1. 企業情報

株式会社ブロードバンドセキュリティは、日本でITセキュリティサービスを提供している企業です。主にセキュリティ監査・コンサルティング、脆弱性診断、セキュリティ運用、緊急対応、教育・情報提供、マネージドサービス、デジタルフォレンジックなどの幅広いサービスを展開しています。SBIグループとの関連があり、クレジットカードデータのセキュリティ監視や情報漏えい対策にも強みを持っています。事業は単一セグメントのセキュリティサービス事業であり、2025年6月期の実績では情報漏えいIT対策サービスが売上全体の47%を占めており、次いでセキュリティ監査コンサルティングサービスと脆弱性診断サービスがそれぞれ26%を占めています。売上の90%以上が国内向けです。

2. 業界のポジションと市場シェア

ブロードバンドセキュリティ社は、DX化やクラウド利用の拡大、生成AIの登場などにより、サイバーセキュリティ需要が高まる市場で事業を展開しています。同社は、セキュリティの「上流(コンサルティング)から下流(運用)」までをカバーするフルラインアップのサービス提供体制を強みとしています。大株主として同業のグローバルセキュリティエキスパート(株)やSIerのIDホールディングスが名を連ねており、業界内での連携や競争関係が示唆されます。市場シェアに関する具体的な数値は開示されていません。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、営業戦略を「総合ソリューション提案」へと転換することを掲げています。これにより、セキュリティ監査・コンサルティング営業を強化し、脆弱性診断や情報漏えい対策サービスの拡充を推進している状況です。この戦略転換により、商談規模の拡大は図られるものの、案件のクロージングや精査に時間を要し、足元の売上計上が遅延していると説明されています。また、政府のサイバーセキュリティ強化や、金融分野をはじめとする関連ガイドラインへの対応支援も重点分野としています。

4. 事業モデルの持続可能性

サイバーセキュリティ市場は、DX推進やクラウドシフト、生成AIの普及に伴い、今後も高い成長が期待されています。ブロードバンドセキュリティ社は、これらの市場ニーズに対応するため、総合的なセキュリティソリューション提案へと事業モデルを転換しています。上流から下流まで一貫したサービス提供体制は、顧客の包括的なセキュリティ対策ニーズに応える点で持続可能性を支える要素と考えられます。ただし、戦略転換が短期的な売上計上遅延を招いている点は、今後の実績でその有効性を検証していく必要があります。

5. 技術革新と主力製品

具体的な技術革新に関する詳細な記述は確認できませんが、サイバーセキュリティの高度化に対応するためには、継続的な技術開発や最新脅威への対応が不可欠と考えられます。現在の収益を牽引している主力サービスは「情報漏えいIT対策サービス (47%)」であり、次いで「セキュリティ監査コンサルティングサービス (26%)」と「脆弱性診断サービス (26%)」が事業を支えています。

6. 株価の評価

現在の株価は1,384.0円です。
会社予想に基づくPER(株価収益率)は13.17倍です。業界平均PERが17.6倍であるため、これと比較すると現在の株価はPER基準では割安な水準にあります。
実績PBR(株価純資産倍率)は2.88倍です。業界平均PBRが1.6倍であるため、これと比較するとPBR基準では割高な水準にあります。
EPS(1株当たり利益)の2026年6月期予想は105.06円、BPS(1株当たり純資産)の2025年6月期実績は481.38円です。

7. テクニカル分析

現在の株価1,384.0円は、年初来高値1,603円、年初来安値1,200円のレンジ内で推移しています。
52週高値1,649.00円、52週安値1,200.00円と比較すると、現在の株価は安値圏からやや回復し、レンジの中央よりやや上の位置にあります。
直近の株価推移を見ると、10月下旬に1,500円台で推移していましたが、その後は軟調な動きを見せ、1,300円台半ばまで下落しました。直近ではやや回復し、50日移動平均線(1,299.92円)および200日移動平均線(1,332.04円)を上回る水準で推移しています。ただし、本日(2025年11月6日)の出来高は5,200株と、過去10日平均(16.45k株)や3ヶ月平均(11.53k株)を下回っており、取引は低調です。

8. 財務諸表分析

売上高・利益:

2025年6月期(非連結)は、売上高6,103百万円(前期比 -5.5%)、営業利益257百万円(前期比 -62.6%)、当期純利益142百万円(前期比 -68.7%)と、減収減益でした。
これは、営業戦略の転換に伴う案件の計上遅延が主な要因と説明されています。
一方、2026年6月期の会社予想では、売上高7,100百万円(前期比 +16.3%)、営業利益700百万円(前期比 +171.4%)、当期純利益460百万円(前期比 +222.3%)と、大幅な回復を見込んでいます。
売上総利益率は28.7%、営業利益率は4.22%でした。

キャッシュフロー:

営業活動によるキャッシュフローは102百万円と、前期の895百万円から大幅に減少しました。これは、営業成績の悪化が影響しています。投資活動によるキャッシュフローは△298百万円(投資有価証券の取得などによる)、財務活動によるキャッシュフローは△275百万円(短期借入金返済や自己株式取得などによる)でした。結果として、期末現金及び現金同等物は1,426百万円と、前期末から約500百万円減少しています。

経営効率・安全性指標:

ROE(自己資本利益率)は6.81%、ROA(総資産利益率)は4.05%でした。
自己資本比率は55.5%と前期の50.1%から改善しており、財務健全性は高い水準です。流動比率は1.96、有利子負債は総資産比で低く、D/Eレシオは18.08%と、短期的・長期的な支払い能力も良好です。

9. 株主還元と配当方針

配当については、2024年6月期の実績10.00円、2025年6月期の実績15.00円と増配傾向にあります。
2026年6月期の会社予想は年間16.00円の配当を見込んでおり、現在の株価に対する配当利回り(会社予想)は1.16%です。
配当性向は、2025年6月期実績で46.3%であり、2026年6月期予想では15.3%まで低下する見込みです(利益予想の増加による)。
自社株買いは、決算短信の財務活動によるキャッシュフローの項目で「自己株式の取得による支出」が記載されており、株主還元策の一つとして実施実績があることが示唆されます。会社は自己株式を2.55%保有しています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価は直近で軟調に推移し、レンジの上限から調整してきています。直近の出来高は低水準であり、投資家の関心は一時的に低下している可能性があります。信用取引では、信用買い残が103,400株ある一方で、信用売り残は0株となっており、信用倍率は0.00倍です。これは、短期的な売り圧力が少ないことを示唆していますが、出来高の低さも相まって、株価の大きな変動要因は現時点では見えにくい状況です。主な株価への影響要因としては、2025年6月期の減益決算が短期的にはネガティブに作用した可能性がありますが、2026年6月期の大幅な業績回復予想の実現性が今後の株価を左右するでしょう。

11. 総評

ブロードバンドセキュリティは、高まるサイバーセキュリティ需要を背景に、総合的なソリューション提供へと事業戦略を転換している企業です。2025年6月期は、この戦略転換に伴う案件の計上遅延により、大幅な減収減益となりましたが、財務体質は自己資本比率55.5%と非常に健全です。2026年6月期には売上高・利益ともに大幅な回復を見込んでおり、特に利益は前期比で2倍以上の成長を計画しています。現在の株価は、PERでは業界平均を下回る水準ですが、PBRでは上回っています。配当については増配傾向が続いており、株主還元への意識も持ち合わせています。今後は、新たな営業戦略がどれだけ早く、安定的に収益に結びつくかが、同社の業績と株価を評価する上での重要なポイントとなるでしょう。

12. 企業スコア

  • 成長性: C
    • LTM売上成長率(YoY)は-6.10%と減少傾向を示しています。ただし、2026年6月期の会社予想では売上高+16.3%と大幅な回復を見込んでいます。
  • 収益性: C
    • 2025年6月期の営業利益率は4.22%と、前期比で大幅な減益となりました。来期は大幅な回復予想が出ていますが、直近の実績は一時的に収益性が低下している状況です。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率55.5%、流動比率1.96、Total Debt/Equity 18.08%といずれも非常に健全な水準を維持しており、財務基盤は強固です。
  • 株価バリュエーション: B
    • PER(会社予想13.17倍)は業界平均17.6倍を下回り割安感がありますが、PBR(実績2.88倍)は業界平均1.6倍を上回り割高感があります。両指標を総合的に判断すると、中立的な評価となります。

企業情報

銘柄コード 4398
企業名 ブロードバンドセキュリティ
URL https://www.bbsec.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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