円谷フィールズホールディングス(2767)企業分析レポート
株価:1,985円(2025-11-07終値)
市場:東証プライム/33業種区分:卸売業(参考:Industry=Gambling, Sector=Consumer Cyclical)
時価総額:約1,298億円
1. 企業情報
- 事業概要
- アミューズメント機器(パチンコ・パチスロ:PS)の企画・開発・販売が中核。企画開発力と版権活用に強み。
- コンテンツ&デジタル事業(円谷プロダクションなど)で映像・ライセンス・物販(MD)・イベント・CG制作等を展開。代表IPは「ウルトラマン」。遊技機向けでは「エヴァンゲリオン」等の有力IPを活用。
- その他にフィットネス運営、インターネット情報サービス、不動産管理など。グループ名は2022年10月に「円谷フィールズホールディングス」へ変更。
- 事業構成(参考)
- 2025.3期実績目安:アミューズメント機器約87%、コンテンツ&デジタル約11%、その他約1%
- 2026年3月期上期(2025/4-9):売上高 959億円のうちアミューズメント機器が約91.6%を占め、利益寄与も同セグメントが中心。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内PS機の企画・販売で上位グループ。大手IPの獲得・活用能力、販売網、増産対応力に強み。
- コンテンツ起点で遊技機・物販・イベントに波及させる循環型モデルを志向。
- 市場シェア(当上期・会社開示)
- 販売台数約159,802台(パチンコ69,569/パチスロ90,233)。台数ベースで約20.7%。
- 競争優位性と課題
- 優位性:著名IP(ウルトラマン、エヴァなど)の継続的活用、IP×遊技機の連動、増産対応、収益性の高いタイトルの多さ。
- 課題:ヒット依存の変動性、中国を含む海外ライセンスの変動、国内PS市場の構造的縮小リスク、規制や部材供給の影響。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/基本方針
- 「IPを中核とした循環型ビジネスモデル」。コンテンツ価値を起点に、遊技機・MD・イベントへ波及し収益化。
- 中期的重点施策(開示要点)
- グローバル展開・ライセンス強化(越境EC、海外MD、イベント拡大)
- 円谷プロを軸としたIP拡張(ウルトラマン60周年施策〜2027年12月)
- アミューズメント機器のタイトル強化と供給安定化(人気機種の増産・新台投入)
- 2026年5月にグループIP事業戦略の具体案を発表予定
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- コア収益はPS機の販売台数・ヒットタイトルに依存。高採算タイトルが出ると営業利益率が上振れ。
- コンテンツ&デジタルはライセンス・MD・映像・イベントで多角化し、PS依存度の緩和を志向。
- 適応力
- 上期は海外(特に中国)ライセンスが減少した一方、MD・イベントは伸長。消費・規制・海外需要変動に応じたポートフォリオ調整が進展。
- ただし現状は売上・利益ともアミューズメント機器依存が高く、ヒット循環の波を受けやすい。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・開発の動向
- 新枠・新規則対応機やスマートパチンコ・スマスロ対応など、筐体・制御のデジタル化が進展。映像演出・可動・出玉設計の最適化と、IP演出の一体化が差別化要因。
- 主力/収益牽引タイトル(上期)
- e シン・ウルトラマン、L パチスロ 機動戦士ガンダムSEED 等。前期ヒット機の増産が寄与。
- 下期以降は新機種(エヴァ新作等)の展開に向けたプロモーションを進行。
6. 株価の評価(バリュエーションの客観比較)
- 会社予想EPS(通期):205.71円
- 予想PER:1,985円 / 205.71円 ≈ 9.65倍(提示値と一致)
- 実績BPS:924.64円
- PBR:1,985円 / 924.64円 ≈ 2.15倍(提示値と一致)
- 参考(LTM指標)
- LTM EPS:286.35円 ⇒ LTM PER ≈ 6.9倍(参考値)
- 業界平均との比較(参考:業界平均PER 12.1倍、PBR 1.0倍)
- PERは業界平均比で低位、PBRは平均超。ROE(実績22.6%)は高水準。
- 補助指標(概算)
- EV ≈ 時価総額1,298億 − 正味現金263億(現金364億−有利子負債100億) ≈ 約1,035億円
- EV/Sales(LTM1908億/会社予想1700億) ≈ 0.54〜0.61倍
- 配当利回り
- 年50円(会社予想) ⇒ 2.52%(5年平均2.08%を上回る水準)
- 参考水準比較(単純計算)
- 業界平均PER(12.1倍)× 会社予想EPS(205.71円)⇒ 約2,490円
(注)上記は提供データに基づく機械的比較であり、投資判断を目的としません。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 直近10営業日で終値は2,227円 → 1,985円へ下落基調。短期は下向き。
- 50日線:2,230.6円、200日線:1,999.9円。株価は50日線を下回り、200日線近傍。
- 位置づけ
- 年初来高値2,498円比で約−20%、年初来安値1,460円比で約+36%。中位〜やや下方レンジ。
- 需給
- 信用買残119.2万株・倍率45.1倍と買い長。調整局面では需給の重さに留意。
- 出来高は3カ月平均49.4万株に対し直近10日平均56.5万株で増加傾向。
8. 財務諸表分析
- 成長性
- 2026年3月期上期:売上高959億円(前年比+109.7%)、営業利益135.9億円(+233.9%)。
- 通期予想:売上高1,700億円(前期比+20.9%)、純利益128億円(+14.7%)。
- 収益性(上期・LTM目安)
- 売上総利益率:約25.4%(上期)、営業利益率:約14.2%(上期)/LTM営業利益率:約14.3%
- 純利益率:約10.0%(上期)/LTM純利益率:約9.4%
- ROE:実績22.63%/LTM 32.60%(提供値)。高水準。
- 安全性・効率性
- 自己資本比率:51.6〜51.7%(健全)
- 流動比率:約2.40倍、有利子負債/資本(D/E)約16%(低位)
- 営業CF:199.5億円、レバードFCF:134.8億円(LTM)。潤沢なキャッシュ創出。
- 過去推移(参考)
- 売上高:949億円(2022/3)→ 1,171億(2023/3)→ 1,419億(2024/3)→ 1,705億(2026/3期会社予想)
- 純利益:24.7億 → 82.2億 → 116.9億 → 128.0億(予想)
- 3年CAGR(売上):約14%前後
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 年間予想配当:50円(中間無配・期末50円)/配当性向:約17.5%(提供値)
- 5年平均配当利回り:2.08%(現状は2.5%台)
- 自社株
- 自己株式:約4.9%保有。直近の新規自己株買い実施は資料上の確認範囲では記載なし。
- 方針
- 収益成長に応じて安定的な配当実施を基本に、機動的な株主還元の余地(強固な財務・CF)を確保している点がうかがえる。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 短期は下押しの勢いが継続。2,000円近辺の攻防、2,230円(50日線)付近が戻り目安。
- 投資家関心・需給
- インサイダー保有45%・機関35%で浮動株は限定的(約3,254万株)。信用買いの積み上がりにより短期の価格変動性が高まりやすい構造。
- 影響要因
- 新台の販売動向・増産計画、下期の大型IP新作(例:エヴァ)期待、海外ライセンスの回復度合い、為替・規制動向、セクター地合い等。
11. 総評
- 収益基盤はアミューズメント機器が中心で、人気IPを梃子にした高い収益性とROEが特徴。上期は前期ヒット機の増産効果と新台寄与で大幅な増収増益となり、営業CF・FCFも強い。
- 一方、事業ポートフォリオは依然としてPS偏重で、ヒット循環や規制、部材供給、海外ライセンス(特に中国)など外部要因による変動にさらされやすい。コンテンツ&デジタルのMD・イベント拡大はリスク緩和に寄与。
- バリュエーションは予想PERで業界平均比低位、PBRは平均超。高ROE・ネットキャッシュ基調を踏まえると一定の説明は可能。短期テクニカルは200日線近辺での攻防、信用需給の影響に留意。
- 2026年5月のIP事業戦略の具体化、下期のタイトル投入状況が次の業績モメンタムの焦点。
(注)本レポートは提供データの整理に基づくもので、投資助言を目的としません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 上期売上+109.7%、通期予想も増収。3年CAGRもプラス。
- 収益性:A
- 営業利益率14%前後、ROE高水準。業界水準を上回る目安。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率約52%、流動比率2.4倍、D/E約16%、ネットキャッシュ基調、CF強固。
- 株価バリュエーション:B
- 予想PERは業界平均を下回る一方、PBRは上回る。EV/Sは0.5〜0.6倍程度で中立〜やや割安寄りのレンジ感。総合的に中立評価。
【参考データ抜粋】
– 2026年3月期上期:売上高959.5億円、営業利益135.9億円、純利益95.5億円
– 通期会社予想(2026/3):売上1,700億円、営業利益180億円、純利益128億円、EPS 205.69円、配当50円
– 株価指標:PER(予想)9.65倍、PBR 2.15倍、配当利回り2.52%、ROE(実績)22.63%、自己資本比率51.6%
– テクニカル:50日線2,230.6円、200日線1,999.9円、年初来高値2,498円/安値1,460円
– 信用:買残119.2万株、倍率45.1倍(買い長)
企業情報
| 銘柄コード | 2767 |
| 企業名 | 円谷フィールズホールディングス |
| URL | https://www.tsuburaya-fields.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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