1. 企業情報

  • 概要:プロネクサス(7893)は、上場企業や金融機関向けにディスクロージャー(法定開示)・IR支援を提供する専業大手。招集通知や有価証券報告書などの制作・印刷、開示書類作成のアウトソーシング(BPO)、英文開示、IFRS対応、IRサイト・動画制作、イベント運営支援、データベース提供などを展開。自社の電子開示支援プラットフォーム「PRONEXUS WORKS」群(WORKS、WORKS-i、WORKS-Core)やE-IR等に強み。事業の季節性が強く、利益は上期(特に1Q)に偏重。
  • 事業構成(2025.3):上場会社ディスクロージャー関連40%、上場会社IR・イベント等34%、金融商品ディスクロージャー関連22%、データベース関連3%
  • 市場区分:東証プライム/33業種「その他製品」
  • 従業員:1,699人、平均年齢43.4歳、平均年収723万円
  • 本社:東京都港区海岸1-2-20 汐留ビルディング

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:上場企業向けディスクロージャー・IR支援の専業上位プレイヤー。開示制作×BPO×システム(電子開示支援)を垂直統合で提供できる点が特徴。総合印刷大手やタカラトミー(注:同業はタカラ・エーアンドシー(旧タカラ印刷、証券コード7921)など)と競合領域が一部重なるが、専業としてのアプリケーション(WORKSシリーズ)と開示オペレーションの知見が強み。
  • 競争優位性:
    • 電子開示・IFRS・英文同時開示対応の運用ノウハウとBPO体制
    • 法令・規制対応の積み上げと顧客基盤(上場企業、運用会社など)
    • システムと制作・運用をワンストップ提供
  • 課題:
    • 電子提供制度の進展に伴う紙媒体ページ数の構造的減少
    • 市況・規制・IPO件数など外部要因の影響
    • 翻訳や制作の一部が価格競争化しやすい

3. 経営戦略と重点分野

  • 戦略の方向性(短信・開示内容より)
    • プライム企業の「日英同時開示」義務化に対応した英文翻訳・同時運用の強化
    • 開示書類作成のBPO拡大(業務効率化ニーズ取り込み)
    • IRサイト・動画、イベント運営支援の拡大(子会社シネ・フォーカスの受注伸長)
    • データベース・SaaS的サービスの単価改定と新規導入拡大
    • 既存顧客へのクロスセル(開示→IR→イベント→翻訳→DB)
  • 2026年3月期の会社計画(据え置き)
    • 通期:売上収益318億円(+2.6%)、営業利益28億円、親会社帰属利益18億円、EPS 70.56円
    • 1Q進捗:売上119.4億円(+1.2%)、営業利益31.7億円(-2.0%)。前年の投資売却益反動で税前・純利益は減少

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:制作・印刷・BPOの案件収入+システム・データベース等の継続課金を組み合わせるハイブリッド。株主総会・有報などのシーズナリティが強く、上期偏重。
  • 構造変化への適応:
    • 紙のページ数減少は進むが、個人株主増による部数増や電子化支援サービスで補完
    • 英文同時開示義務化など規制変更は需要押し上げ要因
    • BPO化・デジタルツール化で単価維持・効率化を志向

5. 技術革新と主力製品

  • 主力・独自性:PRONEXUS WORKS群(開示ドキュメント制作支援)、E-IR(自動更新)、IFRS開示支援、翻訳、スマート招集、IRサイト制作・動画、イベント運営支援
  • 技術動向:電子開示・同時開示対応やテンプレート・ワークフローの高度化、DB連携による省力化。1Qは英文翻訳・イベント受注が拡大。

6. 株価の評価(バリュエーションの目安)

  • 前提:株価1,083円、EPS(会社予想)70.56円、BPS 1,037.98円、時価総額300億円
  • PER(予想):15.35倍(業界平均14.5倍比でやや上)
  • PBR(実績):1.04倍(業界平均1.3倍比で低位)
  • EV/S(LTM概算):EV ≒300−112.7+23.4=約210億円、売上311億円 → 約0.68倍
  • 参考レンジ(単純計算)
    • 業界平均PER×予想EPS:14.5×70.56 ≒ 1,022円
    • 業界平均PBR×BPS:1.3×1,038 ≒ 1,349円
  • コメント:収益性・ROEが一時的要因で低下する一方、PBRは1倍前後で資産面の下支えは確認できる。PERは業界平均と同程度〜やや上の水準。

7. テクニカル分析

  • 現在値は50日線(約1,113円)、200日線(約1,168円)を下回り、モメンタムは弱め
  • 52週レンジ:1,061〜1,375円の下限近辺(現在値は安値比+約2%)
  • 直近10日:1,080〜1,103円中心の狭いレンジ、出来高は3カ月平均(約2.8万株)を下回る日が多い
  • 信用動向:信用買残増、倍率11倍で買い長。短期的には需給の影響に留意

8. 財務諸表分析

  • 売上推移(連結)
    • 2022/3:261億円
    • 2023/3:268億円(+2.5%)
    • 2024/3:301億円(+12.4%)
    • 過去12ヶ月:310億円(+2.9%)
    • 3年CAGR(2022→LTM):約+5〜6%
  • 収益性(単年度を基準)
    • 2024/3:粗利率約36.7%、営業利益率約8.1%、EBITDA率約17.4%
    • 2026/3 1Q:営業利益率約26.5%(季節性と繁忙期効果)
    • LTMの純利益は一時要因の反動影響で低下(Profit Margin -1.81%)。会社は通期で黒字計画
  • 効率・資本性
    • ROE(実績):1.78%(一時要因で低位)
    • 自己資本比率:64.6%、D/E約8.8%、流動比率約199%(健全)
    • 現金同等物:112.7億円、総有利子負債:23.4億円(ネットキャッシュ)
  • キャッシュフロー:四半期CFは未開示(短信)。ネットキャッシュ基調は良好

9. 株主還元と配当方針

  • 配当(実績・予想)
    • 2025/3:年間52円
    • 2026/3(会社予想):年間38円(2円の記念配当含む)
  • 予想配当利回り:約3.51%(株価1,083円)
  • 予想配当性向:38円/EPS 70.56円 ≒ 約54%
  • 自己株式:7.96%(過去の取得実績の蓄積とみられる。新規の自己株取得計画は本データでは不明)
  • 権利落ち予定:2026/3/30(予定)

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週変化率:-16.1%、低β(0.19)でディフェンシブ性が高い一方、上昇局面での追随は限定的
  • トピック:
    • プライム企業の「日英同時開示」義務化は翻訳・運用受注の追い風
    • 電子提供制度の進展や個人株主数の変化が制作物(部数・ページ)に影響
    • 前年の投資売却益反動など一過性要因が通期指標(ROE等)に影響

11. 総評

  • ディスクロージャー・IR支援というニッチだが不可欠な領域で、システム・BPO・制作を統合した提供体制が強み。規制変更(日英同時開示)や業務効率化ニーズの取り込みが進展。
  • 紙媒体のページ数減少は構造的課題だが、電子化・BPO・イベント・DB等のサービス拡充で補完。季節性が強い点と外部環境(市況・IPO・規制)の影響には留意。
  • 財務基盤は堅健(高自己資本比率・ネットキャッシュ)。バリュエーションはPERで業界平均並み〜やや上、PBRは1倍前後。配当は予想利回り約3.5%で安定性がうかがえる。

(注)本資料は提供データに基づく客観的整理であり、投資助言ではありません。一過性損益の影響には注意していますが、最新の開示で修正があればそちらを優先してください。

12. 企業スコア

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上+2.9%、3年CAGR約+5〜6%、1Qも+1.2%
  • 収益性:B
    • 根拠:2024年度の営業利益率約8%・EBITDA率約17%と標準的。LTMの純利益率は一時要因で低下
  • 財務健全性:S
    • 根拠:自己資本比率64.6%、D/E約8.8%、流動比率約199%、ネットキャッシュ
  • 株価バリュエーション:B
    • 根拠:PERは業界平均比でやや上、PBRは平均以下、EV/Sは0.7倍程度(業界平均データなしのため中立評価)

【参考データ(抜粋)】
– 株価関連:株価1,083円、時価総額300億円、PER15.35倍、PBR1.04倍、配当利回り3.51%、年初来高値1,351円・安値1,061円
– 直近期(2026/3 1Q):売上119.4億円(+1.2%)、営業利益31.7億円(-2.0%)、親会社利益21.8億円(前年は投資売却益の反動あり)
– 期末イベント(予定):配当権利落ち 2026/3/30


企業情報

銘柄コード 7893
企業名 プロネクサス
URL http://www.pronexus.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – その他製品

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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