企業分析レポート:エクセディ (7278)

現在の株価: 5,180.0円 (2025年11月5日終値)

1. 企業情報

エクセディは、自動車・輸送用機器業界に属する大阪府寝屋川市に本社を置く企業です。主にマニュアルトランスミッション(MT)およびオートマチックトランスミッション(AT)向けの車両部品を製造・販売しています。特に、クラッチでは業界トップシェアを誇り、自動車用トルクコンバーターを主力としています。その他、建設機械や産業車両向けの動力伝達装置(TS)、2輪車用クラッチなども手掛けており、国内外で事業を展開しています。主要な取引先には、ジヤトコ、アイシン、マツダなどがあります。

2. 業界のポジションと市場シェア

エクセディは自動車の駆動系部品分野において、特にクラッチでは首位の地位を確立しています。AT部品も柱であり、MT部品においても高い市場シェアを維持しています。自動車産業全体が電動化へとシフトする中で、内燃機関車向けの部品が主要事業であるため、将来的な市場ニーズの変化への対応が課題となる可能性があります。しかし、建設機械や農業機械向けなど、電動化の進展が比較的緩やか、または異なる駆動系技術が求められる分野にも事業展開しており、一定の多様性を持っています。

3. 経営戦略と重点分野

提供された情報からは、中期経営計画の具体的な施策や重点分野に関する詳細な記述はありません。ただし、幅広い車両カテゴリ(乗用車、トラック、バス、建設機械、産業車両、農業機械、モーターサイクル)に対応していることから、多角的な製品ポートフォリオを通じてリスク分散を図り、各分野での競争力維持・強化を目指していると考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

エクセディの事業モデルは、自動車メーカーや自動車部品メーカーへのOEM供給が中心です。MTおよびAT部品、特にトルクコンバーターやクラッチが主な収益源となっています。自動車産業の電動化の進展は、内燃機関を前提とした現在の主力製品に影響を与える可能性があります。しかし、同社は建設機械や産業車両向けなどのTS分野も展開しており、一部は電動化への対応が異なるか、電動化以外の需要が存在する分野です。技術革新やポートフォリオの再構築を通じて、市場ニーズの変化に適応していくことが持続可能性を高める上で重要となります。直近の決算短信では、AT事業での受注減や円高進行が売上収益減少の主な要因として挙げられています。

5. 技術革新と主力製品

主力製品は、マニュアルクラッチ、トルクコンバーター、AT部品です。特にクラッチ分野では高い技術力と実績を持ち、トップシェアを誇っています。産業機械向けの分離型パワーシフトトランスミッションやリターダーなど、多岐にわたる駆動伝達装置も開発しています。これらの製品は、車両の燃費性能や走行性能、耐久性に関わる重要な部品であり、高い技術要求に応える形で独自の技術を培ってきました。

6. 株価の評価

  • 現在の株価: 5,180.0円
  • EPS(会社予想): 341.99円
  • BPS(実績): 5,012.05円

これらの情報に基づくと:
予想PER: 5,180.0円 ÷ 341.99円 = 15.15倍
– 業界平均PER(13.3倍)と比較して、現在のPERはやや割高な水準にあります。
実績PBR: 5,180.0円 ÷ 5,012.05円 = 1.03倍
– 業界平均PBR(0.8倍)と比較して、現在のPBRはやや割高な水準にあります。

以上のバリュエーション指標を見る限り、株価は業界平均と比較してやや割高と評価できます。

7. テクニカル分析

  • 現在の株価: 5,180.0円
  • 年初来高値: 5,610円
  • 年初来安値: 3,555円
  • 50日移動平均: 5,307.80円
  • 200日移動平均: 4,657.67円

現在の株価は、年初来高値にやや近い水準ですが、50日移動平均線を下回る位置にあります。一方、200日移動平均線よりは大きく上に位置しており、中期的な上昇トレンドの中にあると考えられます。直近10日間の推移では、5,100円から5,460円の範囲で推移しており、本日は下落しています。現在の株価は高値圏からやや調整局面に入っている可能性も示唆されます。

8. 財務諸表分析

  • 売上収益:
    • 2022年3月期: 261,095百万円
    • 2023年3月期: 285,639百万円 (+9.4% YoY)
    • 2024年3月期: 308,338百万円 (+7.9% YoY)
    • 過去12か月: 309,564百万円 (+0.4% YoY)
    • 2025年3月期予想: 295,000百万円 (-4.7% YoY) (修正後)
    • 売上は過去数年間増加傾向にありましたが、直近は成長が鈍化し、2025年3月期は減収予想となっています。
  • 利益:
    • 2024年3月期には営業利益が-15,438百万円、純利益が-10,023百万円と大幅な赤字を計上しましたが、過去12か月では営業利益21,846百万円、純利益12,744百万円と大幅に回復しています。2025年3月期も通期で増益を予想しており、一時的な損失要因が解消されたと見られます。
  • 収益性指標:
    • 粗利率(過去12か月):19.2% (59,427百万円 / 309,564百万円)
    • 営業利益率(過去12か月):7.05% (21,846百万円 / 309,564百万円)
    • ROE(実績):6.39%
    • ROA(過去12か月):4.53%
    • 収益性は2024年3月期の落ち込みから回復基調にあり、過去12か月および直近四半期(7.3%)の営業利益率は順調です。
  • キャッシュフロー(中間累計):
    • 営業活動によるCF: +18,518百万円 (前中間期 +11,231百万円) と大幅に改善。
    • 投資活動によるCF: -6,469百万円
    • 財務活動によるCF: -10,344百万円 (前中間期 -22,429百万円)
    • 営業CFは堅調であり、設備投資を賄いつつ、財務活動で負債返済などを行っている健全な印象です。
  • 財務健全性:
    • 自己資本比率(実績): 59.4%
    • 流動比率(直近四半期): 2.95倍
    • Total Debt/Equity(直近四半期): 27.94%
    • 現金及び現金同等物(直近四半期): 70,476百万円
    • 有利子負債合計: 約54,866百万円
    • 自己資本比率や流動比率は非常に高く、有利子負債を現金が上回るネットキャッシュの状態であり、財務基盤は非常に強固であると言えます。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 5.79%
  • 1株配当(会社予想): 300.00円 (中間150円、期末150円)
  • 配当性向(過去12か月): 89.83%

同社は高配当政策を採っており、高い配当利回りが特徴です。配当性向は過去12か月ベースで約90%と高く、利益を積極的に株主還元に回していることが伺えます。次回のEx-Dividend Dateは2026年3月30日と発表されています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週高値から約7.7%下、52週安値からは約45.7%上の水準に位置しています。
  • 50日移動平均線を下回り、短期的な下降トレンドまたは調整局面にあるようです。
  • 出来高は直近で減少傾向にあり、市場の注目度が一時期よりは落ち着いている可能性があります。
  • 信用買残は減少し、信用倍率は1.31倍と需給面で極端な偏りは見られません。
  • 直近の業績予想修正(売上収益の下方修正)は短期的な株価に影響を与える可能性があります。

11. 総評

エクセディは、クラッチ・AT部品で高い市場シェアを持つ自動車駆動系部品メーカーです。強固な財務体質と高水準の株主還元(配当利回り約5.8%)が魅力ですが、自動車産業の電動化トレンドに対応するための事業構造転換が中長期的な課題となる可能性があります。
直近では2024年3月期の一時的な赤字から大きく回復し、収益性も改善しています。しかし、2025年3月期の売上予想は減収となっており、成長性には鈍化が見られます。現在の株価は、業界平均と比較するとPER・PBR共にやや割高な水準にあります。高配当を享受しつつ、今後の電動車対応やTS事業の成長、そしてそれに伴う収益性の変化を注意深く見守る必要があるでしょう。

12. 企業スコア

  • 成長性: C
    • LTM売上成長率は約0.4%と横ばいで、2025年3月期予想では減収が見込まれるため。
  • 収益性: B
    • 2024年3月期の一過性損失を除けば、過去12か月および直近四半期の営業利益率は7%台であり、一定の収益力を保持しています。特別に高いわけではないが安定していると評価。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率59.4%、流動比率2.95倍、D/E比率27.94%と非常に健全な財務状況です。ネットキャッシュの状態でもあります。
  • 株価バリュエーション: C
    • 予想PER(15.15倍)および実績PBR(1.03倍)ともに、業界平均と比較してやや割高と判断されます。

企業情報

銘柄コード 7278
企業名 エクセディ
URL http://www.exedy.com
市場区分 プライム市場
業種 自動車・輸送機 – 輸送用機器

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

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