要:米菓(せんべい・あられ等)で国内首位。主力ブランドは「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「ソフトサラダ」等。国内米菓に加え、米国・アジアで海外展開。保存食(尾西食品)、植物性乳酸菌、米粉パン、プラントベース食品なども手がける。
  • 主要セグメント(連結)
    • 国内米菓:売上比率約52%(中間期ベース)。定番・重点ブランドの製造販売。
    • 海外:北米・アジア。2025年度上期に米国TH FOODS, INC.を完全子会社化。
    • 食品:長期保存食、植物性乳酸菌、米粉パン等。
    • その他:物流など。
  • 従業員:4,090人/本社:新潟市江南区

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:米菓カテゴリーで国内首位ブランド群を保有。高いブランド認知と全国的な販売網(CVS・量販店)を背景にカテゴリ内で優位。
  • 競合:国内では三幸製菓、栗山米菓(Befco)など。スナック菓子全体ではカルビー等の大手とも棚取りで競う。
  • 強み・課題
    • 強み:強固なブランド、国内製造・品質、海外でのグルテンフリー需要取り込み余地。
    • 課題:原料米価格の高騰、物流・人件費の上昇、為替変動。価格改定の浸透にタイムラグがあり短期収益を圧迫しやすい。

3. 経営戦略と重点分野

  • 中長期方針(~2030)
    • 国内:主力ブランドの価値向上(大型・高付加価値SKU、需要に応じた価格・容量設計)、生産性向上・自動化。
    • 海外:北米戦略の再構築を中核(TH FOODS完全子会社化による製販一体化、米菓・グルテンフリー領域の拡大、日米・アジア間の商品・調達シナジー)。
    • 新領域:保存食・プラントベース・乳酸菌など健康・長期保存ニーズの取り込み。
  • 2026年3月期の注力施策
    • 価格改定の本格反映を下期以降に見込む。
    • 海外はTH FOODS連結効果を利益へ定着。
    • のれん(主にTH FOODS、20年償却予定)を踏まえた安定運用。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 需要面:スナック・米菓はディフェンシブな消費財。健康志向・グルテンフリー需要の追い風もあり、米菓の海外余地が大きい。
  • 収益モデル:ブランド力に基づく価格決定力が収益の柱。原材料・物流コスト上昇には価格改定・規格見直し・調達最適化で対応。
  • 留意点:のれん償却(約20年均等、試算:約380~1900百万円/年規模の償却計上見込み、配分確定後)が営業利益を恒常的に押し下げる一方、キャッシュアウトは伴わない。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:米の加工・焼成・フレーバリング技術、品質管理、長期保存食(尾西食品)などでノウハウを蓄積。海外ではグルテンフリー対応の米菓が親和的。
  • 収益牽引:
    • 国内:柿の種、ハッピーターン等の基幹ブランド。
    • 海外:TH FOODS(北米)の取り込みにより米菓・ヘルシースナック領域を拡大。
    • 食品:長期保存食、植物性乳酸菌が堅調。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価3,840円、発行済株式2,231.9万株、時価総額約857億円。
  • 会社予想ベース(当期EPS予想1,147.83円)
    • PER:約3.35倍(注:上期の段階取得差益20,598百万円を含む一過性利益で歪み)。
  • 一過性損益を除いた概算調整
    • 当期純利益予想24,200百万円 − 特別利益20,598百万円 ≒ 3,602百万円。
    • 調整EPS概算:3,602百万円 ÷ 2,108万株(希薄化考慮概数)≒ 171円。
    • 調整PER概算:3,840円 ÷ 171円 ≒ 22.5倍(業界平均PER19.5倍と比べやや高め)。
  • PBR:0.86倍(BPS 4,477.68円、業界平均1.3倍を下回る水準)。
  • EV/Sales(概算):EV ≒ 857 + 459 − 183 = 約1,133億円。売上(LTM)1033億円~1,205億円 → EV/S ≒ 0.9~1.1倍。
  • EV/EBITDA(概算):1,133億円 ÷ EBITDA 1,256~1,408億円 → 約8~9倍。
  • まとめ:ヘッドラインPERは一過性で過度に低下。調整PERは平均並~やや上、PBRは低位、EV系はおおむね1倍前後。

7. テクニカル分析

  • トレンド:株価3,840円は50日移動平均4,135円、200日移動平均3,991円を下回り、短中期とも下向き基調。
  • 位置:52週レンジ3,600~4,605円の下半分。年初来安値3,600円からは+6~7%上。
  • モメンタム:直近決算発表後に出来高増(10日平均7.8万株>3カ月平均6.0万株)。戻り局面では3,990円(200日線)近辺が初期レジスタンス、3,600円周辺がサポート候補。
  • 信用動向:信用倍率11.83倍と買い長だが残高は相対的に小ぶり。

8. 財務諸表分析

  • 売上推移(百万円)
    • 2022/3:85,163 → 2023/3:94,992 → 2024/3:95,534 → 過去12か月:103,262
    • 3年CAGR:約6~7%(M&A寄与含む)。
  • 収益性(過去12か月、百万円)
    • 売上:103,262、粗利:28,064(粗利率約27.2%)
    • 営業利益:5,500(営業利益率約5.3%)、EBITDA:12,564(EBITDAマージン約12.2%)
    • 参考指標の差異(他データで営業利益率1.84%等)は一過性項目や期間差によるブレ。会社計数ベースでは5%前後。
  • 当期上期(2025/4-9、百万円)
    • 売上:65,767(+35.4%)、営業利益:2,190(+23.9%)
    • 親会社純利益:22,283(段階取得差益20,598計上)
    • セグメント:国内米菓は増収減益(原料高)、海外はTH FOODS連結で増収増益、食品も増益。
  • ROE・ROA
    • ROE(実績):7.44%(一過性除外ベースの目安)。一方、LTM31.8%という指標は特別利益の影響を含むため参考値。
    • ROA(LTM目安):2.6%程度。
  • 財政状態・CF
    • 自己資本比率:61.0%(期中56.1%へ一時低下)と厚めの自己資本。
    • 有利子負債:459億円/D/E約0.47倍。短期借入の増加で流動比率0.92と流動性はややタイト。
    • 営業CF:+115.8億円(LTM)。レバードFCF:▲27.5億円(買収等の投資負担)。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:通期予想58円(中間15円・期末43円)、予想利回り約1.51%。
  • 配当性向:会社予想EPSベース約5%だが、一過性除外の調整EPS(約171円)で見ると配当性向は約34%の目安。
  • 自社株:自己株式比率5.53%。今期新たな自社株買いの開示は確認できず(期中資料ベース)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落:▲11.1%と軟調。直近は決算イベント後に出来高増。
  • 注目材料:TH FOODS統合進捗、国内価格改定の浸透、原料米・物流コスト、為替、のれん償却負担の見通しが株価ドライバー。

11. 総評

  • 国内米菓の強固なブランドを基盤に、北米のM&Aで成長ドライバーを追加。短期的には原材料高と価格改定のタイムラグ、のれん償却・流動負債増で利益・資金繰りがやや重くなる局面。一方で、中期は海外比率上昇とポートフォリオ多角化(保存食・健康領域)で安定度向上が見込まれる。
  • バリュエーションは、ヘッドラインPERは一過性利益で割安に見えるが、調整PERは業界平均並~やや上。PBRは1倍割れで資産面では抑制的評価。テクニカルには下方トレンドの中で下値圏に位置。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D、当社判断。欠損はB、一過性損益除外)

  • 成長性:A
    • 理由:LTM売上は前年比増、3年CAGR約6~7%。海外M&A寄与で伸長。
  • 収益性:B
    • 理由:粗利率約27%、営業利益率約5%・EBITDAマージン約12%と業界並水準感。一過性除外後も中位。
  • 財務健全性:B
    • 理由:自己資本比率56~61%と厚いが、短期借入増で流動比率0.92と流動性にやや課題。D/E約0.47倍は許容範囲。
  • 株価バリュエーション:B
    • 理由:調整PERは業界平均やや上、PBRは平均下、EV/Sは約1倍前後で総合中立。

注記
– 一過性損益(段階取得差益等)は除外して評価しています。実際の投資判断には最新の開示資料、原材料・為替動向、統合進捗等をご確認ください。


企業情報

銘柄コード 2220
企業名 亀田製菓
URL http://www.kamedaseika.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 食品 – 食料品

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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