NSD(9759)企業分析レポート
株価: 3,435円(2025-11-05終値)/市場区分: 東証プライム
1. 企業情報
- 概要: 独立系の大手システムインテグレーター。金融、産業、社会基盤(公共・インフラ)向けのシステム開発に強み。ITインフラ構築、運用保守、コンサル、各種ソリューション(セキュリティ、株主優待サービス等)まで一貫提供。
- 注力領域: DX(基幹刷新、クラウド移行)、生成AI活用、セキュリティ、DAS事業(DX目的の開発+先端技術活用+ソリューションの組合せ)。
- 事業セグメント構成(2025.3期 実績構成比・営業利益率):
- システム開発(金融IT 30%・19%)、産業IT 23%・15%、社会基盤IT 21%・20%、ITインフラ 11%・17%、ソリューション 14%・5%
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 独立系SI大手の一角。金融・社会基盤での実績と高い収益性が特徴。大手ベンダーとの協業(日立製作所との提携)も進展。
- 競争優位性:
- 金融/社会基盤での長期関係・大型案件の遂行能力
- 高い自己資本比率とネットキャッシュに基づく投資余力
- 生成AI/クラウド/セキュリティなど成長領域のソリューション強化
- 課題:
- 人材獲得・育成コスト上昇と要員計画
- 大規模プロジェクトの採算・品質管理
- 一部ソリューション(医療・RFID等)の収益性改善
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略: DXと先端技術を軸に、産業横断での基幹刷新や運用領域の継続収益を拡大。プライベート生成AIプラットフォームなどの自社技術・ソリューション展開を強化。
- 中期計画の進捗:
- 「連結売上1,000億円超」目標は2024年3月期に2年前倒しで達成済。
- 2026年3月期は通期予想を上方修正(売上1,155億円、営業利益178億円、純利益124億円)。
- 重点施策:
- DAS事業の拡大(DX開発+新技術活用+ソリューションの一体提供)
- 生成AI・クラウド・セキュリティの強化
- 連携・M&Aの活用、海外グループ活用、人材交流
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 受託開発と運用保守の継続収益の両輪。社会基盤・金融の案件比率が高く、景気変動に対する相対的安定性が期待されやすい構成。
- 需要変化への適応: DX・クラウド移行、生成AIの内製化支援など、顧客の構造的需要に対応。ソリューションのポートフォリオ見直し(低採算領域の改善)が進行。
- 主なリスク: 人件費上昇、採算悪化リスク(大型案件)、技術変化の速度、セキュリティ/品質事故、需要の周期性。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向/独自性: プライベート生成AIプラットフォームの開発、クラウド・仮想化・セキュリティ基盤構築に強み。アプリ開発から基盤、運用までのフルスタック対応力。
- 収益牽引分野(2025/4-9中間期):
- 産業IT(売上+13.0%)、社会基盤IT(+10.8%)、ITインフラ(+9.1%)が堅調
- ソリューションはセキュリティ・株主優待サービスが堅調だが、医療・RFIDは減収でセグメント利益は減少
6. 株価の評価
- 前提数値: 株価3,435円、EPS(会社予想)162.13円、BPS 865.56円
- 指標比較:
- PER: 21.2倍(業界平均 23.2倍比でやや低位)
- PBR: 3.98倍(業界平均 2.3倍比で上位水準)
- ROE: 18.2%(高水準)
- EV/S: 約2.36倍(概算:EV≒時価総額2,959億−現金316億+負債13億、売上1,123億LTM)
- コメント: 収益性(ROE/マージン)が高い一方、PBRは高位、PERは業界平均をやや下回る水準。成長性と収益性を織り込んだバランスのある評価レンジに位置。
7. テクニカル分析
- トレンド指標:
- 50日移動平均: 3,333円、200日移動平均: 3,414円
- 現在値は50日・200日線の上(+3.1%、+0.6%)
- 位置づけ: 年初来高値3,670円に対し約-6.4%、安値2,982円に対し約+15.2%。
- 直近10日: 決算前後で出来高増(10/30に大商い)、11/4に上昇、11/5は反落も25日〜短期では上向き傾向。
- 信用動向: 信用倍率1.99倍、買残前週比+12,200株で短期の強含みを示唆。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上(LTM): 約1,123億円(会社実績2025.3期 1,078億円 → LTM増加)
- 中間期(2025/4-9)売上+8.8%、純利益+9.6%
- 3年の売上推移: 712億(2022.3)→ 780億(2023.3)→ 1,013億(2024.3)→ 1,078億(2025.3)→ LTM約1,123億(成長継続)
- 収益性:
- 粗利率(LTM): 約24.9%(粗利280億/売上1,123億)
- 営業利益率(LTM): 16.2%、純利益率: 10.9%
- EBITDA: 約201億円(マージン約17.9%)
- ROE(実績): 18.2%、ROA(LTM): 12.6%
- キャッシュフロー・財務:
- 営業CF(LTM): 136億円(純利益を上回り良好)
- 現金等: 約316億円、総有利子負債: 約13億円(実質ネットキャッシュ)
- 自己資本比率: 74.5%、流動比率: 3.57倍、D/E: 約1.9%(保守的な財務)
- セグメント(2025/4-9):
- 産業ITと社会基盤ITが牽引、ソリューションは一部分野が課題
9. 株主還元と配当方針
- 配当(会社予想): 期末92円、年間92円(予想配当利回り約2.67%)
- 配当性向目安: 92円/想定EPS162.6円 ≒ 57%(Payout Ratio 54〜57%レンジのデータあり)
- 自己株式: 発行済株式の約11.1%を保有(希薄化抑制に寄与)。直近の自己株買い実施有無は本データ内に明記なし。
- 参考: 一部データで将来配当184円等の数値が見られるが、会社予想は92円(本分析は会社予想を採用)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 50日・200日線上で推移、決算後に出来高増を伴う上昇。短期は上向き、直近は利益確定の反動もみられる。
- 関心指標: 3カ月平均出来高約24.2万株に対し、決算前後は出来高増。ベータ0.09と低ボラティリティ特性。
- 影響要因: 通期上方修正、DX・生成AI関連の受注動向、賃金動向・人員計画、ソリューションの収益性改善進捗など。
11. 総評
- 受注環境は堅調で、産業IT・社会基盤ITが拡大。高い営業利益率と強固な財務が継続。
- バリュエーションはPERで業界平均に対してやや低位、PBRは高位で、収益性の高さを織り込む形。
- 配当は利回り約2.7%、配当性向は50%台で安定性を意識した水準。自己株式保有比率が高く資本効率と還元のバランスを重視。
- 中期ではDX・生成AI・セキュリティの成長がけん引。一方で人件費や大型案件の採算、特定ソリューションの改善が注視点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: 中間期売上+8.8%、通期予想+7.2%、3年CAGR約16%と拡大継続。LTMベースでも増収。
- 収益性: A
- 根拠: 営業利益率16%台、ROE18%台、EBITDAマージン約18%と業界上位水準。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率74.5%、D/E約1.9%、流動比率3.57倍、実質ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション: B
- 根拠: PERは業界平均比でやや低位、PBRは上位水準。総合で中立的評価。
注記:
– 本レポートは提供データに基づく情報整理であり、投資助言を目的としたものではありません。
– 数値は百万円・億円等の単位併用。LTM/会社予想/実績で期間が異なる指標が混在するため、比較時は期間差に留意してください。
企業情報
| 銘柄コード | 9759 |
| 企業名 | NSD |
| URL | http://www.nsd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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