内田洋行(8057)企業分析レポート

最終更新日: 2025-11-07
注記:本資料は公開データに基づく情報整理であり、投資助言を目的としません。数値は連結ベース。単位は特記なき限り百万円。

1. 企業情報

  • 概要:教育・官公庁・オフィス向けに、ICT機器・ネットワーク・基幹業務システムの設計/導入/保守、ソフトウェアライセンス、キッティング、クラウド導入、セキュリティ、会議室運用支援等のITソリューションと、オフィス/教育施設の空間設計・家具製造販売を一体で提供。教育教材、図書館ソリューション、研修、人材、賃貸など周辺事業も展開。
  • 事業構成(売上比率/営業利益率の目安):公共関連28%(6%)、オフィス関連18%(3%)、情報関連54%(2%)、その他0%(4%)(2025.7)
  • 特徴:「働く」「学ぶ」領域で、空間(家具・内装)とICT(SI/クラウド/運用)の統合提案に強み。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:教育・自治体ICT(GIGAスクール端末更新、自治体基幹システム標準化対応)と、オフィス空間×ICTの横断領域で実績が厚い。オフィス家具専業やSI専業と異なり、両機能を内製的に持つ点が差別化要素。
  • 競争環境(例):オフィス家具は大手専業(例:オカムラ、コクヨ)や内装各社、ICTはSI・ディストリ各社(例:大塚商会等)と競合。大規模更新サイクル期は案件獲得力・キッティング/運用体制が鍵。
  • 課題:大型更新需要の「山谷」への耐性(特需の反動)、人材確保と案件採算の平準化、ストック(サブスク/運用)収益比率の一段の引上げ。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方針:第17次中期計画(2025–2027)
    • 事業横断のリソース結集とSE再編強化
    • グループ共通販売管理システム導入・統合による生産性/統制高度化
    • 教育ICT・自治体標準化・クラウド/サブスク領域への重点投資
  • 具体施策:
    • PC更新・キッティングの高効率オペレーション
    • 会議室運用支援、ネットワーク/セキュリティ、ERPなどの運用・保守の拡大
    • 東名阪中心の大型オフィス/公共施設案件の深耕
  • 2026年7月期計画:売上418,000(+24.0%)、営業利益15,400(+26.5%)、純利益10,800(+9.9%)、EPS 1,096円(特別利益は前提に含まず)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:物販(端末・家具)×工事・SI×運用/保守/サブスクの組合せ。大型更新期は売上が膨らみやすいが、反動期の基盤需要は運用・サブスクが下支え。
  • 適応力:クラウド・サブスクリプション、会議/業務運用支援、IT資産管理・キッティングの継続需要への対応が進展。中計での基幹システム統合により案件管理・粗利管理の高度化を企図。
  • 留意点:GIGA更新・Windows10サポート終了等の特需ピーク(2025–2026年)後の平常化リスク。人員/在庫/売掛金の振れとキャッシュフロー管理。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術/サービス:クラウド移行・セキュリティ、ネットワーク設計・運用、業界特化ERP、会議室運用支援、PC更新・キッティング、ソフトライセンス/ITAM、教育ICT一式(端末・ネット・教材)。
  • 主力ドライバー(2025期):Windows10 EOLに伴う端末更新、GIGA端末更新と校務系クラウド化、自治体標準化対応。大型案件とサブスク伸長が情報関連の増収を牽引。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価 10,180円、予想EPS 1,096円、実績BPS 7,159.31円、時価総額 106,069
    • 予想PER:約9.29倍(= 10,180 / 1,096)
    • 実績PBR:約1.42倍(= 10,180 / 7,159.31)
    • EV/S:約0.24倍(EV≈80,669=時価総額106,069+有利子負債1,970−現金27,370、売上337,055)
    • 予想配当利回り:約2.95%(= 300 / 10,180)
  • 参考比較(業界平均):PER 12.1倍、PBR 1.0倍
    • PERは業界平均比で低位、PBRは平均超。ROE実績14.6%水準を踏まえた資本効率は一定。

7. テクニカル分析

  • 位置:終値 10,180円
    • 50日移動平均 11,341.6円(下回る)
    • 200日移動平均 9,195.2円(上回る)
  • 評価:中期トレンドは上向き維持、短期は50日線割れで調整基調。年初来高値 12,910円に対し約−21%、年初来安値 6,300円に対し約+62%の水準。直近10日では戻り鈍化・出来高は平準化。

8. 財務諸表分析

  • 成長(売上/利益)
    • 売上高:221,856(2022)→246,549(2023)→277,940(2024)→337,055(2025)と拡大(3年CAGR約14–15%)
    • 営業利益:7,895→8,441→9,351→12,174、純利益:4,477→6,366→6,996→9,825で増益基調
  • 収益性(2025期)
    • 粗利率:約15.5%(=52,387/337,055)
    • 営業利益率:約3.6%、経常利益率:約3.9%、純利益率:約2.9%
    • EBITDA:16,509、EBITDAマージン:約4.9%
  • 効率・安全性
    • ROE:14.59%、ROA:4.66%
    • 自己資本比率:40.3%、D/E:約2.8%(実質ネットキャッシュ)
    • 流動比率:1.43(運転資本増によりやや低下)
  • キャッシュフロー
    • 営業CF:549(前期4,850)。期末売上債権・在庫増が影響
    • 投資CF:▲1,027、財務CF:▲2,751、現金期末残高:23,071
    • 特別利益:投資有価証券売却益1,353(当期純利益の押上げ要因、一過性)
  • セグメント
    • 公共:売上92,781/利益5,240、自治体標準化・教育ICTが好調
    • オフィス:売上59,419/利益1,987、ハイブリッドワーク対応
    • 情報:売上183,661/利益4,591、端末更新・サブスク・大型案件が伸長

9. 株主還元と配当方針

  • 年間配当(2025期実績/2026期予想):各300円
  • 配当性向(2025期):約30%(連結)
  • 自己株式:期末自己株比率約5.37%
  • 5年平均配当利回り:2.52%
  • 備考:特別配当・自社株買いの新規方針は提示情報に記載なし

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落:+56.44%(β 0.02と低ボラティリティ)
  • 直近の値動き:10月末の11,000円台から調整し、50日線を下回る推移。10日平均出来高3.85万株で落ち着いた商い。
  • 信用動向:信用倍率3.26倍、買残+7,400株/売残−1,800株と買い越し拡大。短期的な需給の偏りには留意。

11. 総評

  • 2025期は教育・自治体・PC更新需要が収益を牽引し、売上・利益とも最高更新。中計では基盤の強化と運用/サブスク拡大で特需後の持続性を高める方針。
  • 収益性は業態水準並み(営業利益率3–4%台)だが、ROEは14%台と資本効率は良好。財務は実質ネットキャッシュで健全。一方、運転資本増による営業CFの伸び悩みには注意。
  • バリュエーションは予想PERで業界平均比低位、PBRは平均超。短期はテクニカルに調整局面、200日線上での推移が継続。今後は2026期ピーク想定後の需要平準化とストック収益の伸長が焦点。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A

根拠:LTM売上+21.3%、3年CAGR約15%、翌期ガイダンスも増収計画
– 収益性:B

根拠:粗利率約15.5%、営業利益率約3.6%と業態平均並み
– 財務健全性:A

根拠:自己資本比率40.3%、実質ネットキャッシュ、D/E低位、流動比率1.43
– 株価バリュエーション:A

根拠:予想PER9.3倍(業界12.1倍比で低位)、EV/S約0.24倍。PBRは1.42倍で平均超だが総合的に割安度合いが相対的に示唆
データ出所:決算短信(2025年7月期)、株価・指標(提示データ)
注:一過性損益(投資有価証券売却益等)は評価から除外。未公表・不明な項目は記載していません。


企業情報

銘柄コード 8057
企業名 内田洋行
URL http://www.uchida.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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