エイベックス(7860)企業分析レポート

注記:本レポートは公開情報に基づく一般的な企業分析であり、投資助言ではありません。数値は連結ベース、単位は特記なき限り百万円。データ間で一部不整合が見られるため、短信と損益計算書の数値を優先し、併記の参考指標は補足として扱います。
株価(直近終値):1,219円
時価総額:55,969百万円/発行済株式数:45,914,100株(自己株7.45%保有)
予想配当:50円(利回り約4.10%)/予想EPS:28.31円
PBR(実績):1.04倍/PER(予想):43.06倍
自己資本比率:47.3%/ROE:2.16%/現金等:28,360百万円/有利子負債:2百万円

1. 企業情報

  • 概要:国内大手エンターテインメント企業。音楽(レーベル、アーティストマネジメント、ライブ・イベント)、アニメ・映像、海外の3セグメントを中心に、ファンクラブ運営、EC、チケット販売、デジタル配信、ゲーム企画などバリューチェーンを幅広く展開。1988年設立、本社は東京都港区。
  • 事業構成(2026年3月期計画の注記ベース、売上構成比の目安):音楽84%、アニメ・映像14%、海外3%、その他0%。
  • 最近の連結範囲の変更:S10 Entertainment & Media LLCを新規連結、エイベックス・テクノロジーズ(株)を除外。これに伴いのれんが増加。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内メジャー系の一角として、J-POP領域でのIP創出力、アーティストマネジメント、ライブ興行運営力に強み。配信時代における楽曲カタログ資産とライブ動員力の両輪を持つプレイヤー。
  • 競争環境:大手外資レーベル(ユニバーサル、ワーナー)や国内大手(ソニー系)との競争に加え、VTuber/インディペンデントの台頭、SNS起点の発掘競争が激化。アニメ・映像では大手映像・IPホルダー(東宝、バンダイナムコ、KADOKAWA等)との競争。
  • 課題:ヒットコンテンツ依存度の高さ、制作コスト/人件費の上昇、ライブ・イベントの供給制約(会場・人員)、配信収益の単価圧力。海外展開は投資回収のリードタイムが課題。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/中期計画:avex vision 2027に沿い、(1) IPの発掘・育成、(2) ライブ・イベント強化、(3) 海外展開・IPポートフォリオの国際化、(4) 収益性・資本効率の改善を掲げる。
  • 具体策:
    • 音楽:A&R強化、データドリブンでの発掘、ライブの大型化・マルチマーチャンダイジング、ファンクラブ・EC(D2C)深化。
    • アニメ・映像:自社/共同出資による製作参画、配信プラットフォームへの供給拡大、実写領域の収益機会拡大。
    • 海外:新規連結子会社を軸にIP展開の足場構築。現地パートナーとの協業を通じた展開。
    • 財務:販管費見直し継続、資産ポートフォリオの入替(連結範囲見直し)、資本政策の機動性確保。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:音楽のストック型収益(配信・出版・カタログ)と、ライブ・イベント等のフロー型収益の組合せ。ファンコミュニティ(FC)やEC、チケット等でLTVを引き上げるモデル。
  • 適応力:配信比率の上昇とライブ回帰に対応し、販管費抑制とバリューチェーン内製化でマージン改善を図る。海外は時間を要するが収益多角化の方向性。
  • 留意点:ヒットの振れ幅、イベント供給制約、為替・制作費高騰、のれん増加に伴う減損リスク。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・運営面:デジタル配信・データ分析を活用したA&R、直販EC/アプリ、チケッティング・ファンクラブ運営基盤の強化。ライブ配信・映像商品化のオペレーション高度化。
  • 収益牽引:当期は大型ライブの増加と実写等映像販売の好調が寄与(2026年3月期1Q)。音楽セグメントが利益の中核。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現状指標:PER 43.1倍(予想EPS 28.31円)、PBR 1.04倍(BPS 1,173.55円)。
  • 同業平均との比較(参考):業界平均PER 23.2倍、PBR 2.3倍。
  • 乖離の見方:
    • PERは業界平均比で高め(利益水準が低いため割高に見えやすい)。
    • PBRは平均比で低位(簿価純資産対比では抑制的)。
  • EV/Sの試算:EV ≈ 55,969 − 28,360 + 2 ≈ 27,611百万円、売上高(LTM)131,691 ⇒ EV/S ≈ 0.21倍(現金厚め・低レバレッジを反映)。
  • シンプル試算(参考指標、適用上の限界あり):
    • PER法(業界平均23.2倍×予想EPS 28.31)⇒ 約657円
    • PBR法(業界平均2.3倍×BPS 1,173.55)⇒ 約2,700円

指標間で結果が大きく異なり、利益水準の低さと純資産の厚さが混在している点に留意。

7. テクニカル分析

  • トレンド:終値1,219円は50日線1,258.7円、200日線1,285.8円を下回る。52週レンジ1,161〜1,546円の下限寄り(安値比+約5%)。
  • モメンタム:直近10営業日で小幅に下落基調。出来高は3カ月平均約14.9万株に対し本日10.2万株とやや細り。
  • 信用動向:信用倍率28.64倍(買い長傾向)。買残は前週比減少、売残は増加。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(連結)
    • 売上高:98,437(2022)→121,561(2023)→133,387(2024)→131,691(LTM)
    • 営業利益:2,585(2022)→3,391(2023)→1,268(2024)→−1,815(LTM)
    • 当期純利益:919(2022)→2,742(2023)→987(2024)→1,138(LTM)
    • 備考:LTMは営業赤字だが、特別要因(売却益等)で最終黒字。2026年3月期1Qは売上+28.1%で営業黒字化(OP 1,458)、純利益は前年同期の特別利益反動で減少。
  • 収益性
    • 粗利率:約27.2%(35,839/131,691)
    • 営業利益率:−1.4%(LTM)、1Qは約4.5%
    • EBITDA:5,374(LTM、マージン約4.1%)
  • 効率性・資本性
    • ROE:2.16%(低位)、ROA:参考0.56%
    • 自己資本比率:47.3%(1Q末48.7%へ改善)
  • 財政状態・流動性
    • 現金等:28,360、有利子負債:2、実質ネットキャッシュ体質
    • 流動比率:約147%(1Q)
    • のれん:2,719(連結範囲変更に伴い増加)
  • まとめ:売上は回復傾向だが、LTMの収益性は弱い。足元1Qは構造改善の兆候。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:年間50円(予想、据え置き)。利回り約4.1%。
  • 配当性向(参考):50円/予想EPS 28.31 ≈ 約177%(LTMベースの外部指標では約191%)。利益水準に対し高水準の配当。
  • 自社株:自己株式約7.45%保有(過去の買付蓄積を示唆)。今後の実施有無は未定。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落率:−21.25%(ベータ−0.20と低相関)。相場全体に対して出遅れ。
  • 需給:インサイダー保有30.2%、機関保有23.9%、フロート約2,769万株。信用は買い長で、短期の需給変動に注意。
  • 価格ドライバー(例):ライブ興行実績、主要アーティスト/作品の動向、海外展開の進捗、のれん・特別損益、配信市場トレンド、資本政策。

11. 総評

  • 音楽・ライブを中核とする事業は回復基調で、1Qは売上成長と販管費抑制により営業黒字化。配信とライブのハイブリッド型モデル、ファンビジネスの深耕は中期的に有効とみられる一方、ヒット依存とイベント供給制約、制作費高騰などの構造リスクは残る。
  • 財務はネットキャッシュで健全、自己資本比率も高水準。PBRやEV/Sは抑制的だが、PERは利益水準の低さから高く見えやすい。バリュエーション解釈には利益の回復度合いが重要。
  • 配当は利回り面で見栄えがするが、配当性向は高く、持続性は利益創出力次第。海外・アニメ等の投資成果、のれんの取り扱いにも注目。

12. 企業スコア

(S=最良、A、B、C、D=相対的に弱い。欠損はB。一次的損益は除外の方針)
– 成長性:B
– 理由:LTM売上は前年をわずかに下回る一方、1Qは+28.1%と回復。総合して中立評価。
– 収益性:C
– 理由:LTM営業赤字、EBITDAマージン低位。1Qは黒字化も通期平準化は未確認。
– 財務健全性:A
– 理由:自己資本比率約47%・ネットキャッシュ・流動比率良好。
– 株価バリュエーション:B
– 理由:PERは高いが、PBR・EV/Sは低位。混在ゆえ中立寄り。

参考データ抜粋
– 2026年3月期1Q(4-6月):売上 32,735(+28.1%)、営業利益 1,458、純利益 761、営業利益率 4.5%、自己資本比率 48.7%
– セグメント1Q:音楽 売上27,793/利益1,547、アニメ・映像 売上4,204/利益58、海外 売上731/損失△147
– 今後のイベント:2025年8月上旬 決算発表予定、2026年3月30日 権利落ち(予定)

留意事項
– 指標の一部にデータソース間の不整合あり(例:LTM営業利益の扱い)。本分析は短信・損益計算書の開示優先。実際の投資判断には最新の有価証券報告書・決算資料をご確認ください。


企業情報

銘柄コード 7860
企業名 エイベックス
URL http://www.avex.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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