ジェイテクト(6473)企業分析レポート
株価(終値):1,549.5円(2025-10-31)/時価総額:4,936.8億円
1. 企業情報
- 概要:自動車用ステアリング・駆動系部品、ベアリング、工作機械、制御機器・IoE、産業用設備などをグローバル展開。光洋精工(Koyo)と豊田工機の経営統合により誕生。トヨタグループ主要サプライヤー。
 - 事業構成(連結、2025.3期):自動車 71%、産機・軸受 19%、工作機械 10%。海外売上比率 63%。
 - 主な製品・領域:
- 自動車部品:電動パワーステアリング(EPS)、ドライブライン、トルセンLSD 等
 - 産機・軸受:自動車・産機向けベアリング(Koyoブランド)
 - 工作機械:研削盤、マシニングセンタ、ギヤスカイビング/ギヤ加工機
 - 制御・IoE:PLC(TOYOPUC等)、HMI、センサ、産業用ソリューション
 - エネルギーデバイス:リチウムイオンキャパシタ(LIC) 等
 
 - 従業員:45,287人/本社:愛知県刈谷市
 
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- ステアリング(特にEPS)で世界上位クラス。トヨタグループ向けを軸に日米欧アジアで広く採用。
 - ベアリングは世界大手の一角(SKF、Schaeffler、NSK、NTN、Timken等と競合)。
 - 工作機械は研削・ギヤ加工など高精度領域に強み。
 
 - 競争優位性:
- トヨタグループとの取引基盤、EPSの量産・制御技術、ギヤ加工等のプロセスノウハウ、Koyoブランドの信頼性。
 
 - 課題:
- 自動車生産動向・為替・原材料コストの影響を受けやすい収益構造。
 - ベアリング事業の事業再編(欧州ニードルローラー譲渡)後の再成長設計。
 - 利益率(営業利益率2〜3%台)の改善余地。
 
 
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(要旨):
- 収益力強化(原価改善・選択と集中)、ポートフォリオ再編、グローバルでの安定供給体制。
 - CASE/電動化への適応(EPS高度化、ステアバイワイヤ等)、高付加価値ベアリング、ギヤ加工機の高度化。
 
 - 具体トピック:
- 欧州ニードルローラーベアリング事業を譲渡(2025/8/1)し資本効率/収益性を改善。
 - 為替前提(通期見通し):USD=145円、EUR=170円。
 - 中間期は販売増と原価改善で利益改善(セグメント事業利益増、特に自動車・産機)。
 
 - 中期的重点:
- EV向け高剛性・高回転ベアリング、xEVギヤ加工需要の取り込み。
 - EPSの高出力化・冗長設計、ステアバイワイヤ技術の実装領域拡大。
 - 産業設備のIoE化・省エネ化、制御機器+工作機械のソリューション型提案。
 
 
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:自動車向け量産部品(EPS/駆動系)で安定需要、ベアリングは自動車・産機の両輪、工作機械は設備投資サイクルの影響を受けるが高付加価値領域。
 - 構造的適応:
- 自動車の電動化でEPS需要は継続・高度化。ICE依存の一部駆動系は縮小リスクがある一方、e-axle等の精密加工・ギヤ需要は継続。
 - ベアリングは風力・鉄道・半導体装置等の非自動車分野で分散が可能。
 
 - 総合評価:複数事業柱により分散効果。為替・原材料・自動車生産の変動耐性向上に向けたコスト改革とポートフォリオ再編が進展。
 
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向・独自性:
- EPS:小型・高出力・冗長化、制御ソフト・モータ/減速機の統合設計。
 - ギヤスカイビング:e-axleやEV減速機向けの高効率加工。高精度研削技術。
 - 高機能ベアリング:低トルク・高耐久・高回転化(EV/産機向け)。
 - 制御・IoE:PLC、HMI、センサと設備を接続する現場DXソリューション。
 - エネルギーデバイス:高入出力のLICを産業機器向けに展開。
 
 - 収益牽引:
- 自動車(EPS中心)が中核。工作機械は北米/Japan中心に堅調。産機・軸受は原価改善で利益率改善。
 
 
6. 株価の評価(バリュエーションの参考比較)
- 前提(提供指標):
- 株価:1,549.5円、EPS(会社予想):62.83円、BPS:2,353.11円
 - PER(予想):24.66倍、PBR:0.68倍、配当:60円、配当利回り:3.87%
 - 業界平均:PER 16.6倍、PBR 1.4倍
 
 - 相対比較(参考計算):
- PER基準の相対価格目安:62.83円 × 16.6倍 ≈ 1,043円(業界平均比でPERは高め)
 - PBR基準の相対価格目安:2,353.11円 × 1.4倍 ≈ 3,294円(PBRは業界比で低め)
 - EV/Sales(概算):EV ≈ 4,936.8 + 2,540.5 − 1,273.4 ≈ 6,203.9億円、売上 ≈ 1.88兆円 → 約0.33倍(相対的に低水準になりやすい指標)
 
 - 補足:ROE 1.79%と収益性が控えめな局面ではPERが相対的に高く、PBRが低く出やすい点に留意。
 
7. テクニカル分析
- 位置づけ:年初来高値 1,569円に接近(10/27に1,569円)。終値1,549.5円は高値圏。
 - トレンド:50日移動平均 1,483.6円、200日移動平均 1,237.2円。株価は両移動平均を上回り上向き基調。
 - 価格帯・節目:
- レジスタンス:1,560〜1,570円帯(年初来高値ゾーン)
 - サポート:1,500〜1,510円(直近安値帯)、1,484円(50日線付近)
 
 - 出来高:直近出来高は増加傾向(10日平均 ≈ 156万株、当日 ≈ 257万株)。
 
8. 財務諸表分析
- 売上・利益の推移(連結、単位:円換算の概観)
- 売上高:1.43兆(2022)→ 1.68兆(2023)→ 1.89兆(2024)→ 1.88兆(過去12か月)
 - 営業利益:364億(2022)→ 493億(2023)→ 622億(2024)→ 385億(過去12か月)
 - 親会社株主帰属純利益:207億(2022)→ 343億(2023)→ 403億(2024)→ 137億(過去12か月)
 
 - 収益性(過去12か月ベース)
- 粗利率:約14.9%(= 2,812.9億 / 1.884兆)
 - 営業利益率:2.6%(提供指標)、損益計算データ換算では約2.0%前後
 - 当期純利益率:1.0%(提供指標)
 - ROE:1.79%(実績)、ROA:1.57%
 
 - キャッシュフロー・財務
- 営業CF:1,138.8億円、レバードFCF:160.3億円(いずれも過去12か月)
 - 自己資本比率:47.6%、Current Ratio:1.65、D/E(Total Debt/Equity):32.5%
 - 現金:1,273億円、総有利子負債:2,540億円
 
 - コメント:
- 売上は3年で拡大、直近期は横ばい。非営業損益(利息費用増等)で純利益が圧縮。
 - 原価改善の効果は継続。事業再編(欧州ニードルローラー譲渡)も収益性改善に寄与。
 
 
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025/3期 実績50円(25+25)、2026/3期 会社予想60円(30+30)
 - 予想配当利回り:3.87%(株価1,549.5円ベース)
 - 配当性向:91.1%(提供指標、LTM/予想ベースで高水準)
 - 自社株買い:自己株式比率0.08%(直近は限定的)
 - 備考:利益水準に対し配当は相対的に高めの設計。業績連動で見直しの可能性に留意。
 
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週騰落 +46.5%。株価は200日線を大きく上回りトレンドは上向き。
 - 信用動向:信用買残 24.3万株(前週比 −0.5万)、信用売残 19.4万株(+0.95万)、信用倍率 1.25倍。需給は中立〜やや拮抗。
 - 直近ドライバー:
- 中間期で事業利益・純利益が増益、原価改善の進展。
 - 為替想定の見直し、欧州ベアリング事業譲渡の効果。
 - 自動車生産・設備投資の底堅さ。
 
 - 予定イベント:決算(2026-01-30予定)、配当落ち(2026-03-30予定)。
 
11. 総評
- 事業面:EPSを中核とする自動車分野の競争力と、ベアリング・工作機械の高付加価値技術が強み。事業再編と原価改善で収益力の底上げを進めている。
 - 収益性:売上は中期で拡大している一方、直近は営業・純利益率が低水準。非営業費用増の影響が残る。
 - 財務:自己資本比率約48%、D/E約33%、流動性も十分で財務健全性は良好。
 - 株価:PBRは低位、EV/Sも低水準だが、ROEが低い局面でPERは業界平均比で高め。テクニカルには高値圏で推移。
 - 主要リスク:為替、原材料・物流コスト、自動車生産動向、通商政策、ポートフォリオ再編の進捗。
 
(本レポートは公開情報の整理であり、投資助言を目的としません。)
12. 企業スコア(S/A/B/C/D、データ欠損はB、一過性損益除外の方針)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上は前年比微減(−0.4%)で横ばい。3年CAGRはプラス。
 
 - 収益性:C
- 根拠:粗利率約15%、営業利益率2〜3%台で業界平均を下回る水準。
 
 - 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率47.6%、Current Ratio 1.65、D/E 32.5%と健全。
 
 - 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界比で高め、PBR/EVSは低めで相殺。総合で中立評価。
 
 
企業情報
| 銘柄コード | 6473 | 
| 企業名 | ジェイテクト | 
| URL | http://www.jtekt.co.jp/ | 
| 市場区分 | プライム市場 | 
| 業種 | 機械 – 機械 | 
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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