以下、レシップホールディングス(証券コード:7213)の企業分析レポートをまとめました。

1. 企業情報

レシップホールディングス(Lecip Holdings Corporation)は、1948年創業、1953年設立の岐阜県本巣市に本社を置く企業です。主な事業内容は、バス・鉄道・自動車向けの車両用電装機器の企画、設計、製造、販売です。具体的には、バスの運賃収受システムや乗り物用LED電源、LED灯具、情報処理機器などを手掛けています。また、産業機器分野では、無停電電源装置(UPS)、バッテリー駆動フォークリフト用充電器、LED用電源といった電力変換・供給機器も提供しています。国内外で事業展開しており、連結事業別では輸送機器が84%、産業機器が16%を占めています。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は、日本の輸送機器、特にバス・鉄道向けの電装機器分野において、長年の実績と技術的ノウハウを持つ企業です。運賃収受システムやLED灯具などの製品は、公共交通機関の運行に不可欠なものであり、安定的な需要が見込まれます。しかし、市場シェアに関する具体的な数値データは提供されていません。
競争優位性としては、長年にわたり培ってきた信頼と品質、交通機関のニーズに対応する開発力・提案力が挙げられます。一方で、特定の市場(例:国内バス市場における新紙幣対応特需)に依存する部分があるため、そうした特需の剥落が業績に大きく影響する点は課題と言えます。また、原材料価格の高騰や為替変動、競合他社との競争も常に存在するでしょう。

3. 経営戦略と重点分野

同社は中期経営計画「RT2026(Reach our Target 2026)」を推進しており、以下の主戦略と全社戦略を掲げています。

主戦略:

  • 海外事業の確立: 海外市場での事業拡大を目指します。
  • 新規領域の拡大: 新たな市場や技術分野への進出を図ります。
  • 収益性・効率性の追求: 事業全体の収益性と効率性を高めるための施策を講じます。

全社戦略:

  • 経営効率の向上: 組織運営の効率化を進めます。
  • 企業文化の醸成: 社員が働きがいを感じ、持続的な成長を支える企業文化を構築します。

直近の第1四半期決算では、売上・利益が前年同期から大幅に減少しましたが、中期経営計画は継続中であるとされており、計画達成に向けた取り組みが進行しているものとみられます。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、交通インフラに不可欠な電装機器および産業用電源ソリューションを提供するものであり、社会インフラを支えるという点で一定の安定性を持っています。収益の柱である輸送機器事業は、バスや鉄道のDX化、安全運行、省エネ化といったトレンドに対応する製品開発が重要となります。産業機器事業では、エネルギー管理システム(EMS)や電源ソリューションなど、脱炭素社会や効率化ニーズに応える製品群を提供しています。
しかし、直近では新紙幣発行に伴う特需の反動減や主要顧客のモデルチェンジによる採用減少、為替変動といった外部要因による影響を受けています。これらの市場ニーズの変化や外部環境の変動への適応力が、事業モデルの持続可能性を左右する重要な要素となります。中期経営計画で掲げている「海外事業の確立」や「新規領域の拡大」は、特定の市場や製品への依存度を低減し、持続的な成長を可能にするための重要な取り組みと考えられます。

5. 技術革新と主力製品

同社の主力製品は、バス用運賃収受機器、LED行先表示器、車内表示器などの情報処理・表示機器、および鉄道向けLED照明や自動車向けLEDランプユニット、さらに産業機器向けの無停電電源装置や充電器、LED用電源など多岐にわたります。
これらの製品開発を支える技術として、情報通信技術、画像処理技術、電力変換技術、LED照明技術などが挙げられます。特に、乗り物用LED電源やインフラ向け情報処理機器においては、長年にわたる独自の技術やノウハウを蓄積しています。今後の技術革新としては、交通システムのスマート化、エネルギーマネジメントの高度化、環境負荷低減に資する製品開発などが期待されます。

6. 株価の評価

現在の株価は441.0円です。
会社予想EPS(連結)は52.03円であり、これに基づくPER(会社予想)は約8.48倍です。
一方、実績BPS(連結)は616.97円であり、これに基づくPBR(実績)は約0.71倍です。
業界平均PER(輸送用機器)は7.3倍、業界平均PBRは0.5倍とされています。
レシップホールディングスのPER(8.48倍)は業界平均PER(7.3倍)と比較するとやや高く、PBR(0.71倍)も業界平均PBR(0.5倍)と比較すると高い水準にあります。これらの指標からは、現在の株価は業界平均と比較して割安とは言えない状況にあると解釈できます。

7. テクニカル分析

現在の株価441.0円は、年初来高値522円、年初来安値399円の間に位置しています。また、52週高値は561.00円、52週安値は399.00円です。
50日移動平均が454.04円、200日移動平均が461.20円となっており、現在の株価は両移動平均線を下回っています。直近10日間の株価推移を見ても、440円から447円の範囲で推移しており、下降トレンドにあるか、あるいはレンジ相場で推移していると見ることができます。
これらの情報から判断すると、現在の株価は年初来の安値圏に近い位置にあり、上値が重い状況にあると言えます。

8. 財務諸表分析

売上高:

過去数年間の売上高は、2022年3月期140億円、2023年3月期142億円と横ばいで推移していました。しかし、2024年3月期には226億円と大幅に伸長し、過去12か月(2025年3月期予想相当)では259億円とさらに増加しています。これは、主に前期に計上された新紙幣発行に伴う特需が要因と考えられます。
一方で、直近の2026年3月期第1四半期(2025年4月1日~6月30日)の売上高は35.09億円となり、前年同期比で25.3%の大幅な減収となりました。これは、主要市場での採用減少や前期特需の剥落が主因と説明されています。

利益:

営業利益も売上高と同様に推移しました。2023年3月期には3.1億円の営業損失を計上しましたが、2024年3月期には31.6億円、過去12か月では35.3億円と大きく回復し、高水準の利益を計上しました。しかし、直近の2026年3月期第1四半期では、売上減と為替差損の影響により、4.09億円の営業損失、5.46億円の経常損失、4.00億円の親会社株主に帰属する四半期純損失を計上し、赤字に転落しました。通期連結業績予想では、売上高240億円(前期比7.4%減)、営業利益11億円(同68.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8億円(同64.5%減)と、減収減益を見込んでいます。

収益性指標:

過去12か月の売上総利益率は約33.3%(8,631百万円 / 25,931百万円)、営業利益率は約13.6%(3,531百万円 / 25,931百万円)と高い水準でした。しかし、直近第1四半期では売上総利益率が約24.8%(871百万円 / 3,509百万円)、営業利益率が約-11.7%と大幅に悪化しています。
ROE(実績)は26.56%、過去12か月では17.50%と、資本効率は以前は非常に高水準でしたが、直近の赤字転落により低下が懸念されます。

財務健全性:

2025年6月30日時点の自己資本比率は51.6%と高い水準を維持しており、財務基盤は健全です。
流動比率は1.73(173%)と、短期的な負債の支払い能力も良好です。
Total Debt/Equity(D/E比率)は8.62%と、有利子負債は少なく、健全な状態と言えます。総資産や負債が前期末から減少したのは、受取手形・売掛金の減少や短期借入金等の減少が主な要因です。

9. 株主還元と配当方針

同社の2026年3月期の年間1株配当予想は13.50円であり、現在の株価(441.0円)に基づく配当利回りは3.06%です。2025年3月期の実績配当は20.00円(うち特別配当8.50円)であったため、予想配当は前期から減額されています。
配当性向は過去12か月のDiluted EPS(152.28円)と年間配当予想(13.50円)で計算すると約8.9%と低く見えますが、これは前期の高いEPSを分母としているためです。会社予想EPS(52.03円)で計算すると約25.9%となり、利益に応じた妥当な水準と言えるでしょう。
現時点では、自社株買いなどの追加的な株主還元策に関する情報は提供されていません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

現在の株価は前述の通り、50日・200日移動平均線を下回り、年初来・52週安値に近い水準で推移しており、下降基調または横ばいのモメンタムにあると見られます。直近10日間の出来高も1万株台が多く、売買自体は活発とは言えません。
投資家の関心としては、信用倍率が34.85倍と非常に高くなっており、信用買残が信用売残を大幅に上回っています。これは、多くの投資家が株価上昇を期待して買い建てを行っていることを示唆していますが、一方で需給面では将来的な売り圧力となる可能性も孕んでいます。
株価への影響要因としては、直近の第1四半期決算で示された業績の大幅な悪化と通期減益予想、新紙幣対応特需の剥落、原材料高騰、為替変動(特に円安によるコスト増)などが挙げられ、これらが株価の上値を抑える要因として意識されている可能性があります。

11. 総評

レシップホールディングスは、バス・鉄道向けの電装機器や産業用電源ソリューションを手掛ける老舗企業であり、高い技術力と安定した財務基盤を有しています。特に、自己資本比率や流動比率、負債比率は非常に良好な水準を維持しており、財務健全性は高いと言えます。
しかし、足元の業績は厳しい状況にあります。前期に大きく貢献した新紙幣対応特需の剥落や、主要顧客の採用減少、為替差損などの影響により、直近の第1四半期決算では大幅な減収減益、赤字に転落しました。通期業績予想も大幅な減益を見込んでおり、短期的な業績については注意が必要です。
株価は年初来安値圏に近い水準で推移しており、テクニカル的には弱含みです。株価評価指標(PER、PBR)は業界平均と比較してやや高めと見られます。中期経営計画「RT2026」で掲げる海外事業の確立や新規領域の拡大は、今後の成長に向けた重要な戦略ですが、足元の業績悪化をいかに乗り越え、計画を着実に実行できるかが今後の焦点となるでしょう。

12. 企業スコア

  • 成長性:C
    • 過去数年の売上高は増加傾向にありましたが、直近四半期では前期特需の剥落により前年同期比25.3%減と大幅な減収を記録しました。通期予想も前期比で減収を見込んでいるため、短期的な成長性は鈍化しています。
  • 収益性:C
    • 過去12か月の営業利益率は高水準でしたが、直近の第1四半期は売上減少と為替差損の影響を受け営業損失に転落しました。通期での営業利益率も前期から大幅な悪化を見込んでいるため、足元の収益性は低下しています。
  • 財務健全性:A
    • 自己資本比率51.6%、流動比率1.73、Total Debt/Equity 8.62%といずれも非常に良好な水準を維持しており、財務基盤は健全です。
  • 株価バリュエーション:C
    • PER(会社予想)8.48倍は業界平均7.3倍より高く、PBR(実績)0.71倍は業界平均0.5倍より高い水準にあり、業界平均と比較して割安感は乏しいと判断されます。

企業情報

銘柄コード 7213
企業名 レシップホールディングス
URL http://www.lecip.co.jp/hd/
市場区分 スタンダード市場
業種 自動車・輸送機 – 輸送用機器

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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