エクセディ(7278)企業分析レポート
本レポートは公開情報の整理であり、投資勧誘・推奨を目的としません。数値は提供データに基づきます。
1. 企業情報
- 概要:クラッチ・トルクコンバータを中心とする自動車用駆動伝達部品の大手。AT(自動変速機)向け部品・トルクコンバータが主力、MT(手動変速機)用クラッチでも高シェア。建設機械・産業車両・農機・二輪向けのクラッチ等も展開。
- 系列・主要顧客:アイシン系。納入先はジヤトコ、アイシン、マツダ等。
- 事業セグメント構成(参考)
- MT:約24%(一部資料では高めの利益率)
- AT:約65%(主力)
- TS(産機):約4%
- その他:約7%
- 海外売上比率:約60%
- 基本情報:本社 大阪府寝屋川市/設立1950年/従業員数約1.1万人
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:クラッチ分野で最大手。AT向けトルクコンバータはグローバルに強み。
- 競争優位性:
- トルクコンバータ・クラッチの設計・製造ノウハウ、量産対応力
- グローバル供給網と日系OEM・トランスミッションメーカーとの関係
- 課題:
- BEVシフトに伴うトルクコンバータ需要の構造的減少リスク
- 米州の受注縮小等、地域ミックスの変動
- 為替感応度(想定:USD/JPY=146)
3. 経営戦略と重点分野
- 足元の方針(中間期短信より)
- AT受注減・円高影響下での収益確保(コスト最適化、在庫圧縮)
- 地域別最適生産(アジア・オセアニアでの伸長、日本・米州の効率化)
- 研究開発費の継続投下(「その他」セグメントはR&D増で損失計上)
- 通期見通し(2026年3月期、修正後)
- 売上収益:2,950億円(前期比▲4.7%)
- 営業利益:210億円(▲3.9%)
- 親会社帰属利益:125億円(▲1.9%)
- 想定為替:USD/JPY=146
- 中期的テーマ(一般論の範囲)
- xEV向け湿式多板クラッチ等の新領域比率拡大
- 産機・二輪など非乗用車領域によるポートフォリオ分散
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:ATトルクコンバータ・クラッチの量産供給が稼ぐ力の中心。補完的に産機・二輪向け。
- 構造変化への適応:
- BEV化はAT向けコア製品に逆風。ただしHEVや大型車・産機領域はクラッチ・湿式多板の需要が残存・派生。
- 地域・顧客分散、産機・二輪による下支えが一部機能。
- 財務余力:自己資本比率約59.4%、実質ネットキャッシュ(現金約704億円>有利子負債約549億円)で耐性あり。
5. 技術革新と主力製品
- 主力:トルクコンバータ、AT部品、MTクラッチ、湿式多板クラッチ、産機向けパワーシフト用クラッチ等。
- 技術動向:
- 摩擦材・油圧制御・耐久性設計で蓄積。湿式多板クラッチなどxEV系の一部機構でも適用余地。
- モータースポーツ向け等の高付加価値品もラインアップ。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 5,180円、EPS(会社予想)341.99円、BPS 5,012.05円
- 実績・予想指標
- PER(予想):15.15倍(業界平均 13.3倍)
- PBR(実績):1.03倍(業界平均 0.8倍)
- EV/売上:約0.76倍(EV≒2,361億円、売上≒3,096億円)
- EV/EBITDA:約6.5倍(EBITDA≒361.8億円)
- 配当利回り(予想):約5.8%、配当性向:約90%(LTMベース)
- 参考レンジ比較(単純比較)
- 業界平均PER×EPS=約4,550円
- 業界平均PBR×BPS=約4,010円
- 現在値は業界平均比ではややプレミアム水準の指標が多い(収益・財務の安定性や配当を織り込む可能性)。
7. テクニカル分析
- トレンド位置づけ:
- 52週高値:5,610円/安値:3,555円/現在:5,180円(レンジ上方寄り)
- 50日移動平均:5,308円(現状やや下回り)/200日:4,658円(大きく上回り)
- 直近の値動き:10月末の5,460円付近から調整し、短期は弱含み。出来高は3カ月平均(約17万株)並み~やや低下。
- 需給:信用買残は前週比減(買い方の手仕舞い傾向)、信用倍率1.31倍と中立圏。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益
- 売上(LTM):約3,096億円(前年比ほぼ横ばい、+0.4%程度)
- 営業利益(LTM):約218億円、営業利益率:約7%台
- EBITDA(LTM):約362億円、EBITDAマージン:約11.7%
- 2024/3期は一過性費用の影響で営業損失計上も、LTMは黒字水準に回復
- 収益性
- 粗利率:約19%(LTM)
- ROE:6.4〜6.9%程度、ROA:約4.5%(過去12か月)
- キャッシュフロー
- 営業CF(中間累計):+185億円と改善
- フリーCF(LTM):約217億円(レバード)
- 財務健全性
- 自己資本比率:約59.4%
- 流動比率:約295%
- 有利子負債:約549億円、現金約704億円でネットキャッシュ
(注)過年度の大きな営業費用増は一過性の可能性があり、継続利益力の評価では平準化に留意。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間300円(中間150円・期末150円 予想)、利回り約5.7〜5.8%
- 配当性向:LTMベース約90%と高水準(EPS変動に対する耐性は利益動向・為替に依存)
- 自社株:自己株比率約24%と高水準(流通株式数の減少による1株価値維持に寄与)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週で+27%程度と堅調、直近は50日線割れで短期調整局面。
- ボラティリティ:5年β約-0.03(提供値)と低いが、実勢のイベント時変動には個別要因(為替・受注)が影響。
- 関心材料:
- 為替(特にUSD/JPY)
- AT受注の動向、アジア・オセアニアの伸長
- xEV対応製品の拡販進捗
- 配当維持方針と自己株の取り扱い
11. 総評
- 主力のAT・クラッチで確固たる地位を持つ一方、BEVシフトは中長期の構造課題。HEV・産機・二輪などの領域や湿式多板クラッチ等での補完が焦点。
- 財務体質は健全(高自己資本比率・ネットキャッシュ)。収益性は7〜8%の営業利益率・約12%のEBITDAマージンと一定水準を確保。
- バリュエーションは業界平均比でややプレミアム。高い配当利回りは特長だが、配当性向は高めで利益変動時の耐性は業績・為替に依存。
- 株価は中長期上昇トレンドの上方レンジに位置し、短期は調整基調。今後はAT受注、地域ミックス、為替前提の変化が注目点。
12. 企業スコア
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上は前年比ほぼ横ばい(+0.4%程度)、四半期ベースは▲2.7%。3年CAGRは約+5.8%だが直近減速。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約19%、営業利益率7%台、EBITDAマージン約12%。業界標準と同水準〜やや上。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約59%、流動比率約295%、実質ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER(15.15倍)・PBR(1.03倍)が業界平均(13.3倍、0.8倍)を上回る一方、EV/EBITDA約6.5倍は中庸。
参考データ(抜粋)
– 株価:5,180円/時価総額:約2,517億円
– 年初来高値・安値:5,610円/3,555円
– 予想EPS:341.99円/BPS:5,012.05円
– 配当:年300円(予想)/権利落ち予定:2026/3/30
– 通期予想(2026/3期):売上2,950億円、営業利益210億円、純利益125億円(会社計画)
企業情報
| 銘柄コード | 7278 |
| 企業名 | エクセディ |
| URL | http://www.exedy.com |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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