6363 酉島製作所(Torishima Pump Mfg.)分析レポート
注意:本資料は提供データの整理・分析であり、投資勧誘・助言を目的としたものではありません。事実関係と計数に基づき、価値判断に影響する表現は避けています。不明点は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要:産業用ポンプの大手。発電向け高効率ポンプで国内首位。中東の海水淡水化向けに強み。設計・製造から据付、EPC(ポンプ場)、整備・オーバーホール、再設計・部品アップグレード、コーティング、運転・保守支援まで提供。機械式シールや周辺機器も展開。風力関連のエンジニアリング、下水熱再利用なども取り組む。
- 事業構成:連結 売上比 ポンプ99%、他1%。海外売上比率62%(2025.3)。
- 上場:東証プライム/機械
- 本社:大阪府高槻市
- 従業員:2,017人、平均年齢38.7歳、平均年収651万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内ポンプ大手3社の一角。発電用高効率ポンプで国内首位。中東の淡水化(RO/大型ポンプ)に強み。
- 競争優位性:
- 大型・高効率ポンプの設計・製造技術、長年の実績
- EPCやアフターサービスまで一気通貫の提供能力
- 中東案件での実績・顧客基盤
- 課題:
- 受注産業特有の案件採算・為替影響のボラティリティ
- 原材料・部材コストや納期の外部環境影響
- 四半期単位では利益が振れやすい(為替差損計上等)
※具体的な市場シェア数値は公表資料に記載なし。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/重点:
- 海外展開強化(外需が売上の約66%:2026年3月期1Q)
- カーボンニュートラル分野:水素・アンモニア対応ポンプの研究開発・産学連携
- 生産性・生産能力の改善(設備投資・プロセス改善)
- ライフサイクル事業(保守・再設計・アップグレード)の強化
- 受注・受注残:
- 2026年3月期1Q受注高:2,184億円(前年同期比-9.6%)
- 受注残:1,062億円(同+4.4%)うち外需652億円
- 通期見通し(会社計画、変更なし):
- 売上高890億円、営業利益67億円、経常利益58億円、純利益43億円、EPS 161.42円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:大型ポンプの案件収益+長期の保守・オーバーホール・再設計等のライフサイクル収益。公共・インフラ・発電・水処理など景気に左右されにくい需要が基礎。
- 適応力:
- 原価・為替影響は受ける一方、設計力・高効率化需要・設備更新需要により中長期の需要は底堅いとの想定
- 再設計・アップグレードやコーティング等で既設設備の性能改善需要を取り込む
- 為替・材料価格・地政学リスクには留意(Q1で為替差損を計上)
5. 技術革新と主力製品
- 主力:発電用高効率ポンプ、海水淡水化向け大型ポンプ、マルチステージ・大形・特殊ポンプ、機械式シール(カートリッジ、スプリット等)
- 技術動向:
- 高効率・高信頼性設計、油圧部品のアップグレード、耐久性コーティング
- 水素・アンモニア対応ポンプのR&D推進
- EPC(ポンプ場)や風力関連エンジニアリングでのシステム対応力
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:2,040円
- 予想EPS:161.43円 → 予想PER:約12.6倍(会社公表値:12.63倍)
- 実績BPS:2,064.17円 → PBR:約0.99倍
- 配当:予想DPS 62円 → 予想配当利回り 約3.0%、予想配当性向 約39%
- EV/売上高:EV ≒ 592億 + 有利子負債185億 − 現金176億 ≒ 601億円、売上865億円 → 約0.69倍
- EV/EBITDA(LTM):約6.8倍(EBITDA 87.95億円前後)
- 相対評価(業界平均との比較):PER(12.6倍)・PBR(約1.0倍)は業界平均(PER 16.6倍、PBR 1.4倍)より低水準
7. テクニカル分析
- 価格帯:年初来高値2,495円、安値1,650円。現在はレンジ中腹(約46%地点)。
- 移動平均:50日線2,072円、200日線2,077円。株価2,040円は両線を僅かに下回る。
- 直近10日:高値・安値とも切り下がり気味(終値2,150円→2,040円、約-5%)。短期はやや弱含み。
- 信用動向:信用倍率6.24倍。信用買残は前週比4.3千株減でやや整理の動き。
8. 財務諸表分析
- 売上推移(連結、百万円)
- 2022/3:52,240
- 2023/3:64,659
- 2024/3:81,103
- 過去12か月:86,501(YoY +6.7%、3年CAGR 約18%)
- 収益性(LTM)
- 粗利:23,542(粗利率 約27.2%)
- 営業利益:5,449(営業利益率 約6.3%)← 2024/3は8.4%で、足元は低下
- 当期純利益:4,068(純利益率 約4.7%)
- EBITDA:8,795(EBITDAマージン 約10.2%)
- 2026年3月期1Q(単Q)
- 売上+13.5% YoY、営業利益209百万円(率 約1.0%)と低水準
- 為替差損672百万円計上で経常赤字、純損失△320百万円
- 効率性・資本
- ROE(実績):7.52%
- 自己資本比率:48.4%(期首)→ 50.5%(2025/6/30)
- 流動比率:2.37(直近Q)
- D/E:約33%(直近Q、有利子負債18.5bn、現金17.6bnでネット負債は僅少)
- キャッシュフロー:四半期CFは未作成(短信注記)。減価償却費は増加傾向(1Q:6.17億円)。
総じて、売上は拡大基調だが、直近は利益率が低下。為替影響・案件採算の管理が収益変動要因。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間62円予想(中間31円・期末31円)、利回り約3.0%、配当性向約39%
- 自社株買い:2025/5/14〜6/30に自己株式143,800株取得。自己株式は2,407,359株(発行株式の約8%)まで増加。
- 方針:安定配当を基本に、収益状況を踏まえて実施(詳細方針数値は短信に明記なし)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期は戻り売り優勢の局面。出来高は3ヶ月平均約10万株、直近10日平均約12万株。
- 投資家構成:浮動株約1,830万株、インサイダー約26%、機関投資家約32%(データ提供値)。
- 注目材料:
- 受注残の厚み(1,062億円)による売上見通しの一定の視認性
- 為替動向(Q1での営業外為替差損)
- 中東淡水化・インフラ更新需要の動向
- 水素・アンモニア対応ポンプのR&D進展
- 財務制限条項(経常損益が2期連続赤字にならないこと等)に関するリスク注記
11. 総評
- 需要環境は水・インフラ・発電・淡水化など構造的に底堅い一方、四半期ベースでは為替や案件採算で利益が振れやすい。LTMでは売上拡大(+6.7%)も、営業利益率は低下傾向。
- 財務基盤は自己資本比率50%前後、流動比率2.37、ネット有利子負債ほぼゼロで健全。
- バリュエーションは業界平均(PER・PBR)比で低水準。配当利回りは約3%で安定的。
- 直近株価は50日・200日線をやや下回り、短期的には弱含み。中期的には受注残の消化と利益率の回復、為替影響の推移が焦点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +6.7%、3年CAGR約18%と拡大。外需比率高く、受注残も高水準。
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率約6.3%、粗利率約27%。直近期は為替・採算で低下。業界比平均的と評価。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約50%、流動比率2.37、D/E約33%、ネット有利子負債ほぼゼロ。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER約12.6倍、PBR約1.0倍は業界平均(PER16.6倍、PBR1.4倍)を下回る水準。EV/S約0.69倍、EV/EBITDA約6.8倍。
参考データ(抜粋)
– 株価:2,040円/時価総額:約592億円
– 予想DPS:62円(利回り約3.0%)/予想EPS:161.43円
– 年初来高安:2,495円/1,650円
– 受注残:1,062億円(2025/6/30)
– 次回主なイベント:権利落ち予定 2026/3/30(会社公表)
企業情報
| 銘柄コード | 6363 |
| 企業名 | 酉島製作所 |
| URL | http://www.torishima.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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