北の達人コーポレーション(2930)企業分析レポート
作成日時:2025-11-06(提供データに基づく。投資助言は行いません)
1. 企業情報
- 概要:自社開発の健康食品・化粧品をEC中心に直販(D2C)。主力ブランドは「北の快適工房」。看板商品は「カイテキオリゴ(整腸系)」やヒアルロン酸系の小ジワ対策アイケア、マイクロニードル化粧品「リフィスト」など。連結で美容家電「SALONMOON」も展開。
- 収益構造:自社ECによる定期購入モデルが柱(LTV重視)。ECモール(Amazon等)や一部店頭も併用。
- セグメント:単一(ヘルス&ビューティーケア関連98%、他2%:2026年2月期見込ベースの開示構成に近似)
- 上場区分:東証プライム/業種分類:化学(Consumer Defensive, Household & Personal Products)
- 従業員:216人、平均年齢32.7歳、平均年収653万円
- 本社:札幌市中央区(登記上)、本社機能は東京にも拠点
- 主要株主:創業者の木下勝寿氏が約51%保有。自己株約1.15%
2. 業界のポジションと市場シェア
- 位置づけ:国内D2Cの健康美容(サプリ・スキンケア)領域の中堅。広告運用とクリエイティブ、商品開発、定期課金モデルを組み合わせたデータドリブン運営が強みとされる。
- 競争環境:同領域は参入障壁が相対的に低く、広告単価やプラットフォーム規約の変動が成果に直結。大手(ファンケル、ポーラ・オルビス、ロート、協和など)や新興D2Cとの競合が強い。
- 課題:広告効率の維持、解約率/LTVの最適化、モール依存度と自社ECのバランス、ヒット商品の継続創出。
- 市場シェア:定量的な公表データはなし(—)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/中計:「中期経営計画2028」(2025/7公表)
- LTVの向上を最重要テーマに掲げ、アップセル・クロスセル、解約抑止、ロイヤリティ強化などを推進。
- 広告投資は初回ROAS/1年ROAS/上限CPOなどで厳格管理。AI活用・クリエイティブ内製化・人材育成で効率改善。
- チャネル戦略は「自社EC(定期軸)」と「ECモール(獲得・認知)」の最適配分。モール専任チーム強化。
- プロダクトはマイクロニードル等の独自性・即時体感訴求を重視。2025年5月発売「リフィスト」は初動良好。
- 収益性低下が予見される施策は中止し、質重視に転換。
- ブランド別方針:
- 北の快適工房:新規獲得の効率改善とLTV向上施策を同時進行。
- SALONMOON:モール強化・店頭展開・新製品投入で規模拡大。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:定期購入の継続収益+新規獲得(広告)で回すD2C。LTVが広告CPOを上回る構造の維持が鍵。
- 適応力:広告運用のKPI管理と商品開発の両輪で調整可能。ECモールでの露出・レビュー資産の積み上げも機会。
- リスク:プラットフォーム入札単価上昇や規約変更、原価・為替、コンプライアンス(表現規制)、ヒット商品の陳腐化。LTV低下は業績にストレートに影響。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:マイクロニードル技術、機能性訴求のフォーミュラ設計、クリエイティブ検証を組み合わせた獲得最適化。
- 主力群:「カイテキオリゴ」、目元クリーム(ヒアルロン酸系)、マイクロニードル「リフィスト」、美容家電「SALONMOON(ヘアアイロン等)」。
- 製品牽引:直近は「北の快適工房」が売上の約9割、「SALONMOON」もモール中心に堅調。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価137円、時価総額約193億円、発行株式1.41億株
- 会社予想EPS:4.46円 → 予想PER約30.7倍(業界平均PER 20.4倍を上回る)
- BPS:56.91円 → PBR約2.41倍(業界平均PBR 1.1倍を上回る)
- 配当:年3.5円(予想)→ 予想配当利回り約2.55%、予想配当性向約57%
- EV/S(概算):EV=時価総額193億円−現金56億円≒137億円、通期売上予想102.9億円 → EV/S≒1.33倍
- 参考P/S(概算):株価137円/売上/株(FY25実績約85円)≒1.6倍、予想期ベース≒1.9倍
- コメント:PER・PBRともに業界平均比では高水準。高い自己資本・キャッシュとD2Cモデルを市場が織り込む一方、業績見通しは減益予想。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:株価137円は50日線144.7円、200日線149.4円を下回り、下方乖離。52週レンジ132–185円の下限寄り。
- 直近10日:135–140円の狭いレンジで出来高は3カ月平均(約38万株)と同水準〜やや上。方向感は限定的ながら上値は重い。
- 信用動向:信用買残347.7万株、売残175.7万株、信用倍率1.98倍。買い残は前週比減、売り残は増。需給はやや上値抑制要因となりやすい構図。
- 価格帯・節目:135円近辺が直近の下値メド、上は140円〜145円に戻り売り圧力が意識されやすい構成。
8. 財務諸表分析
- 売上推移(連結、百万円)
- 2022/2:9,512 → 2023/2:9,831 → 2024/2:14,666 → 2025/2:11,826 → LTM:11,153(会社予想2026/2:10,289)
- 傾向:2024年にピーク後、減収基調。2026年予想も減収。
- 収益性(LTM概算)
- 粗利率:約76.3%(粗利8,502/売上11,153)
- 営業利益率:約13.7%(1,526/11,153)
- 純利益率:約10.0%(1,109/11,153)
- 参考:2026年2月期中間の営業利益率は約9.6%(広告投資・LTV影響で利益率低下)
- ROE/ROA・資本効率
- ROE(実績):16.22%
- ROA(概算):約12%(LTM純利1,109/総資産約8,977の概算。算式差により外部データと乖離の可能性あり)
- キャッシュフロー
- 営業CF LTM:約15.4億円、レバードFCF:約14.7億円と潤沢。減価償却は軽く、キャッシュ創出力は良好。
- 財政状態
- 自己資本比率:85.9%(中間期は88.4%)
- 現金及び預金:56億円、流動比率:5倍超(中間期:約8倍)
- 有利子負債は軽微。財務安全性は高い。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:通期予想3.5円(中間1.7円、期末1.8円)。5年平均利回り1.17%に比し、現行水準は相対的に高め。
- 配当性向:予想ベース約57%。
- 自社株買い:現時点で新規の公表は確認できず(自己株1.15%保有)。
- 方針:安定配当を基本に、業績・投資機会・手元資金を勘案(短信等の一般的記載)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週騰落は約▲13%。β=1.44と市場感応度はやや高め。
- 投資家構成:インサイダー保有比率が約54%と高く、浮動株は限定的。機関投資家保有は約7%。
- 需給・イベント
- 直近は信用売り増加・買い減少で需給は中立〜やや上値抑制。
- 予定イベント:2026/1/13 決算発表予定、2026/2/26 権利落ち予定(配当3.5円想定)。
11. 総評
- 事業:高粗利なD2C定期モデルとモール拡大で利益創出力はある一方、直近は広告効率・LTVの逆風で減収減益局面。中計はLTV向上と広告効率の再強化に注力。
- 財務:キャッシュ厚く無借金体質で安全性は高い。CF創出も良好。
- バリュエーション:PER・PBRは業界平均比で高水準。減益予想との組み合わせが市場評価を左右。
- テクニカル:52週レンジ下限付近、移動平均線下で推移。需給は中立〜やや重い。
- リスクと注目点:広告市場の入札環境、製品パイプラインのヒット継続、LTV改善施策の成果、モール戦略の伸長度合い。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM・通期予想とも減収傾向(2024年ピーク後の調整)。四半期YoYもマイナス。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率は高水準、営業利益率は10〜14%レンジで推移(年度により変動)。業界内で中位〜やや良好水準と解釈可能。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率86〜88%、高流動比率、実質無借金、潤沢な現金。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER約30.7倍・PBR約2.41倍と業界平均(PER20.4倍、PBR1.1倍)を上回る。EV/Sは約1.3倍(参考)。
注記
– 本レポートは提供データ(決算短信要約、財務・株価指標)に基づく整理であり、数値の定義差(LTMの範囲・算式等)により一部指標間で乖離が生じる場合があります。最新の正式開示資料(有価証券報告書、決算短信、補足説明資料)をご確認ください。
企業情報
| 銘柄コード | 2930 |
| 企業名 | 北の達人コーポレーション |
| URL | http://www.kitanotatsujin.com |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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