J.フロント リテイリング(3086)企業分析レポート

株価(直近終値): 2,285.5円/時価総額: 約6,166億円/配当利回り(予想): 2.37%/PER(予想): 22.1倍/PBR(実績): 1.40倍

1. 企業情報

  • 概要: 大丸・松坂屋を中核とする大手百貨店グループ。百貨店、ショッピングセンター(PARCO)、デベロッパー(内装・不動産開発・運営)、決済・金融(カード)を展開。GINZA SIXなどハイエンド商業施設も運営。テナント導入強化やグループ横断のカード戦略が特徴。
  • 事業構成(2025.2): 百貨店60(営業利益率目安11%)、SC14(同20%)、デベロッパー16(同9%)、決済・金融1(同11%)、他9(同2%)
  • 特記事項: 自己株式取得(総額150億円)を実施。連結従業員5,679人。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 三越伊勢丹、髙島屋等と並ぶ国内大手百貨店グループの一角。百貨店に加え、PARCOやGINZA SIXなど都市型・富裕層向け施設を保有する多角化が強み。
  • 競争優位性:
    • 都市中枢の優良立地とハイエンド・ラグジュアリー領域の蓄積
    • 百貨店×SC×デベロッパー×カードの複合モデル(賃貸・手数料の比率を高め在庫リスクを抑制)
    • コンテンツ企画・編集力(PARCO、GINZA SIX)と改装投資の継続
  • 課題:
    • 免税(インバウンド)売上の為替・外部環境への感応度
    • 人件費・賃料・光熱費など固定費の上昇圧力
    • カード新規獲得費用など先行投資フェーズの費用増

3. 経営戦略と重点分野

  • 中期計画(2024–2026年度)重点
    • リテール事業の深化: 百貨店・PARCOの大規模改装、富裕層・高付加価値領域の強化
    • グループシナジーの進化: GINZA SIX/PARCO/百貨店のカード・会員基盤の統合とデータ活用、決済事業の拡張
    • 経営基盤強化: 自己株式取得、サステナビリティ・ボンド発行、資本効率の改善
  • 最近の具体策
    • 松坂屋名古屋や渋谷PARCOの改装、海外出店(PARCO香港)、ゲーム・エンタメ領域(PARCO GAMES)
    • 大阪・関西万博公式ストア、名古屋・心斎橋・天神等の再開発案件推進
    • グループカード集約(PARCOカード、博多大丸カード、GINZA SIXカード等)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 百貨店はテナント導入を進め手数料収入比率を高める方向。SCは賃料・手数料中心で景気耐性が相対的に高い。デベロッパーは内装工事・開発で案件ベースの収益。決済・金融は会員基盤拡大によりフィー収入を積み上げ。
  • 持続性評価の観点:
    • 収益源の多角化が進展(百貨店依存度の低下、SC・デベロッパーの安定寄与)
    • インバウンドや為替影響を受けやすい高額品に偏重しすぎない運営が課題
    • デジタル会員・カードを軸にLTV向上の余地

5. 技術革新と主力製品(サービス)

  • 技術・運営面: データマーケティング、アプリ・カード基盤の統合、コンテンツ編集力強化(イベント・IP連携)。内装・デベロッパーはラグジュアリーブランド向け内装で専門性。
  • 主力領域:
    • 百貨店: ラグジュアリー/高付加価値・外商
    • SC(PARCO): 自社編集のテナントミックス、賃貸収入・決済手数料
    • デベロッパー: 店舗内装・不動産企画運営
    • 決済・金融: グループ横断のカード取扱高拡大(費用先行局面)

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現在値: 2,285.5円
  • EPS(予想): 103.13円 → PER(予想)約22.2倍(開示値22.10倍と概ね一致)
  • EPS(LTM参考): 118.62円 → PER(トレーリング参考)約19.3倍
  • BPS(実績): 1,629.23円 → PBR約1.40倍(開示値一致)
  • 配当: 年54円(予想)/配当性向約47%/利回り約2.37%(5年平均2.59%)
  • 業界平均との比較: PER 22.1倍(業界平均21.3倍)≈ やや高め、PBR 1.40倍(業界平均1.8倍)≈ 低め。総合的にはおおむね中立水準。

7. テクニカル分析

  • 52週レンジ: 1,553円〜2,554円(現値は高値から約-10.5%、レンジ上側の約73%位置)
  • 移動平均: 50日線 2,409円 > 現値、200日線 2,078円 < 現値
    • 短期は50日線を下回る推移(調整気味)、中長期は200日線上で基調は維持
  • モメンタム(直近10営業日): 2,300円台でのもみ合い〜やや弱含み
  • 信用需給: 信用倍率0.67倍(売り越し)で、需給はやや特殊。5年β: -0.03(市場連動性は低めの推計)

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益の推移(連結、百万円)
    • 売上収益: 331,484(2022)→ 359,679(2023)→ 407,006(2024)→ 441,877(2025/2)→ 451,210(LTM)
    • 営業利益: 9,381 → 19,058 → 43,049 → 58,199 → 58,053(LTM)
    • 親会社株主帰属利益: 4,321 → 14,237 → 29,913 → 41,424 → 40,591(LTM)
  • 収益性
    • 粗利率(LTM)約47.0%(211,984/451,210)
    • 営業利益率(LTM)約12.9%(58,053/451,210)
    • ROE: 実績10.47%、LTM参考7.40%(中間期減益影響)
  • キャッシュフロー(LTM)
    • 営業CF: 703.8億円/レバードFCF: 426.9億円(いずれも正)
  • 財政状態・流動性(直近四半期)
    • 自己資本比率35.2%/D/E(総負債/自己資本)約84.5%/流動比率0.69
    • 現金4,096億円、総有利子負債3,527億円(ネットデットはプラス)
  • コメント: 増収基調が続く一方、2026年2月期中間は免税売上の反動で減益。営業CF・FCFは確保。流動性指標は低めで、自己資本比率は40%未満。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当方針: 年間54円(中間27円・期末27円予想)。前期実績52円から増配予定。配当性向目安は約47%。
  • 自己株式: 期中に総額150億円の自己株式取得を実施。自己株式比率7.51%(株主表)。
  • 総還元: 配当+自己株買いの併用により資本効率の改善を志向。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落率: +42.94%(市場平均を上回る伸び)
  • 出来高: 3カ月平均約138万株、直近10日平均約142万株(流動性は一定)
  • 直近の関心材料
    • 2026年2月期中間の減益(免税売上の鈍化、費用先行)
    • 改装・開発案件の進捗、カード戦略の効果
    • 為替動向と訪日需要、消費環境、金利・コスト動向
  • 今後のイベント(予定): 決算発表 2025/12/25、配当権利落ち 2026/2/26

11. 総評

  • 事業面: 百貨店・SC・デベロッパー・決済のポートフォリオで収益源を分散。テナント・賃貸・手数料中心へのシフトと大型改装により、在庫リスク抑制と付加価値向上を図る。
  • 業績面: 中期的には増収基調(3年CAGR約10.8%)。一方、当期は免税売上の反動や獲得費用増で利益の伸びが鈍化。
  • 財務面: 営業CF・FCFは安定的。自己資本比率は35%台、流動比率は0.69で保守的な水準とは言い難く、資本政策・運転資金管理が論点。
  • 株価評価: PERは業界平均に近く、PBRは平均を下回る。短期テクニカルは50日線下で調整、中長期は200日線上で基調維持。

(注)本レポートは公開データの事実整理であり、投資助言を行うものではありません。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性: A
    • 根拠: 売上はLTMで約4511億円、3年CAGR約+10.8%。直近四半期YoYは+1.1%と鈍化も中期では増収傾向。
  • 収益性: A
    • 根拠: 営業利益率LTM約12.9%、粗利率約47%。同業平均と比べ高水準とみられる局面が多い。
  • 財務健全性: C
    • 根拠: 自己資本比率35.2%、流動比率0.69、D/E約84.5%。流動性・レバレッジ面でやや弱め。
  • 株価バリュエーション: B
    • 根拠: PERは業界平均比でやや上、PBRは下。総合的に中立圏。

— 追加で必要な分析(セグメント別寄与度の詳細計算、EV関連指標、同業比較など)があれば指示ください。


企業情報

銘柄コード 3086
企業名 J.フロント リテイリング
URL http://www.j-front-retailing.com/index.php
市場区分 プライム市場
業種 小売 – 小売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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