1. 企業情報
エムケイシステムは、社会保険労務士事務所や一般企業の人事・総務部門向けに、社会保険・労働保険の電子申請業務を支援するシステム開発およびクラウドサービスを提供する企業です。主要な事業セグメントは「社労夢事業」と「CuBe事業」の2つに分かれています。社労夢事業では、社会保険労務士事務所等向けの業務支援クラウドシステム「社労夢(Shalom)」シリーズや、マイナンバー管理、Web年末調整などのサービスを提供しています。CuBe事業は、大手企業向けの人事総務システム受託開発や、中小企業向けクラウドサービス「GooooN」を展開しています。本社は大阪にあり、1989年に設立されました。従業員数は135名(平均年齢39.8歳、平均年収516万円)です。
2. 業界のポジションと市場シェア
エムケイシステムは、情報・通信業の中でも特に人事労務領域のクラウドサービスプロバイダーとして活動しています。社会保険労務士向けの支援システムでは一定の地位を確立していると推測されますが、市場シェアに関する具体的なデータは提供されていません。
競争優位性:
* 長年の実績を持つ「社労夢」シリーズは、社会保険労務士業界における認知度が高い可能性があります。
* クラウドサービスに注力しており、市場のデジタル化・SaaS移行のトレンドに対応しています。
* マイナンバー管理やWeb年末調整など、多岐にわたるサービスを提供し、顧客の利便性を高めています。
課題:
* 情報サービス業界全体でクラウド/SaaSへのシフトや生成AI、RPAの連携による業務自動化が進行しており、継続的な技術投資と新機能開発が求められます。
* 人事労務領域への競合他社の新規参入が相次ぎ、価格競争が激化する傾向にあります。
* CuBe事業における大企業向け受託開発では、プロジェクトの想定工数超過による赤字案件が発生するリスクを抱えています。
3. 経営戦略と重点分野
エムケイシステムの経営戦略は、主要なサービスであるクラウドサービス「社労夢」シリーズの拡販を加速し、安定的な収益基盤であるASP(ストック)売上の成長を維持することにあります。「社労夢FOREVER」の拡販と運用コスト抑制による収益性改善が重点分野です。CuBe事業では、大手企業からの堅調な受注を継続しつつ、一部で発生した赤字案件の再発防止と収益性改善を図り、中小向けクラウドサービス「GooooN」の拡販も進めています。全体としては、原価低減と新製品開発にも注力し、市場競争力強化を目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、社会保険労務士事務所や企業の人事総務部門といった安定的な顧客基盤に対し、社会保険・給与計算等の基幹業務を支援するクラウドサービスを提供することで、ストック型収益(ASP売上)を主軸としている点で持続可能性が高いと言えます。市場ニーズとしては、クラウド/SaaSシフト、生成AIやRPA連携による業務自動化、人的資本経営への関心の高まりなどが挙げられ、同社のサービスはこれらのトレンドに対応しています。
しかし、CuBe事業における大型案件の工数超過リスクや、クラウドサービスの運用コスト高止まり、競合激化による価格競争は、収益性を圧迫する可能性があり、事業モデルの持続性に対する課題となり得ます。
5. 技術革新と主力製品
エムケイシステムは、人事労務分野におけるデジタル化・クラウド化を推進しています。技術開発の動向としては、生成AIやRPAとの連携による業務自動化が業界全体で進む中で、これらへの対応が注目されます。
主力製品・サービス:
* 社労夢(Shalom)シリーズ: 社会保険労務士事務所や一般企業向けに、社会保険・労働保険の手続き、給与計算などを支援するクラウドシステムです。ASP(ストック)売上が売上の大部分を占めており、同社の収益を牽引する中心的な製品です。
* マイナボックス: マイナンバーの管理を支援するソリューション。
* eNEN: WEB年末調整の効率化を支援するサービス。
* GooooN: 中小企業向けの人事管理クラウドサービス。
* CuBe事業の受託開発: 大手企業の人事総務部門向けカスタマイズ型フロントシステムの開発。
6. 株価の評価
現在の株価294.0円に対し、各種指標は以下の通りです。
* PER(会社予想): 16.45倍
* PBR(実績): 2.62倍
* EPS(会社予想): 17.87円
* BPS(実績): 112.39円
業界平均と比較すると、PER(会社予想16.45倍 vs 業界平均17.6倍)は業界平均よりやや割安な水準にあります。一方、PBR(実績2.62倍 vs 業界平均1.6倍)は業界平均と比較して割高な水準です。利益面では改善が見込まれているものの、純資産に対しては相対的に株価が割高と判断できます。
7. テクニカル分析
直近の株価は294.0円であり、年初来高値362円、年初来安値275円のレンジ内に位置しています。52週高値362円、52週安値275円ともほぼ同水準です。
現在の株価は、50日移動平均線(311.50円)および200日移動平均線(313.58円)を明確に下回っています。直近10日間の株価推移を見ても、309円から294円へと下落傾向にあります。このことから、現在の株価は年初来安値圏に近く、中長期的な移動平均線を下回っているため、安値圏にあると評価できます。
8. 財務諸表分析
売上高:
過去数年間の売上高は、2022年3月期 2,742百万円 → 2023年3月期 2,867百万円 → 2024年3月期 2,639百万円と推移しています。過去12ヶ月では3,290百万円となり、直近では顕著な回復基調を示しています。2025年1Qの売上高も前年同期比+8.3%と増収を続けており、2026年3月期の通期予想では3,200百万円と大幅な増収を見込んでいます。
利益:
営業利益は、2023年3月期 219百万円 → 2024年3月期 △348百万円、過去12ヶ月 △23百万円と推移し、直近2年間は赤字を計上しています。純利益も同様に2023年3月期 145百万円 → 2024年3月期 △668百万円、過去12ヶ月 △118百万円と赤字が続いています。
2025年1Qも営業損失△35百万円、純損失△35百万円を計上していますが、前年同期からは損失が縮小しています。通期予想では営業利益150百万円、純利益97百万円と黒字転換を見込んでいるため、収益構造の改善が期待されます。
ROEとその他の指標:
* ROE(実績): (連)-16.00%、過去12ヶ月 -11.85%。純損失が継続しているため、ROEはマイナスとなっています。
* 自己資本比率(実績): (連)27.3%。直近四半期で28.6%と改善傾向にはありますが、一般的に健全とされる40%以上を下回っており、財務基盤の強化が課題です。
* 流動比率(直近四半期): 1.22。短期的な支払い能力を示す指標ですが、一般的に200%以上が望ましいとされる中で、やや低い水準です。
* Total Debt/Equity(直近四半期): 180.65%。負債比率が高く、財務レバレッジが高い状態です。
* EBITDA(過去12ヶ月): 324百万円。営業キャッシュフロー創出能力を示すEBITDAはプラスを維持しており、一時的な減損等を除けば一定の事業活動による資金創出力はあると言えます。
9. 株主還元と配当方針
会社予想の配当利回りは2.72%(1株配当8.00円)です。2025年3月期の実績配当が4.00円であったのに対し、2026年3月期(予想)では8.00円と増配を計画しています。会社予想のEPS17.87円に基づくと、配当性向は約44.8%となります。これは利益の約半分を配当に回す方針であり、株主還元への意欲は一定程度あると言えます。自社株買いに関する情報は提供されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価は309円から294円へと推移しており、下降の勢いが見られます。出来高は5,300株~21,100株程度と比較的少なく、売買代金も1,559千円と低調です。信用買残は163,700株で前週比-2,400株であり、信用売残は0株のため信用倍率は0.00倍となっています。出来高や信用取引の状況から、市場における投資家の関心は現在それほど高くない可能性があります。
株価への影響を与える要因としては、CuBe事業における赤字案件の動向や、社労夢事業の収益性改善の進捗、そして通期業績予想の達成に向けた進捗状況などが挙げられます。
11. 総評
エムケイシステムは、人事労務クラウドサービスを主力とする企業であり、市場のデジタル化トレンドに乗った事業モデルを展開しています。社労夢事業は着実に成長しており、全体の売上高も直近で回復傾向にあります。
しかしながら、CuBe事業の一部案件における損失計上や、クラウド運用コストの高止まりにより、過去2年間は連結純損失を計上し、直近の四半期も損失となっています。通期では黒字転換を見込んでいるものの、収益性の安定化が喫緊の課題です。
財務面では、自己資本比率が低く、負債比率が高い点が懸念されます。株価は安値圏にありますが、PBRは業界平均と比較して割高であり、投資家の評価は慎重であると考えられます。
12. 企業スコア
- 成長性: A
- LTM売上成長率は約24.6%と高く、直近の四半期売上高も前年同期比+8.3%を達成しています。2026年3月期の通期予想でも大幅な増収を見込んでおり、売上の伸びは堅調です。
- 収益性: C
- 過去2期および過去12ヶ月間は営業利益、純利益ともに赤字を計上しており、直近四半期も営業損失です。通期での黒字転換を見込んではいるものの、現状の収益性は業界平均を下回ると判断されます。
- 財務健全性: D
- 自己資本比率は28.6%と低く、流動比率も1.22と懸念される水準です。また、Total Debt/Equity比率が180.65%と負債の割合が高い点が課題です。
- 株価バリュエーション: C
- PER(会社予想16.45倍)は業界平均(17.6倍)よりやや割安ですが、PBR(実績2.62倍)は業界平均(1.6倍)と比較して割高であり、総合的には平均を下回る評価となります。
企業情報
| 銘柄コード | 3910 |
| 企業名 | エムケイシステム |
| URL | http://www.mks.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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