1. 企業情報
- 概要:2003年に日商岩井とニチメンが統合した総合商社。自動車、航空・社会インフラ、化学、金属・資源・リサイクル、エネルギー・ヘルスケア、生活産業、リテールなど多角展開。航空機ビジネスや自動車流通、化学などに強み。持分法で鉄鋼・LNG案件も保有。
- 事業構成(連結・概略):金属19%、化学23%、生活11%、リテール17%、他30%(かっこ内は参考利益率の目安データ)。海外売上比率57%(2025.3期)。
- 基本情報:プライム市場上場、従業員26,206人、平均年齢41.0歳・平均年収1,274万円。所在地:東京都千代田区内幸町。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界位置付け:大手総合商社グループの一角(双日)。三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅、住友商事などの上位と比較すると規模は中堅クラス。
- 特徴/優位性
- 航空・社会インフラ分野での知見(航空機・防衛関連、リース/アセット入替え)。
- 中南米などでの自動車流通・販売網。
- 化学分野の投資拡大やLNG・省エネ関連の収益寄与。
- 課題
- 金属・資源は市況影響が大きく、石炭などの価格下落局面で減益になりやすい。
- 資産規模に対して自己資本比率31.4%と中立水準、D/E(総負債/資本)もやや高めで、資本効率と財務バッファのバランス管理が重要。
- 市場シェア:総合商社は多角・非同質市場の集合体で単一のシェア指標は定義困難(公表データも限定的)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針(中期経営計画2026の要旨)
- 収益基盤の安定化:市況依存度の高い資源分野のリスクを抑えつつ、航空・社会インフラ、エネルギー・ヘルスケア、化学、モビリティ等の非資源領域を拡大。
- ポートフォリオの高度化:選択と集中、持分再編・売却益を伴うアセット入替え、持分法投資の活用。
- キャッシュ創出と還元の両立:基礎的営業CFの約3割を株主還元に充当、DOE 4.5%を基本とした累進配当方針。自己株取得・消却も実施(2025年8月 1,500万株消却)。
- 重点分野(直近実績からの示唆)
- 航空・社会インフラ:防衛・航空機関連の拡大、貨車リース事業の一部売却益などで利益貢献。
- エネルギー・ヘルスケア:省エネ関連の新規連結、LNGの寄与。
- 化学:新規投資案件の収益寄与開始。
- 自動車:中南米の販売が貢献。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:トレーディング(薄利多売)+事業投資(持分法/配当/売却益/運営利益)の組合せ。多角化によりリスク分散。
- 適応力
- 市場環境:エネルギー転換(LNG・省エネ)、防衛・航空需要、モビリティの地域分散など構造的テーマに沿った投資を拡大。
- リスク管理:市況依存部門(石炭等)でのボラティリティは懸念だが、アセット入替え・非資源強化でバランスを図る方針。
- キャッシュフロー:営業CFは黒字(過去12か月 約700億円)だが、投資CFが先行しLFCFはマイナス。成長投資の進捗と回収タイミングのモニタリングが要点。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 技術/独自性:自社での基礎研究開発よりも、外部の技術・事業へ出資・提携しバリューチェーンを構築するモデル。航空・社会インフラのアセット運用、省エネ/エネルギーソリューション、化学素材のサプライチェーン最適化など。
- 収益ドライバー(直近)
- 航空・社会インフラ:防衛・航空機関連、リース資産の入替え効果。
- エネルギー・ヘルスケア:LNG、省エネ関連の拡大。
- 化学:新規投資案件の寄与。
- 金属・資源:石炭市況下落で減益。
6. 株価の評価(バリュエーション比較)
- 株価:4,201円、時価総額:約8,822億円
- 会社予想EPS:549.78円 → 予想PER:7.64倍(業界平均PER:12.1倍)
- 実績BPS:4,712.26円 → PBR:0.89倍(業界平均PBR:1.0倍)
- 参考比較
- 予想PERは業界平均比で低位(ディスカウント)。
- PBRも業界平均比で低位。
- ROE(実績)約11.7%と自己資本利益率は二桁台。PBRとの関係では、資本コスト・成長率前提により解釈が分かれるため相対比較に留意。
- 補助指標(概算)
- EV/Sales(LTM):約0.78倍(EV≒時価総額8,822億+純有利子負債約1.07兆円、売上約2.51兆円)
- 配当利回り(会社予想):3.93%、予想配当性向:約30%
7. テクニカル分析(足元)
- トレンド:終値4,201円は50日線(約4,000円)、200日線(約3,582円)を上回る上昇トレンド局面。
- レンジ:年初来高値4,280円に接近(約1.9%下)。直近10日では4,100~4,230円でのもみ合い。
- 出来高:直近出来高は3カ月平均(約125万株)と10日平均(約176万株)をやや下回る日もあり、上値追い局面でのエネルギー観察が必要。
- 信用動向:信用買残増(+19.1万株)、信用倍率11.2倍。買い残の積み上がりは短期需給の振れに影響し得る。
8. 財務諸表分析(LTM中心)
- 売上高:約2.51兆円(前年比+3.9%)、3年CAGR約+6%(2022→LTM)
- 粗利:約3,468億円、粗利率約13.8%(改善傾向)
- 営業利益:約757億円、営業利益率約2.4~3.0%(前年より低下)
- 親会社株主に帰属する純利益:約1,106億円、純利益率約4.4%(改善)
- ROE:約11.4~11.7%、ROA:約1.46%
- キャッシュフロー:営業CF約700億円、LFCFはマイナス(投資先行)
- 財政状態:自己資本比率31.4%、流動比率1.58倍、総有利子負債約1.27兆円、現金等約2,000億円、ネット有利子負債約1.07兆円。利払い負担はあるが、EBIT/利息費用カバレッジはおおむね複数倍水準。
- セグメント(2026年3月期上期)動向の抜粋
- 増益:航空・社会インフラ、エネルギー・ヘルスケア、化学
- 横ばい:生活産業、リテール
- 減益:金属・資源(石炭市況下落)
9. 株主還元と配当方針
- 配当方針:DOE 4.5%を基本とする累進配当。中計期間の基礎的営業CFの約3割を株主還元に充当。
- 配当実績/予想:年間165円(中間82.5円・期末82.5円予想)、予想配当性向約30%、予想利回り約3.93%。5年平均利回り4.19%に対し、株価上昇により足元は相対的に低下。
- 自社株還元:2025年5月の自己株式取得決議後、2025年8月に1,500万株を消却。期末発行済株式数2.10億株、自己株式約194万株。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:約+33%(β 0.54)。指数対比で相対堅調。
- 直近の変動要因(会社開示より)
- プラス:防衛・航空関連、LNGや省エネ関連の寄与、新規投資の収益化、アセット売却益。
- マイナス:石炭市況下落の影響。
- 投資家動向の示唆:信用買残の増加や出来高推移から個人投資家の関心は継続。機関投資家保有比率は約37%(参考データ)。
11. 総評(要点の整理)
- 収益面では、粗利率改善・純利益の安定に加え、航空・社会インフラ、エネルギー・ヘルスケア、化学が牽引。一方で資源市況の逆風で金属・資源は減益。
- 財務面は、自己資本比率31%台・D/E高めだが流動性は1.6倍、利息カバレッジも確保。投資先行でLFCFはマイナスのため、資産入替え・回収の進捗が重要。
- 株主還元はDOE/累進配当を軸に、自己株取得・消却も実行。予想利回りは約3.9%。
- バリュエーションは業界平均比でPER/PBRともディスカウント。株価は移動平均線上で推移し、52週高値圏に近い水準。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +3.9%、3年CAGR約+6%、四半期売上成長+4.9%。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率2.4~3.0%、純利益率約4.4%、ROE約11.5%。総合商社平均と同程度のレンジ。
- 財務健全性:B
- 根拠:自己資本比率31.4%、流動比率1.58倍、D/E約124%。健全ではあるが自己資本比率40%超には満たず中立評価。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:予想PER 7.64倍、PBR 0.89倍と業界平均比でディスカウント。EV/Sも低位水準。
参考データ
– 株価関連:年初来高値4,280円・安値2,689円、50日移動平均約3,999円、200日移動平均約3,582円。
– 会社予想(通期):親会社株主に帰属する当期利益1,150億円、EPS約551円、年間配当165円(修正なし)。
– 主なリスク:為替、コモディティ市況、規制・関税、投資回収リスクなど(会社開示より)。
ご要望があれば、同業他社(大手総合商社)との定量比較やセグメント別KPIの深掘り、DCF/配当モデルによる感応度分析も整理可能です。
企業情報
| 銘柄コード | 2768 |
| 企業名 | 双日 |
| URL | http://www.sojitz.com/jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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