伯東(7433)企業分析レポート
最終更新日: 2025-11-09
1. 企業情報
- 概要: エレクトロニクス専門商社。半導体デバイス・電子部品の販売、半導体/FPD/パワーデバイス向け製造装置などの電子・電気機器の取り扱いに加え、工業薬品(防食剤・抄紙薬品等)や化粧品基剤(自社ブランド「TAEKO」)の製造・販売も併営。開発提案型の営業や自社製産業機器の強化が特色。
- 事業構成(連結、2025.3期実績の概況):
- 電子部品: 78%(セグメント利益率概算: 約2%)
- 電子・電気機器: 15%(同: 約9%)
- 工業薬品: 6%(同: 約6%)
- その他: 1%(赤字)
- 海外売上比率: 39%(2025.3)
- 上場区分: 東証プライム(卸売業)
- 従業員: 1,338名、平均年齢44.3歳、平均年収945万円
- 本社: 東京都新宿区
- 代表者: 宮下 環
主力は電子部品および半導体・電子部品製造装置分野で、化学・化粧品材料等を含む複合ポートフォリオで景気循環の緩和を図るモデル。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 日系の中堅・専門性の高いエレクトロニクス商社。半導体製造装置やパワーデバイス/化合物半導体関連など装置・材料両面の取り扱いが強み。開発・評価など上流工程に近い「技術提案型」の商社機能を持つ。
- 競争優位性:
- 半導体/電子部品の川上~川下に跨る幅広い商材網と、装置・薬品を含むクロスセル能力
- 海外展開(インド子会社設立など)による調達/販売チャネルの拡張
- 自社製産業機器を持つ点(商社に依存しない付加価値源泉)
- 課題:
- 半導体・車載・EVバッテリー等の景気/設備投資循環の影響が大きい
- 顧客在庫調整や装置納期延伸による短期の変動
- 低い粗利率になりやすい商社モデル特性(価格競争、為替影響)
(注)定量的な市場シェアは開示データからは不明。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(開示情報・定性コメントより整理):
- 半導体・データセンター関連の構造的需要(AI/メモリ)を取り込む
- 自社製産業機器・計測/評価など技術領域の付加価値を強化
- 海外(特にアジア)での販売・調達体制を拡大(インド新会社など)
- ポートフォリオの分散(化学・化粧品基剤の拡大等)で景気循環耐性を向上
- 中期施策の例:
- 顧客の在庫調整後の回復需要に向けたサプライ体制の維持
- 半導体製造/パワーデバイス/化合物半導体分野の装置・材料提案力強化
- 化粧品基剤など非エレクトロニクス分野の収益化深化
(注)数値目標など具体的な中計KPIは短信等からは不明。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 商社マージン+装置・評価の技術サービス、自社製機器や化学品の製造販売。景気敏感な一方、装置・材料・薬品の複合収益源と海外展開でボラティリティを抑制。
- 適応力:
- AI/データセンター、パワー/化合物半導体など成長領域に商材を保有
- 化学・化粧品基剤の伸長で分散化
- LTM営業CF・フリーCFがプラス(営業CF 142.5億円、LFCF 123.2億円)と投資余力を確保
5. 技術革新と主力製品
- 技術/製品領域:
- 半導体/化合物半導体/FPD向け製造装置、ナノテク装置、真空機器、光学・計測機器
- 電子部品(車載、情報通信、モバイル、RFID、EMI/サーマル対策等)
- ケミカル(防食・抄紙・ボイラー、ポリマー抑制剤、化粧品基剤「TAEKO」)
- 収益牽引:
- セグメント売上比率では電子部品が中核(78%)
- 利益率面では装置(電子・電気機器)やケミカルが相対的に高め(中間期利益率目安: 装置約9%、ケミカル約6%)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:
- 株価: 3,815円、時価総額: 約806億円
- 予想EPS: 260.33円、実績BPS: 3,522.48円
- 業界平均: PER 12.1倍、PBR 1.0倍
- 指標比較:
- PER(会社予想): 14.65倍(業界平均を上回る)
- PBR(実績): 1.08倍(業界平均をやや上回る)
- EV/Sales(LTM): 約0.56倍
- EV概算: 806億 + 有利子負債365億 − 現金179億 ≒ 992億円
- 売上高LTM: 1,771億円
- 配当面:
- 予想配当: 年200円(予想利回り約5.24%)
- 予想配当性向(概算): 200円 / 260.33円 ≒ 約77%
- 過去実績: 年間260円 → 今期予想200円(減配見通し)
(注)割安/割高の断定は行わず、平均比の位置づけのみ記載。
7. テクニカル分析
- 短期トレンド: 直近10日で3,735〜3,870円レンジ中心のもみ合い。11/7終値3,815円はレンジ上限付近。
- 移動平均:
- 50日線: 3,902.6円、200日線: 3,971.8円
- 現在値は両移動平均を下回る水準(中期は下押しバイアス)
- 位置づけ:
- 年初来高値4,640円から約−18%、安値3,330円から約+15%でレンジ中腹〜やや下側
- 出来高/信用:
- 本日の出来高3.66万株は3カ月平均6.25万株を下回る
- 信用倍率7.13倍(買い残優位)。需給の一方向性に留意
(注)売買シグナルの提示は行いません。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上高LTM: 1,771億円(前年比 −8.3%)
- 2026/3通期予想: 売上1,860億円(+1.6%予想)
- 収益性(LTM):
- 粗利: 266.7億円(粗利率 約15.1%)
- 営業利益率: 3.41%
- 当期純利益率: 2.58%
- ROE: 実績7.81%(LTM 6.94%)、ROA 2.86%
- キャッシュフロー/資本構成:
- 営業CF: +142.5億円、LFCF: +123.2億円
- 現金同等物: 178.9億円、有利子負債: 364.8億円、ネット有利子負債: 約185.9億円
- ネット有利子負債/EBITDA ≒ 2.36倍(EBITDA 78.9億円)
- 流動比率: 2.15倍、自己資本比率: 50.3%、D/E(簿価): 約55%
- セグメント(2026/3期上期):
- 電子部品: 減収・大幅減益(車載の反動減、EVバッテリー不調、通信/モバイル回復遅れ)
- 電子・電気機器: 減収減益(装置納期延伸、投資抑制)
- ケミカル: 増収・黒字化(化粧品基剤の回復)
総じて、売上は調整局面だが、CFと財務基盤は安定的。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 今期予想 年200円(中間100円・期末100円)
- 実績: 前期 年260円 → 今期予想は減配
- 配当利回り(予想): 約5.24%(直近株価ベース)
- 配当性向: 予想約77%、直近実績ベース約95%
- 自社株: 自己株式比率 10.98%(保有残高は厚め)
- 自社株買い: 直近短信に具体的な新規記載は確認不可(不明)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 年初来で中段下方レンジ。50/200日線を下回る推移でトレンドはニュートラル〜弱含み。
- 流動性・オーナーシップ:
- 3カ月平均出来高6.25万株、フロート1,255万株
- インサイダー等の持株比率38.82%と高く、浮動株は相対的に限定的
- 関心材料(業績連動の可能性がある要因):
- データセンター/AI関連投資、メモリ市況
- 車載・EVバッテリー需給、設備投資の再開時期
- 為替、地政学、トレードポリシー(関税)動向
11. 総評
- 事業: 半導体・装置・化学を横断する専門商社モデルで、技術提案力と自社製機器を持つ点が特徴。海外展開も進展。
- 業績: LTMでは減収・低マージンだが、ケミカルの回復やCFの改善がみられる。財務は自己資本比率50%台、流動性も十分。
- 株価/需給: PER/PBRはいずれも業界平均をやや上回る水準。株価は移動平均線下で推移し、短期はレンジ内の保ち合い。信用買い残優位に留意。
- 注目ポイント: 在庫調整や装置納期の正常化タイミング、AI/データセンター向け需要の持続、車載/EVの回復度合い、非エレクトロ分野の収益寄与。
(本レポートは公開データに基づく客観的整理であり、投資判断を推奨するものではありません。)
12. 企業スコア
- 成長性: C
- 根拠: LTM売上成長率(YoY)−8.3%。通期は+1.6%予想だが、直近期は調整局面。
- 収益性: B
- 根拠: 粗利率約15%、営業利益率3.4%、EBITDA率等は平均的水準と整理(業界比較データ不十分のため中立)。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率50.3%、流動比率2.15倍、D/E約55%、ネット有利子負債/EBITDA約2.36倍。
- 株価バリュエーション: C
- 根拠: PER14.65倍・PBR1.08倍はいずれも業界平均(PER12.1倍、PBR1.0倍)を上回る。EV/Sは約0.56倍。
参考データ(主要数値)
- 株価レンジ: 年初来高値 4,640円 / 安値 3,330円
- 直近株価: 3,815円(終値)
- 予想EPS: 260.33、実績BPS: 3,522.48
- LTM指標: 売上1,771億円、粗利266.7億円、EBITDA78.9億円、純利益45.6億円
- ROE/ROA(LTM): 6.94% / 2.86%
- 自己資本比率: 50.3%
- 今後の主なイベント: 権利落ち日(予定)2026-03-30
不明項目・不足データは記載を省略しています。
企業情報
| 銘柄コード | 7433 |
| 企業名 | 伯東 |
| URL | http://www.hakuto.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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