四電工(1939)企業分析レポート
株価: 1,386円(2025-11-07終値)
市場: 東証プライム/建設業
時価総額: 675.9億円
1. 企業情報
- 概要: 四国電力系の総合設備工事会社。配電・送電、電気・計装、空調・管、情報通信工事を主力とし、リース事業や太陽光発電(売電)、CADソフト販売、指定管理等も展開。
- セグメント構成(売上/営業利益・2026年3月期上期)
- 設備工事: 売上 40,807百万円、セグ利益 2,771百万円
- リース: 売上 873百万円、セグ利益 132百万円
- 太陽光発電: 売上 1,280百万円、セグ利益 619百万円
- その他: 売上 642百万円、セグ利益 113百万円
- 特徴: 四国電力向けの案件比率が高く(受注の47.8%)、地域密着と高い安全・品質管理に強み。四国外市場の開拓も推進。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 電力系工事で安定需要を持つ地域大手。受配電や送電、設備更新・保守等のストック性案件に一定の強み。
- 競争優位性:
- 電力会社グループとの長期取引による安定受注・高い信用力
- 複合設備(電気・計装・空調・通信)を一貫で担える施工力
- 受注残・受注高が過去最高水準(上期 受注 55,753百万円、受注残 60,670百万円)
- 課題:
- 資機材価格上昇、人手不足による原価・工程管理の難易度上昇
- 四国電力グループ向け依存(4~5割)による需要偏重リスク
- 首都圏等での競合激化
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針(短信記載・骨子):
- 受注確保と原価管理の徹底、施工力の最適配備により収益力を維持
- 四国外の市場開拓と再エネ関連の継続
- 中期的重点領域(推察含む開示情報ベース):
- 電力インフラ更新・防災/レジリエンス関連
- 省エネ/再エネ(太陽光発電、需要家設備の高効率化)
- 情報通信・計装(DX関連設備、ネットワーク更改)強化
- 人材確保・技能継承、BIM/CIM等の施工効率化(会社資料言及は限定的)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 受注工事の出来高計上が中心。配電・保守系の安定需要と、案件ミックス改善・原価管理で収益性を維持。太陽光は固定的な売電収入で利益率が高く、全社利益の平準化に寄与。
- 適応力:
- 受注残の積み上がりにより短期的な売上の視認性は高い
- 資材高・人手不足には発注者協議、設計VE、工期/人員の平準化などで対応
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:
- 配電・送電の専門性(安全・停電最小化施工など)と計装・空調を含む総合施工力
- CADソフト販売や情報通信工事でのICT活用
- 収益牽引:
- 設備工事が売上の柱(構成比約95%)
- 太陽光発電は売上比は小さいが高採算(上期セグ利益の約17%を寄与)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- EPS(会社予想): 105.70円、BPS(実績): 1,408.22円
- PER(予想): 13.11倍(業界平均 14.0倍)
- PBR(実績): 0.98倍(業界平均 1.1倍)
- EV/Sales(概算・LTM):
- EV ≈ 時価総額 675.9億 + 有利子負債 55.9億 − 現金等 134.8億 ≈ 597億円
- 売上高(LTM)≈ 1,058.8億円 → EV/S ≈ 0.56倍
- コメント: 業界平均比でPER/PBRともやや低位。純現金基調でEV/Sも低水準。
7. テクニカル分析
- トレンド: 終値 1,386円は50日線 1,369円、200日線 1,332円を上回る。中期的には上向き基調。
- レンジ: 52週高値 1,637円/安値 1,076円。現在はレンジ中位~やや上側。
- モメンタム:
- 直近10日平均出来高(約21万株)が3カ月平均(約13.9万株)を上回る
- 信用買い残増(+91.6千株)、信用倍率 46.5倍と高水準で、需給の偏りに留意
8. 財務諸表分析
- 売上/利益(連結・百万円)
- 売上高: 2022/3 92,647 → 2023/3 89,120 → 2024/3 92,112 → 過去12か月 105,877
- 営業利益: 5,416 → 4,971 → 6,444 → 8,073
- 親会社純利益: 3,779 → 3,764 → 4,571 → 5,173
- 収益性(LTMベース目安)
- 粗利率 ≈ 17.4%(18,383/105,877)
- 営業利益率 ≈ 7.6%(8,073/105,877)
- 当期純利益率 ≈ 4.9%(5,173/105,877)
- EBITDA ≈ 9,923百万円(EBITDAマージン ≈ 9%台)
- 成長:
- LTM売上は前年比2桁増(約+15%)だが、2026/3期上期は大型案件反動で減収(-12.1%)。通期予想は売上 1,000億円(-5.6%)。
- 受注・受注残は過去最高水準で先行きの下支え。
- 効率/資本
- ROE: 7.9~8.2%前後、ROA: 約4.9%
- 自己資本比率: 65.1%(期首)→ 上期末 72.0%
- 流動比率: 約267%、D/E(簿価)低位(Debt/Equity ≈ 8.4%)
- キャッシュフロー: 現金等 134.8億円、総負債 55.9億円で実質ネットキャッシュ。営業CFの詳細は未開示。
9. 株主還元と配当方針
- 配当予想: 年間 65円(中間 32円、期末 33円)、予想配当利回り 約4.69%
- 配当性向: 約59%(予想EPSベース)
- 自己株式: 約2.94%保有。自己株買いの方針は短信に明記なし。
- 参考: 5年平均配当利回り 4.01%(現状はこれを上回る水準)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落: -8.0%(1年前比)。一方、50日・200日移動平均上では堅調転換の兆し。
- 出来高: 直近は増加傾向。信用買いが積み上がっており、イベント時の価格変動に注意が必要。
- ステークホルダー: インサイダー・グループ保有が厚く(約41%)、フロートは約2,508万株でタイト。
11. 総評
- 受注残・受注高の積み上がり、電力インフラの安定需要、太陽光の高採算が収益基盤を支える。一方、資材・人件費、労務リスク、四国電力向け依存のバランスは注視点。
- 業績はLTMで増収増益トレンドだが、今期は大型案件反動で減収予想。受注残の消化と原価管理が鍵。
- バリュエーションは業界平均比で中立~やや低位。財務健全性は高く、配当利回りは歴史的平均を上回る水準。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上+約15%と伸長。3年CAGRは中位(約4~5%)。今期は反動で減収見通しだが受注残は最高水準。
- 収益性: A
- 根拠: 営業利益率7~8%台、粗利率17~19%台。電設工事業の水準感を上回るレンジ。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率72%(上期末)、流動比率約267%、実質ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: PER 13.1倍・PBR 0.98倍と業界平均比でやや低位、EV/S ≈ 0.56倍。
参考データ
– 2026年3月期上期(4-9月): 売上 43,603百万円(-12.1%)、営業利益 3,635百万円(-20.0%)、純利益 2,659百万円(-3.1%)
– 通期会社予想: 売上 100,000百万円、営業利益 7,000百万円、純利益 5,000百万円、EPS 105.70円
– テクニカル: 50日線 1,369円、200日線 1,332円、年初来高値 1,637円/安値 1,076円
– 配当: 年間 65円(予想)、配当利回り 約4.69%、権利落ち予定 2026-03-30
注記
– 本資料は公開情報に基づく定量・定性分析であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。
– 数値はLTM/会社予想/短信ベース等が混在するため、時点差に伴う乖離があり得ます。詳細は会社開示をご確認ください。
企業情報
| 銘柄コード | 1939 |
| 企業名 | 四電工 |
| URL | http://www.yondenko.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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