八十二銀行(8359)企業分析レポート
注記:本資料は公開情報に基づき客観的に整理したもので、投資助言を行うものではありません。不明な項目は記載を省略しています。一過性損益は評価から除外しています。
1. 企業情報
- 概要:長野県を地盤とする上位地銀。県内で貸出金シェア約5割。個人・法人向けに預金、貸出、投信・保険仲介、各種決済、為替、インターネット・モバイルバンキング等を提供。カード、年金、資産運用サポート、事業承継・相続支援、ベンチャーキャピタル・リース等も展開。
- 地域ポジション:長野県全域で強固な顧客基盤を保有。堅実なリスク管理を掲げる。
- 体制・動向:長野銀行を傘下に置き、2026年1月に合併予定(決算短信・会社情報より)。第1四半期セグメントは銀行業が利益の約97%を占める中核。
参考(バランスシート構成の目安・2025.3):資金=普通63%、定期27%/資産=貸出金48%、有価証券26%、現・預け金23%。融資=中小企業等55%、住宅・消費24%。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:長野県内で圧倒的シェアを持つ地域金融機関。低コストの預金調達力とリレーションに基づく与信力が強み。
- 競争環境:メガバンク、他地銀、ネット専業金融との競争に加え、地域の人口動態・事業承継等の構造要因が収益機会・与信コスト双方に影響。
- 課題・留意点:
- 地域の成長率や人口減少の影響
- 金利・市場価格変動による有価証券評価/売買損益の振れ
- 規制資本・流動性規制への対応
- 追い風要因:金利・貸出スプレッドの改善や手数料ビジネス拡大、長野銀行との統合効果(重複コスト圧縮、顧客基盤拡大)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(短信等から読み取れる要点):
- 資金利益(貸出金利息・預金利息差等)の拡大
- 役務取引等収益(投信・保険、決済、法人向けソリューション等)の強化
- マーケット運用(有価証券)の収益管理とボラティリティ抑制
- 長野銀行との統合に向けた収益・コスト両面のシナジー創出(PMI)
- 2026年3月期会社計画(連結):
- 経常利益 750億円、親会社株主に帰属する当期純利益 500億円、EPS 108.74円(5/9発表から変更なし)
- 第1四半期進捗:経常利益62%、純利益66%(会社予想上期比)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:預金を原資とした貸出による資金利益、手数料収益、有価証券運用収益の三本柱。地域密着の与信と決済・運用支援が補完。
- 適応力:
- 金利上昇局面でNIM(利鞘)改善の余地。一方で債券評価や調達コストの上昇リスクあり。
- 統合による規模拡大と効率化でスケールメリット獲得が見込まれる。
- デジタルチャネルの浸透により取引利便性と運営効率の改善余地。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・チャネル:インターネット/モバイルバンキング、キャッシュレス/カード、データを用いた与信・事業支援。デジタル接点の拡充が進展。
- 主力サービス:個人向け住宅・消費性ローン、中小企業向け融資、投信・保険仲介、決済・外為。四半期では資金運用収益・役務収益が増加(Q1経常収益+20.3% YoY)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:1,566円
- 予想EPS:108.46円 → 予想PER約14.4倍(会社公表値と一致)
- 実績BPS:2,173.77円 → PBR約0.72倍
- 予想配当:50円(うち記念配5円含む)→ 配当利回り約3.19%
- 業界平均比較:PER(業界10.7倍)・PBR(業界0.4倍)に対してプレミアム水準。配当利回りは5年平均(3.25%)と概ね同水準。
- 補足:銀行はPBR、配当、自己資本政策が評価指標となりやすい。業績は市場要因(債券・株式売買/評価)で振れやすい点に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド:50日線1,472円、200日線1,201円。現値は両移動平均線を上回り上昇トレンドを維持。
- 位置:年初来高値1,586円に接近(高値圏)。52週レンジは783~1,586円。
- 出来高:直近10日平均約145万株(3カ月平均約126万株)と増加。
- 信用動向:信用倍率4.45倍。買残・売残ともに前週比減少でポジション整理の動き。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結)
- LTM売上高:約2,014億円(前年比+約20%)。2024/3期:1,679億円、2023/3期:1,745億円、2022/3期:1,414億円。
- LTM純利益:約480億円、EPS(LTM)約101円。Normalized Incomeベースでも上向き。
- Q1(2026/3期):経常収益 726億円(+20.3%)、経常利益 231億円(+37.0%)、純利益 164億円(+36.3%)。
- 収益性:
- 営業利益率(LTM 指標ベース):約38.5%、純利益率:約24.2%(定義差に留意)。
- ROE:実績4.62%、LTM約5.0%。ROA(LTM)約0.37%。
- バランスシート・資本
- 総資産:13.6兆円、貸出金:6.41兆円、有価証券:3.42兆円(25/6末)。
- 自己資本比率(会計表示):7.1%(実績)/7.3%(25/6末短信)。銀行特有のリスクアセット基準(BIS規制比率)とは定義が異なる点に留意。
- 現預金(含む日銀預け):約3.13兆円、調達は預金中心。
- キャッシュフロー:四半期CFは未作成(短信注記)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025/3期 42円実績、2026/3期 50円予想(うち記念配5円)。予想配当性向:約41.5%。
- 自己株式:保有比率約6.5%(自己株口)。期末自己株式数は約3,398万株(25/6末短信)。
- その他株主構成:信託銀行の信託口が上位、生命保険会社、事業会社、職員持株会等が名簿に確認。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+約78.8%と相対的に強い推移(S&P500 52週+15.6%)。
- 直近:年初来高値更新圏。出来高増加局面。
- 近々のイベント:2025年11月7日 決算発表予定。2026年3月30日 権利落ち予定(会社予定)。
- 影響要因(一般論):金利政策・市場金利、債券・株式評価損益、与信費用、統合進捗(長野銀行)、株主還元方針。
11. 総評
- 地域トップシェアと堅実な与信・調達基盤を背景に、金利環境改善・役務収益強化で収益性が改善。LTMで売上・利益ともに増加傾向。第1四半期の進捗は会社計画に対し高い水準。
- バリュエーションはPER/PBRともに業界平均比でプレミアム。PBRは0.7倍台と市場の資本効率・株主還元への期待や地域独自の安定性が織り込まれている可能性。
- リスクは市場部門(有価証券損益)の変動、金利・信用環境の変化、地域構造要因。長野銀行との統合効果の顕在化とボラティリティ管理が中期の焦点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+約20% YoY、2022→LTMの3年CAGR約12–13%。純利益も増加基調。
- 収益性:B
- 根拠:純利益率約24%、ROE約5%(国内地銀の一般的水準と概ね同程度)。
- 財務健全性:B
- 根拠:自己資本比率(会計表示)7.1–7.3%。銀行特性上、一般事業会社の40%目安は適用困難。流動性・預金調達は安定的。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER14.4倍(業界平均10.7倍)、PBR0.72倍(同0.4倍)と平均比プレミアム。EV/S等は未評価。
データ出所:ご提供の会社概要・株価データ、各種指標、決算短信(2026年3月期第1四半期)、株主名簿等。数値は連結ベース中心、LTM/実績・定義差により一部乖離があり得ます。
企業情報
| 銘柄コード | 8359 |
| 企業名 | 八十二銀行 |
| URL | http://www.82bank.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 銀行 – 銀行業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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