協立情報通信(3670)企業分析レポート

東京証券取引所スタンダード市場に上場する協立情報通信(3670)について、以下の通り分析します。

1. 企業情報

協立情報通信株式会社は、情報通信機器を提供する企業です。NTTドコモの販売代理店運営も手掛けており、主力事業は「ソリューション事業」と「モバイル事業」の二本柱で構成されています。
ソリューション事業では、法人顧客向けに企業の基幹業務をデジタル化支援するDXソリューション、クラウド導入支援、内線電話対応やネットワーク改善などの情報インフラ構築・更新支援、情報コンテンツおよび情報活用に関する幅広いサービスを提供しています。主要なパートナーとしてはNTTドコモ、日本電気(NEC)、オービック、Microsoft、サイボウズなどがあります。具体的なサービス例として、モバイルデバイス管理ソリューション「Anshin Manager/CLOMO」、ビジネスチャット「WowTalk」、電子契約サービス「Cloud Sign」、業務改善プラットフォーム「kintone」、奉行クラウド基幹業務システムなどがあります。
モバイル事業では、法人向けにスマートフォン・タブレットなどの端末販売、サポート、料金プランコンサルティング、契約仲介、アフターサービスを提供するとともに、コンシューマー向けにも店舗販売を展開しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

協立情報通信は、国内の情報通信・サービス業界において、NTTドコモを主要パートナーとするモバイル通信関連サービスと、法人向けICTソリューションを組み合わせた事業を展開しています。情報システム構築から運用、モバイル端末販売までを一貫して手掛けることで、顧客の多様なニーズに対応できる点が強みです。特にDX需要の高まりやクラウドシフトを背景に、基幹業務システムのクラウド導入支援などで競争優位性を構築しています。モバイル事業では、NTTドコモの強力なブランド力を背景に安定的な顧客基盤を維持していますが、端末高価格化や通信事業者の施策変更、端末買い替えサイクルの長期化など、市場環境の変化への適応が課題となる可能性があります。具体的な市場シェアのデータは提示されていませんが、特定分野での専門性とパートナーシップが同社の立ち位置を支えています。

3. 経営戦略と重点分野

同社は「中期経営計画2025」を掲げ、主要戦略として「事業別ポートフォリオの再構築」「継続収益の拡大」「サステナビリティ推進」の3点を重視しています。
具体的な施策としては、主要パートナーとの連携を強化し、奉行クラウドのような経営情報ソリューションの展開を加速させています。また、ソリューション事業とモバイル事業の連携を強化し、相互の顧客基盤を活用したクロスセルを推進しています。顧客体験価値の向上と共創を目指す「協立情報コミュニティー」の立ち上げや、人材育成のための「ソリューションスクール」の実施など、持続的な成長に向けた基盤強化にも注力しています。第1四半期の決算からは、ソリューション事業におけるDX支援やPBX更改からの提案強化、モバイル事業での法人向けサービスや店舗運営の戦略的見直しが進められていることがうかがえます。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、法人向けのICTソリューションとモバイルサービスという、現代社会に不可欠なインフラ・サービス提供が中心であり、持続可能性が高いと考えられます。ソリューション事業では、企業のDX投資やクラウド化の需要は今後も継続すると見込まれており、サブスクリプション型のクラウドサービス導入支援などを通じた継続収益の拡大を図っています。モバイル事業は法人向けサービスに強みを持ち、安定した収益源となっていますが、市場の競争激化や端末販売環境の変化に適応するための戦略的な対応が必要です。両事業の連携を強化することで、顧客の囲い込みと高付加価値サービスの提供を目指しており、収益安定と成長のバランスを追求する姿勢が見られます。

5. 技術革新と主力製品

同社は特定の先進技術の開発元というよりは、多岐にわたるベンダーの技術や製品を顧客に適した形で導入・運用支援するインテグレーターとしての側面が強いです。主力製品・サービスは、モバイルデバイス管理の「Anshin Manager/CLOMO」、ビジネスチャットの「WowTalk」、電子契約の「Cloud Sign」、クラウド型業務システム「kintone」、そしてオービックビジネスコンサルタントによる「奉行クラウド」シリーズなどが挙げられます。これらは顧客の働き方改革や業務効率化、DX推進を支援するソリューション群であり、常に最新のクラウド技術やソフトウェアを導入・提案することで、顧客のニーズに応えています。自社での直接的な技術開発動向に関する具体的な情報よりも、最適なソリューションの組み合わせと提供力に独自性があります。

6. 株価の評価

現在の株価2,068.0円に対し、2026年3月期会社予想EPS 213.72円に基づくPERは9.68倍となっています。情報・通信業の業界平均PERが17.6倍であることを考慮すると、現在のPERは業界平均と比較して割安な水準にあります。
また、実績PBRは1.17倍であり、業界平均PBR1.6倍よりも低い水準です。
これらの指標から判断すると、現在の株価は業界平均と比較して割安感があると言えます。

7. テクニカル分析

直近の株価は、2025年10月下旬の1,920円台から、2025年11月上旬にかけて2,000円台まで上昇しています。本日の終値は2,068円であり、直近10日間の高値2,095円(2025年11月6日)に近く、短期的な上昇傾向が見られます。
50日移動平均線2,115.12円と比較すると、現在の株価はほぼ同水準にあり、200日移動平均線1,856.53円を上回っています。年初来高値が3,750円、年初来安値が1,465円であることを考えると、現在の株価は中間程度の位置にあり、特に高値圏または安値圏にあるとは断定しにくい状況です。短期的には底値からの回復傾向が見られるものの、出来高は減少傾向にあり、モメンタムの持続性には注意が必要です。

売上高・利益の推移

売上高は、2021年3月期の約45億円から2024年3月期の約54.7億円まで増加しましたが、直近12か月(2025年3月期扱い)では約44.8億円に減少しています。ただし、2026年3月期第1四半期決算では前年同期比で売上高が+5.5%増加しており、通期の会社予想では50億円(前期比+11.7%)と回復を見込んでいます。
営業利益は、2023年3月期の約1.6億円から2024年3月期には約2.8億円へ改善し、直近12か月では約3億円に伸長しています。特に2026年3月期第1四半期では前年同期比+462.8%と大幅な利益増加を達成しており、利益率も改善傾向にあります。
純利益は同様に2023年3月期の約1.15億円から2024年3月期の約2.58億円へと大幅に増加しました。直近12か月では約1.7億円となっていますが、2026年3月期第1四半期では前年同期比+559.2%と非常に高い伸びを示しています。通期予想では2.56億円(前期比+49.0%)を見込んでいます。

収益性指標

売上総利益率は、過去のデータで30%台半ばから後半で推移していますが、2026年3月期第1四半期では約44.9%と顕著な改善が見られます。
営業利益率は、過去12か月で6.7%、2026年3月期第1四半期では約9.3%と、情報・通信業界の平均水準と比較しても良好または改善傾向にあります。ROE(実績)は8.27%と、資本効率も一定の水準を保っています。

財務健全性

自己資本比率は66.3%(2025年1Q末は66.6%)と非常に高く、財務基盤は極めて安定しています。
流動比率も2.74倍(2025年1Q末は305%)と高く、短期的な支払い能力に全く問題はありません。
現金及び預金は2025年1Q末で15.27億円と前期末から増加しており、資金繰りも良好な状態がうかがえます。負債も少なく、極めて健全な財務状況にあると言えます。

9. 株主還元と配当方針

同社は、安定的な配当を重視する姿勢が見られます。2025年3月期の年間配当実績は55.00円であり、2026年3月期の年間配当予想も同額の55.00円です。現在の株価2,068.0円に基づく配当利回りは2.66%であり、情報・通信業としては比較的高水準です。
配当性向は38.34%と、利益の約4割を株主還元に充てる方針であり、無理のない範囲で配当を継続していると評価できます。自社株買いについては、自己株式として7,700株を保有しているものの、直近で大規模な発表はありません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は、2025年10月下旬から11月上旬にかけて上昇基調にあります。ただし、平均出来高は3ヶ月平均で1.78万株、直近10日平均で4.13千株と低水準で推移しており、市場の注目度はそれほど高くない可能性があります。
信用買残は53,800株と一定量ありますが、信用売残は0株であり、信用倍率も0.00倍となっています。これは需給面で売り圧力が極めて低いことを示唆しています。
株式の約68.79%をインサイダー(主要株主、経営陣など)が保有しており、浮動株が少ない(Float: 369,760株)ため、少ない出来高でも株価が変動しやすい特性があります。今後、業績改善の兆しが明確になることで、再度市場の関心を集める可能性があります。

11. 総評

協立情報通信は、法人向けICTソリューションとモバイル事業を両輪として事業を展開しており、DX需要の取り込みと継続収益モデルの構築を進めています。直近の売上高は一時的に減少したものの、2026年3月期第1四半期では増収増益を達成し、通期でも大幅な増収増益を見込んでおり、業績は回復基調にあります。特に利益率の改善が顕著です。財務体質は自己資本比率66%超、流動比率300%超と極めて健全であり、安定した経営基盤を持っています。株価の評価では、PER、PBRともに業界平均と比較して割安感がある水準です。株主還元は安定配当を継続しており、利回りも一定水準あります。ただし、浮動株が少ないため出来高は低く、市場での注目度はまだ限定的です。業績の回復が持続し、モメンタムが強まれば、これらの割安感が解消される可能性があります。

12. 企業スコア

  • 成長性:B
    • LTM売上高は前年度比で減少しているものの、2026年3月期第1四半期では前年同期比+5.5%と回復傾向にあり、2026年3月期通期会社予想でも+11.7%の増収を見込んでいます。過去数年の売上推移に変動があるため、現時点では中立評価とします。
  • 収益性:B
    • 過去12か月の営業利益率は6.7%ですが、2026年3月期第1四半期では約9.3%と大幅な改善が見られ、業界平均と比較しても良好な水準にあります。ただし、通期予想の営業利益率が7%台であること考慮し、現時点では中立的ながら改善傾向を評価します。
  • 財務健全性:S
    • 自己資本比率66.3%、流動比率2.74倍(第1四半期末305%)と、極めて高い水準にあります。現金及び預潤も豊富で、負債も少なく、財務健全性は非常に優れていると評価できます。
  • 株価バリュエーション:S
    • 会社予想PERは9.68倍と業界平均17.6倍を大きく下回り、PBRも1.17倍と業界平均1.6倍を下回っています。PER、PBRともに業界平均と比較して割安感があり、高い評価とします。

企業情報

銘柄コード 3670
企業名 協立情報通信
URL http://www.kccnet.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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