1. 企業情報
- 概要:AGC(旧・旭硝子)は、建築用・自動車用ガラス、ディスプレイ用ガラスなどの電子材料、化学品(塩ビ・苛性ソーダ、フッ素系など)、ライフサイエンス(医薬品CDMO)、セラミックスをグローバルに展開する素材大手。三菱系。ガラスは世界トップ級、電子部材・化学品も強み。
- 事業構成(連結、売上構成比・括弧内はセグメント利益率の目安):建築ガラス21%(4%)、オートモーティブ24%(3%)、電子18%(15%)、化学品29%(10%)、ライフサイエンス7%(-15%)、セラミックス他2%(6%)。海外売上比率69%(2024年時点)。
- 主力製品例:建築・自動車ガラス、Dragontrail等のカバーガラス、ディスプレイ・半導体向け基板・フォトマスクブランクス、フッ素化学品、塩ビ関連、合成石英・SiC、光学部材、医薬品CDMOなど。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:建築・自動車用ガラスはSaint-Gobain、NSG、Guardian等と並ぶ世界上位。電子材料はディスプレイ基板・半導体関連の高付加価値領域で存在感。化学品はエッセンシャル化学(塩ビ・苛性等)とパフォーマンス化学(フッ素等)の両輪。
- 競争優位性:
- グローバル生産体制と多角化ポートフォリオ(ガラス・電子・化学・ライフサイエンス)。
- 高付加価値ガラス(薄板・高屈折・表面処理)、半導体関連素材(EUV向けなど)、フッ素材料などの技術資産。
- 課題:
- ガラス事業の原燃料コスト・エネルギー価格の影響度が高い。
- ライフサイエンス事業の収益性改善(生産不具合・固定費負担、拠点再編)。
- エッセンシャル化学の市況(PVC価格・為替)変動。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略の方向性(開示要約より)
- 収益基盤の強化:オートモーティブでの価格政策・品種構成改善、建築ガラスのコスト管理と高機能製品比率の向上。
- 成長投資:電子(ディスプレイ・半導体関連)、パフォーマンス化学(半導体・輸送向けフッ素系)を重点。
- ポートフォリオ改革:ライフサイエンスでの設備増設と同時に拠点再編・減損対応を実施。
- 2025年通期見通し(会社計画)
- 売上高2,050,000百万円、営業利益120,000百万円、親会社帰属純利益57,000百万円、EPS予想268.85円、配当予想210円(中間105円・期末105円)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:建材・自動車向けの安定需要と、電子・化学の高付加価値領域での差別化収益を組み合わせる。地域・事業の分散で景気循環耐性を高める一方、ガラスはエネルギーコストや市況の影響を受けやすい。
- 適応力:
- 価格転嫁・品種構成見直し(オートモーティブで効果)。
- 高機能・高純度素材へのシフト(EUV関連、フッ素系)。
- ライフサイエンスの構造見直し(不採算拠点の是正)。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向・独自性:超薄板・高屈折ガラス、EUVフォトマスクブランクス、合成石英、SiC、フッ素材料、カメラ・光学用高精度レンズ素材など。スマホ・車載・半導体・通信(5G)向けの先進素材群を保有。
- 収益を牽引:
- オートモーティブ:価格政策・品種構成改善で営業利益が大幅改善。
- 電子:ディスプレイ用基板は出荷増。一方で一部(EUVブランクス等)は期中弱含み。
- 化学:パフォーマンス化学が半導体・輸送向け需要で寄与。エッセンシャルはPVC市況軟化の影響。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価5,126円、EPS(会社予想)268.85円、BPS(実績)6,641.07円、時価総額約1.12兆円。
- 指標比較
- 予想PER:19.11倍(業界平均18.3倍と同程度〜やや上)。
- PBR:0.77倍(業界平均1.4倍を下回る水準)。
- 参考:Earnings Yield ≒ 5.2%(=268.85/5,126)。
- 参考EV/S:概算0.8倍(EV≒時価総額1.12兆+純有利子負債約0.55兆→約1.67兆、売上LTM約2.05兆)。
- コメント:PERは平均並み、PBRは低位。利益水準の回復度合いと資本効率の改善が評価の論点。
7. テクニカル分析
- トレンド:株価は50日移動平均(約4,794円)、200日移動平均(約4,504円)を上回り、年初来高値5,159円に接近・更新。短期的に上向きのモメンタムが確認できる。
- 位置づけ:52週レンジ(3,870〜5,159円)の上限付近=高値圏。
- 需給:直近出来高増(11/5に増加)。信用倍率9.44倍、買い残増加で強気ポジション偏重に留意。
8. 財務諸表分析(IFRS、連結)
- 売上・利益(単位:百万円)
- 売上高:LTM 2,047,882(2024年 2,067,603/2023年 2,019,254/2022年 2,035,874/2021年 1,697,383)
- 営業利益:LTM 120,113(2024年 123,374/2023年 126,797/2022年 182,706/2021年 203,876)
- 親会社帰属純利益:LTM 34,363(2024年 -94,042/2023年 65,798)
- 収益性(LTMベースの概算)
- 粗利率:約24.1%(=494,724/2,047,882)
- 営業利益率:約5.9%(=120,113/2,047,882)
- 純利益率:約1.7%(=34,363/2,047,882)
- EBITDA:LTM 270,438、EBITDAマージン約13.2%
- 成長トレンド
- 3年CAGR(売上、2021→LTM):約+6.5%。
- 直近は横ばい〜微減(LTMは2024年比で約-1%)。四半期YoY成長率(外部指標)-4%。
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF 259,730、レバードFCF 141,250(キャッシュ創出は良好)。
- 安全性・効率
- 自己資本比率:49.7%(実績)。
- D/E(外部指標):約40.7%。流動比率:1.35。
- ROE:2024年実績 -6.5%(減損影響)。LTMベースは低位のプラス(外部指標 約2.9%)。
- セグメント状況(2025年1-9月、会社開示要約)
- オートモーティブが利益牽引、電子は横ばい、化学はエッセンシャル軟調・パフォーマンス堅調、ライフサイエンスは損失継続。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:会社予想 年間210円(中間105円・期末105円)。配当利回り約4.09%(現株価ベース)。
- 配当性向:トレーリングでは約130%(210円/ LTM EPS約162円)と高め。会社予想EPS基準では約78%(=210/268.85)。
- 自社株買い:本資料内で新規の明記はなし。自己株式は約2.34%保有。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:直近2日で年初来高値圏に上昇。出来高増を伴う上昇で短期トレンドは強い。
- 要因:
- 第3四半期累計での損益改善(前年の一過性損失剥落、オートモーティブ改善)。
- 配当利回りの水準感。
- ライフサイエンス再編の進捗期待と半導体・フッ素関連の需要動向。
- 留意:信用買い残の増加と倍率高止まりにより、短期的な値動きの振れに注意が必要。
11. 総評
- 多角化した素材ポートフォリオのうち、オートモーティブの改善とパフォーマンス化学が現状の収益を下支え。ディスプレイ・半導体関連の高付加価値分野は中期成長ドライバー。一方、エッセンシャル化学の市況、ガラスのエネルギーコスト、ライフサイエンスの収益性が課題。
- 財務面は自己資本比率約50%と健全、営業CFも堅調。2024年の減損に伴う指標悪化はLTMで持ち直しつつあるが、資本効率の平準的改善が今後の焦点。
- バリュエーションはPERが業界平均並み、PBRは低位。利益水準の回復持続性とポートフォリオ改革の進展が評価のカギ。
(注)本レポートは提供データの整理であり、投資助言ではありません。不明点は“—”としています。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 3年CAGRはプラスだが、LTMや直近四半期の売上は横ばい〜微減。
- 収益性:B
- LTMの営業利益率約5.9%、EBITDAマージン約13%。業界平均と同程度のレンジ。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率約50%、D/E約40%、流動比率1.35。総じて健全。
- 株価バリュエーション:B
- 予想PERは平均並み、PBRは低位、EV/Sは0.8倍程度。総合して中立〜やや割安寄りの範囲。
企業情報
| 銘柄コード | 5201 |
| 企業名 | AGC |
| URL | http://www.agc.com |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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