トーモク(3946)企業分析レポート
最終更新日: 2025-11-04
株価: 3,295円
時価総額: 637.3億円
市場: 東証プライム(パルプ・紙)
1. 企業情報
- 概要: 段ボール(シート・ケース・印刷紙器)を主力とし、住宅(スウェーデンハウス)、運輸倉庫の3本柱。国内外で事業展開。1940年創業、東京本社。
 - 事業内容(売上構成・2025/3期実績)
- 段ボール: 55%(加工食品・青果向けが主力)
 - 住宅: 26%(輸入住宅「スウェーデンハウス」等)
 - 運輸倉庫: 19%(物流センター運営、輸配送、倉庫)
 
 - 連結従業員: 4,004人、平均年齢 39.3歳、平均年収 565万円
 
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 段ボール製品加工の専業首位クラス。幅広い顧客(加工食品・青果・小売)に対応できる生産・供給体制が強み。
 - 競争優位性(推察)
- 価格改定の浸透と生産性向上で採算改善(直近中間期で段ボール部門の利益拡大)。
 - 物流・倉庫機能を内包し、需要変動に対する供給・配送の機動性を確保。
 - 住宅・物流との事業ポートフォリオで景気変動の分散効果。
 
 - 課題
- 住宅部門は着工低迷の影響を受けやすく、直近中間期も赤字継続。
 - 物流部門は集荷(集車)コスト上昇が収益圧迫要因。
 - 気象影響(猛暑等)や原燃料・古紙価格動向、海外(米国)需要の鈍化がリスク。
 
 
3. 経営戦略と重点分野
- 会社方針(短信/開示より)
- 通期計画(売上2,300億円、営業利益110億円、純利益70億円、EPS 424.55円)を据え置き、達成を目指す。
 - 連結範囲の最適化・強化:日栄紙工、遠州紙工業を新規連結。スウェーデンハウスリフォームを吸収しワンストップ体制へ。
 - 生産性・安定稼働の施策:猛暑対策として主要工場に空調設備導入。
 
 - セグメント重点
- 段ボール: 価格改定の定着、効率化投資、需要変動への対応強化(国内・海外)。
 - 住宅: グループ内再編で提案~施工~リフォームの一体運営、受注環境の立て直し。
 - 運輸倉庫: 取扱量拡大とコスト抑制の両立(集車コスト管理、センター運営最適化)。
 
 
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 段ボールは消費・物流に連動し、価格改定と効率化でマージン管理。
 - 住宅は景気・金利・着工動向の影響を受けやすいが、リフォーム内製化でストック収益化を志向。
 - 物流は安定需要だがコスト上昇への価格転嫁力が鍵。
 
 - 適応力:
- 価格改定の実施実績、M&A/再編による体制強化、猛暑対応の設備投資など、外部環境変化への対応姿勢を確認。
 
 - 主なリスク:
- 気象(青果向け需要・操業)、米国需要、物流コスト、原材料(古紙・エネルギー)動向。
 
 
5. 技術革新と主力製品
- 主力: 段ボールシート・ケース、印刷紙器。住宅は北欧型木造住宅(スウェーデンハウス)。
 - 技術・施策: 工場の空調化による品質・稼働安定、印刷・加工の品質向上(詳細な技術指標は未開示)。
 - 製品/サービス収益牽引: 直近は段ボール部門の価格改定効果と採算改善が全社利益を牽引。住宅は赤字、物流は増収もコスト増。
 
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 3,295円
 - 指標(会社予想・実績)
- EPS(会社予想): 424.78円 → PER 約7.75倍(業界平均PER 9.5倍)
 - BPS(実績): 5,785.14円 → PBR 約0.57倍(実績公表は0.59倍、業界平均PBR 0.5倍)
 - 配当: 年間130円予想 → 配当利回り 約3.95%、配当性向 約26.8%
 - EV/EBITDA(概算・LTM): EV ≈ 1,153億円(時価総額637億+有利子負債684億−現金168億)/ EBITDA 188億 ≈ 約6.1倍
 - EV/Sales(LTM): 約0.52倍
 
 - コメント: PERは業界平均を下回る水準、PBRは0.6倍近辺で簿価割れ圏に近い評価。財務は自己資本比率45%前後、ネット有利子負債/EBITDA ≈ 2.7倍。
 
7. テクニカル分析
- トレンド:
- 50日移動平均: 3,360.9円、200日移動平均: 2,828.4円
 - 現在値は50日線やや下、200日線上 → 中期は上昇基調、直近は調整局面。
 
 - 価格レンジ: 年初来高値 3,595円(現値は高値比約▲8%)、安値 2,090円(安値比+58%)。
 - 直近10日: 3,450円台から3,200円台後半へ反落、10/31は出来高が増加(89.9千株、3カ月平均27.8千株超)。
 - 信用需給: 信用買残15.4万株、売残2.9千株、信用倍率53.0倍と買い長。短期は需給の偏りに注意。
 
8. 財務諸表分析
- 売上・利益の推移(連結)
- 売上高: 2,060億円(2022/3)→ 2,128億円(2023/3)→ 2,115億円(2024/3)→ 2,196億円(LTM)
 - 営業利益: 83.3億 → 74.5億 → 80.6億 → 93.6億(LTM)
 - 親会社純利益: 59.8億 → 52.5億 → 53.1億 → 65.1億(LTM)
 
 - 採算性(概算・LTM)
- 粗利率: 約17%前後
 - 営業利益率: 約4〜5%台(I/S計算値4.3%、別開示5.3%)
 - EBITDAマージン: 約8〜9%
 
 - 効率・収益性
- ROE(実績): 7.18%(LTM別開示 8.0%)
 - ROA(LTM): 3.18%
 - 総資産回転率(中間期年換算目安): 約0.5倍
 
 - 財務健全性
- 自己資本比率: 44.8〜44.9%
 - 流動比率: 156%
 - D/E(簿価ベース): 約0.71(有利子負債684億、現金168億)
 - 金利負担: 受取利息0.04億、支払利息5.46億、EBIT 100.6億 → インタレストカバレッジ約18倍
 
 - セグメント(2026/3期上期)
- 段ボール: 売上629.7億、利益54.6億(価格改定/効率化で増益)
 - 住宅: 売上227.2億、損失13.2億(受注・着工低迷)
 - 運輸倉庫: 売上233.9億、利益8.0億(コスト増で減益)
 
 
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績/予想
- 2025/3期: 年間100円(中間45、期末55)
 - 2026/3期予想: 年間130円(中間65、期末65)
 
 - 配当性向: 約27%(予想ベース)
 - 自己株式: 発行株式の14.86%を保有(自己株口)。新規の自社株買いの開示は確認できず(短信記載なし)。
 - 権利落ち予定日: 2026-03-30(予定)
 
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落: +46.5%(S&P500の+19.7%を上回る伸び)
 - 出来高: 直近増加局面あり(決算発表タイミング)。フリーフロートは約1,046万株で、自己株/インサイダー比率が高く流通株は限定的。
 - 価格ドライバー(直近)
- 中間期の増益(営業利益+42%)
 - 住宅の赤字継続および物流コスト上昇
 - 通期予想据え置き(達成度の見極め)
 
 
11. 総評
- 段ボール事業は価格改定と効率化により利益体質が改善。一方で住宅は市場環境の重さから赤字継続、運輸倉庫はコスト高が課題。ポートフォリオの分散により全社では増益基調を維持。
 - バリュエーションはPERで業界平均以下、PBRは0.6倍近辺、配当利回り約4%と総合的に落ち着いた水準。財務体質は自己資本比率45%、流動比率156%と良好。
 - テクニカル面では中期上昇基調の中で直近は決算後の調整。信用買い長の需給が短期の振れを大きくする可能性に留意。
 - 通期は段ボールの採算維持と住宅の損益改善、物流のコストコントロールが達成の鍵。
 
(注)本資料は提供データの範囲で記載し、投資勧誘や助言を目的としません。不明点は記載していません。
12. 企業スコア
- 成長性: B
- 根拠: 売上はLTMで+約4%増、3年CAGRは約+2%台と緩やかな拡大。
 
 - 収益性: B
- 根拠: 営業利益率約4〜5%、ROE約7%台。セグメントでは段ボールが牽引、住宅が押し下げ。業界平均との差は明示データなしのため中立評価。
 
 - 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率約45%、流動比率156%、インタレストカバレッジ約18倍、ネットD/EBITDA約2.7倍。
 
 - 株価バリュエーション: A
- 根拠: PER約7.8倍(業界平均9.5倍を下回る)、PBR約0.57倍、EV/S約0.52倍、配当利回り約4%。
 
 
参考データ(抜粋)
– LTM売上: 2,236億円、LTM EBITDA: 188億円、LTM EPS: 448.1円
– 会社予想(2026/3期): 売上2,300億円、営業利益110億円、純利益70億円、EPS 424.6円
– 直近イベント: 2025-10-31 中間決算発表、2025-11-28 機関投資家向け説明会予定(短信記載)
– 次回権利落ち(予定): 2026-03-30
企業情報
| 銘柄コード | 3946 | 
| 企業名 | トーモク | 
| URL | http://www.tomoku.co.jp/ | 
| 市場区分 | プライム市場 | 
| 業種 | 素材・化学 – パルプ・紙 | 
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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