1. 企業情報

株式会社NSDは、1969年設立の独立系ソフトウエア開発会社で、情報サービス大手として知られています。主な事業内容は、システム開発(金融IT、産業IT、社会基盤IT、ITインフラ)とソリューション提供です。特に金融機関や社会インフラ分野に強みを持ち、高収益を誇る企業として知られています。システム開発において、企画立案から設計、開発、ITインフラ構築、運用保守、ITコンサルティングまで一貫したサービスを提供しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

NSDは、国内の情報サービス業界において独立系SIerの大手として確固たる地位を築いています。長年の実績と技術力により、特に金融機関および社会インフラ向けのシステム開発において高い評価を得ています。これは、景気変動に比較的左右されにくい安定した顧客基盤を構築していることにも繋がっています。市場シェアに関する具体的な数値は開示されていませんが、「情報サービス大手」としての位置付けは、その規模と専門性から競争優位性を示していると言えます。近年のDX推進や生成AIの活用ニーズの高まりは、同社にとって新たな事業機会を創出しており、優位性をさらに発展させる可能性があります。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、継続的な成長と企業価値向上を目指し、以下の戦略と重点分野を掲げています。
* 中期経営計画: 連結売上高1,000億円超達成を目標としていましたが、2024年3月期に2年前倒しで達成済みです。現在はさらなる成長に向けた施策を継続しています。
* DX(デジタルトランスフォーメーション)対応強化: 顧客企業のDX推進を支援するためのソリューション提供を強化しています。
* 生成AI活用ソリューション: 生成AI技術の研究開発と実用化に注力し、プライベート生成AIプラットフォームの開発を進めるなど、新たな価値創造を目指しています。
* DAS事業: DX目的のシステム開発、新技術を活用した開発、ソリューション提供を一体として推進する「DAS事業」を注力事業としています。
* 業務提携・M&A: 日立製作所との業務提携を通じて協業を深化させるとともに、M&Aも活用し事業領域の拡大や技術力の強化を図っています。
* 人材育成: 先端技術に対応する人材の確保・育成にも力を入れています。

4. 事業モデルの持続可能性

NSDの事業モデルは、システム開発とソリューション提供という継続的なIT投資ニーズに応えるものであり、その持続可能性は高いと考えられます。特に、金融ITや社会基盤ITといった安定的な需要が見込める分野に強みを持つ点は、景気変動への耐性を高めています。
また、DXや生成AIといった最新技術トレンドへの積極的な適応は、市場ニーズの変化に対応し、将来にわたる競争力を維持するための重要な要素です。プライベート生成AIプラットフォームの開発や日立製作所との提携は、技術革新を取り込みながら顧客への提供価値を高め、収益機会を拡大する戦略として評価できます。

5. 技術革新と主力製品

NSDは、社会環境の変化や技術革新に対応するため、積極的な技術開発を行っています。特に、生成AI技術の活用に力を入れ、「プライベート生成AIプラットフォーム」などの開発を進めています。これは、機密性の高い情報を扱う企業が安心してAIを活用できる環境を提供することを目指しており、同社の技術的な独自性を示すものです。
主力製品・サービスとしては、連結事業セグメントから分かるように、金融機関向けシステム開発、産業IT向けシステム開発、社会基盤IT向けシステム開発が収益を牽引しています。これらは同社の長年のノウハウと実績に裏打ちされており、今後もDX推進や基幹システム刷新のニーズに応える形で成長が見込まれます。

6. 株価の評価

現在の株価3,435.0円に対し、会社予想EPS162.13円に基づくと、PER(会社予想)は21.22倍です。情報・通信業の業界平均PER23.2倍と比較すると、やや割安な水準にあります。
PBR(実績)は3.98倍で、業界平均PBR2.3倍と比較すると割高感があります。ただし、実績ROEが19.12%と非常に高く、高い収益性を背景としたPBRの高騰は正当化される側面もあります。PERが業界平均を下回っている点を考慮すると、絶対的な割高感は限定的であると考えられます。

7. テクニカル分析

現在の株価3,435.0円は、年初来高値3,670円、年初来安値2,982円のレンジの中央やや高値寄りの水準にあります。
直近10日間の株価推移を見ると、3,200円台で推移していましたが、11月4日に大きく上昇し、3,462円を付けた後、本日3,435円で引けています。
50日移動平均線3,333.42円に対しては上回っており、短期的な上昇トレンドを示唆しています。200日移動平均線3,414.08円も上回っており、中長期的なトレンドは安定していると言えます。全体として、安値圏を脱し、上昇基調にあるように見えますが、直近の急騰後の調整局面にある可能性も考慮が必要です。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:
    • 2022年3月期: 71,188百万円
    • 2023年3月期: 77,982百万円 (+9.5%)
    • 2024年3月期: 101,263百万円 (+29.8%)
    • 2025年3月期: 107,791百万円 (+6.4%)
    • 過去12か月 (LTM): 112,350百万円
    • 売上高は安定的に成長しており、特に2024年3月期は大幅な伸びを示しています。2025年3月期以降も成長が継続しており、堅調な業績推移です。
  • 利益:
    • 営業利益は2022年3月期の11,414百万円から2025年3月期の16,856百万円へと順調に増加しており、過去12か月では18,210百万円と継続的な成長を見せています。純利益も同様に増加傾向です。
    • LTMの営業利益率16.21%は、ITサービス業界において非常に高い水準であり、同社の収益性の高さを裏付けています。
  • キャッシュフロー:
    • 過去12か月の営業キャッシュフローは13,620百万円と潤沢であり、本業で安定してキャッシュを生み出していることが分かります。
    • 投資キャッシュフローはマイナス、財務キャッシュフローもマイナスとなっており、事業拡大のための投資や株主還元を積極的に行っている状況が伺えます。
  • 各種指標:
    • ROE(過去12か月)は19.12%、ROA(過去12か月)は12.58%と、資本を効率的に活用し高いリターンを生み出していることが示されています。
    • 自己資本比率(直近四半期)73.9%は非常に高く、財務基盤が極めて健全であることを示しています。
    • 流動比率(直近四半期)3.57倍(357%)も健全性の目安を大きく上回り、短期的な支払能力に優れています。
    • Total Debt/Equity(直近四半期)は1.88%であり、負債が極めて少ない無借金に近い経営をしていることがわかります。

9. 株主還元と配当方針

NSDの株主還元策は、安定的な配当と自社株買いが中心です。
* 配当: 会社予想1株配当は92.00円であり、現在の株価に対する予想配当利回りは2.67%です。
* 配当性向: Payout Ratio4は54.32%と、利益に対する配当の割合が健全な水準にあります。
* 自社株買い: 株主構成に「自社(自己株口)」が11.09%と記載されており、継続的な株主還元策として自社株買いも実施していることが示唆されます。

配当は2026年3月期の期末配当が92円と、前期実績(87円)から増配予想であり、株主還元に積極的な姿勢が見られます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近10日間の株価は上昇基調にあり、特に10月30日以降、出来高が増加しながら上値を追う展開となっています。121,900株の出来高は平均的ですが、直近では40万株を超える日もあり、投資家の関心が高まっていることが伺えます。
信用買残が99,100株、信用売残が49,800株で、信用倍率は1.99倍です。信用買い残が売り残を上回っていますが、信用倍率としては極端に高い水準ではありません。
通期業績の上方修正やDX・生成AIといった成長分野への注力は、投資家の関心を惹きつけ、株価を押し上げる要因となる可能性があります。一方で、直近の株価上昇に対する調整圧力にも注意が必要です。

11. 総評

NSD(9759)は、独立系SI大手として確立された地位を持ち、特に金融・社会インフラ分野での強固な顧客基盤と高い収益性を特徴とする企業です。売上高、営業利益ともに安定的な成長を続けており、LTMの営業利益率16.21%、ROE19.12%は非常に優れた水準を示しています。自己資本比率73.9%、流動比率3.57倍、D/Eレシオ1.88%と財務健全性も極めて高いです。
経営戦略では、DXや生成AIなどの先端技術領域への積極的な投資と事業展開を進めており、中期的な成長ドライバーを明確にしています。通期業績の上方修正を発表するなど、足元の業績も好調に推移しています。
株価評価については、PERが業界平均よりやや割安である一方、PBRは高いですが、これは高い収益性(ROE)に起因するものと考えられます。テクニカル的には、直近の上昇トレンドに乗り、移動平均線も上回っています。株主還元にも積極的であり、配当性向も健全です。

12. 企業スコア

  • 成長性: S
    • 3年CAGR(2022年3月期〜2025年3月期)14.8%、直近四半期売上高成長率9.5%、2026年3月期通期売上高予想成長率7.2%と、非常に高い成長率を維持しています。
  • 収益性: S
    • 営業利益率(過去12か月)16.21%、EBITDA率18.3%と、情報通信・サービスその他業界において非常に高い水準を誇ります。ROEも19.12%と資本効率も優れています。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率73.9%、流動比率3.57倍(357%)、Total Debt/Equity 1.88%と、すべての指標が極めて健全なレベルにあり、盤石な財務基盤です。
  • 株価バリュエーション: B
    • PER(会社予想)21.22倍は業界平均23.2倍より約8.6%低い水準であり、割安感があります。一方でPBR(実績)3.98倍は業界平均2.3倍と比較して約73%高く、割高感があります。高いROEを考慮するとPBRの高さは一概に割高とは言えませんが、業界水準から見ると平均的判断となります。

企業情報

銘柄コード 9759
企業名 NSD
URL http://www.nsd.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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By ジニー

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